市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

首都高ローリー横転炎上事故の損害賠償の経緯と行方を明らかにすべく内閣府に意見書を提出

2013-03-06 23:49:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■1995年5月18日に安中市土地開発公社で発覚した史上空前の巨額詐欺横領事件の単独犯とされた安中市元職員の実弟が経営する運送会社である多胡運輸が所有するタンクローリーが、2008年(平成20年)8月3日の早朝、首都高5号線熊野町ジャンクションで横転炎上した事故で、原因者の多胡運輸らを相手取り、首都高が東京地裁に提訴した損害賠償請求事件の第1回口頭弁論が2011年10月7日に開催されて以降、現在もなお係争中のようですが、当会では、この裁判の情報等について、首都高の道路施設を保有している独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して、平成24年11月28日付で公開請求しました。その結果、同12月25日付で不開示処分とされたため、平成25年1月4日付で異議申立をしていたところ、同1月28日付で同機構から当会の異議申立てについて、内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に諮問した旨の通知が到来しました。そして、平成25年2月12日付で同審査会から、同機構が作成した情報不開示の理由説明書が送られてきて、これに対する意見書を3月6日までに提出するように通知がありました。
 そこで、本日付で次の内容の意見書を内閣府に提出しましたので報告します。

永田町合同庁舎の入口。セキュリティチェックが厳しく、玄関ロビーで意見書を手渡した。

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                    平成25年3月6日
〒100-0014東京都千代田区永田町1-11-39
 永田町合同庁舎5階
内開府情報公開・個人情報保護審査会 御中
 電話:03-5501-1739
 FAX:03-3502-0165
               異議申立人
                〒379-0114群馬県安中市野殿980
                市政をひらく安中市民の会
                 小 川   賢
                 電話:027-382-0468
                 FAX:037-381-0364
     意 見 書
1 諮 問 庁:独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
  諮問番号:平成25年(独情)諮問第3号
  事 件 名:特定会社のタンクローリーに係る特定事故で首都高速道路株式会社が被った損害に関する文書の不開示決定に関する件
2 異議申立人は、平成24年11月28日付けの法人文書開示請求書により、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)に対して、以下の情報(以下「本件情報」という。)について開示請求を行ったところ、平成25年2月12日付府情個第355号で、諮問庁の理由説明書が送られてきたため、これに関して、次のとおり意見を述べる。

(1)機構による不開示決定の不当性
 機構は、異議申立人による開示請求を受け、以下の理由を付して、平成24年12月25日付け総総第119号の法人文書不開示決定通知書により、不開示決定(以下「原処分」という。)を行った。この決定理由について、機構は「異議申立人が開示請求を行なった(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書は、作成・取得しておらず不存在であるため。」と理由説明書で主張するが、一般市民にとっては、それをそのまま鵜呑みにすることは困難である。なぜなら、首都高速道路株式会社(以下「首都高」という。)史上最大と言われる物損事故である特定会社のタンクローリーに係る特定事故で首都高速道路株式会社が被った損害は、首都高にとっても、施設を保有する機構にとっても、さらに、そこを通行する利用者にとっても、規模的に甚大であり、本件について、組織内で協議をした経緯があるはずであり、その結果、(1)役員会の議事録、(2)監事監査関係、(3)記者発表などの情報が存在こそすれ、不存在であるはずが無いからである。
 さらに、マスコミ報道によれば、2011年7月に利用者の特定会社を相手取って首都高が計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した事件が存在することは明らかであるから、一般市民の通常の考えによれば、少なくとも(6)争議関係、(7)警告書等、(8)措置命令書管理簿、(9)措置命令書(控)等の情報が存在することが想定される。
 しかし、(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書はいずれも機構の内部文書であるため、機構が不存在と主張すれば、それを覆せる根拠を外部にいる異議申立人として入手できる立場には無い。
 機構は、(10)原因者負担督促状(控)等の法人文書に限り、「その存否情報が独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「法」という。)第5条第2号イに該当する法人に関する情報であるとして、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある不開示情報であるため、法第8条の規定に基づき、当該法人文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否する」と判断した。
 平成24年12月14日付の物流ウィークリーは、本件の特定事故について、次のように報じている。次に当該記事を引用する。
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出典元のURL:http://weekly-net.jp/2012/12/post-1534.html
関交協に突然賠償請求 高速道路保有・債務返済機構
【事故】2012年12月14日 13:19
 08年8月、ガソリンを積んだ大型トレーラが首都高で横転、炎上するという事故が起こった。道路がトロトロに溶けるという日本の高速道路史上、未経験の大火災事故だった。4年以上経った今も、事故を起こした多胡運輸(群馬県高崎市)と首都高速道路会社との間で裁判は続いているが、多胡運輸が加入する関東交通共済協同組合(大高一夫理事長)に、今年に入って当然、荷本高速道路保有・債務返済機構から損害賠償の請求書が届いていたことが本紙の取材で分かった。関交協が支払えるのは危険特約として再共済を利用した10億円が限度。「それをはるかに上回る金額」の要求に関係者は戸惑っている。
 全面復旧までに2か月以上かかり、市民の生活から首都圏経済まで大打撃を与えた事故を起こした多胡運輸は保有車両30台。直荷主の出光興産から元請けのH(異議申立人による注:ホクブトランスポート㈱のイニシャル)運送を経由して仕事をする、いわゆる下請け業者だ。事故の2か月後、関東運輸局は同社に対し車両5台を55日間使用停止とする行政処分を行った。さらに特別監査の結果、運転者に対する指導監督違反など8項目の法律違反が判明。追加の車両停止処分と運行管理者資格者証の返納命令を発出している。
 当初、被害総額は復旧工事費20億円、通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円と噂されたが、9か月後に首都高速が関交協に示した「損害見積もり」は、復旧費用17億円、営業損害15億6000万円の計32億6000万円だった。その頃、関交協には、東京都建設局(排水システム被害ほか)、東京ケーブルテレビジョン(配線ケーブル全焼)、隣接するマンション(外壁被害)など首都高速以外の各方面からの損害賠償が出そろったが、現在、2次被害も含めて「ほぼ片付いた」という。
 未解決なのが首都高速に対する損害賠償。多胡運輸との裁判がいまだに続いており、損害賠償額は決定していない。そこに機構からの請求書。関交協は「まだ被害総額も確定せず、当事者の賠償額も決まっていないのに訳が分からない」と困惑。確かに民営化に際して採用された「上下分離方式」では「下」の部分、つまり道路施設は機構の所有物で、損害賠償を請求できる立場といえるが、裁判には現在も参加しておらず「突然、一方的に」加害者の保険会社に文書が送られてきた格好だ。
 首都高速に「今後、どう対応するのか」聞いてみたが、「ノーコメント」。膠着状態が続く炎上事故の裁判が、複雑な様相を見せ始めた。(土居忠幸)
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 この報道記事によれば、機構は、加害者(=原因者)である多胡運輸が加入する保険会社の関東交通共済協同組合に、2012年の早い時期に損害賠償の請求書を発出したことがうかがえる。ということは、(10)原因者負担督促状(控)等が存在することを意味している
 以上のように、開示請求に係る(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書については、機構が存在を否定しているが、少なくともその一部は存在している可能性がある。
 また、機構が不存在とした「2011年7月に首都高が事故の原因者らを相手取り東京地裁に提訴した損害賠償請求事件関連情報を含む「(13)その他」情報」については、上記の報道記事によれば、機構は特定事故を巡る首都高が原告として、被告の特定会社を相手取っている訴訟には参加していないことがうかがえるが、これだけ規模の大きな重要事件であることから、首都高の上級機関である機構に、その裁判情報が不存在であるということは到底考えられない。よって、異議申立人は、(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書について「実際に機構が作成ないし受理した書類である」ので、公にすることが必要だと判断する。そして(10)の法人文書も異議申立人の主張どおり、公にされなければならない。

(2)機構の主張への反論
 (1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書の一部には、前述のとおり、機構が作成ないし受理していなければならない文書、あるいはその可能性が高い文書が含まれていなければならないはずであることから、異議申立人の主張には正当な理由がある。ただし、どの項目の法人文書が存在するのかは、異議申立人には調査できる権能がないことから、情報公開・個人情報保護審査会の手できちんと機構を調査してもらうしか方法がないのも事実である。
 (10)の法人文書について、機構は
「道路法(昭和27年法律第180号)第58条に定める原因者負担金について機構が行った原因者への督促に係るものである。機構が行う原因者負担金の督促は、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第40条第1項並びに第45条第3項及び第4項の規定に基づき、首都高速道路株式会社等の高速道路会社が督促した原因者負担金が指定した期限までに納付されない場合に、高速道路会社からの申諸により行うものであり、納付すべき金額が納付されないときは、機構は国税滞納処分の例により強制徴収することができるものである。 したがって、出光興産㈱、ホクブトランスポート㈱及び多胡運輸㈱(以下「本件特定会社」という。)に係る(10)の法人文書の存否を答えることは、本件特定会社が原因者負担金を滞納しているという事実の有無(以下「本件存否情報」という。)を明らかにする結果を生じさせるものである。」
と理由説明書で主張している。ちなみに道路法第58条は次のとおり原因者負担金について定めている。
~~~~~~~~~~
(原因者負担金)
第58条 道路管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。
~~~~~~~~~~
 また、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第40条第1項並びに第45条第3項及び第4項は次のとおり原因者負担金の督促について定めている。
~~~~~~~~~~
(道路に関する費用についての道路法の規定の適用)
