昨年のこの時期でしたかエコノミークラス症候群のブログを書いた記憶があります・・・
飛行機での移動のみならず、車での長距離移動でも起こりうる肺塞栓症のことなのですが、
一度発症した人が再発した場合、薬の長期服用が必要となるのですが、
その薬はケガをすると血が止まりにくくなるという難点があるのです。
これは心筋梗塞や脳梗塞など経験した人も同じで、単なる打撲でも内出血が広がってしまったりします。
スポーツ選手などの場合、特に問題が発生してくるわけですね。
今朝は、高原選手がどの様に薬と付き合っているのか紹介した記事を転載してみようと思います。
~以下、1月7日読売新聞朝刊より抜粋~
医療ルネサンス
薬 上手に付き合う
短時間の飛行でも注射
サッカーの元日本代表、高原直泰選手(34)(現・東京ヴェルディ)が初めて左胸に違和感を覚えたのは、日韓ワールドカップ(W杯)を目前に控えた2002年春のことだった。欧州遠征中、フランスの空港で、「少し痛いかな」と感じた。ただ、まさか病気とは思わず、帰国後も息苦しさを感じながら2試合に出場。その2日後の深夜、胸に刺すような激痛を感じ、浜松市の病院に緊急入院した。
肺塞栓症 サッカー選手・高原直泰さん
横山就平撮影
足の静脈にできた血栓(血の塊)が流れ、肺の動脈に詰まって呼吸困難や胸痛を招く「肺塞栓症」と診断された。飛行機の座席でじっとしていて起こることもあるため「エコノミークラス症候群」の別名もある。
04年にも再発し、2度とも点滴で肺動脈に詰まった血栓を溶かす治療を受け、九死に一生を得た。
日韓W杯出場は逃したものの、Jリーグ得点王に輝き、ドイツでも活躍し、現役を続ける高原選手。選手生活を陰で支えてきたのが、血栓を出来にくくする自己注射薬「へパリン」だ。
肺塞栓症の治療は、血栓を溶かす治療を受けた後も、血液を固まりにくくする「ワーファリン」を長く飲み続けることが一般的だ。日本循環器学会の診療指針では、服用期間について、発症のきっかけが明確な場合は3か月間、再発した患者はなるべく長期間などと目安が示されている。再発した高原選手の場合、長期間の服用が勧められる。
だが、ワーファリンを飲み続ければ、ケガをすると出血が止まりにくくなる。打撲が頻繁に起こるサッカーを続けるのは困難だ。
「自分はプロサッカー選手。他に対処法はないのか」。高原選手は02年の発症時から医師と話し合い、自分に合った治療法を模索した。その結果、ワーファリン服用を3か月で終わらせ、飛行機に乗る時だけ、注射薬のへパリンを自ら打つという方法を選んだ。ワーファリンより即効性があり、翌日の試合には効果を持ちこさない特徴がある。
ただし、約1時間半のフライト後に再発してしまったため、今は短時間の飛行機でも注射を欠かさない。
この病気が専門の三重大病院教授の中村真潮さん(循環器内科)も「診療指針は治療の基本を示す目安だが、患者の状況や要望に応じた治療の選択を縛るものではない」と解説する。
高原選手は「ワーファリンを常用しないリスクも踏まえて、この方法を選んだ。自分にとて何が大事で、どうしたいか、患者は医師に率直に伝えてみたらいいと思う。納得できるところに落ち着かせることが大事ではないか」と訴える。
再発から10年を迎える今年。ベテランとなった高原選手は、チームのJ1昇格を目指す。
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