海に囲まれた日本にとって、海洋航路の安全確保は重要な問題だ。
太平洋戦争時、日本が苦しんだ大きな原因の一つは、アメリカの潜水艦による商船攻撃であった。多くの民間人が死亡しただけでなく、食料、工業資源などが海の藻屑と化して、日本は飢餓状態に陥る大きな要因となった。
この危険性は今も変わりない。幸い、かつての敵国アメリカの軍事的従属下にあるおかげで、石油や食料などを運ぶ商船の航路の安全は確保されている。しかし、ロシア、中国といった原子力潜水艦が水面下で日本の平和を脅かしている状況があることを忘れてはならない。
幸いにして、日本はアメリカ空母艦隊の護衛役を、長年担っていた為、原子力潜水艦に対する索敵能力は高い。原子力潜水艦はその搭載する原子力エンジンを止めることが出来ない為、常時冷却水ポンプを稼働させねばならない。
そのポンプの稼働音を探知する能力が高いのが、日本の潜水艦である。非公式な話だが、海上自衛隊は、ロシア及びシナの原子力潜水艦の発生する音を、各艦ごとに判別できるらしい。
しかし、原子力ではなくディーゼルエンジンやスターリングエンジンを搭載した通常型潜水艦となると話は違う。エンジンを止めて、バッテリーに蓄えた電力で潜水艦を動かせるため、単に音波探知だけでは感知が難しい。
音波探知以外にも磁気探査などの方法もあるのだが、小型で音が静かな通常型潜水艦の探知が難しいことには変わりがない。ただし、現在通常型潜水艦を製造している国は少ない。
ロシア、ドイツ、日本がその代表であり、他の国(インド、トルコ、インドネシア、韓国)はドイツの潜水艦のライセンス生産だ。なかでも厄介なのが南コリアである。今や半ば公然と日本を主敵だと定めており、その有する武器のなかでも潜水艦の脅威は、決して無視できるものではない。
特に外洋航行能力の高いドイツのHDW社の214型の導入以降は、要注意だと私は考えていました。この214型は、ドイツ本国の212型の輸出タイプで、X字型潜舵など最新の装備はありませんが、スターリングエンジンを搭載している上に、同タイプの日本のおやしお型に比べて少ない人数で航行できる優秀な潜水艦です。
ただ潜水艦はどこの国でも軍事機密であり、その情報はなかなか出てきません。それだけに警戒が必要だと考えていたのですが、なんか怪しい・・・
日本の新聞やTVは、基本的に軍事音痴であり、記者クラブなどで配布されている公式資料を報じるのが精一杯のボンクラ。だからイギリスのジェーン年鑑や、アメリカの軍事レポートなどを参考にするのが基本です。
厄介なことに、南コリアの軍事情報は、世界的にはあまり重要な情報ではありません。だから、なかなか上質な情報が提供されることがなく、下手すると攪乱するためのいい加減な情報のほうが多い始末です。
ただ南コリアのマスコミはしばしば間抜けな記事を書き、その中に隠されていた真実が浮かび上がることがある。今回、それらしき怪しい情報があったので、私なりに分析してみました。
現在、南コリア海軍が保有する主力潜水艦は、上記の214型です。その1号艦が孫元一号ですが、これが完成直後からの問題児。その前の主力潜水艦は、ドイツの209型という沿岸護衛目的の潜水艦ですが、これは当初は直接輸入で、途中から南コリア内で組み立てて就航させていました。
この209型はかなり優秀で、ハワイ沖で行われた米軍との合同演習で優秀な成績を上げたと南コリアでは評されています。ウソではありません、まさか沿岸護衛型の潜水艦ではるばるハワイ沖まで航行できたことに、各国の海軍関係者は驚嘆したものです。あの狭い艦で、よくぞ船員は我慢できたものだと呆れていました。
一方、新しい214型は外洋航行に適したタイプであり、本格的に稼働すれば日本にとっても十分脅威になる性能を秘めています。ところがこの1号艦は試験航行時にトラブル発生。
船体と艦橋部分の不具合が発生し、長期間のドッグ入り。後追いの情報では、韓国企業が製造したボルトが基準を満たしていなかったことが原因とのこと。ところが、その後の情報だと船体そのものの製造にも問題があったようで、ドイツから技術者を呼んでの長期修理となった。
潜水艦に使う鉄鋼は、高張力鉄鋼であり、その扱いは非常に難しい。どうもコリアの企業にはいささか難し過ぎたらしく、かなり抜本的な修繕が施されたと報じられていました。
しかし別筋から違う情報が洩れてきた。214型に搭載されたスターリングエンジンは軍事機密の塊であり、当然に重要部分は南コリアが手を出せないブラックボックスです。ところが契約や約束を守らないことで定評ある南コリアが、このブラックボックスを開封しちゃったらしい。
しかも元に戻すことが出来ず、修理を製造元のジーメンス社に依頼するも、先方は当然に契約違反に激怒して応じてもらえず。実はこれ、初めてではなく、再犯です。
その前の209型でもブラックボックスを無断で開けたあげく、南コリア内で同型艦を作り、HDW社よりも安い価格で輸出販売したのです。軍需企業を育てたいが故でしょうけど、明らかに確信犯的な契約違反。
このことを根に持ったHDW社は、次期艦の212型は輸出せず、簡易型の214型を南コリアに提案した経緯があります。そして再びの契約違反で、今回の修理依頼も断わっているようです。
呆れたことに、南コリアは二番艦を製造し、これも再び故障が発生して、現在もドッグでの長期修繕中。そして、その最中に3番艦の安重恨号が試験航海中にトラブルを起こして、タグボートに引かれて帰国したのが先日のこと。
更に呆れたことに、1800トンの214型さえ満足に作れないのに、既に昨年3000トン級の新型潜水艦を竣工させてしまっています。当然にドッグの中で眠っていますけどね。
もう開いた口がふさがらないのですが、これで終わらないから凄い。先日のヤフーニュースでは、南コリアはSLBM(海中発射型ミサイル)を搭載できる新型の潜水艦も製造中とのこと。多分、こいつもドッグの肥やしでしょう。
あまりに馬鹿らしいので、この辺で止めておきます。もしかしたら偽情報で、敵(日本)を油断させているのかもしれませんから・・・