第40条 会社管理高速道路に関する道路法第57条から第63条までの規定の適用については、同法第57条中「道路管理者以外の者」とあるのは「道路管理者及び当該会社以外の者」と、「同条の規定により道路管理者の承認を受けた者」とあるのは「道路整備特別措置法第8条第1項第13号の規定により第24条本文の規定による道路管理者の権限を代わつて行う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)の承認を受けた者」と、同法第58条第1項及び第59条第3項中「道路管理者」とあるのは「会社」と、同法第58条第1項及び第60条ただし書中「を負担させる」とあるのは「について負担を求める」と、同法第59条第3項中「全部又は一部を」とあるのは「全部又は一部について」と、「負担させる」とあるのは「負担を求める」と、同法第60条本文中「第21条の規定によつて道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第8条第1項第11号の規定により第21条の規定による道路管理者の権限を代わつて行う機構」と、「この法律」とあるのは「この法律及び道路整備特別措置法」と、同条ただし書中「当該他の工作物の管理者に」とあるのは「会社は、当該他の工作物の管理者に」と、同法第61条第1項中「道路管理者」とあるのは「機構」と、同条第2項中「道路管理者である地方公共団体の条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と、同法第62条後段中「第38条第1項の規定により道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第9条第1項第8号の規定により第38条第1項の規定による道路管理者の権限を代わつて行う会社」とする。
(負担金等の強制徴収)
第45条 道路法第73条の規定は、第10条第1項、第11条第1項、第12条第1項及び第15条第1項の規定に基づく料金並びに当該料金に係る第26条の規定に基づく割増金について準用する。この場合において、同法第73条第1項から第3項までの規定中「道路管理者」とあるのは「地方道路公社」と、同条第2項中「条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。
《追加》平16法101
2 (略)
3 会社は、第42条第4項の規定により会社の収入となる負担金(以下この条において単に「負担金」という。)を納付しない者がある場合においては、督促状を発して督促し、その者が督促状において指定した期限までに納付しないときは、機構に対し、その徴収を申請することができる。
《追加》平16法101
4 道路法第73条の規定は、前項の規定による申請に基づき機構が負担金を徴収する場合について準用する。この場合において、同条第1項から第3項までの規定中「道路管理者」とあるのは「機構」と、同条第2項中「条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。
《追加》平16法101
 前述のように報道では、機構は加害者(=原因者)の多胡運輸が加入する保険会社(関東交通共済協同組合)に、2012年の早い時期に損害賠償の請求書を発出したとされており、(10)原因者負担督促状(控)等の類の法人文書が存在していることは明らかである。
 また、機構は、不開示の理由として、機構にとって「その他正当な利益」が害されるおそれがあると主張し、情報公開・個人情報保護審査会の答申(平成21年度(行情)答申第535号)を挙げて、「これには国税を滞納しているか否かに係る事実が含まれるとされており、原因者負担金を滞納しているか否かに係る事実についても同様にこれに含まれるものと考える。」と主張している。
 しかし、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第40条第1項並びに第45条第3項及び第4項の規定では、首都高等が督促した原因者負担金が原因者により支払われない場合、首都高等が機構に申請して、機構が督促し、それでも支払われない場合には、「国税財滞納処分の例」により強制徴収できる、と定めているだけである。すなわちここでは、法律により国税滞納者に対する強制徴収にならって、問答無用で財産の差押さえが可能であるという法的な類似性を示しているだけであって、それを直ちに「原因者負担金を滞納しているか否かに係る事実についても同様にこれに含まれるものと考える。」と主張するのは失当である。日本国民の義務である国税支払いの滞納者と、公益的な事業とはいえ、民営化された首都高の施設に損害を与えた原因者の義務である原因者負担金支払いの滞納者とでは、その性格は全く異なるからである。
 機構はまた、法第5条第2号ただし書について、異議申立人の主張である「(10)の法人文書に係る情報を“公にすることにより保護される一般利用者の生活又は財産の利益のほうが、これを公にしないことにより保護される当該法人の権利利益よりも”上回る理由として、当該情報を公にしないと“事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性が高くなる”こと」に対して、「“当該情報の不開示”と“事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性が高くなる”こととは無関係なので、ただし書に規定する情報には該当しない」と主張している。
 異議申立人は、機構がこのような主張をすることについて、この事故で影響を受けた不特定多数の首都高利用者をはじめ、この事故の原因者である多胡運輸も絡んで1975年に発覚した群馬県安中市土地開発公社を舞台にした51億円余の巨額詐欺横領事件の影響で毎年2000万円ずつ、あと89年間も公金を金融機関に支払い続けなければならない状況に置かれている安中市民ら、一般国民の気持ちを、機構が全く勘案していないのではないかと、非常に憂慮するものである。
 特定会社のタンクローリーに係る特定事故は、2008年8月3日(日)早朝発生したが、その事故の影響の甚大さにもかかわらず、事故による被害と復旧については首都高のホームページやマスコミによる報道が逐次なされた。しかし、事故の原因者である多胡運輸や、その元請であるホクブトランスポート、そして荷主である出光興産は、この事故に関する責任や謝罪を含め、記者会見を開くことも無く、一貫して沈黙を守っている。マスコミも、原因者ら特定会社に対しては、なぜか取材には消極的な姿勢をとっていた。実質的に荷主から配送業務を請け負っていたホクブトランスポートは、事故発生の3日後から、ホームページを閉鎖しており(その後一昨年の秋ごろから再開)、この事故を契機に情報発信を警戒している姿勢が、国民の批判を浴びている。※例えば次のブログ参照。
http://www.tanteifile.com/newswatch/2008/08/09_01/index.html
 また、ネット上でも、当該の特定事故に関する情報操作について原因者やマスコミ対応への不信感を綴った書き込みがなされており、異議申立人が管理するブログにおいても、「首都高」「横転炎上」「多胡運輸」「ホクブ」「出光」というキーワードでのアクセスが、今でも頻繁に行われている。※異議申立人が管理する次のブログ参照。
http://pink.ap.teacup.com/applet/ogawaken/msgcate22/archive
 こうした背景には、この特定会社による特定事故に関する情報不足が厳然として存在している。首都高の事故発生から復旧までに、生活面、産業面で多大な負の影響を被った首都高の利用者やその関係者にとって、事故を起こした原因者からの責任の自覚や謝罪、そして損害賠償に向けた姿勢が全く示されていない上に、それらについてマスコミも取材しようとせず、時間の経過とともに事件の風化だけが進んでいく状況のなかで、こうした社会・経済面に多大な影響を及ぼした事故については、真相の究明、責任の所在、再発防止策、他の一般利用者の安心・安全といった要件がきちんと明らかにされない限り、いろいろなコンフリクトや不具合が発生しかねないのである。
 こうした状況を打開するには、首都高そして機構がきちんと原因者に対してその権限を最大限行使して、事故の真相と責任の所在、再発防止、そして、事故によって被った損害をきちんと原因者に負担させることにより、事故とは無関係の一般利用者に対して料金に転嫁していない証をしめすことで、一般利用者の安心・安全を担保するしか、方法はないと考える。

(3)特記事項
 機構の理由説明書によれば、多胡運輸が損害賠償金を支払わない場合には、首都高の申請に基づき、「機構は国税滞納処分の例により強制徴収することができる」とある。国税の滞納者に対して、差し押さえが出来るということと同じ権限を法律で付与されていることになる。
 となれば、本件特定会社である出光興産㈱+ホクブトランスポート㈱+多胡運輸㈱が原因者負担金を滞納していれば、機構は、問答無用で財産を差し押さえればよいことになる。
 しかし、機構からの理由説明書をよく読むと、「(10)の法人文書の存否を答えることは、本件特定会社が原因者負担金を滞納しているという事実の有無を明らかにする結果を生じさせるものであり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。」として「ここにいう“その他正当な利益”とは、ノウハウ、信用などの法人の運営上の地位と解されているが、情報公開・個人情報保護審査会の答申(平成21年度(行情)答申第535号)では、これには国税を滞納しているか否かに係る事実が含まれるとされており、原因者負担金を滞納しているか否かに係る事実についても同様にこれに含まれるものと考える。」とある。
 そして、「本件存否情報は、当該法人に関する情報であり、これを公にした場合、信用などの法人の運営上の地位を害するおそれがあることから、本件特定会社の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。したがって、本件存否情報は、法第5条第2号イの不開示情報に該当するものである。」と結論付けている。
 ここでいう「当該法人」というのが、首都高なのか、それとも多胡運輸+ホクブトランスポート+出光興産なのかは、いまひとつよく分からないが、本件特定会社という文言が示されていることから、多胡運輸側のことを意味していると思われる。
 となると、事は重大である。なぜなら、巨額の損失を首都高(=機構)に与えた多胡運輸側に対して、機構側が「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」と認識しているからだ。
 安中市土地開発公社では、公社の保証人である安中市と公社が、多胡運輸の経営者の実兄を相手取り、民事訴訟で23億円余りの損害賠償請求をして勝訴した途端、国税庁は元職員多胡邦夫に対して、巨額の不当利得に対する課税を免除した。
 今回の事件では、依然として首都高と多胡運輸ら原因者との間で係争中とはいえ、財産差し押さえという伝家の宝刀を抜く権限を持つ機構としては、「(10)原因者負担督促状(控)等」の存在を公表することにより、「その他正当な利益」が害されるという問題が発生するおそれがあると主張している。しかし、どのような問題なのか、具体的な事例が示されていない。
 異議申立人は、本件情報の開示により、機構にとっての「その他正当な利益」が害されることはないと考えるが、さらに特定会社である多胡運輸側の「法人の運営上の地位を害するおそれ」などは、全く考慮される必然性は無いと考えている。
 むしろ、本件情報をきちんと開示することにより、機構がきちんと督促状等を多胡運輸側に出していることが公に認識されることになり、そのことにより、事故により生活や仕事の面で様々な悪影響を被った首都高利用者らはもとより、多胡運輸の絡んだ地方自治体では史上最大級の横領事件の真相解明に尽力中の異議申立人をはじめ、不特定多数の首都高の利用者や国民に対して説明責任を果たすことにもつながり、ひいては、首都高や機構の信用を高めることになるからである。
 かかる状況を、あらゆる観点から検討、分析、熟慮しても、機構による不開示決定の処分には根拠が無く、処分の取消を求める。
                    以上
**********

■引続き、当会は、地方自治体における横領事件では史上最高額となる安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件の真相解明と原因究明ともに、事件の鍵を握る元職員の実弟が経営する多胡運輸やその後ろ盾になっているホクブトランスポート、さらに出光興産による首都高速史上最高額の物損事故を巡る処理の経緯と行方を調査することにより、上記の安中市の横領事件の背景を追及してゆく所存です。

【ひらく会情報部】

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多胡運輸がただ者ではないことを示す日本高速道路保有・債務返済機構からの理由説明書の内容

2013-02-14 22:30:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■今から4年半前の平成20年8月3日(日)早朝の午前5時52分に首都高5号池袋線くだりを走行中の多胡運輸所属の大型タンクローリーが、熊野町ジャンクション(JCT)内の急な右カーブを曲がりきれずに横転し、左側の側壁に衝突しました。

2月13日に内閣府から届いた通知の入った封筒。

