市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙の選挙公報における両候補の政見の類似点と相違点

2022-04-15 22:53:00 | 安中市長選挙
■4月17日の投開票に向けて安中市長選も佳境に入っています。出馬した現職と新人との選挙戦が白熱しているなか、4月12日に新聞折込みで市選管の選挙公報が全戸に届けられました。両候補の政見などが列挙してあります。今回は、この政見の内容を確認するとともに、比較してみました。


岩井候補の政見等情報


茂木候補の政見等情報


 ちなみに、選挙公報とは選挙に際して立候補した全ての候補者や政党の政見などを記載した文書で、公費で有権者に配布される文書で、公職選挙法第167条により、選挙公報には「公職の候補者の氏名、経歴、政見等」を掲載することが規定されています。

 国政選挙と都道府県知事選挙の場合は公職選挙法第167条により必ず発行され、その他の地方選挙では同法第172条の2により選挙公報条例を制定する自治体において発行されます。安中市には同条例があるため、公職選挙法第170条により投票日の2日前まで有権者のいる世帯に配布されることになっています。

 配布手段としては今回の市長選のように新聞に折り込むことが殆どですか、自治体によっては、業者に委託して個別配布する場合もあるようです。

■自治体の選挙管理委員会が発行するこの選挙公報は、有権者にとって重要な情報源であることは確かです。したがって、有権者にとって、選挙公報を実際に見て、そこにある情報をもとに誰に投票するかを決めるのに役に立つツールのひとつであることは間違いありません。

 よって、今後、選挙後のためにも、両候補がどのような政見を選挙運動中に示したのかを記録しておく意味でも重要と考え、各候補の政見を示し、対比させてみます。右側に示した記号により、「≒は類似点」、「⇔は相違点」を示します。

*****岩井候補の政見*****
【I.】岩井ひとし  58歳
<国や県との豊富なネットワークを活かす!!>
①産業団地の早急な整備と積極的な企業誘致の推進          ≒M.②d
 a・人口減少対策に全力                      ≒M.①
 b・働き場の確保を積極推進                 ≒M.②a
 c・安中市都市計画マスタープランの見直し                               ⇔M.?
②観光振興の強化
 a・今ある観光資源の磨き上げと新たな観光地づくりの推進     ≒M.②cd
 b・年間観光客数八〇〇万人の軽井沢町との真の連携        ≒M.②
 c・歴史遺産、文化財の保護と積極的な活用            ≒M.⑤
 d・観光や防災に寄与する市内初の「道の駅」の設置        ≒M.② 
③市民幸福度の向上
 a・新型コロナ感染症対策の強化                 ≒M.③④
 b・県内トップレベルに向けた少子化対策と子育て支援策の推進   ≒M.①
 c・交通弱者対策の強化                     ≒M.④bc  
 d・文化、芸術振興とスポーツによるまちづくりの推進       ≒M.⑤
 e・市民に愛される公立碓氷病院の充実              ≒M.④a
④西毛広域幹線道路を活用したまちづくりと信越線沿線の活性化
 a・西毛広域幹線道路の早期整備と沿線の規制緩和         ≒M.②
 b・西毛広域幹線道路とJR信越線の交差部周辺に新たなまちづくり ≒M.②
 c・安中駅と磯部駅間に安中新駅設置               ≒M.②
⑤市役所新庁舎建設問題の精査
 a・旧安中高校跡地への新庁舎建設のメリット、デメリットの精査  ⇔M.③a
 b・安中体育館、各議場の解体方針の精査 ⇔M.③a
 c・谷津庁舎、松井田庁舎の活用方針の精査            ⇔M.③a
 d・必要な「市民への丁寧な説明」                ⇔M.③a

**********

*****茂木候補の政見*****
【M.】茂木英子  無所属
女性の視点を生かした誰にでもやさしいまちづくり
これからもしっかりと「皆様の声」をカタチにしていきます!
①子育てのまちNO.1を目指します!
 a・産後ケア、病児保育の拡充                  ≒I.③b
 b・給付型奨学金の創設                     ≒I.③b
 c・小学校給食費の段階的(6年生から)無料化           ≒I.③b
   (中学校全学年、第3子無料化継続)
 d・高校生医療費無料化    ≒I.③b
②魅力あるまちづくり!
 a・女性の活躍を応援                      ≒I.③  
 b・横川駅にSL転車台を設置                  ≒I.②
 c・磯部温泉足湯の駐車場整備                  ≒I.②
 d・企業進出のための用地取得と整備               ≒I.①
③安全・安心のまちへ! 
 a・新市庁舎、防災拠点センターの計画整備            ⇔I.⑤
 b・公民館等のバリアフリー化、トイレ改修            ≒I.③
④健康で長生きを応援!
 a・公立碓氷病院の医師確保(小児科、循環器科など)       ≒I.③d
 b・安価で利用できる全地域型AIオンデマンド乗り合いタクシー運行≒I.③c
 c・シニアカー購入補助(免許返納者)              ≒I.③c
⑤歴史・文化を後世に!
 a・松井田城址を国史跡へ                    ≒I.②c
 b・碓氷関所開関400年記念事業実施              ≒I.②a
**********

 以上のとおり、おもな争点が「市庁舎移転建て替え」であることがハッキリと判ります。

■さて、選挙公報の発行に合わせるかのように、4月12日、安中市のホームページに突然「庁舎建設に関するQ&A」が載りました。
※安中市HP
https://www.city.annaka.lg.jp/
※「庁舎建設に関するQ&A」
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/chosha_q_and_a.html
*****庁舎建設に関するQ&A*****
Q:なぜ新庁舎建設を決定したのですか?
A:耐震性能が悪く建て替えが必要なことや、一般公募の市民代表や専門家などからなる庁舎に関わる市民懇談会からの報告、市民4000人を対象とした アンケートの結果(回収率48.5%)、市議会に設置された庁舎建設の特別 委員会からの要望などを参考にし、国からの援助が受けられる「合併特例債」の期限が迫っていることを考慮し、決定しました。
Q:なぜ旧安中高校跡地に建設することにしたのですか?
A:市民懇談会からの報告、市民アンケートの結果、市議会からの要望などを十分参考にし、これらご意見を総合的に勘案して旧安中高校跡地に決定しました。
Q:なぜ庁舎と防災拠点センターを一緒にするのですか?
A:災害時に、行政が機能することと、国・県など関係機関と連携し迅速・的確な災害対応を進めること、災害対策本部などの中枢機能を確保するためです。
Q:将来の負担を減らすにはどうするのですか?
A:まず、できるだけ簡素で費用を抑えた建物にします。お金を借りる場合には、合併特例債と緊急防災・減災事業債の利用を目指します。いずれも返済額の7割を国が出してくれるものです。20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます。
Q:今の本庁舎があるところはどうなるのですか?
A:市民の意見を聞きながら、利活用方法を検討していきます。公共的用途のほか、西毛広域幹線道路沿いであるため商業用地とするなどいろいろ考えられます。
Q:松井田庁舎はどうなるのですか?
A:現在実施している支所でのサービス、保健、土木、防災などの業務は残ります。災害時の本庁のバックアップ機能を備えます。また、地域の豊かな自然環境や多くの歴史的遺産などを生かした特色ある街づくりのための拠点施設としての活用を検討します。
**********

■これは、どう考えても選挙対策の一環として思えません。選挙期間中に現職が有利になるような言い訳を公的な立場の行政がホームページに掲載しても良いのでしょうか?

 とりわけ気になるのが、このQ&Aの中に「20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます」とする回答が記されているからです。この数字は、初めて見る数字です。市民懇談会や市民会議では出ていません。

 しかも、筆者が前日の4月11日に茂木候補の選挙事務所を訪れた際に、未来塾所属の地元市議会議員も同じことを筆者に説明しました。以下のブログ記事を参照ください。
○2022年4月11日:【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙戦2日目の模様
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3406.html

 仮に、現市長や、支援団体の未来塾所属のこの市議会議員が、執行部の幹部職員らに働き掛けて、上記の市のホーム―ページに書かせたとなると、もはや安中市の執行部は、現市長の政策に肩入れしているということになってしまいますし、あるいは現市長側が市役所を私物化してしまっていることになりかねません。いずれにしても、この数字の出所がどこなのか、これまで庁舎建設に関する費用や原資について、現市長や執行部から議会はもとより市民に対してしかるべき説明がないだけに、きわめて不信感が募ります。

■なお、4月12日に安中市ホームページに掲載されたこのQ&Aの内容について、この問題に取り組んでいる市民が次の反論をしているので紹介します。

*****庁舎建設に関するQ&Aへの反論*****
Q:なぜ新庁舎建設を決定したのですか?
A:耐震性能が悪く建て替えが必要なことや、一般公募の市民代表や専門家などからなる庁舎に関わる市民懇談会からの報告、市民4000人を対象としたアンケートの結果(回収率48.5%)、市諾会に設置された庁舎建設の特別委員会からの要望などを参考にし、国からの援助が受けられる「合併特例債」の期限が迫っていることを考慮し、決定しました。

Q:なぜ旧安中高校跡地に建設することにしたのですか?
A:市民懇談会からの報告、市民アンケートの結果、市議会からの要望などを十分参考にし、これらご意見を総合的に勘案して旧安中高校跡地に決定しました。
【反論】
・市民懇談会の提言書では建設場所は、特定せず3カ所を並記しています。
・市民アンケートの結果では、現在地が1位です。 (43.4+3.9=47.3%)
・安高跡地は、2位で40.5%。約7%の差がありますので拮抗ではありません。
・市議会特別委員会の報告書は、市民の意向を無視して平成29年の執行部案を追認しただけです。特別委員会の報告書に合理的な理由は見出せません。


Q:なぜ庁舎と防災拠点センターを一緒にするのですか?
A:災害時に行政が機能することと、国・県など関係機関と連携し迅速・的確な災害対応を進めること、災害対策本部などの中枢機能を確保するためです。
【反論】
・庁舎と防災拠点センターを分離したほうが、災害時の混乱も少なく効率的な運用が出来て、建設費も少額で済みます。
・市役所を安高跡地に移転させたい理由づけのためだけに防災拠点センターを利用しているのです。


Q:将来の負担を減らすにはどうするのですか?
A:まず、できるだけ簡素で費用を抑えた建物にします。お金を借りる場合には、合併特例債と緊急防災・減災事業債の利用を目指します。いずれも返済額の7割を国が出してくれるものです。20億円借りるとすると市の負担は6億円で済みます。
【反論】
・現在地で老朽化した2棟だけを建替えれば、約20億円で済みます。
・安高跡地に移転して全面的に新築すれば建設費は、約50億円、総事業費は約55億円になります。
・20億円では全く足りません.37億円借りても足りないくらいです。
・建設する延べ床面積は、現在地約4000㎡、安高跡地約9500~10000㎡となり、コンパクト化に逆行します。


Q:今の本庁舎があるところはどうなるのですか?
A:市民の意見を聞きながら、利活用方法を検討していきます。公共的用途のほか、西毛広域幹線道路沿いであるため商業用地とするなどいろいろ考えられます。
【反論】
・交通量が増えたら右折での出入りがしにくいというのが市役所移転の理由の一つにあげられています。
・そんな場所を商業用地や集客施設(道の駅)にしようという市の考え方は矛盾しています。
・車の出入りの数は市役所の比ではありません。
・跡地利用も決めないで、とにかく市役所を移したいというのは全くおかしな話です。


Q:松井田庁舎はどうなるのですか?
A:現在実施している支所でのサービス、保健、土木、防災などの業務は残リます。災害時の本庁のバックアップ機能を備えます。また、地域の豊かな自然環瑳や多くの歴史的遺産などを生かした特色ある街づくリのための拠点施設としての活用を検討します。
【反論】
・松井田支所に支所機能は残しますという言葉に騙されてはいけません。
・支所でのサーピス、支所機能(戸籍窓口程度)しか残らないのです。
・安高跡地に巨大庁舎が出来たら、松井田支所に配置されている産業環境部や教育部、教育委員会は全て本庁に引き揚げることが決まっています。
・松井田支所は閑散として将来の支所廃止も視野に入ることと思います。
・特色ある街づくりのための拠点施設としての活用というのは、行政機関ではなくて民間へのレンタルや払い下げを意味しています。
・安高跡地に建設する一極集中型庁舎は、安中市全体の均衡ある発展、持続性のある発展を阻害します。
・市長になる人は地域全体のことを考える人が相応しいのです。

**********

■そうした中、4月13日に茂木候補の選挙運動ビラNo,1が新聞折込されてきました。


ZIP ⇒ 20220413pirno.1.zip

 これを見ると、「茂木ひでこが主に取り組みたいこと」として5項目掲げている政見のなかに、市庁舎建設が見当たりません。どうやら、市庁舎を安高跡地に建設するという茂木候補の政策アピールに対して、有権者の受け止め方がいまひとつ芳しくないため、違和感をいただいているのかもしれません。そのため、ここにきて選挙運動ビラの政見から削除した可能性もあります。

 いずれにせよ、共に県議経験者である両候補ですが、今回の市長選で市民の関心が高く、巨額の血税を投入することになる市庁舎建設について、両候補の政見の最大の対立軸であることは、明らかです。

 このことを肝に銘じて、私たち納税者市民は、4月17日の投開票の機会に、適切に判断する必要があります。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙戦2日目の模様

2022-04-11 23:20:00 | 安中市長選挙
■昨日、4月10日に告示の安中市長選には、予想通り現職の茂木候補と新人の岩井候補が立候補しました。すでに市内各地で支援を訴える両候補の選挙カーが走り回っています。そうした中、筆者は北野殿公害対策委員会としての公開質問状へ誠実に回答していただいた両候補に対して謝辞を述べるため、4月11日の午後、両陣営の選挙事務所を訪れました。


安中市役所の新館に掲げられた市長選投票を促す垂れ幕




候補者のポスターが張られた北野殿にある掲示板のひとつ

■マスコミもさっそく報道しました。

**********NHK News Web 2022年04月10日17:24
安中市長選告示 現職と新人の2人が立候補

 任期満了に伴う群馬県安中市の市長選挙が10日告示され、現職と新人の合わせて2人が立候補しました。
 安中市長選挙に立候補したのは、届け出順にいずれも無所属で3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)、新人で自民党と公明党が推薦する元群馬県議会議員の岩井均氏(58)の合わせて2人です。
 安中市は人口5万5000余り。
 選挙戦では、人口減少対策や観光振興の強化策、幹線道路を活用したまちづくりの在り方などについて論戦が交わされる見通しです。
 安中市長選挙の投票日は今月17日で即日開票されます。

**********上毛新聞2022年4月10日13:23
富岡、安中、みどり3市長選が告示
 任期満了に伴う群馬県富岡、安中、みどりの3市長選が10日告示された。同日正午現在、富岡と安中はそれぞれ予想された現職、新人の計2人が届け出た。みどりは現職のみが届け出ている。投開票は17日。期日前投票は11~16日、各市庁舎などで行われる。
(候補者名は届け出順)
■富岡
 再選を目指す現職の榎本義法氏(53)=七日市=と、市議で元市議会議長の堀越英雄氏(73)=内匠=が届け出た。
■みどり
 再選を目指す現職の須藤昭男氏(61)=笠懸町阿左美=が届け出た。
■安中
 3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と、元県議で県議会議長などを歴任した岩井均氏(58)=松井田町高梨子=が届け出た。
**********
【候補者のプロフィール】
茂木 英子 氏

もてき ひでこ
公約:①女性の活躍推進②全地域型AIオンデマンド乗り合いタクシーの運行③給付型奨学金の創設など子ども・若者支援
肩書き:安中市長
略歴:安中市長2期。群馬県西毛広域幹線道路建設促進連絡協議会長。元群馬県議2期、元安中市議4期
政党(公認):無所属
現職・新人:現職
年齢:62歳
最終学歴:富岡東高卒、高崎経済大地域政策学部中退

