いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本の法人税。 the juridical person tax in japan

2015-12-05 20:02:07 | 日記
 (1)日本の法人税(実効税率 the juridical person tax)は欧米に比べて高いといわれている。欧米では20%台かそれ以下が主流だが日本の法人税は30%台で政府は欧米並みを目指して段階的に減額する方針だ。

 デフレ脱却を目指して企業の賃上げ、設備投資を促すために法人税の減税で効果を波及させようというものだ。企業は数百億円ともいわれる内部留保を貯め込んでおり、さらに法人税減税効果で政府は大企業優遇、経済最優先政策を推し進めようとしている。

 (2)日本の法人税が欧米に比較して桁違いの高さなのは専門的な見地からみればいろいろあるのだろうが、戦後日本が経済復興を目指して高度経済成長戦略の中で国が公共事業投資を拡大して企業活動を支援して、その見返りとして高い法人税負担を企業に求めて国の財政均衡をはかろうということが考えられる。

 日本の法人税の高さは、これまでの国と大企業中心の経済界との相互依存、協力関係に根差したものだ。

 (3)自民党長期政権時代には大企業の政治献金による政権とのゆ着構造が既得権益保護の腐敗政治を生んできたが、法人税の高さは国と企業との持ちつ持たれつの関係の象徴でもあった。

 国の税制度はそれぞれの歴史、文化、社会の特性、特徴の中で仕組まれるものであり、一概に他国と単純比較して正当性、整合性が論じられるものではない。
 日本の消費税で見れば現在8%で、欧米の20~30%台と比べれば格段に低い数値だ。欧米社会は国民が等しく高負担するする中で、社会保障や医療での大幅なサービス強化、負担軽減(医療費ゼロなど)をはかっているもので、高負担高福祉、医療の理念が定着した社会基盤にある。

 (4)日本の場合には浅く広く国民の福祉、医療を支えることが公平で平等な支援という社会制度だ。教育でも初等、中等教育の義務化は全国共通のものとして日本の特徴でもあるが、大学まで含めた国の教育投資は世界と比較して低いといわれて世界大学ランキングでも常に下位に低迷する原因ともなっている。

 日本の法人税の高さはこれまで国が大企業中心の企業社会優遇、優先政策を推し進めてきた結果のものであり、単に成り立ちの違う欧米社会と比較して高い、低いを論じられるものではない。

 (5)国民には物価上昇2%達成目標を掲げてあからさまに消費税引き上げによる負担増を強いておいて、高い内部留保に企業業績回復基調の企業には国の財政不安の中、法人税減税でさらに支援しようというのは説得力がない。

 安倍内閣はそもそも大企業優遇による経済最優先政策を通して大企業収益分を国民生活、地方にトリクル・ダウン(trickle down)させて経済安定をはかるという経済循環構造を主張しており、国民生活二の次の政策理念をあからさまにしている。

 (6)その思惑は企業の内部留保ばかりが増えるという結果となって、各種経済指標データの悪化につながって景気回復効果は破たんしている。そうしての政府あげての経済界への賃上げ、設備投資要請の中での見返りとしての法人税減税方針だ。

 高度経済成長に期待する時代は過去のものであり、低成長(あるいは安定不況)時代の社会構造の変革は必要なもので、その中で法人税減税も企業活動を支えるものとして方策ではあるが一方で日本の少子高年令化社会は世界的にも類を見ないものであり、将来の社会保障、医療、介護の国民負担増対策を考えるならば、国が最優先、優遇で支える企業の収益による税投資は財政政策支援には必要な原資だ。

 (7)米国では世界を代表する若いIT企業の代表が娘の誕生で持ち株の99%を社会に放出還元するという破格の企業理念もある。
 政府は国民に消費税引き上げで負担増を強いる対価として、企業にも高い法人税で応える姿勢を示すのは日本としてはあるべき姿だ。

 企業としては政府の保護政策で十分に経済体力を備えている。

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