いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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消費増税の必要性。 necessity of increase of the consumption tax

2019-05-15 20:35:11 | 日記
 (1)昨年は日本の景気好調は戦後最長を記録したと胸を張った政府だが、その後賃金統計などで政府の不適切なデータ処理が発覚して経済統計の信頼性が揺らいで国会で問題となったが、政府は正しいデータ処理による統計の発表をしなかった。

 今年3月の景気動向指数では、景気は2013年1月以来6年2か月ぶりに「悪化」し「後退局面にある可能性が高い」(報道)と発表した。

 (2)米中貿易戦争による相互の関税25%引き上げで、日本企業からも中国で製造した製品が米国で売れない危惧から中国から工場撤退を表明するところもでてきた。
 米中関税25%引き上げ対抗措置は日本にとっても経済動向、景気判断にさらに影響が出てくる可能性は高い。

 (3)安倍政権は10月消費税10%引き上げを前提として景気対策を含めて初めて100兆円を超える令和元年大型予算を成立させ、消費税増税財源を教育無償化に充てるとして幼保無償化支援法を成立させた。

 安倍首相は幼保無償化支援法は「消費税率引き上げを前提として実施する」(委員会発言)と述べている。

 (4)ここまできて10月消費税10%引き上げは避けようもない事態で進んではいるが、自民党内では「経済がやや失速気味と感じる数字に変化があれば敏感に考えるべきだ」(幹事長代行)との消費増税見直し発言も出て、一方「現状はリーマン・ショック級の出来事にはあたらない。引き上げられるべく環境整備を行う」(政調会長)と増税支持発言もある。
 菅官房長官からは消費増税に慎重な発言もみられる。

 (5)市場は前回17年4月消費税10%引き上げ予定(2度目の延期となった)の当時ほど話題にならずに複雑な軽減税率対策など進んでいるのか、国民のなかでも関心は高いとはいえない。

 幼保無償化支援法を成立させて、これは消費増税(increase of the consumption tax)が前提のものと安倍首相が言及する以上、10月の消費増税をさらに延期するなどすれば同支援法も廃案にしなければならずに国民の間には混乱を招くことになる。

 そこに出てきた6年2か月ぶりの景気悪化指数の発表であり、米中相互の関税25%引き上げ対応だ。

 (6)このままの状態、準備で10月消費増税が出来るのか、いらぬ心配なところでもあるが、政府、与党としてはすでに5か月に迫った消費増税についてはっきりとした実施態度を示すべきだ。

 政権自民党で増税見直し、支持の二分する発言が出てきてどちらともわからないような状況の中で、政府は関連法だけは成立させ施行は消費増税が前提とあいまいな発言では国民、市場に混乱をもたらすだけで、安倍政権にとっても夏の参院選を控えて不利な判断となるだろう。

 (7)これまでの政府の少子化対策の無作為政策のツケを国民負担に押し付けるのは賛成できないが、国家累積赤字1000兆円を超え、社会保障、教育投資の必要性を考えれば消費増税はやむを得ないところにきており、しかし国会も議員報酬、定数の思い切った削減は避けられずに責任を果さなければならない。

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