<候補者の横顔>
里山歩きで気分転換

 「市民の声が政策の原点」として市民との〝つながり〟を重視して2期8年、市政のかじ取りをしてきた。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で孤立を深める人は少なくないとし、「市民間の交流が難しくなり、もどかしい思いをした。収束後は再びつながりを強めていきたい」との思いで再選出馬を決意した。
 育児や家事、介護といった生活の大きな部分に女性が関わっているのにもかかわらず、市議会に女性議員が1人もいないことを知り、政治への第一歩を歩み始めた。
 1997年、安中市議に初当選。市議や県議を19年続けた後、54歳で県内初の女性市長に当選した。政治を志すきっかけとなった女性の社会進出のほか、子育て世帯や妊産婦、お年寄りらの「困りごと」を解決するため、さまざまな支援策に取り組んできた。
 コロナ下を経験し、「社会的な弱者を助けなければならない」と強く感じた。女性の声をしっかり拾い、女性の視点を生かした優しいまちをつくっていきたいと話す。
 里山歩きが趣味。公務で忙しい中、地元の野殿などを巡っている。タンポポのような道端に咲く花を眺めるのが「リフレッシュになる」という。
【メモ】
①生活信条:一生懸命
②愛読書:湊かなえの著作
③尊敬する人:市川房枝
④趣味・特技:里山歩き
⑤健康法:ウオーキング

岩井 均 氏

いわい ひとし
公約:①産業団地の早急な整備と積極的な企業誘致②新たな観光地づくりと道の駅新設③高校生までの医療費無料化
肩書き:元群馬県議
略歴:群馬県アーチェリー協会長、群馬県治水砂防協会長。元群馬県議会議長、元群馬県議6期、元衆院議員秘書
政党(公認):無所属
推薦・支持(政党・団体):自民党、公明党
現職・新人:新人
年齢:58歳
最終学歴:筑波大大学院修了

<候補者の横顔>
初孫の笑顔が楽しみ

 県議を6期23年にわたって務めた。「県から安中市を眺めたとき、存在感が薄れ、地域間競争に負けている」と危機感を感じた。
 「県議では限界がある。市長にならなければ停滞している状態から前進できない」と立候補した。
 「12市の中で市は人口増加ワースト3に入る。県は10年間で4%人口が減ったが安中は10%減っている」と指摘。人口減少対策に向けて産業用地の整備と企業誘致に取り組みたいとしている。
 故・中曽根康弘元首相の秘書を10年間務めた。教員を目指して大学院に通っていたが、中曽根元首相と接して「教育も大事だが、社会すべてに関わってくる政治の重要さ」を学び、政治家を志した。人の意見を聞いて取り入れ、国のことを常に考える姿勢を中曽根元首相から学んだ。
 出馬に当たって、地元の20~40代の若手支持者との勉強会を毎月開いた。今の市にとって何が大切か議論して公約をまとめた。「10年、20年後の市の再生へ向けて方向性を詰め込んだ。実現したい」と語る。
 選抜高校野球大会に出場経験もあるスポーツマン。ゴルフやジョギングで汗を流す。今一番の楽しみは「2月に生まれた初孫の笑顔」と目を細める。
【メモ】
①生活信条:結縁 尊縁 随縁
②愛読書:なし
③尊敬する人:中曽根康弘
④趣味・特技:野球、ゴルフ、囲碁
⑤健康法:ランニング、酸素浴
**********

■茂木候補の事務所は国道18号線の岩井交差点付近にあります。国道の下り車線からしか入れず、しかも側道を経由して駐車場に入ります。


国道18号の上りレーンから見た茂木候補の事務所わきの駐車場

国道側と奥に駐車場がある

駐車場から事務所に通じる渡り通路

 これまでの2度の市長選も、いずれも金子製作所の跡地の建物を使っています。倉庫のような建物の内部に入ると、非接触式の体温計とアルコール消毒の噴霧器があり、そのわきにはミストを噴霧するブースがあり、そこを通過するとコロナ除菌ができるという触れ込みです。

 入口に、支援団体の代表と、所属する地元市議がおり、「東邦亜鉛安中製錬所の降下ばいじんの情報について、知らないというので持ってきた」と言うと、中に入るよう促されました。




事務所内部を撮影してもよいか市議に尋ねたところ難色を示されたため、なるべく人物を写さず、撮影した画像を確認してもらうことにより3枚ほど撮影できた。

 色々話をきいたところ、やはり相手が組織力を使っており、口をそろえて選挙戦の厳しさをアピールしていました。8年前に、同様に組織力を使った当時の市長の岡田義弘候補に3700票差を付けて勝利した時と異なり、今度は現職として受けて立つ側にあることから、勝手が違うようです。

 選挙スタイルは、市民団体「未来塾」のネットワークをそのまま踏襲し、かつ政治色を薄めた名称「市民ネットワーク」を使いつつ、実際には茂木候補の政治団体として、これまでと同様に「草の根」選挙に注力する方針です。

 他方、これまで8年間の茂木市政で、いろいろなしがらみが出来ており、8年前のときのフレッシュさはだいぶ影を潜めた感があります。事実、選対長には区長会の重鎮を据えるなど、2期8年で構築し獲得してきた利権構造の維持に腐心しなければならない事情を抱えています。

 その証左として、前回4年前に岡田候補を支援した地元有力者が「今度は茂木候補を支援する」と言ってきたそうで、地元出身候補を推したがる有権者の傾向が見て取れます。

 今回の争点の市役所移転建替え問題について地元出身市議に聞いてみると、「きちんと手続きを踏んでいるのに、なぜ理解してもらえないのだろう」「熊本地震を契機に、市庁舎が損壊すると災害対応に著しい支障が出ることが証明された」「その観点から議会で毎年1億円の基金積み立てる決定をした」「その甲斐あって25億円準備できたが、45億円には不足するので、特例債を使えば20億円のうち7割が国から交付されるので、6億円を追加手当すればよい」「松井田のひとたちが、いろいろ騒いでいるが、説明しても聞く耳を持ってくれない」「議論が足りないというが、聞いてもらえないのでは話にならない」などと、この問題が争点であることを十二分に認識している様子がうかがえました。

 勝算としては、やはり、女性市長候補という、これまでにも打ち出してきたイメージを今回も前面に押し出し、政策よりもイメージのほうを受け入れやすい若い世代にターゲットを絞っている様子です。そういえば、支援者に張ってもらっているポスターに「18歳になったら投票に行こう」というロゴが記してあり、若い世代の投票率が伸びれば、得票が増えると見込んでいるのかもしれません。

 茂木陣営では、「決起の集い」を4月14日(木)午後6時00分から選挙事務所(安中市岩井170番地)で開くとしています。

■岩井候補の事務所は、新島学園から磯部につながる県道沿いにある酒・米類販売店だったヤマトや酒店の建物と駐車場を借り上げており、県道からのアクセスは申し分ありません。岩井県議のお膝元は松井田ですが、有権者数は、旧安中と松井田でおよそ3:1であることから、アウェーでの選挙戦を考慮して、安中市街地に近いこの場所を選んだようです。




事務所前に停まっていた街宣カー。候補者が乗る選挙カーとは別に、政党として1台出せる
↑<span style="font-style:italic">岩井候補の選挙事務所入り口↑

 入口で体温測定と手指消毒用のアルコール噴霧器で感染防止をしたあと、中に入りました。これまでにも酒類の購入で何度も訪れたことのある店舗ですが、内部の商品展示棚は全て撤去され、広いスペースに整然とテーブルと椅子が並べられており、支援者と思しきいくつかのグループが、アクリル板を立てたテーブルを囲んで談笑していました。

