続きです。
話を鶴岡八幡宮に戻します。
鶴岡八幡宮での源実朝暗殺事件ですが、犯人は実朝の兄の子である公暁です。
公暁は源実朝と共に自分の父の仇である北条義時も殺すつもりだったが、太刀持ち役の義時は病欠。源仲章が代行して実朝の太刀を持っていた。
公暁は義時と間違えて源仲章を殺害。実朝を殺し首を落として持ち去り、四代目鎌倉殿になるべく三浦義村の屋敷へと急ぐが、三浦義村は公暁を迎え撃ち、公暁は三浦義村屋敷の塀を乗り越えようとしたところで討たれた。
この事件、亡くなったのは三代目鎌倉殿の源実朝、源頼家の子・公暁、そして源仲章。全員、源氏の血筋です。これって偶然でしようか。
もし、人為的ではないとしたら、どう考えられますか。
事件は鶴岡八幡宮で起きたのです。鶴岡八幡宮は関東源氏の守り神です。そんな場所で二人の源氏が殺された。殺した公暁も源氏。その公暁も殺された。
公暁は鶴岡八幡宮第四代別当です。鶴岡八幡宮のトップの存在です。それでも八幡神の御加護は得られなかった。神社で殺人となると神の存在っていったい何なのか。やっぱり祟りを疑ってしまいます。
この暗殺事件と同様の事件が近年にもありました。富岡八幡宮殺人事件です。
先ず父親が富岡八幡宮の宮司をしていた。高齢を理由に息子に宮司の職を譲った。息子はアイディアマンで神社を大きく盛り立てたが、浪費癖が酷くラスベカスでもギャンブルにのめり込んだ。女性関係も派手だった。
それで息子は富岡八幡宮の宮司の職を解任。また父親が宮司に返り咲いた。息子はそれを根に持ち、富岡八幡宮に対し誹謗中傷を行った。
宮司に戻った父親は高齢で死去。次の宮司として息子の姉(長女)を宮司にと神社本庁に打診したが、神社本庁からは長女の経験不足を理由に承諾は得られず。富岡八幡宮は神社本庁を脱会して長女を宮司に就任させた。
そして犯行が決行。宮司となった長女は弟の元宮司に日本刀で刺殺された。長女の運転手は境内の外に逃げたが、元宮司の妻に大型ナイフで腕を斬られ重傷。
元宮司は境内に戻り自分の妻を刺殺し、自分も自害した。
この事件の登場人物ですが、父親も収集癖があり金遣いが荒かった。元宮司の息子も同様。殺された長女も同様だったようです。そして父親の兄も境内で自殺している。
富岡八幡宮の「富岡」は宮司ファミリーの姓です。戦後、富岡八幡宮を名乗る様になった。神社を私物化した。神を私物化した。その祟りがこんな事件を引き起こした様に思えます。
続く。