
霜が降りた。午前6時の気温0度、薄曇り。4月に零下を下回ることはそれほど珍しいことではないから、驚かない。水道の水は流しっぱなしにして、こうした急激な気温変化に備えるようにしている。
そういえば、昨夜の8時ごろ鹿の様子を見に外へ出たら、春とは思えないような澄んだ夜空に、満月に近い月が丁度権兵衛山の上に昇っていた。
鹿の姿は1頭も目にしなかったから、彼らもこの気温変化を予測できていたのだろうか。
いや、1頭だけ見た。死んだ姿で、かなりの部分がすでにカラスやトビに食い荒らされた屍だった。下の初の沢の大曲がりの手前で、その近くで足を痛めた親鹿が昨春に産んだであろう2頭の小鹿を連れて渓から上がってきたところを見ている。あの場面では、逃げなかったというより、そうできなかったのだろう。
そして何らかの原因で亡くなった。
鹿はあの勢いで藪の中や、急な斜面を下っていく。足を挫いたり、鋭い木の枝で大きな目を突いたりすることはないのかと思ったりするが、そういう鹿にはまず出会わない。小鳥にしても、よくあの複雑に伸びたコナシの枝に羽を傷めずに搔い潜って行けるものだと感心する。
しかし実際はどうなのだろう。われわれの知らない所で多くの動物が怪我をしたり、それが原因であの鹿のように命を落としているのかも分からない。人間だって世界中のどこかで、たくさんの生命が失われ、あるいは奪われている。
以前、露天風呂の漏水を調べていた時、煙突を支える4本の針金のうちの1本にアリが登っていった。風呂釜には火が点いていたから、それ以上いくと火傷を負うぞと思いながら見ていると、案の定煙突近くから落下した。その場所は炬燵板程度の広さの釜の屋根だが、ここも炎熱地獄で、しかもアリにしたら野球のダイヤモンド並みの広さである。どこへ行けばいいのか分からずうろたえているように見えた。
それで、まだそれほど暖まっていない風呂の水をかけてやった。その後アリは無事に地上に着地できたかは分からない。
あんな小さな生き物たちにとっても、自然界は危険に満ちた世界なのかも知れない。その危険な対象には、当然ながらわれわれ人間も含まれている。
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本日はこの辺で、