 奥の方のスペースは空いていましたが、中ほどのテーブルに座ると、後援会幹部と思しき男性がやってきたので、いろいろ話をしました。「エビラを貼る場所がなくなっちゃって」というので、あらためて建物内の壁を見回すとびっしりとエビラが貼って有り、提供者の企業や団体、個人の名前が隠れない程度に重ねて貼られていました。






岩井候補の事務所では、内部の撮影について全く自由で雰囲気もオープンだった

 企業や団体としては、どちらの候補が当選してもよいようにエビラを贈るのが習慣化していますが、数の上で岩井候補の方が圧倒的のようです。

 安中市区における現職県議として6期の実績があるとはいえ、やはり首長である市長選となると、アウェーでの戦いと言う形になるため、旧安中での票読みが最大の関心事だということです。

 表向きには「草の根」スタイルでの選挙を標榜する茂木陣営と異なり、岩井陣営では、保守王国群馬県の政界の中枢に携わってきた候補だけに、組織票をがっちり固めるスタイルを徹底して展開している様子がうかがえます。

 そのため、必然的に弱点となる若い世代向けのアピールの重要性も認識しており、どこまで浮動票を掘り起こせるかがポイントだとしています。そのため、市内を計画的に遊説すべく、あらかじめ街頭演説の日時と場所を決めて、安中市の東部地区から順に、西側に向かって移動しながら支持を呼び掛ける作戦をとっています。

 政策の焦点である市役所移転建替え問題について、後援会幹部からは、「2期にわたる茂木市政を見てきたが、特定の取り巻きを優遇するケースが目立つ」として、「安高跡地への移転に拘る背景には、現在の市役所の跡地利用の思惑が潜んでおり、そうした疑惑を払しょくするためにも、茂木市政が市民への説明責任を果たしていないのはいかがなものか」とのコメントがありました。

 岩井陣営として、今後の選挙戦の展開として、「高齢化や人口減少のなかにあって比較的活気あふれる原市地区における攻防が焦点だ」と分析していました。

 岩井候補の陣営は、「総決起大会」を4月16日(土)午後3時00分から選挙事務所のある「ヤマトや」(安中市安中3870-7)で開くとしています。

■このように、選挙スタイルは表面上、「草の根」対「組織力」というかたちをとっており、対照的な両陣営ですが、がっぷり四つに組んでの戦いが、4月17日の投開票日に向けてさらにヒートアップしていくことが十分に予想されます。

 そうなると、安中市長選につきものの「怪文書」やら、先年来、県内で話題となった「陣中見舞い」など勇み足による公選法に抵触しかねない事態発生も懸念されます。

 当会では、ルールに則った公平、公明、公正、透明な選挙の実現が、開かれた明るい市政の実現に不可欠だと長年主張してきました。読者の皆さんが、これはルールに抵触するのではないか、と疑問に思った事例に遭遇した際には、遠慮なく当会に通報下さるようお願いします。もちろん通報者の秘密は厳守いたします。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

【4月12日マスコミ報道記事】
**********上毛新聞2022年4月12日(一面)

2市長選 現新激突
 任期満了に伴う富岡、安中、みどりの3市長選は10日告示され、みどりは現職が無投票で再選を決めた。富岡、安中は選挙戦に突入し、ともに現職と新人による一騎打ちとなっている。両市長選は17日に投開票される。
★人口減少など争点 安中
 安中市長選はいずれも無所属で、3期目を目指す現職の茂木英子氏(62)=野殿=と新人の元県議、岩井均氏(58)=松井田町高梨子が立候補した。人口減少問題や2期8年の茂木氏の市政への評価、新市庁舎建設などが焦点となっている。
 両氏が戦った2007年の県議選安中市区で、岩井氏は茂木氏を約5千票上回る1万4433票を獲得。一方、元職らを破った前回市長選の茂木氏の得票は1万5298票だった。両陣営は似通う過去の得票数も参考に、激しい選挙戦を繰り広げる。
 市民団体を中心に草の根選挙を展開する茂木氏は機動的に遊説し、現職としての実績を訴える。地元県議や市議16人ら幅広い支援を受けた岩井氏は、街頭演説で支持を呼びかけている。
 9日現在の選挙人名簿登録者数は、4万8528人(男2万3753人、女2万4775人)。
(田島孝朗)

**********上毛新聞2022年4月12日(21面)
市長選立候補者の横顔


**********上毛新聞2022年4月12日(24面)
市長選第一声(届け出順) 安中市長選

■茂木英子氏
 安中市岩井の選挙事務所で第一声。「一人一人を大切に、人を大切にしてみんながつながれば安中市の元気につながる」と訴えた。出発式では、空き家対策や女性活躍推進など県内唯一の女性市長としての8年の実績を挙げて支援を呼びかけた。
○選挙事務所
 所 在 地:安中市岩井170
 電話番号:027・382・3341
■岩井均氏
 安中市安中の選挙事務所で第一声。「停滞か前進か問う選挙。地域間の競争に負けている」と指摘した。「最優先課題は人口減少対策。少しでも(人口減)止めるような政策に取り組みたい」とし、観光振興の強化や市民幸福度の向上などを訴えた。
○選挙事務所
 所 在 地:安中市安中3870-7
 電話番号:027・382・6353

**********東京新聞2022年4月12日 08:12
群馬県内 安中、富岡市長選が告示 みどり市は無投票
 群馬県内では十日、安中、富岡、みどりの三市長選が告示された。安中、富岡市はともに現職と新人の一騎打ちとなった。投開票は十七日。みどり市は現職が無投票当選した。
◆安中 現新の一騎打ちに

気勢を上げる支持者たち=安中市で(←当会注:かなり密集状態になっているのが気になる)
 安中市長選はともに無所属で、現職の茂木英子さん(62)と新人で元県議の岩井均さん(58)が立候補を届け出た。
 茂木さんは同市岩井の事務所で出発式に臨み、支持者ら約二百人を前に「県内唯一の女性市長として市民の声を政策に反映させてきた。安中の魅力を発信し、移住促進や観光でも安中が元気になってきた。全ての人を思いやり、大切にしたい。皆さんと心一つに戦い抜く」と支援を求めた。
 ボランティアらをねぎらって回った後、「一週間、町づくりに懸ける私の熱い思いを安中市中の人に訴え続けていく。人を大切にしてつながれば、安中の元気につながる」と声を張り上げた。選挙カーに乗り、支持者らの拍手に見送られて遊説に向かった。
 一方、岩井さんは市内の碓村神社で必勝祈願の後、同市安中の事務所で出陣式を開いて第一声を上げた。
 イメージカラーのオレンジの上着姿の支持者らを前に「今回の選挙は停滞か前進かを問う選挙だ」と強調し、県議を六期務めた実績から「安中市の存在感が低くなっている」と指摘。観光振興の強化や西毛広域幹線道路を活用した町づくり、市役所新庁舎建設問題の精査などの公約を挙げ、「人口減少を少しでも止めるような政策をしっかりやっていく」と力を込めた。
 遊説後の午後には事務所開きがあり、山本一太知事らが応援に駆け付けた。
 九日現在の選挙人名簿登録者数は四万八千五百二十八人。(安永陽祐、樋口聡)
◇安中市長選立候補者(届け出順)
 茂木英子(もてき・ひでこ)62 無現<2>
 市長(元)県議・市議▽高崎経済大中退
 岩井均(いわい・ひとし)58 無新
 (元)県議長・自民党県政調会長▽筑波大院
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コメント
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安中市長選告示まであと半日・・・厳しいはずの市財政はいつから裕福に?問われる現市長の説明責任

2022-04-09 22:38:00 | 安中市長選挙
■筆者の住む安中市北野殿地区には、前市長と現市長のご自宅があります。すべて半径100m以内のエリアにあります。新型コロナが蔓延する前は、毎年元旦になると地元区民が北野殿公会堂に集まり、新年会を開催していました。その際、市長や地元選出の市議会議員らが挨拶回りに来ていました。ですので、毎年、市長が挨拶でどのような発言をしたのか、筆者はできる限り記録に書き留めていました。
 その中で浮き彫りになったことは、現市長は1期目、しきりに安中市財政について「厳しい」という言葉を使っていました。それが2期目になると、その言葉が聞かれなくなりました。いったいなぜなのでしょうか。これまでの新年会での現市長の発言を順次遡って検証してみました。


