無頼な生き方に憧れたことがある。
でも実際にやってみると、相当に辛いと思う。なにより安心して寝る場所がないのが一番辛いと思う。
学生の頃、時折貧乏旅行をやっていた。大概が北海道や九州・四国などの遠方の山に遠征した帰りにやっていた。貧乏旅行のこつは、宿に泊まらないことだ。
一番、良く寝たのは駅の待合室。でもたまに追い出されることがある。そんな時は神社の境内の下や、公園の屋根つきの水飲み場の脇などで寝ていた。屋根つきに拘るのは、やはり雨に濡れるのが辛いからだ。さりとて、橋の下は湿気が多くていけない。地面に直に寝るのもつらい。朝、起きたら夜露でビッショリになる。だから雑誌や新聞を置いてコンクリの上で眠る。ダンボールを敷くのも可。
しかし、堅いコンクリの上で寝続けるのは、想像以上に身体に疲れが溜まる。そんな時は、銭湯に行く。浮浪者に間違われないためにも、2日に一度は入浴して、小奇麗にしておく。そうでないと、観光地巡りがしずらくなるし、なにより飲食店に入れなくなる。
だいたい一万円あれば、一週間は旅行が出来る。ほとんどが食費に消える。食い盛りだから、こればかりは致し方ない。
ただ、どうしても宿に泊まらざる得ないこともあった。山口組と一和会が抗争中の神戸がそうだった。警官から、皆気が立っているから、危ないので宿に泊まるよう説得され、止む無くビジネス・ホテルに泊まった。神戸はコーヒーとケーキの美味しい街で、どうしても観光したかったので、素通りする気にはなれなかった。
安いだけに、ちょっと古いホテルだったが、ゆっくり大浴場につかり、久々の布団で寝れると喜んでいた。ふと気になって、すりガラスの窓を開けると隣のビルの一室が覗けた。日の丸の旗が飾られ、日本刀が置いてある・・・やくざの事務所だった。その隣りの窓からは、上半身裸で、刺青をみせびらかす若い衆たちが麻雀をやっている風景が覗けた。はて、なんのために宿に泊まったんだか・・・
表題の作品の作者は、無頼作家の代表的存在だと思う。決して堅気の人間にはない、野生動物のような気配をもった人だった。麻雀に興味がなくとも、この人の生き方は知っておいて損はないと思う。
20代の働き盛りに、病気療養で親の扶養になり、情けない人生を送っていた私に、人間どんな生き方をしても良いのだと教えてくれた本でした。当時の私には、とてもありがたい励ましでしたね。
でも実際にやってみると、相当に辛いと思う。なにより安心して寝る場所がないのが一番辛いと思う。
学生の頃、時折貧乏旅行をやっていた。大概が北海道や九州・四国などの遠方の山に遠征した帰りにやっていた。貧乏旅行のこつは、宿に泊まらないことだ。
一番、良く寝たのは駅の待合室。でもたまに追い出されることがある。そんな時は神社の境内の下や、公園の屋根つきの水飲み場の脇などで寝ていた。屋根つきに拘るのは、やはり雨に濡れるのが辛いからだ。さりとて、橋の下は湿気が多くていけない。地面に直に寝るのもつらい。朝、起きたら夜露でビッショリになる。だから雑誌や新聞を置いてコンクリの上で眠る。ダンボールを敷くのも可。
しかし、堅いコンクリの上で寝続けるのは、想像以上に身体に疲れが溜まる。そんな時は、銭湯に行く。浮浪者に間違われないためにも、2日に一度は入浴して、小奇麗にしておく。そうでないと、観光地巡りがしずらくなるし、なにより飲食店に入れなくなる。
だいたい一万円あれば、一週間は旅行が出来る。ほとんどが食費に消える。食い盛りだから、こればかりは致し方ない。
ただ、どうしても宿に泊まらざる得ないこともあった。山口組と一和会が抗争中の神戸がそうだった。警官から、皆気が立っているから、危ないので宿に泊まるよう説得され、止む無くビジネス・ホテルに泊まった。神戸はコーヒーとケーキの美味しい街で、どうしても観光したかったので、素通りする気にはなれなかった。
安いだけに、ちょっと古いホテルだったが、ゆっくり大浴場につかり、久々の布団で寝れると喜んでいた。ふと気になって、すりガラスの窓を開けると隣のビルの一室が覗けた。日の丸の旗が飾られ、日本刀が置いてある・・・やくざの事務所だった。その隣りの窓からは、上半身裸で、刺青をみせびらかす若い衆たちが麻雀をやっている風景が覗けた。はて、なんのために宿に泊まったんだか・・・
表題の作品の作者は、無頼作家の代表的存在だと思う。決して堅気の人間にはない、野生動物のような気配をもった人だった。麻雀に興味がなくとも、この人の生き方は知っておいて損はないと思う。
20代の働き盛りに、病気療養で親の扶養になり、情けない人生を送っていた私に、人間どんな生き方をしても良いのだと教えてくれた本でした。当時の私には、とてもありがたい励ましでしたね。
私は コンビニ勤務してた頃 家に帰らずに 倉庫に 段ボール紙を しいて寝てました
好きな役者さんなので、
観たいなと思っていましたが、結局観ずじまいでした。
堅気じゃない世界、
男性は一度は憧れたりするものなのでしょうか。^^
お、段ボールのベットの経験者でしたか(ニヤ!)あれ、本当に暖かいもので、私も随分助かりました。
無頼な生き方は、男だったら一度は憧れるものかもしれません。それを実践するかどうかは別にして。
号を期待!です。
本当に面白いピカレスクでした。
しかし、若い頃の無謀貧乏旅行は、楽しいですね。他人事で話を聞く分にはですかを。
自分のこととなると…懐かしいけど、二度とやりたくないです。だって空腹で12時間も荷台で揺られたり、脱水に泥棒に野犬の襲撃…とロクな想い出がなあですから。
ヌマンタさんの話を読むと楽しそうですが、御自身も今やれ!言われたらゴメンじゃないでしょうか?仮に若さと体力が戻っても?
そういう体験を懐かしむってのは、人間て面白い生き物だと思います。
う
たからホラーや冒険小説を読むのか。
不快な体験をわざわざ活字で擬似体験する。人間はひねくれた生き物ですね。
私は墜落しているので、砂漠や極寒の山を舞台とする小説を、クーラーや暖房の効いた部屋でぬくぬくと読むのが好きですが(笑)