入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    山の寝言

2014年09月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

    
 
昨夜は、やはり上に泊まった。「窮理の船」の乗船を待つうち霧が深くなり、出航を諦めた。奥山氏の隠れ家を訪うこともせず、鹿の夜間調査をした。そして、たらふく酒を飲んで寝てしまった。
 鹿は第2検査場に10頭ほど、大沢山で5,6頭を目撃したが、専用のライトを持たないので、これだけでは何も言うことはできない。ただ日中は姿を潜めていても、夜間になると活動を始めるということだけは間違いない。以前は昼間でも、平然として草を食んでいた鹿だったが、それだけ注意深くなっている。
 罠に関しても、同じ傾向が感じられる。「雷電様」の近くに4個掛けた罠で翌日1頭獲ったが、殺処分を1日延ばしたせいか、それ以来捕獲できていない。見せしめが効きすぎたのかも知れない。
 それにしても、有害駆除まで仕事の一部になってしまうとは、予想もしなかったことだ。そのために、罠師の資格まで取り、猟友会にまで入って・・・。


                                               
 
 今朝は4時に起きた。今7時になんなんとしているが、気温6度。ようやく山の影から太陽が登ってきた。今日も素晴らしい秋日和だ。別段誰かに強いられてしていることではないが、仕事の前にブログを上げてしまえるのは有難い、気が楽になる。
 そうだそうだ、昨夜食べ残した栗ご飯を頂かねば。それにおでんまである。飲むと食べれなくなるので、昨夜はほとんど箸を付けてなかった。どうもここでは酒が入りすぎていけない。しみじみとした夜になる間もなく、不覚昏睡。

 トライさん、どこの山へ行ってたの。この時期になると、久しく沙汰のなかった人からも声がかかる。OZWさん、TEL多謝。あなたも酔っていましたね。クク。それにしても、やまかっちゃんこと「百姓山勝里の芋」は元気にしているのだろうか。
 
 雨に濡れた落ち葉を踏みしめ、たどり着いた湯檜曽川の畔で、かろうじて過した一夜のことが妙に懐かしい。今、谷川へ行ったら、どんな気持ち・感慨を味わうのだろう。

 今日の写真は2枚ともご存知Ume氏の作品。ありがとうございました。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5、6日のブログをご覧ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     紅葉を案ずる

2014年09月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 天気予報によれば今週末は雨の予想だった。それが、昨夜管理棟を出たら、山の際にわずかな雲があるだけで上空には雲ひとつなく、遅い夕焼けが西の空に残っていた。そして今日、この好天はどうだ。今年は夏ごろから異常気象が問題になっていたが、しかしそれでも、これだけ」予報が外れるとは。
 昨夜なぞ、もしかんと氏やTBI氏が予定通り来ていたら、素晴らしい天体写真が撮れただろうに。そう思うと、何の弁明もなく今度は正反対の予報をシレッとしてやるのには、いささか納得のいかない複雑な気持ちにさせられる。前にも書いたが、いつもとは言わないから、たまには予報の難しさや、外れた理由を説明して欲しいと思う。あれだけの人員や観測機器、大型コンピューターを持つ気象庁の予報に、一喜一憂してる人は多い。







 ところで、今年の紅葉が案じられる。上のPHは今朝登ってくるときに撮ったものだが、とっておきのツタウルシの木である。なぜアップにしたかといえば光線のせいで、本当は似た構図にしたかったのだが、ともかく下の昨秋MYZW氏が撮ったツタウルシのPHと比べてみてほしい。
 なんとなく、今年は赤くなる前に焼けてしまうような気がする。夏から秋にかけて今年は雨が多かったから、そのせいではないだろうか。あっ、これは外れてほしい素人の案じ事。なお、NKZW氏のこのPHは、別の機会にオリジナルサイズでUme氏のPHとともに再録を近々に計画中。
 
 今夜は頂戴した栗ご飯を携えて(栗ご飯は秋の食物ではサンマ飯と双璧)「窮理の船」に乗って、久しぶりに星の海に遊ぼうと予定してきたが、山奥氏こと「百姓山奥いつもいる」の隠れ家にも呼ばれている。さて、どうしたものか。

 「窮理の船」に乗って星の海へは、入笠牧場からの乗船となります。お間違えのないように。
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     山の事故報道を読んで

2014年09月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

右手経ヶ岳の背後は御嶽山


 PCがグズグズ言って、ブログをアップできなかった。1年やっていてこんなもので、五領丸先生他各位から「遭難したか」とか「どうした」などご心配いただいた。Ume氏にはご苦労をおかけした。

 遭難と言えば、先週の3連休、山の事故が相次いだようだ。毎日新聞の県版には、北アルプスでは13件とある。また、キノコ採りに出掛けて、行方不明になってしまった人もいるようだ。「好天 増えた登山者」という見出しは、天気が良くて登山者が多かったため、それで事故も増加したとの県警地域課の分析から得たようだ。
 その上で、「致命傷を防げるヘルメット着用」と小見出しを入れ、ヘルメットのお蔭で、一命を取り留めた人の例をあげている。「北鎌尾根を4人で歩いていた云々」とあり、そのうちの一人が落石を受けたが、ヘルメットを着用していたため死なずに済んだ、と。「県や県警は、現在ヘルメットの着用を推奨してい」て、「北アルプスを中心に山小屋などでも貸し出しを行っている」と報じ終わっている。
 まず、北鎌倉尾根は、「歩く」と表現するような場所ではない。これだけで、記者が山を知らずに書いているということが分かる。「北鎌尾根では死人が獲れる」と、かつては歌にうたわれたほどで、幾人もの人が命を落としている。
 こういう場所や、他には西穂からジャンダルム経由奥穂高岳のコースとか、前穂の北尾根あたりは、言われなくてもヘルメットを着用する方が賢明だ。しかし、どうもこのヘルメットには、別の意図を感じる。
 昨今山ガールとかの登山ブームで登山用品の販売が好調のようだが、これと似たような商業戦略の臭いがする。某登山用品メーカーからヘルメットを寄贈された県警が、山小屋に配分して、小屋はかなりの料金を取って登山者に貸しているようだ。これをメーカーの巧妙と言うか狡猾と言うか、一つの販売戦略だと観る者もいる。もしもそうなら、今度は、ヘルメットを被った山ガールとやらが、そこら辺りの山にも出没することになるのだろうか。
 今の時代、当然商売上の戦略は大事だろうが、登山靴のフックが飛んだり、紐がすぐ切れたり、衣服が洗濯に弱かったり、雨具の丈やフード短かったり小さかったり・・・、こういう点にも、さらなる企業努力を惜しまないで欲しいとお願いしたい。