いよいよ明日からスタートする安中市長選。地元北野殿に設置されたポスター掲示板

【2018年元旦】(2期目1年目)
出典ブログ:2019年平成最後の元旦の出来事から占う今年の地元安中市の現状と見通し
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2852.html
**********
 改めまして皆様、新年明けましておめでとうございます。(場内:おめでとうございます)
 北野殿の皆様には日ごろから、大変お世話になっています。大変穏やかなお正月を迎えました。平成も、今年がですね、4月、5月ですか、そこで最後になるということで、ほんとに30年のこの平成の月日をですね、思い返す番組も暮れには大変多かったと思います。
 また、私たちですね、今の日本全体が人口減少とか、高齢化とかですね、少子化。さまざまなこう課題に直面している年でもありまして、市政運営にあたりましても、そういった中でも、どうやって地域に暮らす方々が安心して、そして心豊かに暮らしていけるか、そんなことを念頭に置きながら、さまざまな施策を、私も展開してまいりました。
 また、災害におきましてもですね。さきほど区長さん、おっしゃられましたが、本当に気象災害、というのがですね、各地で起こるようになりまして、3月3日に防災の訓練をしていただけるということでございますが、やはり、そういった中でですね、一番いいのはやはり地域の中で、防災力を高めていく。そして地域の繋がりをこれまで以上に強くしていくことが、私はとても大切だというふうに思っております。
 安中市行政もですね、私もあのう、今、人口減少ですから、少子化対策、それから結婚支援とか、婚活支援とかですね、或いは外からのこう、移住・定住施策とかですね。いろいろなことにあのう、取り組んでまいりました。今ちょうど今年から2期目になったんですが、さらにそういったことを強化していきたいと思っています。
 横浜から「安中がいいな」と思って来てくれた人、理由を聞いたら、あのう「碓氷川があって、釣りができるから」っておっしゃって、まあ中高年の方なんですけど。それからまた、若い方はですね、「地域の方がこう見守ってくれて、いろいろ教えてくれる」と。で、「それでもう10年になります」って緑が丘にいらっしゃる方は、あのう、お子さんをね、たくさん作られて、ほんとに豊かに暮らしていらっしゃいますが、ご主人は安中榛名(駅)から通勤で、東京に行きながら、「地域でほんとに子どもたちが見守ってもらって、とてもいい地域だ」っていうふうにおっしゃってくれます。
 そしてですね、この地域、安中市の歴史や文化や良さをですね、しっかりと活かして、外に発信していく力を高めながら、移住・定住施策、それから子育て支援をしっかりとこれからもやっていきたいと思ってます。
 また、群馬県の中ですね、あのう、長年の課題でした西毛広域幹線道路が、えー、知事の英断で全線着手になりまして、今、秋間のほうはですね、橋ができて来てますけれども、こういったもの、しっかりと利用しながらですね、安中の発展に繋げていく取り組みも進めていきます。あの道路ができますと、群馬県庁から安中まで14分だというふうに言われています。それでですね、近さ・良さを活かして、えー、ここをですね、更に発展させていける可能性があると思っていますので、職員一丸となって取り組んでいく所存でございます。
 えー、いろいろな意味でですね、あのう、今年も様々な課題がありますが、えー、素晴らしいですね、年になりますように。また、安中市も厳しい時代ではありますが、しっかりと前に向かって、これまで以上に力強く、皆さんと一緒に進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます
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【2018年元旦】(1期目4年目)
出典ブログ:2018年元旦の出来事から占う今年の地元安中市の現状と見通し
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2518.html
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 皆様、新年明けましておめでとうございます。(場内:おめでとうございます)
 地元岩野谷4区の皆様には私も日ごろから大変お世話になっております。心から感謝を申し上げます。そして、皆様おひとりおひとりが気持ちを新たにこの平成のもう30年という年になりました。
 思い返せば、小渕先生がこう「平成」という看板を掲げてから、もう30年も経つんだなあと、しみじみと思いました。これからもですね、安中市もですね、新しい時代を迎えます。私自身も市政をですね、預かりまして、3年と8か月が過ぎました。
 本当に思い返しますとあっという間でございますが、社会全体がですね、人口減少とか、過疎化、あるいは高齢化という日本全体を包む問題がですね、安中市にもございます。大変厳しい局面もありますが、私自身もこの間にですね、さまざまな課題に取り組んでまいりました。
 空き家対策をですね、あのう、大変進めてまいりまして、もうすぐ空き家バンクが開設をする予定でございまして。また、空き家はですね、地域の、こう、溜まり場のような、こう、サロンのような形に改修する場合には補助金を付けたり、あるいは空き家バンクを通じて、こう利用したいとか、売りたいとか、貸したいという人たちをですね、応援するための、家財を片づけたり、あるいは修繕したり、ということでも少しですが補助金を付けたりも、そういった形で、区長さんたちが一生懸命調査してもらった安中市全体にですね、1924戸という空き家をですね、そういった形でスムースに、こう利活用したり、危険なものをこうに除却したり、進めていきたいと思っています。
 また鳥獣被害もですね。あのう、安中市で長年課題でありました対策協議会というですね、ようやく立ち上げることができまして、これによると、これを立ち上げると国からですね、例えばイノシシ1頭捕獲すると7000円とかですね。そういう補助が国から出ることになります。それが今まで安中市ができなかったので、そういったことでもですね、対策を強化しました。
 えー、それからですね、今、認知症対策も随分いろいろなことをやってきましたけれども、これから、将来5人に一人が認知症に罹ると言われる時代になるんですね。そういった意味で、認知症の、こういうふうな見守り対策とか、あるいは、認知症の方を抱えた家族は大変な思いをするので、そういった方々が集まって、気軽にね、あのう、話し合ったり、保健師たちからアドバイスを受けたりする、こう認知症カフェというのがあるのですけれども、勿論、当事者も来られるんですね。そういうものをですね、市内のあちこちに立ち上げたり、いろいろなこう対策を取ってきまして。やっぱり誰でもがですね、この安中に住んで安心して暮らしていける、歳を重ねても、支えあってですね、助け合いながら本当に楽しく暮らしていける、そんな街づくりを進めていきたいと思っています。
 それには、行政もそれから、いろいろな企業さんも、また学校も、さまざまなNPOやボランティア団体、多くの方々にですね。自分たちも何かこう安中の街を支え合っていく、元気にしていくことに何か関わろうというね、そういう、こう想いを持っていただくことがとても大切だと思っていて、今、そんな市民活動を支援とかですね、地域活動の応援というものが開けております。
 それから、地域起こし協力隊といって、都市部の若者をこちらの地方に仕事をしながらですね、住んでもらうという、3年間の事業なんですけれど、これを募集したらですね、今二人決まりました。それを移住・定住に繋げていってですね。将来的には結婚したり家庭を持ったりしてもらうのがよいのですけれど、それが結構全国でやられていて、安中市も私、初めまして、今二人来ました。
 それから結婚新生活応援事業というのがあって、何かというとですね、あのう、経済的な理由でね、なかなか結婚に踏み切れないという方に、ほんの少しお金を出して応援するんです。国の補助金をうまく使って組み合わせでやったんですけれども。そしたら3組カップルができまして、そのうち5人は安中市に移住してきました。そういう意味で、小さなことなんですけれども、そういう移住・定住対策とか、婚活支援事業ですね。あのう、婚活のパーティなんかをする段階で少し応援して、やってもらって、今、カップル6組か7組できているんですけれども。カップルというのは、付き合い始めたという程度なんですけれど、そういう小さなことをいろいろ積み重ねをして、安中市を元気付けたり、市民の方にいろいろな形でまちに関心を持ってもらいたい。そんなことをしながら進めたい。
