ケケケケケ
また来たのかオマエ
仕方のないヤつじゃのう
ケケケケケ
ハイ
ホントに仕方のないオレですので
仕方なく札幌巡りを続けておりまして
なにがあっても
「みそ」一択と
口が酸っぱくなるほど言われてきた
コチラのお店で
ではではと
「みそバターコーン」なんて
普段なら
ぜっっっったいヤラないやーつを
所望してみますれば
「ぅ はい」
カウンターの中には
オヤジさんが一人で頑張っていたりして
日曜のお昼ってのもあって
ビール瓶を重ねているオッサンとか
大盛やら小皿やら変則注文を繰り返す家族連れ
続々と来店して
ほぼ満席
「ぅ はい」
「ぅ はい」
「ぅ はい」 と
エヴリシングレシービングな
寡黙なオヤジさんですが
よくこのキャパを
一人で回しているなぁと
感心しながら
どうもこの
スエた香りの水道水
配管の方
ダイジョブなのかしらんと
勘ぐっている矢先
「苦いのでお水替えてもらいますか」
横のニーチャン
オレが言いたくて言いたくて
でも言えなかった一言を
よくぞそこまで
ハッキリと言えるもんだけど
「ぅ はい」
おそらくたぶん
苦いのアゲインであろう
さっきと同じ水を注ぎなおすオヤジさん
この独特を超えた空気ってのが
外様のオレには
どうにも落ち着かないままでしたけど
なんだかスゴいのが来ちゃったぞ!!
久しぶりのバターは
後で溶かして味変で!!
みたいなのが
当初から叶わない設定だったりして
しかし
どんだけコーンなのかと
オマケに
ホントにオマケな
ワカメなのかと
麺とスープが既に上がっているのに
餃子の方を先に上げだしたりして
うおーん
伸びちゃうよー!!
なんて思ってるやおら
中華鍋で何か炒めだしたりして
うおおおーん
伸びちゃうってばー!!
って
炒めていたのが
このコーンだったりしました
そもそも
コーンを炒めるって
オレの生活の中に欠落している行為
一体誰が頼んでいるんだろう
居酒屋メニューの
バターコーンを見つめながら
大勢でもつまめないのに
一人でつまんでいたら
死にたくなるのが
バターコーンというもので
頼む方が頼む方なら
置く方だって置く方だ
ヒドくセンスのない
飲み方飲ませ方をするもんだと
幾度となく思った
遠い日の
養老の滝を
フラッシュバックさせながら
ハイ
予想に違わない
ソフトな仕上がり
間違いなくコレは
平成になる前の
そのもっと
ずっと前の
100円札や
500円札があったころの
関東独自理解型の味噌ラーメン
美味いか不味いかじゃなくて
柔くて
儚い
ああ
卓上ニンニクが
ぶっちゃけ救いにさえ映り
なんとか今日を
やり過ごせそうだけど
僕たちはいったい
どれだけのコーンを
集めて暮らしたのだろうか
そんな暮らしにも
必ず終わりが来るわけで
最後に丼の底の
サルベージを余儀なくされますが
すり鉢に木のレンゲなもんだから
引っかかって引っかかって
集めるのが面倒で
うん
のどが渇く
だけど
お清めのお水が
なんだか
お清まらない気がして
どうにも飲む気にならずに
困ってしまって
550万円を払って
外に飛び出した
太陽の下
公園の水が
まるで甘露のようでした
北海道ラーメン ピリカ (ラーメン / 西武柳沢駅、東伏見駅)