自分が思うほどには、世界は自分に関心を持っていない。
例えば、新品のスーツを着込み、磨き上げた革靴を履き、最新の流行を取り入れたネクタイを締めてさっそうと出かけても、それに気が付く人はほとんどいない。
残酷な事実だとは思うが、それが現実だと思う。
この現実を直視できない人は少なくない。その典型が朝鮮半島の住人だ。
古来よりユーラシア大陸東端の巨大国家シナの強い影響下にあり、おそらく最もシナの文化の教えに忠実な民であった。それも優秀だといっていいほどシナの文化の体得者であったと思う。
シナの文化の特徴は孔子の唱えた儒教にある。儒教とは戦乱の続く春秋戦国時代の賢者であった孔子が、世の中を平和に導く思想である。その根幹は平和を維持するために社会の変化を厭い、過去を忠実に踏襲することにこそある。
当のシナ自体は、この儒教の教えを実現できたとは到底いえないが、辺境の地である朝鮮半島にあって、それは相当程度実現したと私は考えている。歴史上、李氏朝鮮は最も長く続いた政権であり、国内にほとんど戦乱がない平和な社会であった。
そのことを誇りに考えていた朝鮮半島の民は、後にシナの大地が北方民族の侵略を受けて支配された時、我こそが真の中華であると宣したほどである。笑ってはいけない。同時代、日本の山鹿素行も同じようなことを述べている。
素行の言は日本ではそれほど支持されなかったが、さすがにコリアは違う。その傲慢さから清王朝の遠征を受けて外交権を奪われた属国となった後でも、我こそが真の中華であるとの信念は衰えることはなかった。
事実、李氏朝鮮王朝は属国とはいえ、500年近くにわたり半島を支配し続けた。これこそ孔子の思想に忠実な中華国家の理想そのものであると、属国の屈辱を押し隠して、虚構の誇りにしがみ付いた。
500年の平和は、嘘でも誇張でもない。しかし、外交を清王朝に委ねてもものであり、自国の防衛さえ清王朝まかせ。だからこそ日清戦争の結果、日本の植民地となった。だが、本当の問題はもっと根深い。
500年の平和は、国内に変化も進歩もない停滞の歳月でもある。変化を厭い、ひたすらに過去の前例にしがみ付いた。西欧の侵略と清王朝の没落から目を背け、蛮族と馬鹿にした倭国の進歩にも、見て見ぬふりをした。
おかしなことに、見下していた倭国に支配されても、独立闘争はほとんどやらず、粛々と日本の支配に甘んじた。だが、心に秘めたる屈辱は相当なものだったのであろう。
日本帝国がアメリカに敗北したことで、朝鮮半島の統治は突如として放り出された。戦って勝ち取った訳でもなく、気が付いたら日本は朝鮮半島の統治を放り出し、それを強要したアメリカは、当初朝鮮半島に気が付かなかった。
だが、ソ連の下士官として、また工作員として朝鮮半島北部に現れた金日成は、社会主義陣営の一端を担って北朝鮮を建国した。慌ててアメリカをバックに韓国は独立国として立ち上がろうとしたが、時すでに遅し。
ソ連の了解のもと、突如として北朝鮮軍は南下して、たちまちのうちに半島を飲み下した。当時、日本列島を管理していたGHQのマッカーサー将軍は、朝鮮半島が敵対勢力に支配されると、日本列島が危ういことに気が付いて、大慌てで反撃に出た。
その際、武力を放棄させた日本政府に対して、武力による防衛を命じたが、憲法の改正までは頭が回らなかったのはともかく、なんとか半島南部の支配権を取り返したが、半島北部まで進撃したことでシナの共産政権を刺激してしまった。
かくしてシナの人民解放軍の人海戦術により38度線まで押し返され、結局元の木阿弥に戻った。しかし狡猾な金日成はこの時期に、ソ連の支配を脱し独立国としての北朝鮮を確立させた。これゆえに、北朝鮮には自ら独立国としての矜持を持てる。
しかし、南朝鮮の韓国政府はみじめであった。自分では何もできず、アメリカの力を借りて、かろうじて半島南部の支配権を確立するのがやっとであった。真の中華の民としての誇りは、どこにも依る術がなかった。誇るものがないのなら、なにかを貶めればいい。
だからこそ、反日政策が大事だった。シナの大地を席巻した人民解放軍がいる共産シナには逆らえないが、アメリカ政府の支配下にある日本なら、いくらでも侮蔑できる。混乱する国内をまとめるには、反日政策がもっとも有効であった。これは韓国政府の国是となった。ならざるを得なかった。
だが、発展途上国である間は、どうしても日本の援助が必要だった。日本をモデルにし、日本を目標に国家を再建するしか選択肢はなかった。侮蔑することで、文句タラタラのコリアの大衆をまとめ上げてきた手前、どうしても日本を超える必要があった。
以来、半世紀がたち日本がバブルの崩壊と、少子高齢化社会を迎えて衰退に向かいつつある時期、ようやくTVや家電、スマートフォンで世界市場のトップに立つことが出来た。ようやく世界に向かって「韓国は優秀だ」と叫ぶことが出来るようになった。
日本を侮蔑することで、虚ろなプライドを保っていたが、ようやく実力がプライドに追いついた。世界は、コリアの優秀さにひれ伏すべきだ。
しかし、現実は冷淡だ。世界は自分が思うほどには自分に関心を持ってはくれない。この冷たい現実に気が付いたコリアの民は、その傷ついたプライドを癒すため、再び声を大にして反日を叫ばずにはいられない。
自国の歴史に誇りを持ち得ない惨めさが、日本を貶めて虚ろな虚栄心を満たすことに傾倒させる。殊更哀れなのは、彼らコリアの民は決して無能でもなく、むしろ努力家であり、才能は十分持っていることだ。そのことを自覚しているがゆえに、どうしても自国の歴史の惨めさを容認できない。
日本がいくら話し合おうと、土下座して謝罪しようが、南コリアの惨めな歴史は厳然たる事実であり、彼らがそれを正面から自覚する勇気なくして、日韓関係に明るい未来はないでしょう。
幸い、日本は半島から輸入せねばならぬ必需品はなく、むしろ韓国は日本から生産財、中間資材を輸入せざるえない。日本以上に高齢化社会が進む南コリアは、蓄積された資本も少なく、この先衰退期に入ると見込まれています。
内政の不満を抑えるため、外交(戦争)で誤魔化す可能性は低くないので、日本は半島への軍事的防御を固めておく必要はあると思います。もっともその軍事的進攻力はかなり低いので、現行の自衛隊の戦力でも抑制可能だと私はみています。
ただ、日本側には有事法制が不備なので、防衛を合法的に出来る司法体型が出来ていない。具体的にいえば、沿岸に防衛拠点を作ろうとしても、その法的な根拠がない。私有地はもちろん、国有地でさえ自由に防衛拠点を作れない。
私はコリアを憐れんだり、馬鹿にするよりも、日本のこの平和ボケぶりのほうがよっぽど腹が立ちますね。