春の宵の艶めかしさをようやく感ずる季節になった。他方、季節に先駆け清楚可憐な花を咲かせたユキワリソウも、散り急ぐ梅の花とともに花の季節の終わりを告げた。それでも根元には、みずみずしい新緑の若葉が生育しつつあり、来春はさらに多くの花を咲かせてくれるに違いない。
枯れ葉の中に隠れていたイカリソウの新芽がいつの間にか花を咲かせ、オオウチワもまた親指大の芽を見せてくれるようになった。
きょうの写真は2年前の4月1日に撮った再録で、場所は福与城址。今年の春がいかに遅いかが分かる。
あまり意識することもなく過ごしてきた冬ごもりも、残り半月となった。振り返ればいつもながら思い漠々、消えかけた夢の反芻でもする気分で、日常とはそんなものだと凡夫の言い訳をするしかない。
散歩の通算距離も前々年、前年と比べて格段に落ち、入笠以外に一度たりとも遠出することはなかった。4か月前、契約期間が切れるというので、「お守りだから」などと言われ車両保険を更新し、もうすぐ牧へ生活の中心を移せば農協から貸与される軽トラに乗る。車も保険も用がなくなる。
こうしてみれば、この5か月はまったく「炬燵の虜囚」そのままであり、放牧された牛さながら狭い範囲の自由を玩(もてあそ)び、無為に近い日々を繰り返した。
ただそれでいて、毎日まいにち翌日を待って暮らしていた。午後になり、さらに日が傾き、そして一日を閉じる儀式が終われば、もうその日には用がなくなり、読み終えた本の次を探すように、翌日が欲しくなる。翌日も変わぬ日々であると重々承知の上でそう思ってきた。
突然話は変わるが今、20人分を超えるカレーを作っている。昨日のうちに鶏がら入りのスープを準備し、朝から多量の玉ねぎを炒め、それを使って煮込んでいるところだ。この後、下ごしらえをして一夜寝かせた豚肉と勝負し、さらに煮込む。
料理を供するのは明日だが、3年やった「CAMP ONE」が、一度も黒字にならなかったのは味ではなかったことを、今年も口うるさい面々に思い知らせてやらねばならない。
なお、昨年は大好評で、それで今年もやることになったのだが、その中にいた2名、FMZ君とSADA君はいない。
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本日はこの辺で。