goo blog サービス終了のお知らせ 

ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ミャンマーのクーデター

2021-02-17 13:16:00 | 社会・政治・一般

私は下着は消耗品だと考えている。

だから安い下着を一年か二年で買い替えてしまう。以前はコリア製やシナ製が多かったが、最近はインドネシア製やミャンマー製が目立ってきた。

ミャンマーはここ数年、東南アジアの成長株である。軍事政権から民政へと移管して以降、外資の導入が図られ、経済は大きく進展している。

おそらくはこの経済発展こそが、今回のミャンマーにおける軍事クーデターの根幹にあると思われる。

軍事政権を毛嫌いする人は多いみたいだが、社会の混乱を収束する政治的手法として一番優れた方法だと考える。ただ、武力による統制は、経済活動を委縮させるため、余程公共事業をうまく回さないと景気は後退する。

そして概ね軍人は経済概念が薄い。いわゆる武士の商法ではないが、商売を分かっていないが故に社会に不満が鬱屈する。だから賢明な独裁者は、社会を安定させる一方で、民政移管のタイミングを計り、民主的な政権に移行させる。実例はシンガメ[ルや台湾、韓国だろう。

ミャンマーはどうかというと、経済の発展が急激すぎた。元々軍事政権下で経済を握っていたのは共産シナの強い影響下にある華僑たちだ。選挙による民政移管以降、外資が入ってきて経済は活況化したが、経済の根幹を支配するのは華僑であることに変りはない。

ミャンマーの軍事政権と北京政府は一見、親密な関係に見えるが実はそうではない。シナの南部からミャンマー国内を通るイラワジ川(現エーヤワディ川)の通行権こそがシナの狙いであり、それを分かっているミャンマー軍は断固として拒否している。

シナにとっては、インド洋への直接の航路が拓ければ、アメリカの支配する太平洋をスルーして、中東の国々へアクセスできるだけに、イラワジ川の通行権は悲願です。でも、それはミャンマーにとっては致命的な結果となるのは明白だ。

しかし、軍事政権を嫌う西側の制裁措置故に、シナ以外に支援してくれる国はないため、国内の華僑の活動を容認せざるを得ない。民政移管以後、外資が大量に入ってきたが、経済を牛耳るのが華僑であり、とりわけ電気、ガス、水道などの社会的インフラ事業を独占されている。

今回のクーデターは、行き過ぎた経済の自由化に歯止めをかけるのが目的ではないかと私は推測しています。軍事政権に反発する西側社会とは裏腹に、理解ある姿勢を示している北京政府ですが、内心は歯ぎしりしている可能性は高いです。

経済を自由化すれば、大が小をのみ込むのが通例であり、膨大な資金力、人脈を駆使して経済を握る中華資本に対する警戒感が、今回のクーデターの背景にあると思います。

私見ですが、ミャンマーはまだまだ政情不安。多数派のビルマ族と他の少数民族との軋轢は休火山のマグマのようなもの。イスラム系の少数民族ロヒンギャへの稚拙な対応などをみると、まだまだ選挙による民主的な政権では国内の軋轢をコントロールするのは難しいと思います。

民主主義は万能薬ではありません。安易に西側のマスコミの論調に同調しない方が良いと私は考えています。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする