令和4年8月9日
衛星画像・ドローン活用始まる 遊休地把握を省力化
遊休農地などを把握する農地の利用状況調査(農地パトロール)で、衛星画像やドローンの活用が本年度から始まった。
各農業委員会では、調査する農地の絞り込みなどに活用して作業時間を削減。委員の高齢化も進む中で、
農地集積などの担い手支援に軸足を移した体制づくりを急ぐ。
農地パトロールは、遊休農地や違反転用の有無などを確認するために毎年行うよう、農地法で定めている。これまでは原則目視で確認する必要があり、大きな負担となっていた。
こうした中、農水省は7月、農地パトロールで衛星画像やドローンなどを利用できるよう見直した。
遊休農地はこれまで通り原則目視で確認する必要があるが、耕作している農地は現地に行かなくても判定が可能になった。
衛星画像や人工知能(AI)により遊休農地を把握できるアプリを本年度から導入したのが、神戸市農業委員会だ。
兵庫県丹波市のベンチャー企業、Sagri(サグリ)と連携。遊休農地の可能性が高い農地が示され、調査に出向く箇所を絞り込める。
結果はタブレットで送信できるため、事務作業も削減できる見込みだ。
今後、アプリで確保した時間や人手を生かし、農地が再生できるうちに貸し付けるなどの対策を強化していく考えだ。
同委員会は「担い手支援に力を入れられる体制に転換し、遊休農地を未然に防ぎたい」と意気込む。
広島県の尾道市農業委員会では本年度、衛星画像解析に加え、現地確認にドローンも活用する。
委員の平均年齢が70代と高齢化する中、急傾斜地など訪問が難しい場所ではドローンで状況を確かめ、安全に短時間で調査できるようにする。
同委員会は「ICT(情報通信技術)で委員の安全を確保するだけでなく、
浮いた時間で担い手の相談対応に集中できるようにし、農地を効率的に守っていきたい」と話す。
同省は農業委員会へのタブレットの導入を進めており、農地パトロールでの活用も期待できそうだ。
同省は「効率的に農地の情報が共有できるようにし、適切な農地活用を進めていきたい」(農地政策課)とする。
デジ田甲子園に、登録している団体もあります。
広島県尾道市|衛星データ×AIとドローンによるデジタル農地台帳|
計画書は都道府県のページからリンクできます。