ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

「全然大丈夫」でいられたら

2008-03-30 14:30:17 | 映画


平日、初回の上映を観ていた客は、3人だった。
この映画を観ていたら、竹中直人の「無能の人」を思い出した。
映画の「カラー」が似てるんだよね。

ベタでも、ちゃんと笑えるところや、服や小物の色の使い方なんかが。
出てくるコップが、いつも可愛かった。

そもそも、荒川良々が主演の映画ができるとは思わなかったよ。
彼に似つかわしい、キモおかしい作品だった。

あかりみたいな子は、木村佳乃が可愛いから「大丈夫」なんであって、
あれでブスだったら、イラッとするよ。(笑)
いるよね、久信みたいに「いい人」になってしまう人。
岡田くん、本当にいい人に見えたもの。

でも、秀逸だったのは、ココリコの田中。
仏像修復の芸術家、ハマリ役だった。

あかりが自分の描いた絵を持って、彼を追いかけた時、
途中で出会った子供に「見かけなかった?」って、
彼の特徴を説明するんだけど、肝心な事を言わないんだよ。
でも子供の方が、簡単に言っちゃうの。
「赤い顔の人?」って。
彼の顔には、目立つアザがあった。

ああ、大人って「本当の事」から逃げてるんだって、
先入観の無い子供から、ガーッて来るものを感じて泣けた。
こんな変な映画で、泣くとは思わなかったよ。(笑)

でも、彼が奈良に行ってしまうからって、
チクワ投げつけて、修復した花瓶を壊す、あかりの行動はすごい。
あれを愛情表現だと理解し、
プロポーズしてくれる男は、なかなかいないだろう。
でもそのへんも、田中の芸術家っぷりは、自然に見せてくれた。

とてもユルく、したたかな映画であった。

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2 コメント

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Unknown (かんこ)
2008-03-30 16:57:54
はじめまして、かんこです。
トラックバックしいただいてありがとうございます。
あかりちゃんとこどもの田中を探してるときの
彼の特徴を言うくだり、何気に考えさせられました。
彼の一番の特徴だけれど、「言ってはいけないこと」だからあかりちゃんはそうは言わず
こどもは一番目につく特徴だから良いも悪いもなく言ってしまう。
どっちが正しいかではなくてそうやって大人になるのかな、と感じた場面でした。

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かんこさんへ (マーブル)
2008-04-03 12:27:18
ご訪問ありがとうございました。
観てる時はボンヤリしていたのですが、後からジワジワ面白かったかもと、思えるマニアックな映画でしたね。
返信する

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