 タンクローリーには、東京都江東区の出光興産㈱受給部物流センター東京油槽所から埼玉県さいたま市のガソリンスタンドに配送する為のガソリン16キロリットル、軽油4キロリットルが満載されていました。

 この事故で運転手は腰を強く打ち重傷を負いました。また、積み荷は5時間半余りに亘って炎上し続け、午前11時34分に鎮火しました。

 この火災の熱で、上下2階建て構造の首都高で、上側を走る上り線の路面がゆがみ、鉄製の橋桁が長さ40mに渡って変形し、最大60cmほど沈み込みました。また、熊野町ジャンクションの近隣のマンションの外壁が火災の熱で焼けて損傷するという、単独車両による事故としては国内史上最大規模の損壊事故となりました。

 この事故の影響で、首都高5号池袋線は北池袋~板橋JCT間の上下線、中央環状線は外回りが西新宿JCT~板橋JCT間、内回りは板橋JCT~西池袋間で通行止になりました。このため、一旦一般道に降りて通行止区間を迂回した後に、再び首都高速を利用する場合には、再度入口料金所で通行料金を徴収しない「乗継割引措置」が急遽とられました。

 同8月4日に首都高に現地対策本部と本社対策本部が、翌8月5日に本社災害復旧本部が設置されました。多胡運輸の事故車は8月6日に現場から搬出されました。8月7日に、焼け残った橋桁の上を25トンのトラックを実際に走らせて、載荷試験を実施し、仮復旧の検討が行われました。この結果を受けて、8月9日、5号池袋線の上下線が片側1車線通行で部分復旧したのでした。

 併せて、工期3ヶ月を目標として、24時間体制で橋脚補強と2スパン40メートルに亘る橋桁の架け替え工事が行われました。少しでも工期を短縮するために、いろいろな工法が採用されました。架設用トラスをリースで調達して、通常は小さくバラしてから撤去する鋼桁を、大きなブロックのまま撤去したり、新しい鋼桁の架設にもこの工法が活用されたりしました。

 さらに、通常は硬化させるのに4週間程度かかるところを1週間で固まる早強コンクリートを使用したり、床板と高欄を一体で施工したりして、さらに工期を短縮しました。鋼桁についても、通常は製作だけでも1ヶ月を要するところを、8月11日にメーカーと契約して同31日に架設したりするなど、協力会社の工夫と尽力にも恵まれて、9月16日には中央環状新宿線外回りから5号線下りへのランプが復旧しました。

 さらに、5号線上りから中央環状新宿線内回りへのランプも9月18日に復旧し、暫定2車線で通行可能となり、事故発生から73日後の10月14日正午頃に全面復旧しました。当時、被害総額は復旧工事費20億円、通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円で、首都高速道路株式会社は原因者の多胡運輸に請求すると記者会見で発表しました。

■そして、事故から3年を経過する直前に、首都高は多胡運輸とその元締めのホクブトランスポート、さらには荷主の出光興産を相手取り、東京地裁に34億円あまりの賠償を求める裁判を起こしました。そして、平成23年10月7日に東京地裁で初めての審理が開かれ、現在に至るまで係争中となっています

 こうした経緯を踏まえて、当会では、安中市土地開発公社を舞台に1995年に発覚した51億円余りの巨額横領事件で単独犯とされた元職員の実弟が経営する多胡運輸が、どのような命運を辿るのかを占う意味でも、首都高でのタンクローリー横転炎上事故の裁判の行方を確認する必要があると考えて、首都高及びその目付け役の独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して毎年、情報公開請求を行ってきました。

 その結果、平成24年11月28日付で公開請求した情報の同12月25日付の不開示処分に対して、平成25年1月4日付で異議申立をしていたところ、同1月28日付で機構から本件異議申し立てについて、情報公開・個人情報保護審査会に諮問した旨の通知が到来しました。

■そして、昨日、上級庁の内閣府の情報公開・個人情報保護審査会から、平成25年2月12日付で次の通知がありました。

**********
                    府情個第355号
                    平成25年2月12日
 小 川  賢  様
                情報公開・個人情報保護審査会
     理由説明書の送付及び意見書又は資料の提出について(通知)
 下記1の諮問事件について,別添のとおり,当審査会に諮問庁から提出された理由説明書の写しを送付します。
 また,あなたは,下記1の諮問事件について,情報公開・個人情報保護審査会設置法第11条の規定に基づき,当審査会に対し,意見書又は資料を提出することができますが,当審査会において,下記2のとおり提出期限を定めたので,通知します。
          記
1 諮問庁:独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
  諮問番号:平成25年(独情)諮問第3号
  事件名:特定会社のタンクローリーに係る特定事故で首都高速道路株式会社が被った損害に関する文書の不開示決定に関する件
2 意見書又は資料の提出期限等
 ① 提出期限
   平成25年3月6日(水)
 ② 提出方法
   任意の様式により作成した書面を,持参するか,郵送又はファックスで情報公開・個人情報保護審査会事務局に提出してください。
   また,提出された意見書又は資料は,情報公開・個人情報保護審査会設置法第13条の規定に基づき閲覧に供することがあり得ますので,その適否についてのあなたのお考えを,別紙「提出する意見書又は資料の取扱いについて」に記入し,意見書又は資料に添付してください。
   なお,別紙において,諮問庁の閲覧に供することにつき「差支えがない」旨の回答のあった意見書又は資料については,調査審議の効率化,争点の明確化等の観点から,特段の事情のない限り,詰問庁に対し,その写しを送付することとしますので,ご了承願います。
     連絡先:内開府情報公開・個人情報保護審査会事務局
           〒100-0014
            東京都千代田区永田町1-11-39
                    永田町合同庁舎5階
            電 話:03-5501-1739
            FAX:03-3502-0165



【提出意見書または資料の取り扱いについて】
 (別 紙)
                   平成25年(独情)諮問第3号
     提出する意見書又は資料の取扱いについて
情報公開・個人情報保護審査会 御中
                   平成  年  月  日
              (氏 名)
 この度情報公開・個人情報保護審査会に提出する意見書又は資料を,情報公開・個人情報保護審査会設置法第13条の規定に基づき,諮問庁の閲覧に供することは,
 □ 差支えがない。
 □ 適当ではない。
   (適当ではない理由)・・・・記入欄・・・・

【機構の理由説明書】
     理 由 説 明 書
               独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
1.本件異議申立てについて

(1)異議申立人による開示請求
 異議申立人は、平成24年11月28日付けの法人文書開示請求書により、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)に対して、以下の情報(以下「本件情報」という。)について開示請求を行った。

 平成20年(2008年)8月3日早朝、首都高速道路5号池袋線熊野町ジャンクション付近の下り線で、荷主である出光興産㈱(東京都千代田区)のマークをつけ、元請業者であるホクブトランスポート㈱(高崎市)の下請業者である多胡運輸㈱(高崎市)(以上まとめて「利用者」という)のタンクローリーが横転して炎上した事故(以下「本件事故」という。)で、道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害について、①法令により道路管理者の権限を代行する貴機構が、当該利用者の過失で損傷又は汚損により必要を生じた道路に開する工事又は道路の維持の施行を利用者に命じた経緯を示す文書、及び、②利用者の過失により道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害の賠償に関して貴機構が作成もしくは入手した情報のうち、平成20年度以降の法人文書ファイル管理簿に掲げられている次の情報。ただし、いずれも関係情報記載部分のみ。
 なお、2011年7月に利用者を相手取って首都高速道路株式会社が計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した事件にかかる情報も含む。
 (1)役員会の議事録
 (2)監事監査関係
 (3)記者発表
 (4)特殊車輛通行受理・許可一覧
 (5)特殊車輛通行許可番号
 (6)争議関係
 (7)警告書等
 (8)措置命令書管理簿
 (9)措置命令書(控)等
 (10)原因者負担督促状(控)等
 (11)債務引受契約書
 (12)道路資産の現地確認関係
 (13)その他、もしあれば

(2)機構による不開示決定
 機構は、異議申立人による開示請求を受け、以下の理由を付して、平成24年12月25日付け総総第119号の法人文書不開示決定通知書により、不開示決定(以下「原処分」という。)を行った。

 異議申立人が開示請求を行った(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書は、作成・取得しておらず不存在であるため。
 また、(10)の法人文書に係る存否情報は、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「法」という。)第5条第2号イに該当する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある不開示情報であるため、法第8条の規定に基づき、当該法人文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否する。

(3)異議申立人による異議申立て
 その後、異議申立人は、平成25年1月4日付けの異議申立書により、機構に対して異議申立てを行った。

2.異議申立人の主張について

 異議申立人は、以下のような主張を行い、原処分の取消し及び全面開示を求めている。

(1)開示請求に係る(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書について
 機構が不存在とした「2011年7月に首都高が事故の原因者らを相手取り東京地裁に提訴した損害賠償請求事件関連情報を含む「その他」情報」は、「実際に機構が作成ないし受理した書類である」ため、公にすることが必要である。

(2)開示請求に係る(10)の法人文書について
 (10)の法人文書は、次の理由により、公にすることが必要である。

 ①第5条第2号イの該当性は、同号ただし書により「「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要である」との比較考量の上、判断されなければならない」が、「当該情報を公にすることにより保護される一般利用者の生活又は財産の利益のほうが、これを公にしないことにより保護される当該法人の権利利益よりも」上回ること。なぜなら、当該情報を公にした場合の「事故原因者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれは皆無ないし、あったとしても僅少であると考えられる」が、当該情報を公にしないと「事故の損害の負担が」首都高速道路の「利用料金に転嫁される蓋然性が高くなるからである」。
 ②「本件情報に係る文書の存否を明らかにするためにも、請求拒否はできない」から法第8条に該当しないこと。

3.原処分の妥当性について

 以下のとおり、原処分を維持することが妥当である。

(1)開示請求に係る(1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書について
 (1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書を、機構が「作成ないし受理」した事実はない。 異議申立人の主張には根拠がなく、失当である。

(2)開示請求に係る(10)の法人文書について
 ①(10)の法人文書の性格
 (10)の法人文書は、道路法(昭和27年法律第180号)第58条に定める原因者負担金について機構が行った原因者への督促に係るものである。機構が行う原因者負担金の督促は、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第40条第1項並びに第45条第3項及び第4項の規定に基づき、首都高速道路株式会社等の高速道路会社が督促した原因者負担金が指定した期限までに納付されない場合に、高速道路会社からの申諸により行うものであり、納付すべき金額が納付されないときは、機構は国税滞納処分の例により強制徴収することができるものである。
