天気:大雨強風、気温:17度C(AM9:00)
昨夜はここに泊まり、朝強い風と雨の音で目を覚ます。
しかし、牛はエライ。この風雨の中平然として草を食んでる。もちろん、中には風を避けているつもりなのか、木の陰に身を寄せている牛もいる。牛もいろいろで一概には語れない。
一昨日、全頭を囲い罠の中に誘引を試みれば、笛の音に反応していまにも転びそうになって遠くの森から走ってくる。しかし、肝心の囲い罠のゲートを通過する段になると、いつものように警戒してなかなか中に入ってこない。結局、2頭が残留したが、そのままにして下る。夜の間に牛は移動するだろうと考えたからだが、翌朝、案の定牛は囲い罠の中に入っていた。と思ったら、1頭はフェンスの外だと分かる。No.24だ。
こうなるとややこしい。塩を持っていって誘引してみるが応じない。ばかりか、走って逃げる。人間でもそうだが、決まって1頭か2頭こういう牛がいる。これを書いてる本人もその類か。
この調子では第1牧区に牛を上げるのは容易ではなさそう。下からも応援が来てくれるというが、どうなることやら。入牧の際の牛の扱いを気を付けないと、いつまでもそれがしこりになってしまう牛もいる。No.24はどうもそんな牛だろう。以前から警戒心が強かった。
一昨年、有角の和牛を第1牧区に追い上げる際、ブッシュの中に逃げようとする牛の頭を太い棒でボカッとばかりに叩いた人がいた。もともと神経質な牛だったと思うが、以来近づけば逃げまくる。その牛だけならよいが、こういう牛は何頭かを巻き込む。とうとう、4か月牧区替えにも応じなかった。結局、マッキー(和牛の雄牛=種牛)ほか自然交配の牛を入れ、一緒に馴化させていくという手間のかかることをした。
脱柵はこのごろ滅多にないが、以前は牧柵がしっかりとしてなかったため、週に2,3回は牛が牧柵の外に出た。しかし、こういう牛はこちらが内心の動揺を抑えて、焦らず慎重に扱えば戻る。しかし、今のNo.24は明らかに強制されるのも、囲い罠の中へ入るのも拒もうとしている。さて?
今日という今日は外に出ても何もできそうにない。風雨はますます強まるばかり。何もせずにここで1日呆けているのも、たまにはよいだろう。さすがに牛も風を避けるように、囲い罠の中の一群の木の陰に身を寄せ合っている。