ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

臓器売買事件に思うこと

2011-08-30 12:35:00 | 社会・政治・一般
今後もなくならないと断言できる。

先月あたりから、新聞などで報じられているように、臓器売買に暴力団が絡んでいた事件のことだ。新聞を流し読みなので、事件そのものはよく知らない。

どうも、先年の病気腎の移植で騒がれた万波医師の所属する病院グループがターゲットのように思える。憶測だけど、多分密告者がいて、さらに警察に狙われていたのだろと思う。

マスコミ様が言わないので、私が言ってしまうけど、この手の事件は今後もなくなりません。

なぜなら、需要があり、供給がそれに追いつかない以上、大金をはたいても、それが違法であろうと、臓器移植を望む人たちが途切れることはないからです。

さらに言ってしまうと、臓器移植、とりわけ腎臓移植が広まらないことを願う人たちがいるはずです。絶対に口をつむんでいるでしょうけど、金を産む鵞鳥を手放したくないと心底思っているはずだ。

血液を浄化する機能(透析)を持つ腎臓なくして、人は生きられない。だが、腎臓の機能低下は薬品によっては治せない。腎臓に負担をかける塩分とたんぱく質を控えめにする食事療法だけが、効果的だと分っているが、外食が多い人たちには難しい。

機能の低下した腎臓では、人間は生きられない。これだけ医療の発達した今日でさえ、腎機能を回復させる薬は見つかっていない。対応策は二つある。

日本で多く行われているのが、人工腎臓、つまり透析機を利用して、週に2~3回通院しての透析を受ける方法だ。駅前の診療所などが、仕事帰りの患者を受け入れている。広告看板などを丁寧にみれば、簡単に見つかると思います。

はっきり言えば、医師にとってドル箱的な存在であることは、間違いのない事実です。なにせ、今後も患者は増える一方ですからね。

もう一つは他人の腎臓を移植する方法だ。ただし、血液型を中心に適合の良し悪しがあり、必ずしも成功するわけではない。また、他人の腎臓を移植すると、免疫の拒絶反応が出る。そこで免疫抑制剤の服用は必要不可欠となる。

生涯薬から縁を切れない身体となるが、人工腎臓よりもこちらを望む患者が多い。ただ、腎臓提供者が少ないため、近親者からの移植以外では、なかなかに適応する移植腎臓は見つからない。

以前は海外へ渡航して、腎臓移植を受ける方が少なくなかったが、国際社会からの批判が多い。金持ち先進国の腎臓病患者が、金をはたいて貧困国の健常者の腎臓を移植するのだから、批難されるのも当然だと思う。

そんな訳で現在は事実上禁止されているに近い。もちろん抜け道はあるらしいが、まず一般の方には分らない。そこで、裏社会の人間が暗躍する余地が出てくる。

腎機能を回復させる方法がない以上、透析か移植しか生きる道はない。病院に拘束される時間が長い透析よりも、薬漬けであったとしても腎臓移植が良いと考える患者が多い。

だが、移植に活用される腎臓の数が圧涛Iに足りない。だからこそ、大金をもって有利に物事を進めたいと考える人は、後を絶たない。それゆえに、暴力団などの裏社会の人間が付け込んでくる。

現在、研究が急速に進められているips細胞を活用した内蔵クローンによる移植用臓器の実用化は、まだまだ遠い先のことだろう。だとすれば、やはり腎臓移植を裏金払ってもやりたいと切望する腎臓病患者は、これからも必ず出る。

臓器売買を批難することが無意味だとは言わないが、批難するだけでは解決しない。やはり移植のためのドナーを増やす努力が、今まで以上に必要になると思います。

コメント
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