 したがって、出光興産㈱、ホクブトランスポート㈱及び多胡運輸㈱(以下「本件特定会社」という。)に係る(10)の法人文書の存否を答えることは、本件特定会社が原因者負担金を滞納しているという事実の有無(以下「本件存否情報」という。)を明らかにする結果を生じさせるものである。

 ②法第5条第2号イの該当性
 法第5条第2号イは、法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを不開示情報と規定している。そして、ここにいう「その他正当な利益」とは、ノウハウ、信用などの法人の運営上の地位と解されているが、情報公開・個人情報保護審査会の答申(平成21年度(行情)答申第535号)では、これには国税を滞納しているか否かに係る事実が含まれるとされており、原因者負担金を滞納しているか否かに係る事実についても同様にこれに含まれるものと考える。
 本件存否情報は、当該法人に関する情報であり、これを公にした場合、信用などの法人の運営上の地位を害するおそれがあることから、本件特定会社の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。したがって、本件存否情報は、法第5条第2号イの不開示情報に該当するものである。

 ③法第5条第2号ただし書の該当性
 異議申立人は、法第5条第2号ただし書の適用を主張し、(10)の法人文書に係る情報を「公にすることにより保護される一般利用者の生活又は財産の利益のほうが、これを公にしないことにより保護される当該法人の権利利益よりも」上回る理由として、当該情報を公にしないと「事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性が高くなる」ことを挙げている。しかしながら、当該情報を公にしないことと「事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性が高くなる」こととは無関係であることから、当該情報は法第5条第2号ただし書に規定する情報には該当せず、異議申立人の主張は失当である。

 ④法第8条の該当性
 本件存否情報について答えることは,前述のとおり法第5条第2号イの不開示情報を開示することとなるため、法第8条の規定により開示請求を拒否すべきである。




**********

■ここで注目されることは、「(10)原因者負担督促状(控)等」以外の法人文書は不存在としながらも、「(10)原因者負担督促状(控)等」だけは、存在の可能性を示唆していることです。

 この原因者負担督促状については、道路法(昭和27年法律第180号)第58条に基づいて原因者に対して発出されるとあります。道路法第58条には、次の定めがあります。

**********道路法
(原因者負担金)
第58条 道路管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。
**********

■ここでいう道路管理者とは、首都高のことを意味しています。したがって、首都高の横転炎上事故で損害を与えた原因者の多胡運輸やその下締めのホクブトランスポート、さらに荷主の出光興産に対して、首都高が督促した原因者負担金が指定した期限までに納付されないところから(現在係争中なので、当然、未払いとなっていると見られます)、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第40条第1項並びに第45条第3項及び第4項の規定に基づいて、首都高からの申諸に基づいて機構から原因者に督促するものです。

**********道路整備特別措置法
(道路に関する費用についての道路法の規定の適用)
第40条 会社管理高速道路に関する道路法第57条から第63条までの規定の適用については、同法第57条中「道路管理者以外の者」とあるのは「道路管理者及び当該会社以外の者」と、「同条の規定により道路管理者の承認を受けた者」とあるのは「道路整備特別措置法第8条第1項第13号の規定により第24条本文の規定による道路管理者の権限を代わつて行う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)の承認を受けた者」と、同法第58条第1項及び第59条第3項中「道路管理者」とあるのは「会社」と、同法第58条第1項及び第60条ただし書中「を負担させる」とあるのは「について負担を求める」と、同法第59条第3項中「全部又は一部を」とあるのは「全部又は一部について」と、「負担させる」とあるのは「負担を求める」と、同法第60条本文中「第21条の規定によつて道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第8条第1項第11号の規定により第21条の規定による道路管理者の権限を代わつて行う機構」と、「この法律」とあるのは「この法律及び道路整備特別措置法」と、同条ただし書中「当該他の工作物の管理者に」とあるのは「会社は、当該他の工作物の管理者に」と、同法第61条第1項中「道路管理者」とあるのは「機構」と、同条第2項中「道路管理者である地方公共団体の条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と、同法第62条後段中「第38条第1項の規定により道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第9条第1項第8号の規定により第38条第1項の規定による道路管理者の権限を代わつて行う会社」とする。

(負担金等の強制徴収)
第45条 道路法第73条の規定は、第10条第1項、第11条第1項、第12条第1項及び第15条第1項の規定に基づく料金並びに当該料金に係る第26条の規定に基づく割増金について準用する。この場合において、同法第73条第1項から第3項までの規定中「道路管理者」とあるのは「地方道路公社」と、同条第2項中「条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。
《追加》平16法101
2 (略)
 会社は、第42条第4項の規定により会社の収入となる負担金(以下この条において単に「負担金」という。)を納付しない者がある場合においては、督促状を発して督促し、その者が督促状において指定した期限までに納付しないときは、機構に対し、その徴収を申請することができる。
《追加》平16法101
 道路法第73条の規定は、前項の規定による申請に基づき機構が負担金を徴収する場合について準用する。この場合において、同条第1項から第3項までの規定中「道路管理者」とあるのは「機構」と、同条第2項中「条例(指定区間内の国道にあつては、政令)」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。
《追加》平16法101
**********

■つまり、多胡運輸が損害賠償金を支払わない場合には、首都高の申請に基づき、「機構は国税滞納処分の例により強制徴収することができる」のです。税金の滞納者に対して、差し押さえが出来るということと同じ権限を法律で付与されているわけです。

 したがって、本件特定会社である出光興産㈱+ホクブトランスポート㈱+多胡運輸㈱が原因者負担金を滞納していれば、機構は、問答無用で財産を差し押さえればよいはすです。

 しかし、機構からの理由説明書をよく読むと、「(10)の法人文書の存否を答えることは、本件特定会社が原因者負担金を滞納しているという事実の有無を明らかにする結果を生じさせるものであり、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。」として「ここにいう“その他正当な利益”とは、ノウハウ、信用などの法人の運営上の地位と解されているが、情報公開・個人情報保護審査会の答申(平成21年度(行情)答申第535号)では、これには国税を滞納しているか否かに係る事実が含まれるとされており、原因者負担金を滞納しているか否かに係る事実についても同様にこれに含まれるものと考える。」とあります。

 そして、「本件存否情報は、当該法人に関する情報であり、これを公にした場合、信用などの法人の運営上の地位を害するおそれがあることから、本件特定会社の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある。したがって、本件存否情報は、法第5条第2号イの不開示情報に該当するものである。」と結論付けています。

 ここでいう「当該法人」というのが、首都高なのか、それとも多胡運輸+ホクブトランスポート+出光興産なのかは、いまひとつよく分かりませんが、本件特定会社という文言が示されていることから、多胡運輸側のことを意味していると思われます。

 となると、事は重大です。なぜなら、巨額の損失を首都高(=機構)に与えた多胡運輸側に対して、機構側が「権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある」と認識しているからです。

 安中市土地開発公社では、公社の保証人である安中市と公社が、多胡運輸の経営者の実兄を相手取り、民事訴訟で23億円余りの損害賠償請求をして勝訴した途端、国税庁は元職員タゴに対して、巨額の不当利得に対する課税を免除しました。

 今回の事件では、依然として首都高と多胡運輸との間で係争中とはいえ、財産差し押さえという伝家の宝刀を抜く権限を持つ機構としては、「(10)原因者負担督促状(控)等」の存在を公表してもなんら問題ないはずです。なぜなら、多胡運輸側の法人の運営上の地位を該するおそれ」よりも、きちんと督促状等を多胡運輸側に出していることを公表するほうが、不特定多数の首都高の利用者に対して説明責任を果たすことになり、ひいては、首都高や機構の信用を高めることになるからです。

■いずれにしても、この問題について、当会ではさらに分析を加えて、熟考したうえで、意見書の提出期限である平成25年3月6日(水)に内開府の情報公開・個人情報保護審査会事務局に
意見書と資料と取扱諾否確認書を届けたいと考えています。

【ひらく会事務局】


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首都高ローリー横転炎上事故の損害賠償に係る情報不開示異議申立を審査会に諮問した日本高速道路保有機構

2013-01-30 01:25:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■平成20年8月3日早朝に発生した首都高史上最大の物損事故は、多胡運輸所有のタンクローリーが灯油とガソリンを満載して首都高5号池袋線で横転炎上して起きたものですが、巨額の損害賠償を巡り、いまだに多胡運輸(原因者)、ホクブトランスポート(元請)、出光興産(荷主)と首都高との間で係争中です。


 当会は、かねてから安中市土地開発公社51億円横領事件の推移を見てきており、この関係で、事件の単独犯とされた同公社職員タゴと、その実弟が経営する多胡運輸とのかかわりから、この事故が常識を超える展開になるのではないかと、当初から気がかりでした。そして、それはまさに的中したのでした。

■多胡運輸が起こした首都高の歴史に名を残すこの大事故について、事故の真相と責任の所在を確認し、再発防止につなげ、安中市のタゴ51億円事件を再検証するためにも、この事故処理の情報と、事故を巡る当事者間の損賠裁判の情報が欠かせません。

 そこで、首都高のお目付け役の日本高速道路保有・債務返済機構に情報開示請求を平成24年11月28日付で行ったところ、同12月25日付で同機構から不開示通知が当会に送られてきました。

 そのため、平成25年1月4日付けで異議申立てをしていたところ、昨日、同機構から、本件を情報公開・個人情報保護審査会に諮問した旨の通知が届きました。

**********
                    総総第132号
                    平成25年1月28日
市政をひらく安中市民の会
 小  川    賢   様
               独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
                       理事長  勢 山  廣  直
     情報公開・個人情報保護審査会への諮問について(通知)
 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条の規定に基づく開示決定等に対する次の不服申立てについて、同法第18条第2項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に諮問したので、同法第19条の規定により通知します。
1 不服申立てに係る法人文書の名称
