中高年の登山が盛んだ。しかしそのため事故も多く、遭難者の7割を占めるという。事故のたびにいろいろな分析が言われ、原因も明らかにされるが、増加傾向は止まらない。
大分以前のことだが、ある女性の元登山家が「秋の取り入れが終わったら、3000メートルを超えるような山へ、中高年は登るべきでない」と書いていた。これは、卓見だと思う。
いろいろなところで、山は危険だと、すでに充分過ぎるほど言われてきた。だがその割に、どうもその内容があまりピンとこない。その点、これは具体的で、一つの基準にもなる。
初心者や中高年は、遅くも10月の半ばを過ぎたら、森林限界を超えるような山には行くな、ということで分かりやすい。思いがけない氷雨や霙に降られて体力を消耗し、その上3000メートルの高所で風にでも吹かれたら、頼りのゴアテックスも安心には程遠いと知るべきだ。
登山はどうしても情緒的に語られる。遭難事故でさえ、歌になり、詩に書かれ、小説にも綴られる。しかし、中高年の遭難事故には、そういうふうな要素はないのか、知らないし聞かない。
これからしばらく、秋日和の森や林にこそ、彼ら彼女ら中高年の舞台が、しつらえられていると思うのだが。
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