午前6時、気温15度快晴。今朝は青い空が拡がり、東の山並みの向こうにわずかに白い雲が見えているだけだと思っていたら、それも千切れてすでに消えかけている。ようやくこの谷間にも、朝日が射し込むようになり、ウグイスもそれを感じるのかさっきからずっとその鳴き声が聞こえてくる。牛たちは朝露に濡れた草原を考えかんがえしながらゆっくりと移動していくのが見える。変わり映えしないけれど、安心して眺めていられるいつもの朝の光景だ。
昨日から、年配の夫婦が、5泊の予定で遠路を京都から来ている。ここ何年か、毎年のように来てくれている馴染みの人たちで、旦那さんの方はこういう野外生活を楽しんでいるのが分かる。しかし果たして、その同伴者である夫人はどう感じているのかと、つい考えてしまう。特に不満を洩らすところなど聞いたことはないし、あまり口数の多くない従順な女性のようで、今は朝餉の支度を二人で睦まじくやっている。
突然「おはようございます、Tです」という声がして、誰だろうと行ってみると、驚いたことに以前毎年のようにボーイスカウトの若者を連れてここに来ていた団長のTさんだった。下から電動補助の付いた自転車で来たと言い、それにも驚いた。何年振りだろう、3年くらいになるのか。彼は若いころからのボーイスカウトの団員で、40年くらいは毎夏来ていたと話していた。
COVID-19の影響で東京都に所属するすべての団はこうした活動が禁止されていると、今は活動から離れたという彼の話を聞きつつ、そういえばここにも毎年のように入れ代わり立ち代わりボーイスカウトや色々な団体が来ていたころの夏を思い出した。
これから、さらにCOVID-19の猛威は強まるだろう。若者は感染しても重症化しない、という説と、接種の「平等」という言葉に拘り過ぎ、ついにはここまでの事態を許し、今後はしばらくそれがさらに悪化するという状態である。秋ごろには衆院の解散選挙が待っていることも理由で、政権与党は強い態度に出ることには及び腰なのかも知れない。
昨日、複数の家族で10人くらいの予約を入れてくれていたMさんから、緊急事態が発出されどうしたものかと電話で問い合わせがきた。楽しいキャンプをこの夏も楽しみにしていながら、それでも国、都の自粛要請には従うべきだ考えている様子が伝わってきた。それで話し合いの末苦渋の思いで予約取り消しを勧め、双方で受け入れた。Mさん夫婦ばかりか、若い娘さんたちも医療従事者のため、全員がすでに接種を受けていて問題はなさそうだったが、それでもそのような判断、結論に至った。
昨夜は柴漬けをポリポリと食べながら強い酒を飲み、一人して束の間の平安を味わった。本日はこの辺で。