午前中は奈良公園に遊んだ。軽快に自由にふらりふらりサイクリングをた楽しんだ。何処も此処もとにかく外国人で賑わっていた。蒸し暑くて汗を掻いた。それでもそうできる愉快が、圧倒した。
奈良の宿の、夕食会場に隣接して、野外には早くもビアガーデンが始まっていた。あちらにもこちらにも若い男女の甲高い笑い声がこだましている。カンパイが飛び交う。ジョッキが鳴る。椅子が軋む。若さはそれだけではなやかだ。黄金の花になる。歓楽の小川を合流させて暗い真夏を輝かせる。夜空から見下ろしている白く細い月がひどくみすぼらしかった。みすぼらしのは、空の月ばかりではなかった。僕は芋焼酎の2杯目を頼んだ。
奈良は柿の葉寿司の店が列ぶ。これを食べなきゃここを旅していることにはならない。鯖と鮭とアナゴ。ほんの一口大で一個が150円。しっかり絞めてある。柿の葉の若緑が匂って来た。法隆寺の門前町の一軒に入って涼を求めた。隣の席のカップルのかき氷が眩しかった。