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Photo by Ume氏
この呟きは題名を「冬」にしたが、まだ森や林は錦繡の輝きを失ったわけではない。来る途中の山室川の流れる谷には、カエデやモミジなどは赤ではなくてまだ黄色も目立つし、山桜、クヌギ、ブナ、ナラの木なども落葉せずにいる。その中でも第二堰堤から眺める落葉松は、細い葉を金色の針に仕上げようとして懸命に磨いている最中らしく、その光沢が日毎に増しつつある。ウルシは分かるが、タカノツメやヤマボウシなどは名前を知るだけで見分けることはできない。きっとあの森や渓を赤や黄色で賑やかに飾っているだろうと想像するくらいで
充分だ。この段階で落葉が目立つのは白樺、ダケカンバ、そしてコナシぐらいか。
昨日のテレビのニュースで、今年はクマによる人の被害が増えた報じていた。それに対して専門家らしき人が、柿の実などは木に残さず、クマが食べたがる残飯なども放置せず、始末するようにと語っていた。それはそれで傾聴すべきだし、実行すべきことだと思うが、こういう受け身な対処療法だけでいいのだろうかと心配になってきた。
知る限りだが、野生の鹿がここまで増えたのも、対策が手ぬるかったからだと思うし、豚コレラにしてもしかりで、養豚業者の切実な声に対し、行政の側の動きが遅かったと感じている。
クマの話に戻るが、今でも一応クマは人を怖れる、ということになっている。襲ってくるのは出会い頭であったり、子供を守ろうとした時など特別の場合だと。だからからか、クマは有害動物にはなっていない。猟期以外に、もしも鹿対策用で仕掛けたくくり罠にクマが捕獲されてしまった場合は、放獣が義務付けられていて、それができるのは麻酔銃の使用許可を持った人に限られる。
こういうやり方を続けていたら、中には人を怖れないクマもいるようになりはしないかという疑問、不安が頭をもたげる。もうすぐ猟期が始まる(11月15日から)が、この頃では取り扱いの難しい銃を背にして、深い雪の中をクマを追いかけていくような猟師は減ってしまった。獲物のクマの毛皮を7万、8万円も払って加工処理してもらい、座敷に飾って喜ぶ人がいなくなった。そして、その猟期も3か月しかない。(つづく)
そろそろ快適な小屋の方をお勧めしたい。
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