 平成20年(2008年)8月3日早朝、首都高速道路5号池袋線熊野町ジャンクション付近の下り線で、荷主である出光興産㈱(東京都千代田区)のマークをつけ、元請業者であるホクブトランスポート㈱(高崎市)の下請業者である多胡運輸㈱(高崎市)(以上まとめて「利用者」という)のタンクローリーが横転して炎上した事故で、道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害について、①法令により道路管理者の権限を代行する貴機構が、当該利用者の過失で損傷又は汚損により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の施行を利用者に命じた経緯を示す文書、及び、②利用者の過失により道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害の賠償に関して貴機構が作成もしくは入手した情報のうち、平成20年度以降の法人文書ファイル管理簿に掲げられている次の情報。ただし、いずれも関係情報記載部分のみ。なお、2011年7月に利用者を相手取って首都高速道路株式会社が計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した事件にかかる情報も含む。
(1)役員会の議事録
(2)監事監査関係
(3)記者発表
(4)特殊車輛通行受理・許可一覧
(5)特殊車輛通行許可番号
(6)争議関係
(7)警告書等
(8)措置命令書管理簿
(9)措置命令書(控)等
(10)原因者負担督促状(控)等
(11)債務引受契約書
(12)道路資産の現地確認関係
(13)その他、もしあれば
2 不服申立てに係る開示決定等
 開示決定等の日付 平成24年12月25日
 記号番号 総総第119号
 開示決定等をした者 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 理事長 勢山 廣直
 開示決定の種類 不開示決定
3 不服申立て(不服申立ての種類)
 □審査請求
 ■異議申立て
(1)不服申立日 平成25年1月4日
(2)不服申立ての趣旨
 本件不開示決定処分は、法及び行政不服審査法を不当に解釈し運用されたものであり、本件不開示決定処分の取消し及び全面開示を求める。
4 諮問日・諮問番号  平成25年1月25日・平成25年(独情)諮問第3号
     担当課:独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
         総務部総務課
         〒105-0003 東京都港区西新橋2-8-6
         TEL 03-3508-5162


**********

■今後、早ければ3ヶ月、長ければ数ヶ月かそれ以上かかって、審査会から同機構に対して答申がなされるものと見られます。

 それまでに、首都高とタゴ運輸・ホクブトランスポート・出光興産との間の民事訴訟がどのような展開を見せるのか、予断は許されませんが、何か動きがあれば当会のブログで報告することにしています。

こちらは現在の多胡運輸。ただし多胡運輸の看板はすべて撤去され、見かけは㈱美正駐車場とある。


ただし、防犯ビデオカメラが敷地内のあちこちに設置されてあり、物々しい雰囲気。

昨年まであった多胡運輸の文字の入った看板も撤去。

こちらも何事もなかったかのように多胡運輸の後ろ盾として事業を続けているホクブトランスポート。

【ひらく会情報部】

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首都高がイの一番に大規模更新を決めた5号池袋線の熊野町ジャンクションと多胡運輸の事故の関連性を占う

2013-01-17 22:24:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■1月15日、首都高が設置した“首都高速道路構造物の大規模更新のあり方に関する調査研究委員会”(略して、大規模更新に関する委員会)は、検討対象とした6路線75kmのうち、必要な箇所に大規模更新・修繕などを実施すると、概算で7900億~9100億円掛かることなどを盛り込んだ提言書をまとめました。さらに、1号羽田線の東品川桟橋などは、実施に向けて早急に検討に着手すべきだと指摘しました。

 提言書によると、大規模更新などに要する概算費用として、①大規模更新(実施延長16~20km)が5,500~6,850億円、②大規模修繕(実施延長28~32km)が950~1,050億円、③当面の対応が1,350億円の合計7,900~9,100億円と試算されています。そして「注」として、「調査・検討を行なったうえで大規模更新を決定する区間の延長は約4km、概算費用は、大規模更新をするとした場合、約1,350億円、大規模修繕をするとした場合、約150億円。概算費用は、首都高速道路㈱による試算」とあります。

■同委員会では、累積軸数(供用からの使用状況を示す指数)が多く、1973年の設計基準よりも前に設計された都心環状線、1号羽田線、3号渋谷線、4号新宿線、6号向島線、7号小松川線の6路線、約75kmを検討対象としました。

 そのうち、約16kmの区間で大規模更新が必要であると指摘しました。また、点検が困難なため、調査・検討を行ったうえで大規模更新を決定する区間として約4km、大規模修繕を実施する区間として約28kmを抽出しています。

 費用については、大規模更新が5500億~6850億円、大規模修繕が950億~1050億円と見積もっています。そのほかの区間でも、当面の対応として1350億円が必要であるとしています。

■首都高の大規模更新を巡っては、国土交通省が設置した有識者委員会が2012年9月に、都心環状線の地下化を含めた再構築案をまとめていますが、今回、首都高の同委員会は、原則として現在と同じルート・構造で更新することを前提としています。

 その一方で、当面の対応として1350億円が必要であるとしていますが、実は、例の多胡運輸所有の大型タンクローリーが横転炎上事故を起こした首都高5号池袋線の熊野町ジャンクション(JCT)(板橋区熊野町)と板橋JCT(板橋区大山東町)の間についても、ラケット形の橋脚を新旧差し替える改良工事が現在行われ始めています。この区間の距離はわずか500m余りですが、それぞれ2車線の中央環状線と5号池袋線が合流・分岐する両JCT間は3車線しかありません。車両の多くは短い区間で車線変更を余儀なくされ、朝夕のラッシュ時には渋滞が発生しています。さらに、平成25年度に中央環状品川線が開通すると、中央環状線が全線完成するため、完成後は都心部に集中する交通の迂回・分散が図られ、渋滞の緩和に大きく貢献することが期待されていますが、この区間の通行量も増えると予想されています。そこで、この区間の渋滞を緩和し、中央環状線の機能を向上させるために、4車線に拡幅する改良工事が必要になったというわけです。

 この改良工事は「中央環状線機能強化事業」の1つとして実施されるものです。これは、堀切・小菅ジャンクション間改良、小松川ジャンクションとともに中央環状線のボトルネック箇所の車線増加や、ジャンクションの機能が不足している箇所の連結路の追加等を行うのが目的です。

■1本の柱の上に“ロ”の字形に断面が広がる「ラケット形橋脚」は、上下2層の上部構造を支持するタイプで、狭い場所でも高速道路の高架橋を造ることができる合理的な構造ですが、欠点もあります。通行量の増加に合わせて車線を増やしたくても、橋脚が“ロ”の字型になって周囲を取り囲んでいるため、拡幅が容易ではないのです。とくに“ロ”の字の中に入る下層の桁を拡幅するには、両側の橋脚が障害になります。

 このように、ラケット形橋脚が連続した高架橋区間の下層を拡幅するのは、首都高では初めてのことです。そこで、首都高は平成24年に、難易度の高い土木工事で採用している技術提案交渉方式による一般競争入札を導入することにしました。

**********2012年1月6日建設通信
工期ともに5年半/首都高の板橋熊野町、堀切小菅JCT間改良
【技術提案交渉を試行適用】
 首都高速道路会社がボトルネック対策として実施する板橋熊野町ジャンクション(JCT)間、堀切小菅JCT間の改良工事は、ともに約5年半の工期を要する大型案件となる。施工者は「技術提案交渉方式」を試行適用するWTO(世界貿易機関)対象の一般競争入札で決める。実施設計付きの工事となり、堀切小菅間は2012年度第1四半期、板橋熊野町間は同第2四半期に入札する予定だ。
 板橋JCT〜熊野町JCT間、堀切JCT〜小菅JCT間は短い区間で分合流が連続し、渋滞や事故が多発している。13年度に全線開通する中央環状線の機能を十分に発揮させるためにも、現在の3車線を4車線に拡幅し、スムーズな流れを確保する。
 改良工事は、膨大な交通量を有し、河川上空を通過するなど、首都高特有の難しい環境下での工事になる。このため、難易度の高い土木工事に適用する技術提案交渉方式で施工者を選ぶ。工事は東京建設局が発注する。
 板橋熊野町間の工事では、上下2層式の上り線と下り線に、約500mの付加車線を新設。上部、橋脚、基礎の実施設計、製作、施工を一括発注する。工期は約67カ月を見込む。
 堀切小菅間は、外回り(上層)路線の拡幅は既に完了。今回は内回り(下層)路線に約600mの車線を加える。上部、橋脚などの設計、施工には約68カ月の工期を設定する見通しだ。
 概算事業費は板橋熊野町間が約250億円、堀切小菅間が約130億円を想定。
**********

■そして、平成24年3月15日の官報で、板橋熊野町JCT間改良工事が公示されました。詳細は末尾を参照ください。

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(改)板橋熊野町JCT間改良工事
官報「2012-03-15」日発行
官報掲載場所:「政府調達(51号)」の「16ページ」目
調達機関番号:「420番」(首都高速道路株式会社)
所在地番号:「13番」(東京都)
<入札情報>
品目分類:41
種別:建設工事
工事場所:東京都板橋区大山東町から同区熊野町まで
工事内容:本工事は、高速中央環状線(高速5号池袋線)における熊野町JCTから板橋JCTまでの間の車線拡幅に伴う上部拡幅工、橋脚工、付属物工等の実施設計、製作及び架設並びに場所打ち杭工(増し杭)、フーチング工等の実施設計及び施工である。下記の実施設計、製作及び施工を行う。
(1)上部拡幅工(鋼重 約1450t)
【1】RC床版拡幅工 延長約1460m
【2】鋼床版拡幅工 延長約570m
【3】支承取替工 316個
【4】RC高欄地覆工 延長約2030m
【5】既設主桁補強工 延長約1040m
【6】既設主桁連結工 12箇所
【7】既設ジョイント部床版連結工 16箇所
(2)橋脚工(鋼重 約4530t)
【1】鋼製橋脚 14基
【2】既設鋼製橋脚補強工 2基 他
工期:契約締結日の翌日から平成30年3月10日まで
担当部局:首都高速道路株式会社 東京建設局 総務・経理グループ 〒141-0032 東京都品川区大崎一丁目6番3号 電話 03-5434-7836(ダイヤルイン)
入札説明書等の交付期間、場所及び方法:入札説明書、関連する図面等を競争参加希望者に有償で直接交付する。
【1】交付期間:平成24年3月15日(木)から平成24年5月25日(金)までの毎日(行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号)第1条に規定する行政機関の休日を除く。以下同じ。)、午前10時から午後4時までの時間のうち、正午から午後1時を除く時間。ただし、平成24年3月15日(木)は午後1時以降とする。
【2】交付場所:首都高技術株式会社 企画部企画課 〒105-0001 東京都港区虎ノ門三丁目10番11号(虎ノ門PFビル3階)電話03-3578-5757(代表)
競争参加資格確認申請書及び技術提案書の提出期間、場所及び方法:平成24年3月15日(木)から平成24年5月25日(金)までの毎日、午前10時から午後4時までの時間のうち、正午から午後1時を除く時間。ただし、平成24年3月15日(木)は午後1時以降とする。5(1)に示す担当部局まで持参すること。
最終技術提案書の提出期限及び場所:平成24年7月9日(月)午後4時までとする。提出場所は5(1)に同じ。
入札及び開札の日時及び場所並びに入札書の提出方法:
【1】入札日時及び場所:平成 24年8月1日(水)午後2時(ただし、郵送による入札書の受領期限は、平成24年7月31日(火)午後4時)、5(1)に示す担当部局まで持参又は郵送すること。
【2】開札日時及び場所:平成 24年8月1日(水)午後2時、5(1)に示す担当部局にて行う。
【3】入札及び開札の日時は変更となる場合がある。
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■入札は平成24年8月1日に実施され、次の結果となりました。
http://www.shutoko.co.jp/~/media/pdf/corporate/business/result/TokyoKensetu/2012/09/0907%20Koji%2012-03.pdf

 業者名/金額/技術評価点/評価値/順位/備考
■大林・JFE・横河JV/9,730,000,000/49.5/53.385/1/決定(低入札価格調査実施せず)
■三菱・宮地・駒井ハルテック・戸田・西部JC/10,300,000,000/49.0/2/-
