■平成24年8月3日は、首都高5号線の熊野町ジャンクション付近で、多胡運輸のタンクローリーが横転炎上事故を起こしてから4周年目に当たる日です。当会は、7月5日付で現在、この件で東京地裁で争われていると見られる首都高と出光興産らとの間の損害賠償請求事件に関する裁判資料を、首都高に開示請求しています。
首都高の規定によれば、「開示の求めの書面を受け取った日から原則として30日以内に検討結果、開示の実施方法、手数料の額等開示の実施に関する必要事項をご連絡します。ただし、形式上の不備があると認めるとき等、開示を求めた方に対し相当の期間を定めて補正を求めた場合は、当該補正に要した日数は当該期間に算入しません。」とあるため、開示請求書が7月7日に届いたとして、おそくとも、8月7日までには開示に関するなんらかの回答が首都高からあるはずです。
■ところで、首都高速道路株式会社(通称:首都高)は、2005年(平成17年)10月1日に、高速道路株式会社法により設立されました。日本道路公団等民営化関係法施行法により、首都高速道路公団の業務を日本高速道路保有・債務返済機構(機構と略す)とともに承継して、いわゆる民営化されました。
同社は、政府および地方公共団体が常時3分の1以上の株式を保有する特殊会社で、当分の間政府から債務保証を受けます。一方、営業年度毎の事業計画や社債の募集、資金の借入については国土交通大臣の認可を必要としています。また同社は機構との協定にしたがって、政令で定められた機構への出資金・補助金の中から、建設費の一部につき無利子貸付が受けられることになっています。
つまり、株式会社組織になり民営化されたといっても、引続き、国交省の指導を受けており、事業を行なうにあたっては、国交省や機構に報告、連絡、相談をして承認をうけなければならないことがたくさんあるのです。
■それでは、首都高と機構との間にどんな協定が結ばれているのかチェックしてみましょう。ボリュームが大きいのですが、全文を次の掲げてみました。
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都道首都高速1号線等に関する協定
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k025.pdf
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)と首都高速道路株式会社(以下「会社」という。)は、高速道路株式会社法(平成16年法律第99号。以下「道路会社法」という。)第6条第1項及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成16年法律第100号。以下「機構法」という。)第13条第1項の規定に基づき、この協定を締結する。
(目的)
第1条 本協定は、首都高速1号線等に関し、機構法第12条第1項の機構の業務及び道路会社法第5条第1項第1号又は第2号の会社の事業(以下「業務等」という。)の実施に必要な事項を定めることにより、業務等の適正かつ円滑な実施を図ることを目的とする。
(協力)
第2条 機構及び会社は、その業務等の実施に当たっては、債務の返済等の確実かつ円滑な実施を図りつつ、高い公共性を有する高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理(以下「高速道路の管理」という。)が適正かつ効率的に行われるよう、相互に密接な連携を図りながら協力するものとする。
(協定の対象となる高速道路の路線名)
第3条 本協定の対象となる高速道路の路線名は、以下のとおりとする。
(1)都道首都高速1号線
(2)都道首都高速2号線
(3)都道首都高速2号分岐線
(4)都道首都高速3号線
(5)都道首都高速4号線
(6)都道首都高速4号分岐線
(7)都道首都高速5号線
(8)都道首都高速6号線
(9)都道首都高速7号線
(10)都道首都高速8号線
(11)都道首都高速9号線
(12)都道首都高速晴海線のうち東京都中央区晴海二丁目35番から同都江東区有明までの区間
(13)都道首都高速11号線
(14)都道首都高速葛飾江戸川線
(15)都道首都高速板橋足立線
(16)都道首都高速目黒板橋線
(17)都道首都高速品川目黒線
(18)都道高速湾岸線
(19)都道首都高速湾岸分岐線
(20)都道高速横浜羽田空港線
(21)都道高速葛飾川口線
(22)都道高速足立三郷線
(23)都道高速板橋戸田線
(24)神奈川県道高速横浜羽田空港線
(25)神奈川県道高速湾岸線
(26)埼玉県道高速葛飾川口線
(27)埼玉県道高速足立三郷線
(28)埼玉県道高速板橋戸田線
(29)埼玉県道高速さいたま戸田線
(30)千葉県道高速湾岸線
(31)横浜市道高速1号線
(32)横浜市道高速2号線
(33)横浜市道高速湾岸線
(34)横浜市道高速横浜環状北線
(35)川崎市道高速縦貫線
(工事の内容)
第4条 会社が行う高速道路の管理のうち、新設又は改築に係る工事の内容は、別紙1-1から別紙1-19までのとおりとする。
2 会社が行う高速道路の管理のうち、
修繕に係る工事(機構が会社からその費用に係る債務を引き受けるものに限る。)の内容は、別紙2のとおりとする。
3 会社は、前項に規定する
修繕に係る工事のうち第14条第1項の助成の対象となるものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出し、機構の同意を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
4 会社は、第2項に規定する修繕に係る工事のうち前項に規定するもの以外のものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。ただし、あらかじめ提出することが困難である場合においては、会社は、修繕によって増加した道路資産が機構に帰属する日前に修繕工事報告書を機構に提出するものとする。
5 会社は、
災害復旧に係る工事を行おうとするときは、あらかじめ、災害復旧工事計画書を機構に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。ただし、あらかじめ提出することが困難である場合においては、会社は、災害復旧によって増加した道路資産が機構に帰属する日前に災害復旧工事報告書を機構に提出するものとする。
(新設、改築又は修繕に係る債務引受限度額)
第5条 新設又は改築に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙1-1から別紙1-19までのとおりとする。
2
修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙3のとおりとする。
(災害復旧に係る債務引受限度額)
第6条
災害復旧に要するものと見込まれる費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙4のとおりとする。
2 前項の規定にかかわらず、会社が機構から機構法第12条第1項第5号又は第6号の無利子貸付けを受けて災害復旧を行った場合には、前項の限度額に当該無利子貸付けに係る額に相当する額を加えたものを同項の限度額とする。
(無利子貸付けの貸付計画)
第7条
機構が会社に対して行う機構法第12条第1項第4号及び第6号(災害復旧に係る部分を除く。)の無利子貸付けの貸付計画は、別紙5のとおりとする。
2 前項の規定にかかわらず、機構が会社に対して行う機構法第12条第1項第4号及び第6号(災害復旧に係る部分を除く。)の無利子貸付けに係る貸付金の額は、機構が政府若しくは地方公共団体から受けた機構法第12条第1項第4号の出資金(会社の管理する高速道路に係る部分に限る。)又は地方公共団体から交付された同項第6号の補助金(災害復旧に係る部分を除き、会社の管理する高速道路に係る部分に限る)に相当する額とする。
(貸付けに係る道路資産の内容)
第8条 機構が会社に貸し付ける道路資産の内容は、第3条に規定する協定の対象となる高速道路を構成する敷地又は支壁その他の物件とする。
(道路資産の貸付料)
第9条 機構が会社に対して貸し付ける道路資産の貸付料は、別紙6の額とする。
2 会社は、毎年度の前項の貸付料を1ヶ月ごとに分割して機構に支払うものとし、その支払期限は、翌月の15日とする。ただし、支払期限が、銀行法(昭和56年法律第59号)第15条第1項に規定する銀行の休日に該当する場合は、その日前において、その日に最も近い銀行の休日でない日を支払期限とする。
3 会社は、前項に規定する支払期限までに、機構の発行する支払請求書に基づき、貸付料を支払うものとする。
4 会社は、第2項に規定する支払期限までに前項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払わなかった場合は、次項に規定するときを除き、その期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じ、当該支払うべき金額に不足する額に対し年5.0%で計算した金額を、遅延利息として機構に支払うものとする。
5
機構は、大規模な災害の発生等やむを得ない事由により会社が第2項に規定する支払期限までに第3項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払うことができないと認めるときは、その期限を延長することができる。この場合において、会社は支払期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じた利息を機構に支払うものとし、その利息は機構と会社が協議して定めるものとする。
6 会社は、前項の規定による延長期限までに第3項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払わなかった場合は、その期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じ、当該支払うべき金額に不足する額に対し年5.0%で計算した金額を、遅延利息として機構に支払うものとする。
第10条 毎年度の料金収入の金額(以下「実績収入」という。)が、次の各号のいずれかの場合に該当するときは、それぞれ各号に定める額を貸付料とする。
一 別紙7の金額(以下「計画収入」という。)に計画収入の1%に相当する金額を加えた金額(以下「加算基準額」という。)を超えた場合 前条第1項に定める金額に、実績収入から加算基準額を減じた金額を加えた金額
二 計画収入から計画収入の1%に相当する金額を減じた金額(以下「減算基準額」という。)を下回った場合 前条第1項に定める金額から、減算基準額から実績収入を減じた金額を減じた金額
2 会社は、前項第1号に該当する場合において、実績収入から加算基準額を減じた金額を、機構の発行する支払請求書に基づき、会社が道路会社法第14条第3項に基づき財務計算に関する諸表を国土交通大臣に提出した後2ヶ月以内に、機構に支払うものとする。
3 機構は、第1項第2号に該当する場合において、減算基準額から実績収入を減じた金額を、会社の発行する支払請求書に基づき、会社が道路会社法第14条第3項に基づき財務計算に関する諸表を国土交通大臣に提出した後2ヶ月以内に、会社に支払うものとする。
4 前条第4項から第6項までの規定は、第2項及び前項の場合に準用する。
(道路資産の貸付期間)
第11条 機構が会社に貸し付ける道路資産の貸付期間は、それぞれの道路資産が機構に帰属した日から平成62年9月30日までとする。
(料金の額及びその徴収期間)
第12条 第3条に規定する高速道路を供用することにより徴収する料金の額及びその徴収期間は、別紙8のとおりとする。
(維持、修繕その他の管理)
第13条 会社は、道路を常時良好な状態に保つように適正かつ効率的に高速道路の維持、修繕その他の管理を行い、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。
2 会社は、高速道路の維持、修繕その他の管理の実施状況について、毎年度、機構に報告することとし、機構は、必要に応じて実地に確認を行うことができるものとする。
(助成)
第14条 会社は、その経営努力により高速道路の新設、改築又は修繕に関する工事(修繕に関する工事にあっては、あらかじめ第4条第3項の同意を得たものに限る。以下同じ。)に要する費用を縮減した場合には、機構に対し、機構法第12条第1項第7号に掲げる業務として行われる助成金の交付を申請することができる。
2 会社は、前項の規定による申請をしようとするときは、当該新設、改築又は修繕に関する工事が完了したこと及び当該工事に要する費用の縮減が会社の経営努力によるものであることを示す書面を添付して、次に掲げる事項を記載した申請書を機構に提出しなければならない。
① 当該新設、改築又は修繕に係る工事の内容
② 当該新設、改築又は修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額
③ ②に係る助成対象基準額
④ 当該新設、改築又は修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの額
3 前項第3号に掲げる助成対象基準額とは、新設又は改築に関する工事にあっては、別紙1-1から別紙1-19に記載の額とし、修繕に関する工事にあっては、第4条第3項の修繕工事計画書に記載の額とする。
4 機構は、第1項の規定による申請が次に掲げる要件のいずれにも適合すると認める場合には、第2項第3号の額から同項第4号の額を控除した額(会社の経営努力によるものと認められた部分に限る。)の5割に相当する額を、第1項の助成金として、会社に交付するものとする。
① 第2項第4号の額が同項第3号の額を下回るものであること。
② 申請に係る新設、改築又は修繕に関する工事に要する費用の縮減が会社の経営努力によるものであること。
③ 申請書に記載された事項が適正であること。
(道路資産の機構への帰属)
第15条 道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号。以下「特別措置法」という。)第51条第2項から第4項までの規定に基づき、高速道路に係る道路資産が機構に帰属する場合には、会社は、あらかじめ、当該道路資産に係る道路資産原簿、用地台帳、設計図その他関係図書(以下「道路資産原簿等」という。)を機構に提出するものとする。
2 機構は、必要があると認めるときは、会社の立会いの下に道路資産原簿等と現物の照合を行うことができる。
(債務の引受け)
第16条 機構法第15条第1項の規定に基づき、高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために会社が負担した債務を機構が引き受ける場合には、会社は、あらかじめ、当該引受けに係る債務目録及び金銭消費貸借契約書、社債原簿その他証書類(以下「証書類」という。)を機構に提出し、機構の立会いの下に当該債務目録と証書類の照合を行うものとする。
(協定の変更)
第17条 機構及び会社は、おおむね5年ごとに、本協定について検討を加え、これを変更する必要があると認めるときは、相互に、その変更を申し出ることができる。大規模な災害の発生その他社会経済情勢の重大な変化があり、これに対応して協定を変更する必要があると認めるときも、同様とする。
2 機構及び会社は、道路資産の貸付料の額又は料金の額が機構法第17条に規定する貸付料の額の基準又は特別措置法第23条に規定する料金の額の基準に適合しなくなったと認められる場合その他業務等の適正かつ円滑な実施に重大な支障が生ずるおそれがある場合には、相互に、本協定の変更を申し出ることができる。
3 前2項の規定による変更の申出があった場合には、機構及び会社は、その申出に誠実に対応しなければならない。
4 第1項及び第2項の規定に基づく協定の変更は、業務等の実施状況を勘案し、債務の返済等の確実かつ円滑な実施及び高速道路の管理の適切かつ円滑な実施が図られるよう行うものとする。
(協議等)
第18条 本協定に定めのない事項又は疑義が生じた事項については、その都度機構と会社が協議して定めるものとする。
附 則
本協定は、平成18年4月1日から施行する。
この協定の締結を証するため、本協定書2通を作成し、記名押印の上、各々1通を保有する。
平成18年3月31日
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
理 事 長 勢 山 廣 直
首都高速道路株式会社
代表取締役会長 長谷川 康 司
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別紙 1-4
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k026.pdf
(協定第4条第1項及び第5条第1項関連)
(機構法第13条第1項第2号及び3号に定める協定記載事項)
都道首都高速目黒板橋線(東京都渋谷区本町三丁目から東京都板橋区熊野町まで)に関する
工事の内容及び工事に要する費用に係る債務引受限度額
1.工事の内容
(1) 路線名
都道首都高速目黒板橋線
(2) 工事の区間
(イ) 工事の区間東京都渋谷区本町三丁目から東京都板橋区熊野町まで
(ロ) 延長6.7キロメートル
(3) 工事方法
(イ) 道路の区分
第2種第2級(道路構造令)
(ロ) 設計速度
設計区間/ 設計速度(キロメートル/時)/距離(キロメートル)/摘要
東京都渋谷区本町三丁目から東京都板橋区熊野町まで/60/6.7
(ハ) 設計自動車荷重245kN(B活荷重)
(ニ) 車線の幅員3.25メートル
(ホ) 車線の数
設計区間/工事施工/用地買収/摘要
東京都渋谷区本町三丁目から東京都板橋区熊野町まで/4車線/4車線
(ヘ) 路肩の標準幅員
構造による区分/往復分離しない区間(メートル)左側・計/往復分離する区間(メートル)左側・右側・計
橋梁高架部分/- ・ - /1.25・0.75・2.00
トンネル部分/ - ・ - /1.25・0.75・2.00
土工(堀割)部分/- ・ - /1.25・0.75・2.00
(ト) 付加車線の標準幅員
-
(チ) 中央帯の標準幅員
-
(リ) 他の道路との接続の位置及び接続の方法
他の道路の路線名/接続の位置/接続の方法/備考
都道首都高速4号線/渋谷区本町一丁目/立体接続/西新宿ジャンクション(仮称)
都道環状六号線/中野区弥生町一丁目/立体接続/中野本町入口(仮称)
都道環状六号線/中野区本町二丁目/立体接続/中野本町出口(仮称)
都道環状六号線/豊島区南長崎一丁目/立体接続/池袋南出口(仮称)
都道環状六号線/豊島区西池袋四丁目/立体接続/池袋南入口(仮称)
都道環状六号線/豊島区西池袋四丁目/立体接続/池袋南第二出口(仮称)
都道環状六号線/板橋区南町/立体接続/高松入口
都道首都高速5号線/板橋区熊野町/平面接続/
(4) 工事予算
458,202百万円(消費税込み)
(5) 工事の着手及び完成の予定年月日
(イ) 工事の着手年月日 平成 3年 3月 5日
(ロ)工事の完成予定年月日 平成19年12月31日
2.工事に要する費用に係る債務引受限度額
200,826 百万円(消費税込み)
(うち、助成対象基準額199,820 百万円) (消費税込み)
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別紙 1-9
(協定第4条第1項及び第5条第1項関連)
(機構法第13条第1項第2号及び3号に定める協定記載事項)
都道首都高速5号線(改築)(板橋熊野町JCT間改良)に関する工事の内容及び工事に要する費用に係る債務引受限度額
1.工事の内容
(1) 路線名
都道首都高速5号線
(2) 工事の区間
(イ) 工事の区間東京都板橋区熊野町から東京都板橋区大山東町まで
(ロ) 延長0.5キロメートル
(3)工事方法
(イ) 道路の区分第2種第2級 (道路構造令)
(ロ) 設計速度
設計区間/設計速度(キロメートル/時)/距離(キロメートル)/摘要
東京都板橋区熊野町から東京都板橋大山東町まで/60/0.5
(ハ) 設計自動車荷重245kN(B活荷重)
(ニ) 車線の幅員3.25メートル
(ホ) 車線の数
設 計 区 間/工事施工/用地買収/摘要
東京都板橋区熊野町から東京都板橋大山東町まで/-/-/付加車線事業
(上り線)
(ヘ) 路肩の標準幅員
構造による区分/往復分離しない区間(メートル)左側・右側・計/往復分離する区間(メートル)左側・右側・計/摘要
橋梁高架部分/ - ・ - ・ - /1.25・0.75・2.00/
トンネル部分/ - ・ - ・ - / - ・ - ・ - /
土工( 堀割) 部分/ - ・ - ・ - / - ・ - ・ - /
(ト) 付加車線の標準幅員
3.25メートル
(チ) 中央帯の標準幅員
-
(リ) 他の道路との接続の位置及び接続の方法
-
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別紙1-14
(協定第4条第1項及び第5条第1項関連)
(機構法第13条第1項第2号及び3号に定める協定記載事項)
首都高速道路 東京地区(改築)(防災・安全対策)に関する
工事の内容及び工事に要する費用に係る債務引受限度額
1.工事の内容
(1)路線名及び工事の区間
(イ)路線名/(ロ)工事の区間(起点・終点)/(ハ)延長(キロメートル)
都道首都高速1号線/台東区北上野一丁目・大田区羽田旭町/21.9
都道首都高速2号線/中央区銀座八丁目・品川区戸越一丁目/8.5
都道首都高速2号分岐線/港区麻布十番四丁目港区六本木三丁目/1.5
都道首都高速3号線/千代田区隼町世田谷区砧公園/14.6
都道首都高速4号線/中央区八重洲二丁目杉並区上高井戸三丁目/18.6
都道首都高速4号分岐線/千代田区大手町二丁目中央区日本橋小網町/1.0
都道首都高速5号線/千代田区一ツ橋一丁目板橋区三園一丁目/17.8
都道首都高速6号線/中央区日本橋兜町足立区加平二丁目/15.6
都道首都高速7号線/墨田区千歳一丁目江戸川区谷河内二丁目/10.4
都道首都高速8号線/中央区銀座一丁目中央区銀座一丁目/0.1
都道首都高速9号線/中央区日本橋箱崎町江東区辰巳二丁目/5.3
都道首都高速11号線/港区海岸二丁目江東区有明二丁目/5.0
都道首都高速葛飾江戸川線/葛飾区四つ木三丁目江戸川区臨海町六丁目/11.2
都道首都高速板橋足立線/板橋区板橋二丁目足立区江北二丁目/7.1
都道高速湾岸線/大田区羽田空港三丁目江戸川区臨海町六丁目/23.1
都道首都高速湾岸分岐線/大田区昭和島二丁目大田区東海三丁目/1.9
都道高速横浜羽田空港線/大田区羽田二丁目大田区羽田旭町/0.9
都道高速葛飾川口線/葛飾区小菅三丁目足立区入谷三丁目/11.8
都道高速足立三郷線/足立区加平二丁目足立区神明一丁目/1.8
都道高速板橋戸田線/板橋区三園一丁目板橋区新河岸三丁目/0.7
合 計178.8
(2)工事方法
工事名/工事概要
防災・安全対策工事/・兵庫県南部地震や新潟県中越地震クラスの大地震に対し、長大橋等の特殊橋梁、トンネル構造物、橋梁上部工の耐震対策を実施し、防災対策を推進する。
・H14年道路橋示方書に則った鋼橋脚、鋼上部工の疲労対策や、B活荷重に対応するためのコンクリート床版の補強、遮音壁の落下防止対策等を実施し、構造物の安全性向上を推進する。・PA改良や交通管制中央装置の統合化、道路情報提供装置・通信設備・受配電設備・施設防災システムの高度化を図り、防災・安全対策を推進する。
(3)工事予算
89,059百万円 (消費税込み)
(4)工事の着手及び完成の予定年月日
(イ)工事の着手(予定)年月日平成18年4月1日
(ロ)工事の完成予定年月日平成25年3月31日
2.工事に要する費用に係る債務引受限度額
104,647 百万円 (消費税込み)
(うち、助成対象基準額100,378 百万円) (消費税込み)
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別紙2
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k027.pdf
(協定第4条第2項関連)
(機構法第13条第1項第2号に定める協定記載事項)
修 繕 に 係 る 工 事 の 内 容
工事の内容
会社が行う高速道路の管理のうち、修繕に係る工事(機構が会社からその費用に係る債務引き受けるものに限る)で行う工事の内容は、以下のとおり。
ただし、固定資産について支出する金額で、①当該資産の使用可能期間を延長させる(耐久性を増す)部分に対応する金額、②その支出の時における当該資産の価額を増加させる(価値を高める)部分に対応する金額、の何れかに該当するものに限る。(ただし、災害復旧に係る部分を除く。)
工事の内容
1.橋梁修繕
2.トンネル修繕
3.土工修繕
4.舗装修繕
5.交通安全施設修繕
6.交通管理施設修繕
7.渋滞対策
8.休憩施設修繕
9.雪氷対策施設修繕
10.震災対策
11.環境対策
12.トンネル防災
13.雪害対策
14.橋梁付属物設置
15.トンネル施設修繕
16.電気施設修繕
17.通信施設修繕
18.建築施設修繕
19.機械施設修繕
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別紙3
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k028.pdf
(協定第5条第2項関連)
(機構法第13条第1項第3号に定める協定記載事項)
修繕に係る工事に要する費用に係る
債務引受限度額
修繕に係る工事に要する費用に係る債務引受限度額
(単位:百万円)(消費税込み)
年度/債務引受限度額
H18 9,354
H19 10,025
H20 9,075
H21 9,361
H22 9,690
H23 9,871
H24 9,982
H25 19,991
H26 19,902
H27 20,091
H28 20,088
H29 20,083
H30 20,082
H31 20,083
H32 21,130
H33 21,687
H34 21,878
H35 21,911
H36 22,090
H37 22,184
H38 22,341
H39 22,642
H40 22,944
H41 23,390
H42 23,653
H43 23,790
H44 23,790
H45 24,566
H46 24,680
H47 24,680
H48 24,680
H49 24,680
H50 24,680
H51 24,680
H52 24,681
H53 24,678
H54 24,677
H55 24,675
H56 24,675
H57 24,676
H58 24,267
H59 24,267
H60 24,266
H61 24,267
H62 14,190
※上記記載の債務引受限度額については、協定締結後五ヵ年の期間内において、各年度の限度額に残余が生じた場合は、繰り越しを認めるものとする。
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別紙4
http://www.jehdra.go.jp/pdf/kyoutei/k029.pdf
(協定第6条第1項関連)
(機構法第13条第1項第4号に定める協定記載事項)
災害復旧に要する費用に係る
債務引受限度額
災害復旧に要する費用に係る債務引受限度額
(単位:百万円)(消費税込み)
債務引受限度額 3,470
**********
別紙5
(協定第7条第1項関連)
(機構法第13条第1項第5号に定める協定記載事項)
無利子貸付けの貸付計画
首都高速道路株式会社に対する無利子貸付けの貸付計画
(単位:百万円)
年度/無利子貸付計画額
H18 30,300
H19 32,764
H20 51,766
H21 50,497
H22 50,440
H23 49,297
H24 48,513
H25 18,630
H26 1,409
H27~H62 0
**********
■上記の協定で、興味深い記載があります。
たとえば、第4条(工事の内容)として、第2項に「会社が行う高速道路の管理のうち、修繕に係る工事(機構が会社からその費用に係る債務を引き受けるものに限る。)の内容は、別紙2のとおりとする。」とあります。
別紙2には「修繕に係る工事の内容」が定められており、工事の内容として「会社が行う高速道路の管理のうち、修繕に係る工事(機構が会社からその費用に係る債務引き受けるものに限る)で行う工事の内容は、以下のとおり。ただし、固定資産について支出する金額で、①当該資産の使用可能期間を延長させる(耐久性を増す)部分に対応する金額、②その支出の時における当該資産の価額を増加させる(価値を高める)部分に対応する金額、の何れかに該当するものに限る。(ただし、災害復旧に係る部分を除く。)」という説明のあと、19項目の工事内容が列挙されています。冒頭の1番は「橋梁修繕」とあります。多胡運輸のタンクローリー横転炎上事故で受けた損傷部の修理は、この「橋梁修繕」に該当すると見られます。
しかし、別紙2の上記の説明書きをよく読むと、①耐久性アップ、②資産価値アップに繋がるものでないと修繕が認められない、とあります。②には但し書きで「災害復旧に係る部分を除く」とあるので、災害復旧の場合の修繕は認められるようです。
では、今回の多胡運輸のローリー横転炎上事故は、「災害」なのでしょうか。ある出典によれば災害の定義とは、「人間とそれを取り巻く環境、生態系の巨大な破壊、重大かつ急激な発生の為にその対策に非常な努力を要したり、外部からの援助を必要としたりするほどの大規模な非常事態」とあります。また「災害の種類」としては、「自然災害」として自身、津波、洪水、高潮、噴火、なだれ、旱魃、土石流など。「人為的災害」としては、大型交通事故、科学災害、産業事故などが例示されます。したがって、4年前の横転炎上事故はこの「災害」の範疇に入るようです。
■第4条の第3項には「会社は、前項に規定する修繕に係る工事のうち第14条第1項の助成の対象となるものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出し、機構の同意を得なければならない。」と定めています。つまり、首都高が、横転炎上事故で破損した橋梁の修繕工事をした際には、事前に「修繕工事計画書」を機構に提示して同意を得ていたはずです。
第4条の第4項には「会社は、第2項に規定する修繕に係る工事のうち前項に規定するもの以外のものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出しなければならない。(中略)ただし、あらかじめ提出することが困難である場合においては、会社は、修繕によって増加した道路資産が機構に帰属する日前に修繕工事報告書を機構に提出するものとする。」と定めています。今回の横転炎上事故は突発的に、しかも大規模な修繕を必要としました。だから、予め「修繕工事計画書」を機構に提出する余裕が無かった可能性もあります。その場合は、平成20年10月14日に修繕工事が終わり、再度、道路資産が機構に帰属したと思しき日の前に、首都高から機構に「修繕工事報告書」が提出されたはずです。これについては、第4条の第5項に災害復旧にかかる記載があるので、報告書の名称は「災害復旧工事報告書」だった可能性もあります。
■第5条第2項には、修繕に係る債務引受限度額の記載があります。「修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙3のとおりとする。」と明記されているので、別紙3の平成20年度の限度額を見ると、「9,075百万円」とあります。
別紙3の債務引受限度額は「平成18年度 93億54百万円」で始まり、「平成19年度 100億25百万円」のあと、事故の起きた「平成20年度 90億75百万円」でボトムとなり、その後、44年後の「平成61年度 242億67百万円」まで増加し続け、45年後の最終の「平成62年度 141億90百万円」(平成62年9月30日で償還完了)となっています。
また、第6条には「災害復旧に要するものと見込まれる費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙4のとおりとする」とあります。
■となると、多胡運輸のローリー横転炎上事故の損害に伴う修繕工事費用は、報道によれば、「首都高によると、通行止めがあった8、9月の料金収入は25億円減少。さらに熱でゆがんだ橋げたの架け替えなどの復旧工事費は20億円となる見込み」と報じられたことから、20億円前後と見られます。
平成20年度の修繕にかかる工事に要する機構の債務引受限度額は90億75百万円で、しかも、「上記記載の債務引受限度額については、協定締結後五ヵ年の期間内において、各年度の限度額に残余が生じた場合は、繰り越しを認めるものとする」という条件が付いていることから、もしかしたら、前年度からの繰越で、なんとか限度額の範囲内で機構で債務負担してもらえた可能性があります。しかし、首都高史上最大の物損事故であるため、20億円の修繕工事費としても、1件で機構の年間の債務引き上負担限度額の22%に相当するため、もしかしたら、首都高と機構は、協定の変更を余儀なくされたかもしれません。
あるいは、前述のように、横転炎上事故による修繕工事は「災害復旧」という範疇で行われた可能性が高いわけですから、別紙4記載のとおり「債務引受限度額3,470
」なので、修繕工事費用20億円はこの57.6%に相当する為、なんとかセーフだったかもしれません。
いずれにしても、事故から2カ月あまりで、破損箇所の修繕工事は無事に完了したので、首都高は、銀行からの借り入れもせずに、機構に債務負担をしてもらって、危機をしのいだものとみられます。
ここで特筆すべきは、災害復旧の場合、機構から借り入れる債務には、第6条第2項に基づき、利子が一切付かないことです。ちなみに、別紙5には「首都高に対する機構からの無利子貸付けの貸付計画」が載っていますが、たまたま平成20年度は517億66百万円と民営化後の最高金額になっています。
しかし、料金収入の落ち込みで運転資金がもしショートして、道路資産の貸付料を延滞してしまった場合には、第9条により延滞金利は免れません。首都高がこのような事態に陥ったのかどうかは知るよしもありませんが、多分、巨額の売上と利益による返済金額に比べれば、さほど問題ではなかったのかもしれません。
■いずれにしても、修繕工事については、協定で機構が債務を引き受けることが明記されています。問題なのは、横転炎上事故により通行止めの期間中、料金収入が25億円減少したことです。これは、機構から借入が無利子で得られたかもしれませんが、常識的に言えば機構に債務負担してもらうわけに行きません。もろに、経営面でのマイナス要因として首都高が直面した問題です。
首都高は、平成20年10月14日の記者会見でも、料金収入の減少による損害額については「最大25億円だが、今後精査が必要」という言い回しをしていました。やはり、具体的な損害額というのは、何を基準にするのかで、大きく変動するわけで、首都高が事故発生から3年後の平成23年8月3日の時効期限到来の直前まで、損害賠償請求をしなかった背景には、慎重に損害額を吟味したようすがうかがえます。
そして、ついに首都高速道路株式会社は、平成23年8月3日までに「復旧工事に多額の費用がかかった上、交通量が著しく減って損害を受けた」と主張して、「ガソリンの運搬を継続的に委託していた出光興産のほか、運送会社などにおよそ34億5千万円の損害賠償を求める訴えを起こした」のでした。したがって、修繕工事費が20億円ですから、料金収入の減少による損害額は約14億5千万円と最終判断をして、それを根拠に、東京地裁に提訴したものと思われます。
■この他に、修繕工事に関係する条項としては、第13条に「会社は、道路を常時良好な状態に保つように適正かつ効率的に高速道路の維持、修繕その他の管理を行い、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」「2 会社は、高速道路の維持、修繕その他の管理の実施状況について、毎年度、機構に報告することとし、機構は、必要に応じて実地に確認を行うことができるものとする。」とあります。
さらに第16条では債務の引受けとして「機構法第15条第1項の規定に基づき、高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために会社が負担した債務を機構が引き受ける場合には、会社は、あらかじめ、当該引受けに係る債務目録及び金銭消費貸借契約書、社債原簿その他証書類(以下「証書類」という。)を機構に提出し、機構の立会いの下に当該債務目録と証書類の照合を行うものとする。」とあります。
出光興産らを相手取った損害賠償請求事件の裁判では、首都高は損害額の証拠説明書類としてこうした資料を法廷に提出している可能性があります。
ともあれ、今は、首都高から8月7日までにあろうと思われる情報開示請求の結果通知を期待をこめて待ちたいと思います。
【ひらく会情報部】
※参考資料
<首都高のスローガン>
「ひと・まち・くらしをネットワーク」
<基本理念>
私たちは、首都圏のひと・まち・くらしを安全・円滑な首都高速道路ネットワークで結び、豊かで快適な社会の創造に貢献します。
<経営理念>
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<自立する経営>
効率的で健全な経営を行い、新しい分野での事業も積極的に展開します。
<活力あふれる職場>
社員が自らの力を高め、誇りと達成感を持てる職場をつくります。
<業務>
首都高速道路の範囲において、機構と締結した協定に基づき以下の業務を行う。
・高速道路の新設又は改築。
・完了時には、道路資産と債務がともに機構に帰属する。
・機構の保有する道路資産を有償で借り受けての、かかる高速道路の管理。