歴史は繰り返すものだ。
いろいろと批判されることの多い北京の習政権だが、私はよくシナを支配していると捉えている。別に習政権に限らないのだが、シナが対外的に攻撃的になるときは、多くの場合国内で熾烈な権力闘争が起きている。
しっかりと国内統治の手綱を握ってきた習政権だが、さすがに今年は多事多難でありすぎる。三峡ダムと大雨による水害、新型肺炎の世界的な拡散、アメリカによるファーウェイ排除だけでなく、香港騒乱も加わり、その統治に陰りが見えてきた。
だからこそ、対外国に対しては決して妥協できない状況に陥っている。東沙及び南沙諸島への侵略は断固として中断できないし、尖閣諸島に既得権をねつ造する行為も止める訳にはいかない。インドとの紛争でも絶対に引くことは出来ない。
なぜなら外に対して弱気な姿勢をとれば、まちがいなく国内から背中を刺されることが確実だからだ。国内の味方こそが、実は最大の敵であるのがシナの歴史的な真実である。
シナの強硬姿勢をみて、アメリカとの戦争を予測している向きがあるが、私は戦争はないと思っている。ただし、現場の突発的暴走による戦闘ならあるかもしれない。それを待ち望んでいるのは、間違いなく習の足元を崩したがっている連中だろう。
軍人出身ではないが、理系大学卒業の鋭利な知性を持つ習近平は、現状の戦力ではアメリカに勝てないことを熟知している。負ければ確実に政権の座を追われることが分かっている。追われた後、どうなるかは痛いほどに、浮「ほどに理解している。
だから実際に戦争をやる気はない。しかし、対外的圧力に負けない強い政権であることを示すことこそが、生き残る唯一の道であることも分かっている。云わば薄氷を踏みながら政権運営をしているのが、今の北京政府なのだと思う。
これは過去に何度もあったことの繰り返しである。背中に冷や汗を流しながらも、強面の表情を崩すことなく進めるメ[カーゲームのようなものだ。
シナとの戦争を真に受ける必要はないが、国際政治の苛烈なしのぎ合いの現実を直視して頂きたいものである。
誰に言っているのかって?
空調の効いた快適なオフィスで外信を末オながら安直な記事を垂れ流しているマスコミ様へ、ですよ。