いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トランプ第一主義。 trump , first

2019-05-13 20:17:57 | 日記
 (1)米国トランプ大統領は北朝鮮が米国本土を射程距離にする弾道弾ミサイルの開発、実験をくり返していたことに脅威を感じ、ミサイル実験の中止とひきかえに北朝鮮の望む米朝首脳会談を実現させたのは自国の安全保障上ありうることだった。

 弾道弾ミサイルはこれを迎撃するのは50%の確率といわれて、ひとたび北朝鮮が米国本土めがけて発射すれば、今の技術能力では米国本土に到達する前に撃ち落とすことは50%と低い。

 (2)トランプ大統領は北朝鮮の完全非核化に向けた2回の米朝首脳会談を実施したが、北朝鮮が手の内を隠してこれに応じない(色よい返事をしない)ことから物別れ、決裂に終わり、北朝鮮は打開に向けて今月に再びミサイル発射実験の再開に踏み切った。

 今回再開したのは射程距離の短い短距離ミサイルとみられて、米国は国連決議に反するものではないとして問題視しない方針だ。

 (3)トランプ大統領は10日、「短距離なので義務違反とはみなさない。ありふれた短距離ミサイルでごく普通のものだ」(報道)と問題視しない考えを示した。米国にとっては米国本土を射程に入れたミサイル発射、実験でなければ問題はないという考えだが、同盟国関係にある日本、韓国にとっては短距離ミサイルであっても直接危険被害が及ぶものであり、岩屋防衛相は「国連安保理決議に違反しており、誠に遺憾だ」(同)と抗議して日米両国の対応に大きな違いをみせた。

 (4)トランプ大統領が朝鮮半島情勢の変化、激化で本当に同盟国関係の日本、韓国を守ることになるのか、今回の北朝鮮ミサイル発射実験再開に向けた対応では不安、信頼が置けないものだ。

 日米安保条約でも米国は日本国内に米軍基地を置いて中東戦争にも出撃基地化しており、これに敵対国からの攻撃でいざというときには本当に日本を守ることになるのかは問題視される見方もついてまわり、トランプ大統領も駐留米軍基地の維持費の負担増を安全保障の見返りとして要請する考えも示しており、韓国では負担増が現実のものとなっている。

 (5)今回の北朝鮮による短距離ミサイル発射実験へのトランプ大統領の発言をみていると、米国本土に危険影響が及ばない限りはいざというときには日本も韓国も自国で防衛を負担するものだとの認識もうかがえるものだ。

 「防衛」の本質はそういうものだともいえるが、安倍首相がトランプ大統領と日米安保条約にもとづく日本の防衛についてどういう共通認識にあるのか国民にはよくわからない。

 (6)尖閣領有権問題では米国は日米安保条約の範囲内の問題だとの認識は表明しているが、北朝鮮のミサイル発射実験の脅威に対しては「考え」は別なのか、今回のトランプ大統領の「考え」はあきらかに米国本土が射程距離のものでなければ「ありふれたミサイル」として安全保障上問題はないと受け取られるものだ。

 (7)政治も軍事も経済も協定もトランプ大統領の気ままな思い付きで関係が変化、崩壊していく世界観では、何が起きても不思議ではない。

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