朝霧が流れていく。コナシの枝に付着した無数の水滴が、日を浴びてキラキラと点滅しながら光る。時折、そんな静かな朝をキジの鋭い声が切り裂くように破る。
外気温は午前7時の段階ですでに10度を超えた。同じ10度でも、やっとそこまで達したという場合と、これからまだまだ上昇していくというのとでは温度感が違う。当然今朝は後者で、窓を開け、鋭い朝の光をレースのカーテンで防いでいても、外気の暖かさが伝わってくる。
コナシばかりか濡れた牧草も水蒸気を盛んに吐き出している。別の方角から聞こえていた鳥の声が、第2牧区の林の方に移ったようだ。
昨日の午後、天気が悪いのできょうの予定を前倒しして里へ下った。連休中に行われる集落の行事には参加できないため、その穴埋めに準備の手伝いをするつもりだったのだが、すべて済んでいるから心配しなくてよいとのお達し、その言葉に甘えて、再び帰ってきた。
写真は、庭の半日陰に咲いていたヤマシャクヤク、TDS君とカタクリ峠へ行った帰りにムラカミ君宅へ立ち寄り、その際に頂戴した野草だ。ちゃんと根が付いて、主不在の陋屋の一隅をミヤコワスレと一緒に飾ってくれていた。
不思議なもので、山で暮らすようになってまだそれほど日が経っていないというのに、すっかり里は遠くなった。折角帰ったのだからその日ぐらいは家に泊まり、風呂にでもつかり山の疲れを癒そうと考えても良さそうなものだが、そういう気がしない。自分でもこの山への義理立てする気持ちはよく分からないでいる。
アンテナのせいらしいがBSチャンネルが見られなくなって、ウクライナやパレスチナばかりか、テレビともご無沙汰したままだ。世の中とは縁遠くなるも、目のためにはその方がいい。
まだ身体が肉体労働に慣れていないため疲れるし、風邪の名残りもあるから、寝るというよりか身体を安静にしているために8時を過ぎれば床に入る。
昨夜は真夜中に目が覚め、1時間ほどビールを飲んで起きていたが、再び浅い眠りを繰り返し6時半ごろに起きた。
訪う人もなければ恐らく、山の暮らしはこんなふうになるのだろう。
混雑させないキャンプ場ながら、まだ連休前半の予約は大丈夫です。お早めに。
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本日はこの辺で、