いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

所信表明の遅れ。 lateness of belief expression

2020-10-21 19:55:33 | 日記
 (1)政権が代われば首相は国民(主権)に所信表明をして、自らの政治理念、信条、政策、方針、考えを示すことになるが、自民党長期政権時代はおしなべて首相就任3~5日、せいぜい長くて2週間ぐらい(報道)で国会で所信表明演説を行っているが、近年は本格的政権交代を果した民主党鳩山首相の40日は別にして、安倍首相(第2次政権)は33日、今回の菅首相は今月26日の臨時国会で40日の長期を要することになった。

 (2)かっての自民党長期政権は保守思想寄りの基本政策、方針に変わりがなく、有力な後継実力者も絶えず複数いて、政権交代がたらい回しのような政治状況もあって準備、心構えが整っていたこともある首相就任から短期日での国会での所信表明だったと考えられる。

 それだけ近年の政治状況は先が読めずに既得権益独占、派閥力学の合従連衡の影響が大きくなっている、左右する現実だ。

 (3)菅首相は当初は安倍前政権を官房長官として支えてきたことから総裁選には興味を示さずに、しかし安倍前首相の突然の辞任表明を受けて同じく安倍総裁、政権を支えてきた二階幹事長に接近して立候補の意向を伝えて協力を得てその後の5派閥支持の流れをつくり、総裁選前に早々と後継総裁の大勢に決着をつけるという早業だった。

 (4)この時点では総裁、首相としての国を率いる基本理念、政策、方針、考えなどまとまっていなかったことが想像されて、首相就任後も官房長官時代に取り組んできた携帯電話料金の値下げをさっそく総務相に指示し、コロナ対策の給付、支援の遅れが行政IT、デジタル化の遅れと指摘されたことを受けてのデジタル庁設置というもので目新しいものはみられていない。

 (5)菅首相はこれまでの官房長官として外交手腕が未知数ということもあり、首相所信表明には外交は大きな基本理念のひとつとなるものだけに、慎重に時間を要するものだった。このためか菅首相は国民に所信表明をする前に18日からベトナム、インドネシアを訪問して実績づくりを兼ねたとも考えられる。

 (6)南シナ海に軍事進出する中国包囲網、けん制の連携、協力の目的、意味のある外国訪問ではあるが、中国習近平国家主席の国賓としての訪日がコロナ影響で延期されている中でのこの時期でのベトナム、インドネシア訪問は唐突な感じだ。

 歴代首相で所信表明前の外国訪問は国民、国内政治重視からもほとんど例がない。首相就任は政治家として野望、野心、頂点ではあるが、近年政治は政治家個人の資質、適性よりは周囲を取り巻く政治勢力、派閥力学の意向が強く働く、影響する傾向にあり(大物実力政治家が減った)、実害のない政治家の擁立で政治のダイナミズム(dynamism)、基盤のもろさにつながっている。

 (7)自らの選択、判断とはいえ、国民(主権)の不幸だ。

 

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