二日間上に泊まる。山の朝は早く、夜は長い。毎日、片道1時間以上をかけて上り下りするよりか、上に泊まった方が楽のような気がするが、実際はそうでもない。暗い山道を好んで下り、誰が待っているわけでもない家で、山とは違う時間を過ごすのも悪くはないのだ。そうすることで、一日の区切りもできる。
帰り道、高遠を過ぎて笠原地区に来ると、伊那谷の灯が見える高台に出る。ここからしばらく、町の灯りを目にしながら、その下で営まれている人の生活のことを想像してみる。何か具体的なイメージが浮かぶわけではないし、誰であれ日々の暮らしがいいことばかりではないはずだが、それでも他人の幸福を思いほほえましく感じ、また一方で自分の暮らしを振り返ってみたりする。
と言って、今の暮らしに格別な不満などない。むしろ、幸福と思うことの方が多い。
村の祭りが終わった。準備には加わることができたが、祭事と後片付けには参加できず、呆気なく終わった。TKJ君から貰った小鮒の甘露煮、あれは祭りにふさわし懐かしい味がした。クロッカワ、里芋の煮付け、茄子の漬物・・・、一人でした祭りであったが、それでよかった。
店に秋の味覚が溢れ、鍋の季節もやってくる。一日を閉じる祭りに、時間が不足しそうだ。
K‐隊が帰るのを見送る。皆いい人ばかりだったから、ぜひ冬の入笠にも足を運ぶようにと話した。Oさんご夫妻や千葉から来た三人は、渋滞に巻き込まれずに帰れただろうか。朝早く引き上げたY-隊他は、多分大丈夫だったろう。青い空に幾筋かの巻雲が、空の高さを教えてる。
― かくしてこうして繁忙の数日が終わり、また帰らぬ日々となって去っていく。
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