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きょうは昨日と打って変わって、初冬を思わせる穏やかな晴天が戻ってきた。今朝上がって来るときに目にした北アはもちろんのこと中ア、八ヶ岳も冠雪していたし、逆光のため確認することはできなかった南アも、多分北部は雪だっただろう。
きょうでようやく、今年は牛を出さなかった第3牧区にある電牧の冬対策を終えた。写真はその帰りに写したものだが、すでに落葉したダケカンバの箒立ちした姿や、その手前の金色の葉を残した落葉松が写っている。西に面した入笠山の山腹の一部を、左斜めから見て撮ったのだが、登山口に通ずる林道も分かるだろうか。牧場には、好きな草地や林がそこら中にあるが、この場所もその一つで、鹿までも好むから頭が痛い。
そういう山の中を久しぶりに歩けば、過ぎ去った年月を嫌でも感じてしまう。いくら見知った場所ではあっても年齢の影響は隠せずに行動、動作も変わってきたことに気付かされた。10年を超える月日が過ぎたのだから仕方ないが、かつては直線に登った斜面を、ゆっくり右へ左へと斜上を繰り返し、1歩で下れる段差を2歩にして、歩く速度も自然に抑えるようになった。
どこを歩いていても一つや二つ苦労した記憶が蘇ってくるもので、この第3牧区ではよく水源の確保に苦労した。きょう古い水源地へも行ってみたが、小さな水溜まりのような水場を幾つも作った跡がまだ残っていた。思案を重ねた末の策だったが、もしも知らない人が見たら、堰にするための細い丸太やそれを固定した鉄の杭で、何をしようとしたのかと思うだろう。その後、改良された水場へたくさんの牛たちが来て、水をズウズウと音を立てながら飲んでいたものだ。
先人の苦労の跡も、古い木製の牧柵が腐って消えてしまったように跡形もなく消えてしまったものもあるだろう。自分の13年もそれと変わらぬだろうと思いながら、初冬の少し寂し気な美しい夕暮れに満足して帰ってきた。
F枝さん、詳しいことは分かりませんが、災難でしたね。かんとさんの天体写真で、ここを懐かしんでくれたのは何よりです。本人も知ったら喜ぶでしょう。伝えます。いつでも、と言いたいのですが、できれば今度の週末は例の入寺式がありますので、それ以外でしたら有難いです。K山君には、今夜TELします。
そろそろ快適な小屋の方をお勧めしたい。
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