■IHI・大成JV/12,423,000,000/48.5/予定価格超過/-/-
JV:板橋熊野町JCT間改良異工種建設工事共同企業体
評価値計算式:評価値=技術評価点+(1-入札価格/予定価格)×30(小数点以下第4位四捨五入)
予定価格:¥11,177,317,000-
調査基準価格:¥9,830,076,500-
   (消費税及び地方消費税相当額を除く。)

■この結果を見ると、平成20年8月3日の首都高5号池袋線の熊野町JCT付近で多胡運輸の大型タンクローリーが起こした横転炎上事故で損傷した橋桁や橋脚等の修理で、首都高に貢献をした大林組とJFEエンジニアリングが、やはり優位にたって受注したことがうかがえます。

 5号線は、上り線と下り線が2層の高架構造になっていて、多胡運輸のローリー横転炎上事故は下層の下り線で発生しました。火災によって、下り線の遮音壁や上層の上り線の裏面吸音板、鋼桁、RC橋脚が高熱を受け、鋼桁の西側約半分が変形しました。高温で熱せられたI字桁がコンクリート床版の重さでゆがんだため、上り線は、長さ約40メートル、幅約7~8メートルにわたり、最大70センチほど陥没しています。RC橋脚はコンクリートの一部が熱による爆裂ではく離しました。

 調査の結果、橋脚の主筋に損傷はなく、コンクリートの補修による補強で対応することになりました。二つのスパン40m分の鋼桁については、I字鋼各6本のうち3本ずつの変形が目視により確認されており、架け替え工事では、損傷した2スパンについて、最初に、特に損傷がひどい西側半分を撤去し、その後橋脚の補強と新しい桁の架設を行い、新設桁側の車線を供用し、続いて東側の桁を架け替えました。

 こうして、3車線2スパン40m分の鋼桁の交換と橋脚の補修・補強のための復旧工事が僅か2カ月半のうちに行われ、工事が完了後、首都高は復旧工事費が約20億円かかったとして、営業損失分の約25億円と合わせて、合計約45億円を原因者の多胡運輸に請求すると、当時発表したのでした。

■今回の改良工事では、長さ500mにわたって、上下2層とも、1車線を追加し、橋脚も新旧差し替えることになります。既設部分の鋼桁の撤去工事は殆どないと思われるため、単純比較はできませんが、多胡運輸の事故による損傷復旧工事は、3車線×40m×1層=120車線・mでしたが、今回の工事は1車線×500m×2層=1000車線・mとなり、工事量的には約8倍になります。

 すると、単純計算で言えば、20億円×8倍=約160億円ということになりますが、後期的には、多胡運輸の事故のときの復旧工事は2.4ヶ月だったのに比べ、今回の改良工事では工期を約67ヶ月としており、約28倍になります。従って、工事密度は、多胡運輸のときのほうが、3倍以上高かったことになります。それだけコストがかかる要因があったと思われます。

 そのことを勘案したのかどうかは定かでありませんが、当初の概算事業費を約250億円と想定していたのに、結局、改良工事の予定価格は約118億円、調査基準価格は約98億円とされました(いずれも税抜き)。この調査基準価格というのは、予算決算及び会計令第85条に基づき、「当該契約の内容に適合した履行がされないこととなるおそれがあると認められるとき」の基準のことで、「予定価格の3分の2から10分の8.5までの範囲内で、予定価格算出の基礎となった次に掲げる額の合計額に、100分の105を乗じて得た額。ただし、その割合が10分の8.5を越える部分にあっては10分の8.5と、3分の2に満たない場合にあっては3分の2とする」と定められています。新しい算定方法は、①直接工事費の95%、②共通仮設費の90%、③現場管理費の60%、④一般管理費の30%の合計額で、平成20年4月以降に入札公告をする工事から適用になっています。

■また、平成25年1月15日に発表された提言書によると、大規模更新などに要する概算費用として、①大規模更新(実施延長16~20km)が5,500~6,850億円、②大規模修繕(実施延長28~32km)が950~1,050億円、③当面の対応が1,350億円の合計7,900~9,100億円と試算されています。これを1kmあたりの単価に換算してみると、①大規模更新が約343億円、②大規模修繕が約33億円と見積もられており、大規模更新は大規模修繕に比べて10倍の予算規模で想定されていることがわかります。

 これらの大規模工事の際の車線数は想定されていませんが、1km当たり343億円であれば、100m当たり34.3億円で、40m当たり13.7億円ということになり、多胡運輸への損害賠償請求の約20億円よりも安くなっていますが、これは十分な工期と、長い区間を一気に更新することから、単価的に安くなることは十分理解できます。

■それにしても、多胡運輸の炎上事故で突貫工事で復旧作業に携わった業者としては、JFEエンジニアリングが鋼桁の架け替え工事を担当し、通常であれば4~5ヶ月かかるところを僅か1ヶ月で製作し架設し、しかも応急の仮支柱も手持ちの資材を提供していました。また、首都高の子会社の首都高メンテナンスが床版の切断作業に当たり、新たに床版の施行作業を行なったのは大林組でした。また、橋脚の補修作業は住友建設が担当しました。

 結果的に、今回の板橋熊野町JCT間改良工事を落札できたのは、多胡運輸による炎上事故で首都高に貢献した業者のJFEエンジニアリングと大林組、そして横河橋梁のJVが受注したわけで、いずれにしても、貢献が報われたかたちになりました。

 そして、事故を起こした多胡運輸も、いまのところ倒産もせずに、相変わらずLPG運送事業を継続していることを見ると、実際にどのような事件の内幕だったのかが、ますます関心が高まります。

【ひらく会情報部】

※参考情報
1 工事概要等
(1) 品目分類番号 41
(2) 工事名 (改)板橋熊野町JCT間改良工事
(3) 工事場所 東京都板橋区大山東町から同区熊野町まで
(4) 工事内容 本工事は、高速中央環状線(高速5号池袋線)における熊野町JCTから板橋JCTまでの間の車線拡幅に伴う上部拡幅工、橋脚工、付属物工等の実施設計、製作及び架設並びに場所打ち杭工(増し杭)、フーチング工等の実施設計及び施工である。 下記の実施設計、製作及び施工を行う。
1) 上部拡幅工(鋼重 約1,450t)
(A1) RC床版拡幅工 延長約1,460m
(A2) 鋼床版拡幅工 延長約570m
(A3) 支承取替工 316個
(A4) RC高欄地覆工 延長約2,030m
(A5) 既設主桁補強工 延長約1,040m
(A6) 既設主桁連結工 12箇所
(A7) 既設ジョイント部床版連結工 16箇所
2) 橋脚工(鋼重 約4,530t)
(A1) 鋼製橋脚 14基
(A2) 既設鋼製橋脚補強工 2基
3) 基礎工(16基)
(A1) 場所打ち杭工(増し杭) 杭径1,500、2,000mm 杭長26.0~33.0m 本数 130本
(A2) 合成構造フーチング拡幅工(11基) 鋼製拡幅部材 約1,600t コンクリート 約6,100立方m 鉄筋 約210t
(A3) RCフーチング工(3基) コンクリート 約2,900立方m 鉄筋 約180t
(A4) RCフーチング拡幅工(2基) コンクリート 約1,100立方m 鉄筋 約90t
4) 付属物工(鋼重 約250t)
(A1) 裏面吸音板設置工 約2,640平方m
(A2) 遮音壁撤去・設置工 約2,030m
(A3) 高速上門型標識柱撤去・設置 2基
(A4) 高速上L型標識柱移設 1基
(A5) 避難階段撤去・設置 1基
(A6) 伸縮装置新設 一式
(A7) 排水施設新設 一式
5) 雑工
(A1) 既設高欄撤去工 延長約2,030m
(A2) 既設SRC橋脚撤去工 9基
(A3) 既設鋼製橋脚撤去工 5基
6) 附帯工
(A1) 既設横断歩道橋撤去・復旧 1基
(A2) 街路復旧工 一式
(5) 工期 契約締結日の翌日から平成30年3月10日まで
(6) その他
(A1) 本工事は、競争参加資格確認申請及び技術提案書の提出を行った者(以下「技術提案者」という。)と、技術提案書の内容に係るヒアリング(技術交渉)を実施し、競争参加資格が確認された者のうちから、競争入札により、価格と価格以外の要素を総合評価して落札者を決定する技術提案交渉方式の試行対象工事である。
(A2) 本工事は、共同企業体を結成し競争参加をする場合、複数の工事種別にまたがる有益な技術提案を受け付けるために、互いに異なる工事種別の競争参加資格を有する企業によって結成される共同企業体(以下「異工種JV」という。)による参加を認める工事である。
(A3) 本工事は、技術提案に基づいた実施設計付き工事である。
(A4) 技術提案の範囲は、工事目的物(構造種別、主要部材の形状寸法・材質等)の変更を伴わない範囲とする。
2 競争参加資格
(1) 首都高速道路株式会社契約規則実施準則(平成23年準則第1号)第73条の規定に該当しない者であること。
(2) 下記の(A1)及び(A2)全ての要件を満たす単体又は(A1)を満たす1者、2者若しくは3者及び(A2)を満たす1者若しくは2者で構成される異工種JVであること。
(A1) 鋼構造物工事を施工する者 )首都高速道路株式会社における「鋼橋工事」に係る平成23・24年度の競争参加資格の認定を受け、当該認定の際に客観的事項(共通事項)について算定した点数(経営事項評価点数)が1,150点以上であること。なお、会社更生法(平成14年法律第154号)に基づき更生手続開始の申立てがなされている者又は民事再生法(平成11年法律第225号)に基づき再生手続開始の申立てがなされている者については、手続開始の決定後、首都高速道路株式会社における「鋼橋工事」に係る平成23・24年度の競争参加資格の再認定を受け、当該再認定の際に客観的事項(共通事項)について算定した点数(経営事項評価点数)が、1,150点以上であること。 )平成13年度以降に、以下のア、イに掲げる全ての要件を満たす工事を完工した実績(元請に限る。)を有すること。ただし、同一工事で全ての施工実績を有する必要はない。なお、共同企業体の構成員(代表者を含む。以下同じ。)としての実績は、出資比率20%以上の場合のものに限る。 ア 市街地(DID相当)における道路橋(B種の橋)の2層構造以上の鋼製橋脚の工場製作及び架設(ここでDIDとは、人口密度4,000人/平方km以上で5,000人以上が集まっている地域である。以下同じ。) イ 市街地(DID相当)の往復4車線以上の道路上において車線規制を伴う鋼橋の架設(歩道橋を除く。)
(A2) 鋼構造物工事を除く土木工事を施工する者 )首都高速道路株式会社における「土木工事」に係る平成23・24年度の競争参加資格の認定を受け、当該認定の際に客観的事項(共通事項)について算定した点数(経営事項点数)が1,200点以上であること。なお、会社更生法に基づき更生手続開始の申立てがなされている者又は民事再生法に基づき再生手続開始の申立てがなされている者については、手続開始の決定後、首都高速道路株式会社における「土木工事」に係る平成23・24年度の競争参加資格の再認定を受け、当該再認定の際に客観的事項(共通事項)について算定した点数(経営事項評価点数)が、1,200点以上であること。 )平成13年度以降に、以下のア、イに掲げる全ての要件を満たす工事を完工した実績(元請に限る。)を有すること。ただし、同一工事で全ての施工実績を有する必要はない。なお、共同企業体の構成員としての実績は、出資比率20%以上の場合のものに限る。 ア 市街地(DID相当)における杭径1,500mm以上の場所打ち杭(深礎杭を除く。)の施工を伴う道路橋(B種の橋)の基礎工事の施工 イ 市街地(DID相当)の往復4車線以上の道路上において車線規制を伴う基礎工事の施工
(3) 現場代理人、統括技術者及び次に掲げる基準を満たす主任技術者又は監理技術者、設計管理技術者及び設計照査技術者(以下「配置予定技術者」という。)を契約締結日の翌日までに配置できること。なお、主任技術者又は監理技術者は必要な時期までに本工事に専任で配置できること。 統括技術者は、現場着手から工事完了まで専任で配置し、全体の工程管理、鋼橋工事と土木工事の工事調整等を行うこと。 鋼橋工事と土木工事が輻輳する期間においては、各々の工事を担当する主任技術者又は監理技術者が専任で従事すること。鋼橋工事と土木工事が各々単独の期間は、その工事に該当する主任技術者又は監理技術者が専任で従事すること。鋼橋工事と土木工事が輻輳する期間は平成26年6月から平成27年6月及び平成28年5月から平成30年3月、鋼橋工事単独期間は平成27年6月から平成28年5月、土木工事単独期間は平成25年4月から平成26年6月と考えているが、契約締結後の実施工程検討後に配置期間の見直しを行うものとする。 単独工事が交互にある場合、相手工事の終了後に再度配置する技術者は、以前配置した技術者を配置することを原則とする。 なお、現場着手は平成25年4月1日(月)を予定しており、現場着手までは主任技術者又は監理技術者の専任を要しない。
(A1) 鋼構造物工事を担当する主任技術者又は監理技術者は、以下のア~ウのいずれか及びエに該当する者であること。
