年度末の頃
伝説の名演を再び! という番組が何本か流れていることに気が付いた。
いくつも録画して けれどもそんなにきちんと眺めることもできず
ツィマーマンという人が ポーの一族化している!(≒いくつもの年代のものをいっぺんに見た!)なんて次々斜め再生しているうちに、なんだか見たことのあるような人が出てきた。
ギドン・クレーメル。
伝説の名演を再び 「クレーメルが弾くブラームスのヴァイオリン協奏曲」
の中の クレーメルさんは どうしてだか どこかで会ったことのあるような気になってくる人だった。(過去に行ってみると確かに、ベートーヴェン クロイツェル・ソナタ クレーメル アルゲリッチ を聞いたことがあったのでしたが。。。)
どんな人なの。
伝記を読んでみることにした。
ちいさなヴァイオリン ギドン・クレーメル自伝 山本尚志、馬場広信訳 リブロポート 1995.5
「父さん、母さん、おじいさん、それどころかひいおじいさんもヴァイオリニストだった」ギドンくん。
ヴァイオリンのために練習を 健康のために海水浴を
10代なりたての頃からギドンくんは 練習時間やら海水浴回数やら
記録させられたのか自ら記録しておこうと思ったのか とにかく記録魔となっていった。あるいは そのころからの日記習慣が この自伝の細やかさを彩っているようだった。
ギドンくんが初めてときめいた芸術家のアイドルは、ヴァン・クライバーン。「ヴァン・クライバーン、アメリカ」という宛先で手紙を出したそうだ。
「学研様方 いわさきちひろ様」なる手紙を出した、遠い昔の私の事や
「名古屋 きんさんぎんさん」で手紙は届いた、という少し昔の話を思い出した。