 それから企業訪問ですね、担当する部長と一緒に、いろいろな安中の企業を歩きました。皆さんですね、一様に、従業員がほしいと。募集しても募集しても来ないんだよ、という切実な声を聞きました。で、方や若い人が帰ってくるには働き場所がなければダメだという声も聴きますので、その両方をうまく、こう、繋げたらいいんじゃないかなと思って、そんなことも今検討を始めています。
 これからですね、様々な課題がまだまだあります安中市も財政状況が厳しいです。そういった中で、ですね。本当にみんなでこう安中市を作っていくというね、そういうものを大事にしながら、私もさらにですね、力を入れてこの安中市政の運営に取り組んでいきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 あの、最近なんか、私が野殿に住んでいないんじゃないかという話が大分出回っていて、心配して電話をくれたりする人もいるんですけれど、ご安心ください。私、野殿を出たことはございませんので。あの、出張で一泊とか二泊とか出ることはありますけれども、ここに足を腰を据えて皆様と一緒にやっていきたいと思います。今年1年がですね、皆様にとって素晴らしい年に、実り多い年になることを心からご祈念を申し上げまして、新年のご挨拶に替えます。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。(拍手)
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【2017年元旦】1期目3年目
出典ブログ:2017年元旦の出来事から占う今年の地元安中市の一年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2197.html
 皆様、明けましておめでとうございます。(場内:おめでとうございます)
 いつも日ごろから本当にお世話になっております。2017年の幕開けでございます。本当にこう、穏やかな、気持ちの良い新春を皆様もお迎えのことと私もお慶びを申し上げます。
 今、舟田区長さんからいろいろとお話がございました。本当に大変な中でうまく引継ぎを済ませていただきまして、区長の任務を本当にいろいろと忙しい、自主防災組織のお話もありますけれども、何かと区長さんにはご苦労頂くわけですが、本当に、役所のほうにもよく来て頂いて、しっかりと区長の仕事をしていただいて、私も心から感謝を申し上げます。
 安中市は、これからですね、昨年を振り返ってみますと、まずはですね。群馬県に再三、お願しました西毛広域幹線道路。これがですね、前橋から富岡までのですね、未着手区間があったわけですが、それを全線着手、それもご存知のようにですね、粘り強く交渉した結果、知事から回答を頂きまして、予定よりも、2年ほど早く前倒して、前橋のあのイオンのところまで来てますので、イオンモールがあり、イオンからずーっとですね、榛名の方からこう来て、市役所の前を、今秋間で橋を工事していますけれども、あそこを通って、安中市役所の前を通って、で、また橋を架けて下ろすんですけれども、それで今、富岡の方が出来上がっていますので、そこへ繋がります。
 それを西毛広域幹線道路と言って、県が、群馬県を結ぶ7つの交通軸のひとつなんですね。それが、安中だけが未着手でしばらくいたんですが、それが全線着手になりまして、そのことをですね、これから安中市が活用して、いかに、いろいろな事業所とか人口とか、若者なんかを呼び入れるのか、そういったことが、これからの安中市の課題でございますが、非常にこのことは、私も懸案でございましたので、よかったなあと思っております。また、今ですね、人口減少が進んでいるわけなんですが、やはりこの今ある安中の魅力を生かしてですね、上手にこう、内外にこう、情報発信をして、人に来てもらって安中を知ってもらう。で、ひいては、移住、定住、そして、子育てがし易い街づくりをして、働く場を確保しながら、若者にも、こう安中市に帰ってきてもらう。また、移住して住んでもらう、その取り組みがこれから必要でございまして、今年から、移住促進、それから、地域起こし協力隊といって、都市部の若者を働きながら、こう安中市に受け入れて、仕事をしてもらいながら、ひいては定住に繋げてもらうという、あのう、国が全部、おカネを出してくれるんですけれども、そういった取り組みも受け入れて、今年から始めていこうというふうに思っていますので、そういった人口増対策。それからまた交通網。
 そしてやはり、昨年ですね、皆さんもご承知かと思いますが、安中の磯部温泉が、あすこは温泉マーク発祥の地なんですね。江戸時代にですね、公文書で使っていた温泉マークが磯部温泉の所に記してあるんですが、それが最古の日本の温泉マークを使った地図ということでですね、温泉マーク発祥の地ということで、いろいろな観光展開をしたわけなんですが、昨年、国際化の中でですね、外国人にも分かり易い表記ということで、マークを変えようということがあったんですよ。これはですね、現に安中市の一つの魅力でありますから、これは変えてもらっては困るということでですね、さっそく、温泉組合、それから市の観光機構も含めて、国に申し入れをしましたところ、変更はしないで、あのう、まあ、存続をするということ、それと併用、外国、国際規格と併用するといったかな・・・そんな方向で検討が進んでいるんですけれども、これも消えてしまわなかったので本当によかったなあと思っています。大事な安中の文化を守れたかなと思っています。
 いずれにいたしてもですね、皆さんがたにさっきも言った、少子化、それから高齢化の中で、これからのまちづくりをどういうふうに活気をつけていこうか、ということで、非常に大きな課題です。それにはやはりですね。今言った、安中の魅力を掘り起こして、市内外に発信をするということ、それからやはり、地域、地域の中でですね、これまで以上に、人のこう、繋がりを強めていく。今、ここはこうやって新年会ができていますけれど、こういうことが出来なくなってしまう地域もあるわけですね。やはり、これからは、さっきの自主防災の話がありましたけれども、いかに地域の中でお互いが支え合っていけるか、このことが活力になったり、それから、年を重ねても元気で住み慣れた地域に暮らしていく、このことが基本にもなりますので、ぜひですね、いろいろな形でですね、こういう人のつながりを強めていくような、サロン活動もありますし、一緒に道普請とか、いろいろな活動がありますけれども、これまで以上に、こう地域の繋がりを強めていくことが大切かなあと思っています。
 非常にですね、人口減、イコール税収減とか厳しい財政でありますが、本当に市民の力をこれまで以上に活用してですね、みんなでまさに支え合って、助け合って、いろいろなことを展開していける、安中はまだまだ元気だぞということを発信していきたいと思っています。温泉マークもですね、全テレビ局が放映してくれましたし、新聞にも全部乗りましたので、逆に今、磯部温泉が少し忙しくなっています。そのことでやはり、あのう、安政遠足マラソンがですね、今年度から、どうもあのう、映画化になるようでございまして、それはですね、話が進んでいますので、進めていきたいなと思っています。で、そういうことでやはり、また地元のかたも自分の故郷を再認識すると、どの方も安中の魅力に気付いてもらう、そのことも、あの、一緒に進めていきたいと思っています。
 それから、鳥獣害対策、非常に大変なんですが、対策を強化しまして鳥獣対策係を作りました。そこで今、今年1月、対策協議会というのをできる予定なんですね。それができると、県とか国のおカネも使えますので、そうしますと一層人も増やせたり、道具も増やせたりしますので、今それに向かって頑張っているところなんですけれども、鳥獣害対策もしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 長々とお話をしましたけれども、これからもやはり安中市が、そしてこの地域がですね、人が支え合って、安心して暮らしやすい、そして皆が元気になれる、そんなまちづくりを進めて行きたいと思っておりますので、どうぞあのう、地元の皆様はですね、今後ともいろいろとご指導を頂けますようにお願い申しあげまして、また、今年1年が、地元の皆様にとって、輝かしい実りある1年になることをご祈念申し上げまして、ご挨拶に替えます。どうぞ皆様本年もよろしくお願い申しあげます。お世話になります。
**********

