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HALの真似をして少し日向ぼこをしていた。思ったより暖かだったのは朝風呂の後だったせいか、それともきょうの冬の日射しが意外と暖かだったのか、快晴ではないまでも、薄雲を通して充分な日溜りができていた。朝から柿の木の梢を選ぶようにして、椋鳥も5羽来ている。こんなふうに、限られた狭いカーテンの隙間から外の様子を見ていると、何ともほっこりとした気分になってくる。冬ごもりにも慣れてきた。1本つけるか。
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HALは素性の確かな川上犬である。この犬種はかつて天然記念物にも指定されたことがあり、オオカミ、山犬に最も近いと言われている。ただそれにしては、我が家のHALに限ってかは分からないが、一向にそういう気がしない。野性味がなく、気が小さい。寒がり屋でもある。確か、もう14歳になったはずだ。毎冬、雪の入笠へ歩いても連れていったが、この冬はどちらの道を登るにしても、もう無理だろう。
原因は不明ながら、最近目立って痩せた。食欲がないというわけでもないから、不思議だ。餌は、7キロで6千円だか7千円だかする、飼い主の経済力にはかなり不適切な物を与え、昨夜もそうだったが、その上ヨーグルトとか生卵を加えてやったりもする。餌だけでは、まるでこの冬を越せないような切なそうな眼をして訴えてくるからだ。と言って、甘やかせてもいないし、あまり相手にもしてやらない。
こういう暮らしをしていると、たまに炊事、洗濯、掃除をやらなければどれほど楽だろうと思うこともあるが、まあ慣れとは恐ろしいもので、なんとか済んでいる。しかし、もしHAL奴がいなくなったら、どうなるだろう。人とも、犬とも幾度かの別れをしてきたが、ムー、何と言ったらよいか思いつかない。とにかくこの10年を超える共同生活の、一番気を許した相手だったと言って間違いない。
かんとさん、25日でもようござんすが、雪が心配。まあ、大丈夫でせう。
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