栄楽＠茅場町 「タンメンセット」

メニューの先頭に
ラーメンと炒飯を並べながら
半炒飯を置かないことに
さも是があるかのように開き直る

のとは




真逆にあるところの




金勘定ではないところの




人間性のカタマリような
100円セット




主役であるはずのタンメンが
脇役に回るかのような




このワクワク感ったら
いったいなんぞね




まあ待て
まあとりあえずは
野菜を入れてーの
血糖値コントローリング

とか言いながら
視線の先にはいつだって
脇にたたずむ
サニーサイドアップが輝いていたりして

心ここにあらずで臨みつつも




は (゜д゜lll) っ！！と

啜ったひと口にも
愛が溢れていることに気付きながら




硬めに茹で上げられた
あくまで駄麺ではなく
選ばれし麺様

黒髪のストレートが風になびくように
パラパラっと小気味良く散れながら




およそ90年
愛され続けることの
大きな意味が詰まった一杯


ハイ
そして

そう

そうなんです

そして
メインの時間がやってくるのです




目玉焼き丼の
たまらない時間がやってきたのでした

この逸品に出逢ったのは
忘れもしない
20年以上前の美味しんぼ

「ただご飯に目玉焼きを乗せただけでしょ？」
なんていう浅はかな認識から
目ウロコをバラバラと落としながら
全力で目覚めたあの日

あれ以来
オレもIFCのエア会員ですから
それ相応の愛とこだわりを持って
この逸品に付き合ってきたワケです


ハイ
半熟であることはマスト
なるべく中央に黄身を誘導しながら

あまりに油が多いと
そしてあまり高温に攻めると
アワアワの気泡状に仕上がった基底面の
「切れ」が悪くなって
難儀することになるので注意です


かつて
卵とライスの間に
海苔を挟んだ時期もありました

でももう止めました

味的な意味ではなくて
作法面から
海苔って
意外とジャマだと知りました


さて
オンザライスしたあと
白身の全面にまんべんなく穴を開けていく
ってのがオレのヤリ方

整え終えたら
最後に黄身を破りつつ
黄身直下の白身を貫通させながら

溢れ出した溶岩を
島全体に行き渡らせるように
手首を使うのがコツになります

先ほど開けておいた白身の穴から
アンダーグラウンドライスに
黄身がまんべんなく浸透していくわけです

さて
全面にわたって
白と黄色の
見事なグラデーションが出来上がったら

忘れてはイケナイ
黒のサシ




ココで
死んでイイのはソース派の人たちで
生き残ってイイのは正油派の人たちです

ヤリスギないように
かといって
決して足りなくはないように

どう！！

どうよコレ！！

オレ！！
食う前から
既に出来上がってるけど！！

食ってみちゃったら
オレどうなのよ！！




美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ！！

アナタが愛なら
オレも愛デス

たかが100円に詰まった無限の愛が
そこには今も続いているのでした




痛いまでにドストライク

忘却の彼方への探求は
止める止めないの話ではなく

もはや
オレの生きる意味に
なりつつあるのでした

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