
また夜中に目が覚めた。午前2時。雨の音はしてない。4日ばかり牧場(ここ)と里との往復を繰り返し、また昨夜から上の生活を始めた。ここの深夜の静寂の中で、強い酒を嗜む暮らしが戻ってきた。昨夜は9時ごろに寝たはずだから、すでに5時間ばかりの睡眠は取れたわけで、これで足りるという忙しい人もいるだろう。8時間は眠らないと済まない"体質"になっているから、もう少し起きていたら、その後は最低3時間はまた夢幻の世界へ還るつもりでいる。
無音だと思っていた空白の中に、今夜は「カッ、カッ」という規則正しい音が聞こえてくる。電気牧柵の発出機の音が一瞬を刻み、そして湿った闇の中に消えていく。
それにしてもスッキリとしない天気がいつまでも続く。晴れれば体温を越えるような気温が各地を襲い、まさかだが日本も熱帯雨林の気候圏内に引きづり込まれつつあるのか、などということまで考えてしまう。地球温暖化は、今われわれが考えているよりかもっと深刻な結果を、この脆弱な茹でタマゴのような惑星にもたらすかも知れない。まだその原因については、北欧の一少女の怒りとは違う説を主張する人もいるようだが。
われわれの地球は、46億年という想像もできないような長い時間をかけ多くの生命を誕生させ、その中で極めて後発のわれわれ人類が特権的な地位を得て、ここまで文明を築いてきた。しかしそれらも、お天道様の機嫌次第で煙のように消えてしまう儚い運命にあるらしい。
何かの本で、まだそのお天道様は壮年期にあると読んだ気がする。一応は今は安定した状態で、今後もそれが続いていくらしい。ということは、太陽の寿命よりか、温暖化の問題も含めわれわれ人類の将来の方が余程切実な問題に思えてくる。COVID-19に加えて、きな臭い話ががあちらこちらでしている。取越し苦労、という言葉もあるが、そうであってほしい。
雨がサーと降って止んだ。午前8時、薄日が射してきた。都会にはまた暑い夏が戻ってくるようだが、天気が回復すれば、第4に居残る3頭の和牛を少しづつ手懐ける仕事が待っている。
かんとさん、ありがとう。tさん、「育成牧場」などという言葉をご存知のようで、ご希望に添える場合もあります。
本日はこの辺で。