いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民すべてに問う。 ask the all of nation

2015-12-03 19:58:36 | 日記
 (1)古くていつも新しい問題、課題の沖縄米軍基地問題は政府による代執行訴訟に発展し、2日に第1回口頭弁論が開かれた。沖縄からは翁長知事が出席して意見陳述をした。
 「沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるのか。『国民の皆様すべてに問いかけたい』」(報道)の言葉には、国民として胸に深く刻まれて胸が痛む想いがある。

 翁長知事の前知事の辺野古埋め立て承認取り消しを差し止める代執行訴訟を起こした政府の菅官房長官は、「民主国家としての手続きはしっかり踏んだ」(同)と手続きの正当性を主張してみせた。

 (2)沖縄米軍基地問題は日本の米軍基地の70%以上も沖縄に集中して、普天間飛行場は住宅密集地域に隣接して危険度は極めて高く、さらに日米地位協定で沖縄県民の生活権の不平等(unequality)、不公平性は人権無視の劣悪な環境に置かれて、本土復帰後半世紀近くが過ぎる。

 政府は憲法に保障された国民の文化的な生活権を沖縄県民には過度の米軍基地負担を強いて、阻害、差別化して何ら半世紀近くも改善策を施してこなかった責任がある。

 (3)それは手続き論や国策優先で語られるものではなく、沖縄の苦痛と苦難にどれだけ寄り添えるかの人権上、人道上の問題だ。
 手続き論正当性を主張するだけなら、拉致問題でのこれまでの国家的犯罪を自ら認めながら解決済みとして取り合わなかった北朝鮮の理不尽(unreasonableness)な態度と同じだ。
 沖縄の米軍基地過重負担の問題は、大変むずかしい問題だ。

 (4)米国、米軍が国際協調主義あるいは軍事先端的近代化整備の時代を考慮して、米軍沖縄基地を国外に移転してくれれば問題は解決に向かわせるが(それはそれで日米安保条約にもとづく軍事同盟の見直しにより、安保法制以上の日本独自の国防防衛体制強化の必要性に迫られる)、中国の東シナ海、南シナ海軍事進出強化にともない米軍による沖縄基地の存在感、役割の必要度も高まったとみられている。

 仮に本土に代替候補地(一時大阪が立候補した)が出たとしても、米軍の軍事戦略上基地(普天間飛行場)ごとの移転の可能性は極めて小さくて、米軍が自主的に沖縄基地を海外に移す(若干の要員はグアム基地へ移転する)考えもなくて日米合意で普天間飛行場の辺野古移設をすでに決めている。

 (5)官房長官は夏に辺野古沖埋め立て調査工事を一時中断して1か月間沖縄県側と協議をした時に、辺野古移設反対表明の翁長知事に普天間飛行場の危険回避をどうするのか何度も(報道)聞いたが返事はなかったと述べており、辺野古移設問題が長引いて普天間飛行場の危険回避が進まない場合の解決策をどうするのかの問題は国、沖縄双方にある。

 普天間飛行場のある宜野湾市からは早期移設の要請も高まっており、幾重にも絡み合った複雑な沖縄米軍基地問題だ。

 (6)政府が検討してきた沖縄振興策との引き換えの米軍基地過重負担は半世紀の改善停滞ですでに行き詰まっており、残る現実的解決策は「将来的」に沖縄米軍基地の国外移転を「担保(security)」した当面限定の辺野古移設しかないのではないか。

 政府の手続き正当論、日米合意による意思決定論を全面に出しての沖縄過重負担押しつけは、この問題の国と沖縄双方にとって何の利益ももたらさない。

 (7)国と沖縄との当事者対立は法廷闘争に持ち込まれて今後さらに追加闘争も言われており時間ばかりが過ぎる。ここは「国民(の意思)」が間に立って双方の調停役となる決意が必要だ。

 沖縄米軍基地問題で米国が日本の足元をみた安閑とした対応をしているのは、国民的議題、総意としてとらえられていないからだ。

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