ヌマンタの書斎

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在韓米軍

2019-09-10 13:40:00 | 社会・政治・一般

昨日もあり、今日もあるからといって、明日もあるとは限るまい。

日本と韓国との関係が不安定化しつつあるなか、一番重視しなければならないのは、やはりアメリカである。アメリカあっての日本の国防であり、日本の平和である。

日米関係は概ね良好であるが、日韓関係がおかしくなってきていることに、アメリカは次第に我慢がならなくなってきている。すでに前政権の時に、オバマ前大統領立会いのもと、日韓関係について釘をさしたつもりでいた。

しかし、大統領が変わると再び日韓関係が荒れてきた。ここまで来ると、トランプ大統領の意向とは別に、アメリカ国防省はその国防戦略の見直しを検討せざるを得ない。

アメリカが朝鮮半島に軍隊を常駐させるようになったのは、朝鮮戦争が契機である。実のところ、アメリカの国防戦略にはないイレギュラーな対応であった。

20世紀初頭に定まったアメリカの国防戦略は、大西洋と太平洋の両端に拠点を置き、二つの海をアメリカの防衛圏となすことを目指してきた。東の拠点であるブリテン諸島は、既に拠点として完成していたが、西側はハワイ諸島とフィリピンでまで、つまり東太平洋までが限界であった。

なぜなら日本が太平洋の西側を抑えていたからだ。しかし、第二次世界大戦で日本を屈服させ、アメリカ本土以外では最大の軍事拠点を設けることに成功した。これで完成したと考えていたのだが、朝鮮に戦争が起こり、結果的に朝鮮半島南部に軍事基地を置くことになった。これは想定外であった。

元々はアラスカからアリューシャン列島(ロシアの支配下だが)を南下し、日本列島、台湾、フィリピンと続く西太平洋を周回する線が、アメリカの防衛圏であった。そこに中途半端に朝鮮半島が加わった。

つまり、元々はアメリカの防衛圏には入っていなかったのが、朝鮮半島である。今も停戦さえ法文化されていない未解決の戦争事案でもある。それゆえに、ずるずると現状のまま今日まできてしまった。

ヨーロッパでは冷戦が終わり、アメリカもその大概戦略を大幅に見直してきたのだが、悩みの種が朝鮮半島であった。現・大統領は北の独裁者に好意的な姿勢を見せるが、アメリカ国防省は違う。核兵器を持つ国を潜在的敵国だと考えるが故に、決して油断はしない。

だが、朝鮮半島に置いてあるアメリカの基地を維持する必要があるのかは、アメリカ内部でもかなり疑問視されていた。まだはっきりとは明言していないが、近い将来、その管理を韓国に委ねる可能性が高まってきた。

つまり実質的に朝鮮半島から米軍基地を撤退させるわけだ。もちろん、緊急時に使えるようには仕組むだろうが、基地の管理運営は韓国に任せる。要するに基地の維持管理費用を全面的に韓国政府に負担させるわけだ。

まだ公表はされていない。ただ、近年韓国に駐留させていた米軍兵の家族たちを日本やグアムに移している。横須賀や福生などでは、米軍の軍属の家族たち対象の賃貸物件が急激に空き室率を減らしているようなのだ。

従来、韓国政府は駐留米軍兵の家族を、韓国内に居住させること(要は人質でもある)を求めていたのだが、この要求は近年見られないことからも、事実であろうと推測できる。

おそらく米軍撤退との公示はないと思うが、実質的に米軍は朝鮮半島から離脱する可能性が高まっていると私は予測しています。これは日本にとって、何を意味しているのか。

一言で云えば、日本列島が最前線になるということだと思います。アメリカは兵站拠点として、また防諜拠点として日本を手放すつもりがないことは、相も変らぬ米軍基地施設の増強から確かだと思います。

つまり日本は、これまで以上に日本防衛の名の下に、米軍基地防衛に力を入れることが求められる。

平和憲法を守れ? 自衛隊の憲法下での認定?

もはや、そんな事態ではないでしょう。在韓米軍の撤退は、日本に当たり前に戦争が出来る国になることを求めるはずです。緊急時の軍隊の行動規範の制定や、防諜規定の制定など、これまで以上に法制度の面での軍事活用が整備されることが求められるのです。

いったい、何時までこの国は現実を無視し、国民を騙して、軍隊を強化していくのでしょうかね。本来、国会で真剣に議論すべきことなのに、まるで見当違いの議論と言う名の誤魔化しに終始しているのをみると、ウンザリしますよ。

コメント
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