【2015年元旦】1期目1年目
出典ブログ:安中市北野殿地区の元旦行事に4半世紀ぶりにデビューした岡田義弘・前市長の思惑
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1498.html
 皆様、おひとりおひとりが気持ちを新たに、この2015年の新春を迎えることとまずもってお慶び申し上げます。また、昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。私も、市政を預かる番になりまして、目まぐるしい、あっという間の一年でございました。
 大変、社会情勢が大きく変わる中、また、新しい言葉で“人口減少社会”ということで、人の数が減ってゆく。で、なおかつ、若い人たちが増えていかないで、お年寄りの方が増えていくという、少子高齢化ということですが、そういうことと人口減少現象がかさなっての、これからの社会になっていくということで、新しい課題にも取り組んでいかなければならない、というふうに思っております。
 また、皆さんから、区長さんからお話がありましたが、災害、特に自然災害が近年多いですね。本当に今年もそういうことがないように、祈るばかりですが、それに備える体制作り、というのも、しっかりと行政はやっていかななければいけない、というふうに考えまして、今取り組んでいます。
 また同時に、先ほど大雪の時に、ボランティアの方に、機械を持った方に出てもらったというお話がありました。まさに、そういう地域の中の支えあい、ということが、これからとても大切になってきます。
 私も、年を重ねても安心して、慣れ親しんだ、身近な地域の中で暮らしていける体制作りというものをやっていきたいと思って、今いろいろと研究を始めております。やはり、ひとりひとりが張り合いを持って、また地域に、そして次の世代に社会貢献をしながら、よりよく社会を作っている、地域を作っていく、ということを、行政もそれを支援するような、そういう時代になっていくんだというふうに思っています。
 また、市政も課題がたくさんございますが、私も自分がやりますといったことを、きちんとやる方向に動いていきながら、なおかつそういう課題にも一つずつ取り組んでいきたいというふうに思っています。
 また、様々な形で、正しい形で情報が分かり易く伝わるような情報公開にも取り組んでいきたいと思っています。
 私も、今まだ1年たっていないんですね。4月で1年なんですが、これからも地域の皆さんの声、市民の皆さんの声をしっかりと受け止めて、市民のほうに目を向いた行政運営というのを心掛けていきたいと思っております。そういった意味では、更なるご支援と、また、ご指導を賜りたいと思っております。どうぞ皆様、今年1年が皆様にとって素晴らしい年になりますことをご祈念申し上げまして、新年のご挨拶に替えます。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
**********

■なお、現市長は県議時代にも地元北野殿地区の新年会で顔を出して挨拶をしていました。

【2014年元旦】
出典ブログ:“子々孫々に対する責任を負う”と大見えを切り次期市長選出馬を確信させた岡田市長の地元での新年挨拶
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/936.html
 安高の跡地は、あれは県立の学校ですから、全部県の所有地だったんですけど。今ですね、県はいろんな未利用のところを、使っていないところをですね、まず市町村、所在する市町村に、あの、買いますか、ということで投げかけをしていて、もし、全く利用が無くて買わないというのであれば、また、民間に売るという考えかたを持っているんですけども、どこも。安高に関しては、安中市が買いたいと、おっしゃっているんですね。それなんで、安中に売るということになっていますけど、あのう、値段のこととかですね。あのう、安中市の方も有識者会議というか、たしか300万くらいの予算を使って、どうに使うかを、検討会議を立ち上げて決定をしたんですけど、決定をしたけど、その決定に従わないで保留になっているんですね、それなんでちょっとこう宙に浮いているんですけど、一応、安中市が買って頂けるということなんで、県の方は一応保留になっているんです。体育館だけは今、安中市に貸していると言いました。
<住民C:民間に売れば、税金もあがるわけだから、売ればいいんじゃない?(場内笑い)>
 あのう、市が利用したいということで言っているので、まず県としてはまあ、行政が使うのが一番公平なので、そこを優先しているので、安中市が、要らないって言えば民間に売る考えをするんですけども、要らないっていうんではなくて、今買いたいんだ、ということで止まっているものですから、ちょっと保留状態、ですね。はい。
<住民A:壊して美術館をつくるって言っているんですよね。今ね、安中市は。耐震に問題があるからっていうことでね。>
<住民C:あんなところにカネかけずに、民間に売ったほうがいいよね。>
<区長代理A:じゃあ、他には。…ないようですので、まだ市長さん、市議さんが見えられていないので、それでは、会計報告をお願いします。>
 それでは失礼させて頂きます。
**********

■このように現市長は、県議時代に安中市が群馬県から安中高校跡地を購入する約束をしていながら、ほったらかしにしていた経緯を知っており、住民にもそのように説明していました。しかし、当時はまさか安高跡地を市庁舎建て替えの移転先にするとは、自身も思っていなかったはずです。

 そして、前市長の岡田義弘氏を破って県内初の女性市長となってから、安中市が厳しい状況におかれていることを認識し、1期目(平成26年度~29年度)の3年目の元旦(平成29年1月1日)と4年目(平成30年1月1日)ともに、市財政面が厳しいことを住民に訴えていました。

 それが2期目(平成29年度~令和3年度)になってからは全く影を潜め、引き続き市政運営面での課題として、人口減少や、少子高齢化について言及するも、財政難という言葉は口にしなくなりました。

■この間、庁舎建て替えに関して、執行部が事前準備組織として「庁舎建替準備会議」なるものを設置して検討してきた経緯を見てみましょう。
※参考資料:安中市庁舎に関わる市民懇談会配布資料
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/files/1choushasiryou1-12.pdf

●平成27年05月22日(金)第1回準備会議開催
 内容:建設の期限、建替庁舎の機能、合併特例債の利用、既存施設の利活用、移転先の場所について意見交換
●平成28年03月30日(金)第2回準備会議開催
 内容:平成28年度でどこまで検討し結論を出すか、意見交換
●平成28年05月26日(木)第3回準備会議開催
 内容:4月14日発生の熊本地震を契機に、建替庁舎にすべての部署を集中することが理想的との意見あり
●平成28年06月30日(木)第4回準備会議開催
 内容:先進地視察として近隣6箇所、遠方1か所を想定し、埼玉県北本市を選定
●平成28年07月28日(木)第5回準備会議開催
 内容:8月10日に北本市の視察が決定。その後、8月10日に北本市を視察
●平成28年10月09日(木)第6回準備会議開催
 内容:先進地視察の感想。次回11月8日茨城県稲敷市の視察予定が決定し実行
●平成29年05月01日(月)第7回準備会議開催
 内容:用途地域の変更の可否を討議。現時点での市長への中間報告について建設費が不明で財源も不確定として見送りが決定。その後、6月28日に長野県小諸市視察
●平成29年08月21日(月)第8回準備会議開催
 内容:安高跡地への移転が現実的と結論。規模は全部署を建替庁舎に集中させることが理想と結論。財源は庁舎建設基金・地域振興基金・地方債で賄い、合併特例債利用は不可能と結論。庁舎建設基金は平成28年度から毎年1億円の積立開始済み。地域振興基金は令和7年度で償還終了予定。これら2つの基金で足りない分は地方債で賄う予定と結論。

■そして、平成29年9月26日に当時の財務部の中嶋薫部長が、市職員で組織した「庁内事前準備組織」を代表して、茂木市長に「庁舎建て替えに関する報告書」を提出しました。これを見ると、視察を行った北本市、稲敷市、小諸市への視察時の質疑事項と回答及び視察資料などが付帯され、8回にわたる討議内容をまとめた形にしています。

