5月は俳句では夏に当たる。しかし、此処はようやく遅い春が訪れつつあるところだ。やっと牧草地にも緑の色が目に付くようになったが、例年に比べたら遅い気がする。
ただそれでも、少しづつだが季節は進行している。近くにある落葉松の森の薄いグリーンの新芽が、遠目にも分かるようになったし、それにもしかすればここら辺りも、近日中には山桜が開花するかもしれない。
久しぶりにアラスカの森へ行ったら、クリンソウが春まだ浅き光の中で健気な姿をそこここに見せている。まだ生え始めたばかりだが、この花の群生は年々広がっていて、花が咲けばピンク色の川のようになる。
テイ沢を下ってきた夫婦とおぼしき男女とその娘さんらしきが、小屋に立ち寄った。テイ沢を大変喜んでくれたので、もっとよい場所をお見せしようかと3人を第1牧区まで案内する。今日は風もなく晴れ渡り山々の眺めは素晴らしかったが、中でもこの季節は雪を被った中央アルプスの空木岳に一番感動する。この山を背景にした山桜との組み合わせは、誰も知らないひとりだけのお花見にして、毎春大切にしている。
山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業については、4月28日のブログをご覧ください。トップの写真は5月9日の撮影。また、一昨日書いた音楽教師Tは、男性です。