懐かしい名前であるが、それを訃報で聞くのは寂しい。
80年代に「ドリームス」で全米TOP1を三週間取り続けた人気ロックバンドであるフリートウッドマックの創設メンバーであるピーター・グリーンが亡くなった。
もっとも、この人は70年代に薬物のやり過ぎから脱退しているので、知らない人も多いと思う。でも、彼がメンバーであった時期に作られた曲で、後にサンタナがカバーして世界的に大ヒットした「ブラックマジック・ウーマン」ならば聴いたことがある人は多いと思う。
当時のフリートウッドマックは、イギリスで活動しており、しかもブルース・ロックを演じるバンドであった。私はわりとブルース・ロックを好んでいたので、たまたま知っていたに過ぎない。
その後、バンドは幾人かのメンバー交代を繰り返し、活動拠点をアメリカに変えたことが転機になった。特に新しいヴォーカルとしてスティービー・ニックスが加入したことは大きかったと思う。
80年代にLP「ファンタスティック・マック」が大ヒットし、更にLP「噂」を出し、名曲「ドリームス」を発表した頃が、バンドとしては最盛期であった。
実は当初、私はイギリスとアメリカに同じ名前のバンドがあると勘違いしていた。でも、よくメンバーを見ると、イギリス時代のメンバーが残っていたので、アメリカに活動拠点を移したのだと納得した。どちらも、ブルースの香りこそ残っているが、メインボーカルが違い過ぎて別バンドだと思い込んだからでもある。
当時はインターネットはなかったから洋楽雑誌やラジオの洋楽専門の番組などから情報を得るしかなかった時代である。あの頃は、TVこそあまり視なかったが、ラジオは中波、FMを問わず聴きまくっての情報入手であった。
雑誌「rock'in on」などもあったが、編集長の好みを中心に取り上げることが多く、ちょっと渋いバンドは冷遇されていたかもしれない。おい、渋谷(・・・先輩だけど)と文句の一つも言いたかったものだ。「ミュージックライフ」に至っては、レコード会社が売り込みたいバンドが中心なので、読む気が失せた。
ただ、その頃はラジオ放送が積極的に洋楽を取り上げてくれたので、私は番組丸ごとエアチェックして、後でじっくりと聴きなおしていた。当時から変な検証癖があったことが、後のこのブログに繋がっているかもしれない。
なおヤフーニュースでは、ピーターが統合失調症でバンドを脱退したと記しているが、間違いなく薬物のやり過ぎが原因でした。あの頃は、やたらとドラッグが流行っていましたから。
実際問題、有名なミュージシャンで、薬物のやり過ぎからおかしくなり、バンドを脱退した人、とても多いです。その反発からか、妙に健康志向に走る人も多かったとも記憶しています。
いずれにせよ、極端はダメなのでしょうね。日本ではあまり人気の出なかったブルース・ロックですけど、私は今でもけっこう好き。それだけに寂しい訃報でした。