土地は投資対象。
投資家という人たちにとっては、土地もまた立派な収益物件だ。彼らの土地に対する評価は、実にシンプルだ。すなわち投資額からいくらの収益が上がるのか、が基本となる。
もちろん、転売による利益も考えるが、基本は投資効率だ。10億円で購入した不動産からいくらの賃料を得られるのか。その年利回りを考えて、投資するかどうかを考える。
たとえば年間500万円の賃貸利益(経費控除後)の場合、還元利回りを4%とすると500万円÷4%で、この不動産の評価は 1億2,500万円となる。これが収益還元法による評価額となる。
主に商業用地や賃貸物件に使われる評価方法で、不動産会社や投資グループなどはもちろん、不動産鑑定士なども活用している評価方法だ。
しかし、財産評価通達では、この収益還元法は公式には認めていない。あくまで路線価による評価が原則となる。ただし、一時、この収益還元法による評価した相続税申告を税務署が受け付けていた時期があった。
それはバブルの崩壊により、路線価が土地の実勢価格を上回る自体に陥った時だ。相続税を払おうと思っても、土地は大幅に低い金額でしか売れない。結果、相続破産という悲劇が生まれた。
正確な数字は不明だが、この相続破産は軽く三桁に達したらしい。この事態に国税庁は慌てた。あってはならないことだからだ。自分たちのやったことで、国民の生活が破綻に追いやられた。
しかたなく、不動産鑑定士による評価額を認めた。財産評価通達以外の方法で評価された相続税の申告書を認めた。これは大事件であった。
これで相続破産という悲劇は無くなる。そう思った人は少なくなかったが、直にそれが幻だと気がついた。不動産鑑定士の評価による時価を付した相続税の申告書が否認されるケースが出てきたのだ。
なかでも収益還元法により評価された商業地の時価鑑定額は、露骨に嫌がられた。どうやら、不当に安く評価したと思われる申告が出てきたらしく、それが国税庁を警戒させてしまったらしい。
おかげで、財産評価通達以外の評価方法は再び下火となってしまった。では、相続税評価額が時価を上回る異常な事態による相続破産はどうなったのか。
なんと、呆れたことに問題が先送りされただけだった。多額の相続税額の滞納案件は、税務署の手を離れて国税庁へと管轄が移される。そこで競売に出されたり、相続人の二次納税義務の履行を求めて強硬な税額徴収がされる。
ところが、この相続破産案件に関しては、据え置きというか、ほっぽらかされた。これで良かったなどと安堵してはいけない。納税義務は頑として残っているのだ。どうも、再びバブルよもう一度と、本気で願っているらしい。土地の時価さえ、再び急騰すれば問題は解決する。
嘘みたいな話だが、これは国税庁のみならず大蔵省でも根強く残っている考えらしい。退官した数人のキャリア官僚から、似たような話を聞いたことがあるので、ほぼ間違いないらしい。
つまり、相続税が払えなかった納税者たちは、お役人の考えしだいで再び強硬な徴収に怯えねばならず、不安な日々は続くこととなる。
それも、これも土地の評価方法がおかしいからだが、そのことは手付かずのまま、今日に至っている。
投資家という人たちにとっては、土地もまた立派な収益物件だ。彼らの土地に対する評価は、実にシンプルだ。すなわち投資額からいくらの収益が上がるのか、が基本となる。
もちろん、転売による利益も考えるが、基本は投資効率だ。10億円で購入した不動産からいくらの賃料を得られるのか。その年利回りを考えて、投資するかどうかを考える。
たとえば年間500万円の賃貸利益(経費控除後)の場合、還元利回りを4%とすると500万円÷4%で、この不動産の評価は 1億2,500万円となる。これが収益還元法による評価額となる。
主に商業用地や賃貸物件に使われる評価方法で、不動産会社や投資グループなどはもちろん、不動産鑑定士なども活用している評価方法だ。
しかし、財産評価通達では、この収益還元法は公式には認めていない。あくまで路線価による評価が原則となる。ただし、一時、この収益還元法による評価した相続税申告を税務署が受け付けていた時期があった。
それはバブルの崩壊により、路線価が土地の実勢価格を上回る自体に陥った時だ。相続税を払おうと思っても、土地は大幅に低い金額でしか売れない。結果、相続破産という悲劇が生まれた。
正確な数字は不明だが、この相続破産は軽く三桁に達したらしい。この事態に国税庁は慌てた。あってはならないことだからだ。自分たちのやったことで、国民の生活が破綻に追いやられた。
しかたなく、不動産鑑定士による評価額を認めた。財産評価通達以外の方法で評価された相続税の申告書を認めた。これは大事件であった。
これで相続破産という悲劇は無くなる。そう思った人は少なくなかったが、直にそれが幻だと気がついた。不動産鑑定士の評価による時価を付した相続税の申告書が否認されるケースが出てきたのだ。
なかでも収益還元法により評価された商業地の時価鑑定額は、露骨に嫌がられた。どうやら、不当に安く評価したと思われる申告が出てきたらしく、それが国税庁を警戒させてしまったらしい。
おかげで、財産評価通達以外の評価方法は再び下火となってしまった。では、相続税評価額が時価を上回る異常な事態による相続破産はどうなったのか。
なんと、呆れたことに問題が先送りされただけだった。多額の相続税額の滞納案件は、税務署の手を離れて国税庁へと管轄が移される。そこで競売に出されたり、相続人の二次納税義務の履行を求めて強硬な税額徴収がされる。
ところが、この相続破産案件に関しては、据え置きというか、ほっぽらかされた。これで良かったなどと安堵してはいけない。納税義務は頑として残っているのだ。どうも、再びバブルよもう一度と、本気で願っているらしい。土地の時価さえ、再び急騰すれば問題は解決する。
嘘みたいな話だが、これは国税庁のみならず大蔵省でも根強く残っている考えらしい。退官した数人のキャリア官僚から、似たような話を聞いたことがあるので、ほぼ間違いないらしい。
つまり、相続税が払えなかった納税者たちは、お役人の考えしだいで再び強硬な徴収に怯えねばならず、不安な日々は続くこととなる。
それも、これも土地の評価方法がおかしいからだが、そのことは手付かずのまま、今日に至っている。