 天気はそれほど悪くないが、天体観測隊は諦めたのかな。窮理の船」に乗って星の海へは、入笠牧場からの乗船となります。お間違えのないように。今日はブログ2本上げました。1本は一昨日に中断したブログです。
 
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

    「木なんて何でもいいよ・・・」

2014年09月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 第4牧区のC放牧地は、縦線が入笠山の登山道と並行して走っている部分がある。冬季の入山者の中には、そこが牧場内であることを知ってか知らでか、中まで入ってくる者がいる。そしてその際に、牧柵を切ってしまう。
 いろいろな事情でもう、この放牧地に牛を出すことを考えてはいないが、かといって勝手に入られても困る。そうさせないためには管理を怠らないことだが、毎年のことながらこの牧柵には手を焼くし、また腹立たしくもある。
 まず長いこと行ってなかった山頂の下にある横線に沿って歩いてみた。もうこの横線に手をいれるつもりはないが、ただ状況だけは知っておきたかった。案の定ひどいことになっている。どこもかしこもズタズタに切られている。鹿のせいである。このクマ笹の生い茂る森の中で、牧柵の修復に費やした悪戦苦闘の日々が甦ってきた。が、それらは結果として、徒労だったのか。


    ヒルデエラ(大阿原)                                          Photo by NKZW氏


 引き返す途中、森の中にはキノコも目に付いたが、もうそんなものに興味はなかった。そして、縦線に行ってみた。登山道と最も接近する辺りは、きちんと管理しておかねばと、幾箇所となく破断したバラ線の修理を始めた。
 すぐ近くで登山者の声がする。
「ああ、いつ見ても白樺の木はいいなぁ。みんな早く来な」
 初老のなかなかお洒落な恰好をしたその人の声に、あとから同じような年恰好の人が幾人か加わって、眺めている。あまりに悦に入ってる風がおかしくて、少しからかいたくなって言ってやった。
「感動に水を注すようだけど、その木は白樺じゃないですよ。ダケカンバ」
 すると、その中の一人の女性が、笑いながら応じた。
「本当だ、色が少しクリーム色がかっているし、白樺とは違うわ」
 白樺の木だと思って感動していた男が、今度は気まずそうに言った。
「木なんて何でもいいよ・・・」
 
 笑った。一人で笑った。その日は、そのことを思い出すと愉快だった。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

    HALとキク

2014年09月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 キャンパーもいなくなったので、ほったらかしにしていた犬2匹を連れてきた。昨日ブログに載せた犬たちである。
 いつものように、大沢山の牧区へ見回りに行こうとして弁天前まで来ると、後ろからキクが猛然と追いかけてきた。普段は繋いでから出掛けるが、このときは、2匹の犬はキャンプ場の水場の近くで何かに夢中になっていた。トラックの出発を気付かずにいると思ってそのままにしておいた。そうしておいても、犬たちは管理棟からはあまり遠くへ行くことはない。
 仕方なくキクだけを荷台に載せ、そのまま、大沢山のいつものコースを巡回する。この巡回は罠の点検も兼ねていて、捕獲できてもできなくても、決まって複雑な気分を味わう仕事だ。
 上空はまた曇り空。入笠山の山腹の半分は霧の中に隠れてしまっている。広大な灰色の空、青空と言えば守屋山の上空に、申し訳程度に見えているだけだ。
 鹿は掛かっていなかった。安堵と失望、どちらが強いか分からない。もし掛かっていたら、キクはどんな反応を見せただろう。雌犬だが川上犬、それにこの犬は気性も荒い。
 一回りして第3牧区のゲートまで来て、施錠し、そして振り返った。驚いた。不安気な目をしたHALがこっちへ向かって小走りにやってくる。呼ぶと、今度は嬉しそうに全速力で走ってきた。
 不思議だ。HALはこれまでここに来たことはない。どうやって、この場所に来ることができたのだろう。と言うより、ここにいることがどうして分かったのだろう。後を付いてきたとすれば、もっと早くに追いついていたはずだし、来るときはHALのことも考えて、後方にも注意を怠らなかった。嗅覚か。しかし、なんの臭いを頼りに、1キロほどもある初めての道を来たのだろう。

 キクは分からないがHALなら、ここから家までの40キロの距離を、単独でも帰ることができるだろう。今8歳だが、小さいころから教えればすぐに何でも覚えた。冬の法華道にも付いてきた。ただ、この犬は気の弱いのがたまに傷。その分、3歳のキクがオテンバだから、ちょうどバランスがとれているのかも知れないが。さあ、また山道を、今夜は一人と2匹で帰ろうな。


 色付き始めた山桜

 また今日も写真と文がバラバラとのお叱りを受けるだろう。Oさん、Yさん無事帰れたようで、安心しました。またおいでください。山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。 
 
 













コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする