ここ連日、新型コロナウィルスの感染者は三桁台を維持している。
まずいよね、この状況は。再び緊急事態宣言が出されるかもしれない。既に地方自治体レベルでは各個の判断で、緊急事態だと宣している。
今のところ、政府が及び腰なのは、前回の緊急事態宣言後の日本経済の落ち込みが想定以上であったからだと思う。
正直言えば、私も再度の緊急事態宣言は止めてもらいたい。せいぜい警報から自粛要請程度で納めて欲しい。そのくらい前回の被害は大きかった。
思い出すだけで嫌になるほどだ。特に4月、私はスタッフこそ休ませたが、一人事務所で仕事をしていた。資料も滞りがちであり、あまり仕事ははかどらないが、それでも貯め込むよりはマシだ。だから、一人コツコツと仕事をしていた。
あの頃の銀座は、東日本大震災直後の計画停電中よりも暗かった。とにかく店がやっていない。だから昼食には困った。馴染みの店の大半が閉まっていた。仕方なくコンビニのお弁当に頼らざるを得なかった。
だから例年になくコンビニ弁当にはお世話になった。それだけに文句は言いずらいが、それでも敢えて指摘したい。
なんで、こんな弁当しか売ってないのだ?!
あまり好きではないが、忙しい時にはコンビニのお弁当は大変に便利だ。私も仕事から手を離したくない時は、コンビニ弁当を良く食べていた。ただ、近年少しずつ微妙な不満がうっ積していた。
コンビニのお弁当はわりとリニューアルが頻繁に行われる。それで美味しくなるなら大歓迎である。しかし、不味くなったり、量が減ったりするマイナスのリニューアルのほうが多かった。
特に酷いのが、いわゆる上げ底。一見、ボリュームが増えているかにみえて、実は弁当のケースの底が盛り上がっていて、実質は量を減らしている。具体例として挙げさせていただくと、昼時の若いサラリーマンに人気のカルビ弁当だ。最大手の某社、あれはやり過ぎ。
オカズだけでなく、ご飯まで上げ底で量を減らしているリニューアルなんていらない。あれには本当にウンザリし、失望し、嫌悪感さえ湧いた。
もちろんコンビニ側にも言い分はあろう。女性客に合わせて、また高齢者の要望に合わせて量を減らしたとの言い分は、それなりに納得できなくもない。しかし、若きも中高年も不満を抱く男性客のことは無視しているように思えてならない。
また客単価を上げるためだと思うが、弁当の量を減らして、もう一品、副惣菜を買わせようとの販売戦略も、経営的には理解できる。でも、客としては不満だ。お弁当の平均単価は、5~600円であり、それに副惣菜を足せば目標の客単価700円超えである。
でもね、700円以上出すならば、飲食店でランチを食べれるぞ。まァ銀座の場合は8~900円は必要だけどね。味にこだわれば千円の大台の乗る。だから若いサラリーマンはコンビニ弁当を選択するのは分かる。安さって大事だしね。
少し視点を広げると、実はコンビニ弁当は今、過酷な競争に直面している。少し郊外に出れば、コンビニのライバルは地元のスーパーであり、また大手のドラッグストアでもある。コンビニ弁当よりも安い値段で、お弁当が販売されており、それがコンビニチェーン店の経営を直撃している。
また沢山食べたい若い世代と、小食の高齢者、あるいはダイエット志向の強い顧客と、客層も細分化されている。難しい経営を迫られるコンビニの実情は分からないでもない。でも、客に不満を抱かせるリニューアルを繰り返すのは、どうかと思う。
実は緊急事態宣言解除後は、コンビニ弁当は買っていない。なぜかというと、営業を再開した飲食店が、店頭でお弁当を販売し始めたからだ。今まで弁当をやっていなかったが、さすがに銀座の一流の飲食店の出すお弁当は美味しい。しかも安いのだから、コンビニのお弁当には気が向かなくなる。
それでも早朝から深夜まで営業しているコンビニのお弁当が便利なのも確かだ。出来るならば、客を喜ばすリニューアルをして欲しいものである。
最後に一言。偶に販売される人気店の味を再現したコンビニ弁当で、美味しかったもの、私的には皆無だった。欲しいのは個性ではなく、日常的な安心感であることをよくよく銘記しておくべきだと思うぞ。