ア 建設業法(昭和24年法律第100号)第27条及び建設業法施行令(昭和31年政令第273号)第27条の3の規定による技術検定のうち、1級土木施工管理に関する検定種目に合格した者(以下「1級土木施工管理技士」という。)
イ 技術士法(昭和58年法律第25号)第6条及び技術士法施行規則(昭和59年総理府令第5号)第11条の規定による第二次試験のうち、建設部門又は総合技術監理部門(技術部門を「建設」とした者に限る。)に合格し、かつ、同法第32条の規定により技術士登録簿に登録を受けた者(以下「技術士(建設部門)」又は「技術士(総合技術監理部門)」という。)
ウ ア、イと同等以上の資格を有するものと国土交通大臣が認定した者
エ 平成13年度以降に専任の主任技術者若しくは専任の監理技術者又は現場代理人として、以下に掲げる全ての要件を満たす工事を完工した実績を有すること。ただし、同一工事で全ての要件を有する必要はない。
・市街地(DID相当)における道路橋(B種の橋)の鋼製橋脚の架設
・市街地(DID相当)の道路上において車線規制を伴う鋼橋の架設(歩道橋を除く。)
上記工事は平成13年度以降に単体又は共同企業体として完工した実績(元請に限る。)とする。なお、共同企業体の構成員としての完工実績は、出資比率が20%以上の場合のものに限る。
(A2) 鋼構造物工事を除く土木工事を担当する主任技術者又は監理技術者は、以下のア~ウのいずれか及びエに該当する者であること。
ア 1級土木施工管理技士
イ 技術士(建設部門)又は技術士(総合技術監理部門)
ウ ア、イと同等以上の資格を有するものと国土交通大臣が認定した者
エ 平成13年度以降に専任の主任技術者若しくは専任の監理技術者又は現場代理人として、以下に掲げる全ての要件を満たす工事を完工した実績を有すること。ただし、同一工事で全ての要件を有する必要はない。
・市街地(DID相当)における場所打ち杭(深礎杭を除く。)の施工を伴う道路橋(B種の橋)の基礎工事の施工
・市街地(DID相当)の道路上において車線規制を伴う基礎工事の施工
上記工事は平成13年度以降に単体又は共同企業体として完工した実績(元請に限る。)とする。なお、共同企業体の構成員としての完工実績は、出資比率が20%以上の場合のものに限る。
(A3) 上記の(A1)及び(A2)において監理技術者は、建設業法第26条第2項に規定する技術者であり、競争参加資格確認申請書の提出時に監理技術者資格者証及び監理技術者講習終了証を有する者であること。
(A4) 異工種JVの場合は、鋼構造物工事を担当する者の中から(A1)の要件を満たす主任技術者又は監理技術者を配置し、鋼構造物工事を除く土木工事を担当する者の中から(A2)の要件を満たす主任技術者又は監理技術者を配置すること。単体の場合は、(A1)の要件を満たす主任技術者又は監理技術者及び(A2)の要件を満たす主任技術者又は監理技術者をそれぞれ配置すること。
(A5) 設計管理技術者及び設計照査技術者は、以下のア~エのいずれか及びオを満たすこと。
ア 技術士(建設部門(選択科目を「鋼構造及びコンクリート」とした者に限る。))の資格を有する者
イ 技術士(総合技術監理部門(選択科目を「鋼構造及びコンクリート」とした者に限る。))の資格を有する者
ウ RCCM(専門技術部門を「鋼構造及びコンクリート」とした者に限る。)の資格を有する者
エ ア、イ、ウと同等以上の資格を有するものと国土交通大臣が認定した者
オ 平成13年度以降に設計管理技術者又は設計照査技術者として、以下に掲げる要件を満たす業務実績を有すること。
・2層構造以上の鋼製橋脚の設計
(4) 本工事に係る設計業務等の受注者又は当該受注者と資本若しくは人事面において関連がある建設業者でないこと。
(5) 共同企業体を構成する場合においては、各構成員が次に掲げる事項を全て満たしていること。
(A1) 各構成員が担当する工事に対応する建設業法の許可業種につき、許可を有しての営業年数が5年以上であること。ただし、相当の施工実績を有し、確実かつ円滑な共同施工が確保できると認められる場合においては、許可を有しての営業年数が5年未満であってもこれを同等として取り扱うことができるものとする。
(A2) 各構成員が担当する工事に対応する建設業法の許可業種に係る監理技術者又は国家資格を有する主任技術者を工事現場に専任で配置することができる者であること。
(A3) 同一工種に複数の構成員がいる場合は、その工種ごとにすべての構成員が均等割の10分の6以上の出資比率であること。
(A4) 共同企業体の代表者は、構成員において決定された者とする。
(6) 競争参加資格確認申請書の提出期限の日から開札までに、首都高速道路株式会社から競争参加停止措置準則(平成17年準則第22号)に基づく競争参加停止を受けていないこと。
(7) 本工事と同一工種の首都高速道路株式会社発注工事において、競争参加資格確認申請書の提出期限の日から過去2年以内に40点未満の工事成績の通知を、過去1年以内に50点未満の工事成績の通知をそれぞれ受けている者でないこと。
(8) 首都高速道路株式会社発注工事において、工事成績の平均が平成21年度及び平成22年度の2年間連続して60点未満である者でないこと。 3 技術提案書に関する事項
(1) 技術提案書の作成 技術提案書の作成にあたっては、入札説明書に従い、基本条件を満足するよう十分な検討を行い、入札説明書に示す様式により作成すること。
(2) 技術提案書の審査 本工事は、技術提案書の内容に係るヒアリング(技術交渉)を実施し、技術提案書の審査を行う。
(3) 最終技術提案書の提出 技術提案者は、ヒアリング(技術交渉)の結果を反映させた最終技術提案書を提出する。
(4) 最終技術提案書の評価 最終技術提案書の評価項目は次のとおりである。
(A1) 実施設計に対する工夫(耐久性向上)
(A2) 工場製作に対する工夫(品質確保)
(A3) 現場施工に対する工夫(品質確保及び耐久性向上、工程管理、近接構造物への配慮、安全管理)
(A4) 周辺環境への配慮に対する工夫(環境対策)
(A5) 工事実績(鋼製部材とRC部材との合成構造に関する設計、実験及び施工の実績)
4 落札方式に関する事項
(1) 落札者の決定方法
(A1) 総合評価の方法 落札者の決定方式は、最終技術提案書の内容を3(4)に応じて評価した技術評価点(配点60点)と、入札価格から得られる価格評価点(配点30点)を加算した数値(以下「評価値」という。)によって決定する総合評価方式とする。 評価値=技術評価点+価格評価点 =技術評価点+(1-入札価格/ 予定価格)×配点
(A2) 落札方式 ア 最終技術提案書に基づき予定価格の制限の範囲内の価格をもって入札した技術提案者のうち、最終技術提案書及び入札価格から4(1)(A1)によって得られた評価値の最も高い者を落札者とする。ただし、入札価格によっては、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められるとき又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認められるときは、予定価格の制限の範囲内の価格をもって入札した他の者のうち、評価値が最も高い者を落札者とする。 イ アにおいて、評価値が最高となる者が2者以上あるときは、その中で最も入札価格が低い者を落札者とする。入札価格も同じ場合には、くじ引きにより落札者を決定する。
(2) 低入札価格調査等 入札価格によっては、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められるか否かを判断するための調査(低入札価格調査)又は重点的に調査して判断するための調査(特別重点調査)を行う。低入札価格調査及び特別重点調査の調査事項については、首都高速道路株式会社の低入札価格調査等実施細則(平成22年財務部細則第3号)に規定している。なお、特別重点調査の調査事項である「その他必要な事項」には、品質確保体制及び安全衛生管理体制を含むものとする。
5 入札手続等
(1) 担当部局 首都高速道路株式会社 東京建設局 総務・経理グループ
〒141―0032 東京都品川区大崎一丁目6番3号 電話03―5434―7836(ダイヤルイン)
(2) 入札説明書等の交付期間、場所及び方法 入札説明書、関連する図面等を競争参加希望者に有償で直接交付する。
(A1) 交付期間 平成24年3月15日(木)から平成24年5月25日(金)までの毎日(行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号)第1条に規定する行政機関の休日を除く。以下同じ。)、午前10時から午後4時までの時間のうち、正午から午後1時を除く時間。ただし、平成24年3月15日(木)は午後1時以降とする。
(A2) 交付場所 首都高技術株式会社 企画部 企画課
〒105―0001 東京都港区虎ノ門三丁目10番11号(虎ノ門PFビル3階) 電話03―3578―5757(代表)
(3) 競争参加資格確認申請書及び技術提案書の提出期間、場所及び方法 平成24年3月15日(木)から平成24年5月25日(金)までの毎日、午前10時から午後4時までの時間のうち、正午から午後1時を除く時間。ただし、平成24年3月15日(木)は午後1時以降とする。5(1)に示す担当部局まで持参すること。
(4) 最終技術提案書の提出期限及び場所 平成24年7月9日(月)午後4時までとする。提出場所は5(1)に同じ。
(5) 入札及び開札の日時及び場所並びに入札書の提出方法
(A1) 入札日時及び場所 平成24年8月1日(水)午後2時(ただし、郵送による入札書の受領期限は、平成24年7月31日(火)午後4時)、5(1)に示す担当部局まで持参又は郵送すること。
(A2) 開札日時及び場所 平成24年8月1日(水)午後2時、5(1)に示す担当部局にて行う。
(A3) 入札及び開札の日時は変更となる場合がある。
(6) 上記(5)(A3)に掲げる他、技術提案者が3者に満たない場合等には、競争性を確保するため、当社の判断により手続を中止又は中断することがある。
6 その他
(1) 手続において使用する言語及び通貨 日本語及び日本国通貨に限る。
(2) 入札保証金及び契約保証金
(A1) 入札保証金 免除
(A2) 契約保証金 納付
(3) 入札の無効 本公告に示した競争参加資格のない者のした入札、競争参加資格確認申請書又は技術提案書等に虚偽の記載をした者のした入札及び入札に関する条件に違反した入札は無効とする。
(4) 手続きにおける交渉の有無 有
(5) 契約書作成の要否 要
(6) 本工事に直接関連する他の工事の請負契約を本工事の請負契約の相手方との随意契約により締結する予定の有無 無
(7) 関連情報を入手するための照会窓口 5(1)に同じ。
(8) 競争参加資格の認定を受けていない者の参加 上記2(2)に掲げる競争参加資格の認定(再認定)を受けていない者も上記5(3)により競争参加資格確認申請書を提出することができるが、競争に参加するためには、開札の時までに当該資格の認定を受け、かつ、競争参加資格の確認を受けていなければならない。
(9) 詳細は入札説明書による。

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首都高ローリー横転炎上事故の裁判の混迷度を象徴する首都高と機構の情報不開示の徹底度

2013-01-06 22:57:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■群馬県の片田舎の一運送会社が首都高で起こしたタンクローリー横転炎上事故から4年5か月が経過しました。首都高史上最大の物損事故とされるこの事故を巡り、一昨年の10月から首都高が提起した損害賠償請求の訴訟で相手取った先は、群馬県の片田舎の運送会社が尋常ではないことを物語っています。当会は、この首都高横転炎上事故の直後から、原因者の多胡運輸が、安中市土地開発公社巨額横領事件との関連で、いくら首都高でも、係争になった場合には非常に手こずるに違いないと予測していました。今まさに、その予測が的中した感があります。

 この事故を巡り、当会は、なんど情報開示請求をしても梨のつぶての首都高に見切りをつけて、昨年12月に、首都高のお目付け役である上部組織の独立行政法人・日本高速道路保有・債務返済機構に対して事故や裁判に関する情報の開示を要請していましたが、やはり首都高の時と同様に不開示となりました。そこで、新年早々、1月4日付けで、機構に対して次の異議申立てを提出しました。

**********
          異議申立書
平成25年1月4日
〒105-0003東京都港区西新橋2-8-6 住友不動産日比谷ビル7F
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 御中
               異議申立人
                    郵便番号 379-0114
               住  所 群馬県安中市野殿980
               氏  名 市政をひらく安中市民の会
                    小川 賢 (60歳)
                    連絡先 TEL:027-382-0468
