民主主義国における新聞やTVといったマスメディアの役割は大きい。
なぜならば、マスコミが報じる情報が有権者の選挙行動に大きな影響を与えるからだ。日々の暮らしに追われる一般庶民に世界情勢を判断したり、あるいは政治家の功罪を評価しているような余裕はあまりない。
また多層化し複雑に絡み合った現代社会において、社会状況や経済動向などを的確に知ることは、一般庶民には手が余る。だからこそ、報道の専門家である新聞記者やTVの取材クルーが重要となる。
ところが、インターネットが普及してみて分かったというか、分かってしまったのは、プロの記者たちの取材と報道の質に問題があることだった。
断わっておくが、私は左派主義的な報道姿勢が合っても良いし、国粋主義的な報道だって否定しない。それぞれに思想や立場の違いから、異なる意見がある方が当然だと考えるからだ。
困ったことに日本のマスコミは中立公正な立場で報道しているかのようなポーズをとる。これが誤解を招くし、歪んだ報道の大きな原因となってしまう。インターネットにより一般庶民がマスコミを介さずに情報を入手できるようなったことで、マスコミの偏向報道が露呈してしまった。
これが一般庶民のマスコミへの不信を呼び、TVの視聴者数の減少、新聞の購読数の減少につながっている。
しかし、だからといってインターネット上の情報が正しい訳ではない。むしろ情報の質は、ネットの方が悪いと思う。玉石混合であり、良い情報もあるが、どちらかといえば質の低い情報が多いのがネットの特徴である。
だからこそ私は本物の上質な報道を新聞、TVに求めたい。
これは率直に認めなければいけないと思うが、地方版のローカルニュースや生活面での記事には良く取材され、分かりやすくまとめられたものが少なくない。私自身、科学に関する報道や地方社会の特徴を捉えた報道には感心することが多い。
反面ダメなのが先に週刊誌などが報じた事件の後追い記事。報じてはいるけど熱意が感じられず、下手すると嫌々報じている観が否めない。どうも新聞やTVに比べ、週刊誌などのメディアを軽んじているとしか思えない。この糞みたいな驕り高ぶりは止めて欲しい。見苦しいし、それ以上に有害だと思う。
この新聞TVの週刊誌等への蔑視のせいで、報道があまりされない事件が少なくない。最近だと「旭川市のいじめ隠蔽問題」がその典型だと思う。
既に数値ではっきりと判明しているが、新聞とTVの報道における地位は年々低下している。それをインターネットの速報性に負けたからだと弁じているが、それだけではないと思う。
なぜに国民からの信頼が失墜したのか、それを真剣に問い詰めないと新聞TVの存在価値はますます落ちると思いますよ。
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