入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「冬ごもり」」 (35)

2020年01月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうも冬の日が射し込む午後を炬燵の中で過ごしている。時折吹き抜ける風の音がして、珍しくその風に乗るように飯田線を走る電車の音が聞こえてくる。子供のころから信州を離れるまでずっと聞いていた懐かしい音で、最近は耳にしなかった。気付かずにいたのかも知れない。
 線路までは天竜川を間に挟んで500メートルくらいか、以前は遮るものがない田圃だったのだが、そこへスーパーをはじめ薬局、書店、家具屋、自動車関連の店、ラーメン屋、スポーツ用品店までが進出してきて、田園風景は一変してしまった。
 都会に暮らしていたころは帰省の度に、変貌していく古里に複雑な思いがした。しかし、ここに暮らしていれば、変わっていかざるを得ない事情も少しづつ理解できるし、またその恩恵に多少なりとも浴してはいるだろう。

 きょうから格別何の予定もない安気な冬ごもりの日常に戻ると呟いた。そう言っても、昨日ときょうの違いはまだ酒を飲んでいないことぐらいだから、嘲える。今年も松飾り、供え餅の類は一切用意せず、古き良き日本の伝統に従うことができなかった。雑煮もいわゆる正月料理も口にしてない。餅も含めて、食材は上に持っていって使わなかった物がまだ残っているほどだ。人にも会っていない。これが正しい冬ごもり、と言うほどの自信はないが、結構これで不満があるわけでもない。「アルディピテクス」とか「アウストラロピテクス」とか、遠い時間を旅している。

 昨日昼少し前、経ヶ岳の山頂から連絡をくれたK山君は無事下山したとの連絡を受けた。先行者が1名いたこと、雪で断念したパーテイがいたとも知らせてくれた。また今回も入笠の往復に、二本ある古道法華道のうち、登りは諏訪神社口、下りは赤坂口を選んだ彼は、どちらも「何度歩いても良い道だと思いました」と書き添えてくれ、そして「また、雪が深くなったら行きたいと思います」と結んでいた。

 5日間いたのに写真を撮ることもせず、この独り言に使うPHがないので、そのうちにまた上に行こうと思っている。

 今年度の「冬季営業」の詳細については、下線部をクリックしてご覧ください。

 
 
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