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という)第18条及び行政不服審査法第45条の規定に基づき、次のとおり法人文書不開示決定に対して異議申立を行います。
1.異議申立に係る処分:
貴機構が異議申立人に対して、平成24年12月25日付(総総第119号)で行った「平成20年(2008年)8月3日早朝、首都高速道路5号池袋線熊野町ジヤンクション付近の下り線で、荷主である出光興産㈱(東京都千代田区)のマークをつけ、元請業者であるホクブトランスポート㈱(高崎市)の下請業者である多胡運輸㈱(高崎市)(以上まとめて「利用者」という)のタンクローリーが横転して炎上した事故で、道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害について、①法令により道路管理者の権限を代行する責機構が、当該利用者の過失で損傷又は汚損により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の施行を利用者に命じた経緯を示す文書、及び、②利用者の過失により道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害の賠償に関して貴機構が作成もしくは入手した情報のうち、平成20年度以降の法人文書ファイル管理簿に掲げられている次の情報。ただし、いずれも関係情報記載部分のみ。なお、2011年7月に利用者を相手取って首都高速道路株式会社が計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した事件にかかる情報も含む。
 (1)役員会の議事録
 (2)監事監査関係
 (3)記者発表
 (4)特殊車輛通行受理・許可一覧
 (5)特殊車輛通行許可番号
 (6)争議関係
 (7)警告書等
 (8)措置命令書管理簿
 (9)措置命令書(控)等
 (10)原因者負担督促状(控)等
 (11)債務引受契約書
 (12)道路資産の現地確認関係
 (13)その他、もしあれば」
の情報(以下「本件情報」という)に関して為した不開示決定処分(以下「本件処分」という)。
2.異議申立に係る処分があったことを知った年月日:平成24年12月26日
3.異議申立の趣旨:
本件処分は、法及び行政不服審査法を不当に解釈し運用されたものであり、本件処分の取り消しを求めます。
4.異議申立の理由:
(1)異議申立人は日本国民として貴機構の法人文書の開示を求める権利を有しています。
(2)貴機構は、「(10)原因者負担督促状(控)」の存否を明らかにせず、2011年7月に首都高が事故の原因者らを相手取り東京地裁に提起した損害賠償請求事件関連情報を含む「その他」情報について不存在としましたが、実際に貴機構が作成ないし受理した書類であるので、次の理由により本件情報は公にすることが必要と考えます。
①法第5条2号イに非該当:貴機構は「公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある不開示情報である」と判断しているが、同号ただし書きに定めるとおり、本件情報は「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要である」との比較考量の上、判断されなければならない。
この場合の“当該法人”とは、首都高速道路株式会社を指すのか、それとも事故原因者らである出光興産・ホクブトランスポート・多胡運輸を指すのか判然としないが、いずれの場合でも、異議申立人としては、当該情報を公にすることにより保護される一般利用者の生活又は財産の利益のほうが、これを公にしないことにより保護される当該法人の権利利益よりも、利益を保護する必要性が上回ると考えている。なぜなら、この情報を公にしないと、一般利用者(当該事故により影響を受けた不特定多数の一般個人及び一般法人)に事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性が高くなるからである。
また、多大な直接損害を首都高に与え、さらに多大な間接損害を一般利用者に与えた事故の原因者に関する情報を公にした場合でも、事故原因者の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれは皆無ないし、あったとしても僅少であると考えられる。
本件情報を公にすることにより当該法人の首都高速道路株式会社は、一般利用者が懸念している事故の損害の負担が利用料金に転嫁される蓋然性の懸念を相当な範囲で払拭することが可能となる、と異議申立人は考えている。また当該法人の出光興産・ホクブトランスポート・多胡運輸は、首都高に与えた損害を負担したかどうかを知らしめることで、一般利用者に対する責任の一端が果たせることになると考えている。
また、本件情報を公にすることにより当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるかどうかに関して、それぞれのキーワードの観点から考察してみる。
まず、“権利”については、当該法人の財産権を指すと考えられるが、本件情報を公にしても、首都高はもとより原因者ら出光興産・ホクブトランスポート・多胡運輸の財産権を侵害することはない。
次に、“競争上の地位”については、該当法人の公正な競争関係における地位を指すと考えられるが、本件情報を公にしても、首都高はもとより原因者らの公正な競争関係における地位が侵害されることはなく、むしろ、今後同様な事故をその他一般利用者が起こした場合の対処の指針が公にされることから公正な競争に資することになる。
次の“その他正当な利益”についても、本件情報を公にすることが、今後、類似事故が発生した場合、関係者の対処方針におけるノウハウ、信用等、関係者の運営上の地位の保護や保全に資することになる。
最後に“害するおそれ”があるかどうかの判断に当たっては、原因者らが事故後、これまで一度も正式な記者会見をしたことがなく、ホームページでの事故の経緯や謝罪の公表もないことから、原因者らへの世間の批判には厳しいものがある。むしろ、貴機構が本件情報を積極的に公にすることで、そうした原因者らへの批判等が軽減できるようになると考えられる。また、原因者らにとって、憲法上、守られるべき権利の保護の必要性は特に見当たらず、原因者らと貴機構との関係等で十分考慮しなければならない必要性も見当たらない。
以上のことから、本件情報が公開されることで、損害を原因者負担としたかどうかの経緯が判然とすることになり、一般利用者の生活と財産の保護に資する結果がもたらされる。
②法第8条に非該当:本件情報にかかる文書の存否を明らかにするためにも、請求拒否はできない。
(3)よって、本件処分を取り消し、全面開示を求めます。
処分庁の教示の有無及びその内容:平成24年12月25日付総総第119号の法人文書不開示決定通知書により、「この決定に不服がある場合には、法18条及び行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第45条の規定により、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して異議申立てをすることができます」と通知されました。   以 上
**********

■この異議申立ての取扱いは日本高速道路保有・債務返済機構の対応に委ねたいと思いますが、機構が当会の情報開示請求に対して、不開示を決断した背景と思しき情報が、先月12月14日付で株式会社物流産業新聞社が毎週月曜日に発行している「物流ウィークリー」に掲載されていました。http://weekly-net.jp/2012/12/post-1534.html

 この情報誌は、ブランケット判14-36ページ(特別号は臨時増ページ)の全国ネットの物流・運送・ロジスティクス業界の総合専門紙で、運送業界から流通業界までのあらゆる最新情報を網羅しています。トラック運送からSCMまで、実運送とロジスティクス、マテハン、RFIDに関する情報を総合的に報道しています。末週月曜発行で、発行部数は16万5,000部とされ、読者層は、物流関連企業(陸運・倉庫・鉄道貨物・海運・航空貨物)のトップ及び管理者層、ロジスティクス関連企業、トラックメーカー、 マテハンメーカー、物流商社、荷主企業(物流担当者)、物流コンサルタント、関係団体、関係官公庁、大学・研究機関、 調査団体、経営コンサルタント、ISO審査機関・ISOコンサルタント、その他にわたり、購読地域は全国一円を対象にしています。

 それでは、この情報誌の記事を見てみましょう。

**********
関交協に突然賠償請求 高速道路保有・債務返済機構
【事故】2012年12月14日 13:19
 08年8月、ガソリンを積んだ大型トレーラが首都高で横転、炎上するという事故が起こった。道路がトロトロに溶けるという日本の高速道路史上、未経験の大火災事故だった。4年以上経った今も、事故を起こした多胡運輸(群馬県高崎市)と首都高速道路会社との間で裁判は続いているが、多胡運輸が加入する関東交通共済協同組合(大高一夫理事長)に、今年に入って突然、日本高速道路保有・債務返済機構から損害賠償の請求が届いていたことが本紙の取材で分かった。関交協が支払えるのは危険物特約として再共済を利用した10億円が限度。「それをはるかに上回る金額」の要求に関係者は戸惑っている。
 全面復旧までに2か月以上かかり、市民の生活から首都圏経済まで大打撃を与えた事故を起こした多胡運輸は保有車両30台。直荷主の出光興産から元請けのH運送(当会注:ホクブトランスポート)を経由して仕事をする、いわゆる下請け業者だ。事故の2か月後、関東運輸局は同社に対し車両5台を55日間使用停止とする行政処分を行った。さらに特別監査の結果、運転者に対する指導監督違反など8項目の法律違反が判明。追加の車両停止処分と運行管理者資格者証の返納命令を発出している。
 当初、被害総額は復旧工事費20億円、通行止めに伴う通行料金の逸失利益25億円の計45億円と噂されたが、9か月後に首都高速が関交協に示した「損害見積もり」は、復旧費用17億円、営業損害15億6000万円の計32億6000万円だった。その頃、関交協には、東京都建設局(排水システム被害ほか)、東京ケーブルテレビジョン(配線ケーブル全焼)、隣接するマンション(外壁被害)など首都高速以外の各方面からの損害賠償が出そろったが、現在、2次被害も含めて「ほぼ片付いた」という。
 未解決なのが首都高速に対する損害賠償。多胡運輸との裁判がいまだに続いており、損害賠償額は決定していない。そこに機構からの請求書。関交協は「まだ被害総額も確定せず、当事者の賠償額も決まっていないのに訳が分からない」と困惑。確かに民営化に際して採用された「上下分離方式」では「下」の部分、つまり道路施設は機構の所有物で、損害賠償を請求できる立場といえるが、裁判には現在も参加しておらず「突然、一方的に」加害者の保険会社に文書が送られてきた格好だ。
 首都高速に「今後、どう対応するのか」聞いてみたが、「ノーコメント」。膠着状態が続く炎上事故の裁判が、複雑な様相を見せ始めた。(土居忠幸)
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■この記事によれば、多胡運輸が加入するトラック協会を通じて保険を付保していた先の、関東交通共済協同組合が、保険金を支払うと思われていましたが、あまりにも巨額な補償金のため、カバーし切れなかったという経緯がはっきりしたことになります。

 また、多胡運輸と首都高の間の訴訟が泥沼化していること、そして、機構は首都高に訴訟参加していないことも判明しました。さらに、損害額さえ未確定であるという状況は、やはり当会が懸念した通り、多胡運輸の経営者の実兄が、17年前に安中市で起こした土地開発公社巨額横領事件のその後の異常な経緯をたどったことに照らしても、おそらく、真相は闇に葬られるのではないかという当会の予測がほぼ正しいことを示しています。

 恐るべしは、タゴ兄弟。兄は51億円という公金を15年間にわたって弄んだ挙句に安中市民に103年ローンという負の遺産で尻拭いを課し、弟は首都高と機構にたいして、最大45億円の損害を与えた挙句、事故後4年5カ月を経過してもなお、いまだに事故に対する謝罪の記者会見もせず、社名を変更して相変わらずLPガスを運搬する事業を営んでいます。

 物流業界の専門誌が、首都高速に対して「今後、どう対応するのか」と質問しても、「ノーコメント」としか回答して来ないほど、タゴ兄弟の絡む事件・事故は常識を遥かに超えた異常なことだらけです。

 機構に提出した異議申立てに対して、どのような回答が為されるのか、予断は許されませんが、当会としても、安中市土地開発公社を舞台に17年前発覚した史上空前絶後の巨額横領事件の真相解明に、何らかの参考になると思われるため、この多胡運輸の首都高ローリー横転炎上事故の顛末を注視し、なぜこのような異常な展開をたどっているのか、その理由と背景の解明に向けて、微力ながら最大限の努力を今年もしていきたいと思います。

【ひらく会情報部】

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