ノイバラ山荘

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「バイリンガルな日本をめざして」@北野市民ホール

2012-02-05 20:07:58 | 日常
さすがに立春を過ぎたら日差しが暖かです。
みなさま、よい休日を過ごされましたか。

ノイバラは以前からお誘いを受けていた
講演会を聴いてまいりました。


「バイリンガルな日本を目指して」

英語教育に携わっていらっしゃる
E藤さんが企画された講演会です。
E藤さんは市内に語学スタジオをお持ちです。

 
講師はテンプル大学日本校講師の
マーシャル・R・チャイルズさん。
左隣は通訳の方です。


同名の『バイリンガルな日本を目指して』
というご著書があります。

昔お世話になったご縁で来たものの、
英語教育もバイリンガルも
私とは関係ないからな~と思いながら
聞いていたのですけれど、
途中からはっとしてメモをとりながら
しっかりと聴きました。

Meiji Era という言葉と
年号が出てきたので、
条件反射が起こったのです。

日本の英語教育が明治時代に
始まったことから説き起こされ、
現在の文法と書くこと重視の教育に
いたった経緯を話されました。

今の教育は自動車学校で
厳しくテストを課しているのと同じ、
現実の運転がうまくできないと例えられました。

現代の脳科学によれば、
言語習得は右左両脳を使うもので、
文法だけ重視していては
効率が悪いということです。

小学校の段階では
まず楽しむこと、
テストをしない、文字を教えない、
間違いを恐れない、の
三つの「ない」が重要とされました。

さらに個人的な学習法としては、
易しい教材を量多く、対話を重視。
まずは辞書を引かなくていいような
易しいものをたくさん読むこと、
映画を観ること、も勧められました。

チャイルド博士はチャーミングな方です。
講演のあとのパネルディスカッションでも、
現役小学校教師が現実の厳しさを訴えたのに対して、
トレーニングを十分に行わない状態で
授業をせよという文部科学省が犯罪的であるとされ、
子供たちと一緒に学び始めるのを
楽しむようにしたらいかがでしょうとのお答えでした。

パネラーは4名いらしたのですけれど、
この小学校の先生と
高校の先生のお話が
現場の実情を伝えて興味深かったです。

高校の先生が日本に外国人が増え、
グローバル化が進めば自然と
「バイリンガルな日本」(英語に限らず)に
なるだろうとおっしゃったのと、
博士が受験の英語を選択制にすれば、
よりバイリンガル化が進むであろうと
指摘されたのが印象的でした。

確かに受験の英語を選択制にすれば、
やりたい人はより勉強するでしょうし、
やりたくない人はその分、
自分の進みたい方の勉強に力を注げますから、
専門性を高めるのにプラスですね。

この講演を聴く前、
「バイリンガル」と聞いて
抱いた感想に近かったので、
なんだか嬉しくなりました。

短歌と同じくらいに始めた英語から
私は遠ざかってしまいましたが、
ティーブレイクで昔の仲間とお話できて
これも嬉しいことでした。

  
帰りの駅から見た夕焼け空。
今日は富士山は見えませんけれど。