 それによると、次のとおり討議内容から結論付けています。

*****【討議内容】*****
●建設場所について議論
(1)現在の本庁舎敷地
<利 点>
・所在地番等、位置条例をはじめ種々の変更が不要。
<問題点>
・用途地域が第1種住居地域であるため、延床面積が3,000㎡以上の建築が出来ない。[通常は個別不適格建築物のために用途地域を変更することはない]
・仮設庁舎を建設する必要がある。
・備品・什器の移設など、2度の引っ越しが必要となる。
・建設期間中、来客者用駐車場を確保する必要がある。
(2)旧群馬県立安中高等学校跡地
<利 点>
・業務を続けながらの建設が可能である。
・仮設庁舎を建設する必要がない。
・現在の庁舎から近距離にある。
・第2種住居地域のため、3,000㎡以内の制限がない。
・備品・什器の移設など、引っ越しが1度で済む。
・建設期間中、来客者用駐車場を確保する必要がない。
< 問題点>
・群馬県の財産であり、土地の購入が必要。また、校舎の解体も必要となり、多額の費用が発生する。
(3)その他の場所
<利 点>
・業務を続けながらの建設が可能である。
・仮設庁舎を建設する必要がない。
・備品・什器の移設など、引っ越しが1度で済む。
・建設期間中、来客者用駐車場を確保する必要がない。
<問題点>
・現在の本庁舎周辺には適当な広い場所がない。
・現在の本庁舎から離れた場所の場合、現在の場所に慣れた市民の反応がどうか。
・市有地でない場合、多額の購入費が必要となる。
・購入までに用地交渉・手続きなどに長期間を要する可能性が高い。
●規模について議論
・どの庁舎の組織までが新たな庁舎に入るかを議論
 旧庁舎・中庁舎・新庁舎・保健センター・松井田支所・谷津庁舎の職員数、建物の建築年数、市民の方の利用し易さなどについて。
●財源について議論
・庁舎建設基金・地域振興基金・地方債・一般財源を利用して建設することを確認。合併特例債はほぼ不可能。PFIなどの民間資金の活用についても議論。
●構造について議論
・RC(鉄筋コンクリート造)、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)の工法について確認。
*****【検討結果】*****
●建設場所について
・旧群馬県立安中高等学校跡地への建設を最善とする。(敷地面積 19,912 ㎡ 道路北側運動場 2,120 ㎡を含む)
●規模について
・行政機能の効率化の観点から全ての部署を新たな庁舎に集中させるのが理想である。今後の議論で必要面積が出されるものと考えるが、当面現在の旧庁舎・中庁舎・新庁舎・保健センター・松井田支所内に所属する部署が入ることを前提とし、9,500 ㎡規模の庁舎を建設する。(規模算定については添付資料のとおり。)
・耐震基準を満たしている庁舎等の利活用策については別途検討する。
●財源について
・庁舎建設基金・地域振興基金・地方債・一般財源を利用して建設する。なお、基本構想・基本計画が出た段階で、国県支出金等の特定財源の検討が必要(上記規模を前提とした、総事業費の積算資料を添付。)
・ また、民間事業者の資金やノウハウを活用し、民間委託・PFIなどでの整備についても検討が必要。
●構造について
・RC、SRC のどちらでも建設は可能と思われるので、規模等を勘案し検討が必要。
●今後の方向性について
・引き続き詳細で十分な検討をする必要があるので、本格的な検討を進めるための組織づくりが必要と思われます。
**********

■このあと、安中市は広報あんなかに、やたらと「災害に備える」と銘打った記事を掲載し始めました。

・平成30年10月01日  広報10 月号に「災害に備える」掲載
・平成31年03月01日  広報3 月号に「災害に備える-その2-」掲載
・令和元年09月01日  広報9 月号に「災害に備える-その3-」掲載

■そのあと、突然、庁舎に関わる市民懇談会の設置を標榜し、委員募集を行い、計5回の懇談会を開催しました。

・令和元年12月01日 広報12 月号に「庁舎に関わる市民懇談会の委員を募集します」掲載
・令和02年03月30日 安中市庁舎に関わる市民懇談会委員委嘱
・令和02年06月23日 第1 回安中市庁舎に関わる市民懇談会開催
・令和02年07月29日 第2回安中市庁舎に関わる市民懇談会開催
・令和02年08月25日 第3回安中市庁舎に関わる市民懇談会開催
・令和02年09月29日 第4回安中市庁舎に関わる市民懇談会開催
・令和02年10月26日 第5回安中市庁舎に関わる市民懇談会開催

■その後、さらに安中高校跡地への移転を前提とした豪勢な庁舎建設に向けて、肉付けをしようと安中市は一部市民を対象に市民アンケートを実施したのでした。その結果、現在地で、耐震基準を満たさない庁舎を対象にしたコンパクトな建て替えを望む市民がもっとも多いことが証明されたのでした。

 しかし、執行部はなんとか安高高校跡地に移転した形で新庁舎を建設し、現在地の庁舎跡を物販施設にしようと目論んでおり、茂木市長もなんら事業計画を精査せず、執行部の言うなりのまま、今回の市長選で3期目を目指し、「安高跡地での新庁舎建設」に異常なほどこだわりを見せています。しかし、公約上ではあまり多きくアピールしていません。

 おそらく、50数億円もの豪奢な市役所の移転新築をアピールすると「草の根」選挙を標榜してきたこれまでの選挙スタイルに、従来からの支持者が違和感を抱きかねないと、自ら慎重になっているものとみられます。

■このように、なぜ茂木市長が1期目では、あれほど「厳しい財政事情」を口にして、安中市の財政難を住民に訴えたのに、2期目ではぱったりと口にしなくなった理由が、上記の経緯を見ると、分かるような気がいたします。

 しかし2期目を目指した前回の選挙では、市庁舎の移転建替えについて、茂木市長本人は当然執行部から報告は受けていて知っていたはずです。なのに市庁舎移転建替えについては政策として掲げてはいませんでした。

 となると、市長の新年のあいさつを聞いていた市民は、市長の説明を信じて「安中市の財政は厳しいのだから、がまんをしよう」と思ったひとも少なからずいたはずです。しかし、実は安中市は、市民にがまんを敷いていながら、蓄財に励み、新しい庁舎建設のための基金を積み立てていたことになります。

 このように、2期目から「厳しい市財政」を口にしなくなった茂木市長の心境の変化は、執行部のいうなりになったほうが、都合がよいと考えを変えたことをうかがわせます。あるいは、1期目から、執行部のシナリオどおりに、市民に対して「市財政の厳しい状況」を訴えつつ、実は、市明への行政サービスを削ってまでも、庁舎建設のための基金積み立てを優先する片棒を担いだことがうかがえます。

■先日、当時の財務部長と面談した際に、「安中市の財政は厳しいはずではなかったのでしょうか。50億円を超える予算を組む余力があるのなら、なぜ、いままでことあるごとに市財政が苦しいなどと言っていたのでしょうか」と質問しました。すると当時の財務部長は「財政調整基金が今は何十億円もあるので、財政的には問題ない」とあっさりと言いのけたのでした。

 事実、安中市は信越化学などの法人市民税のおかげで、県内の自治体でもベスト9にランクされるほどの財政力指数を誇っています。となると、茂木市長が1期目で連発した「厳しい市財政事情」はいったいなんだったのでしょうか。ぜひ、地元民に対して、遊説中に説明責任を果たしていただきたいものです。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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東邦亜鉛カドミ公害対策について安中市長候補者に公開質問…各候補からの回答内容

2022-04-09 20:21:00 | 安中市長選挙

安中市中宿の東邦亜鉛製錬所の硫酸工場付近の農道わきに設置されている降下ばいじん測定用ダストポッド。製錬所周辺に4箇所設置されている。

■筆者は安中市岩野谷地区に在住しておりますが、子どものころから東邦亜鉛安中製錬所から排出される亜硫酸ガスやカドミウムや鉛など重金属を含む排ガス中の降下ばいじんによる農作物や健康被害について、地域住民の苦労を身に染みて感じておりました。高校生の時、安中公害として世間に知られるようになり、それから半世紀以上経過しましたが、依然として東邦亜鉛からの降下ばいじんは止まっていません。そのため、周辺に降り注ぎ続けるカドミウムや鉛など有毒な重金属により、宅地や農地などの土壌がさらに汚染されています。

 このため、筆者は2年前から地元の北野殿公害対策委員会の委員長に任命されて、東邦亜鉛安中製錬所による降下ばいじんを主とした周辺土地の再汚染問題(水田は昭和47年ごろ客土ないし排客土対策を行いましたが、畑地はまだ土の入れ替えをしていません)など、公害問題に取り組んでいます。

 先日4月3日に北野殿公会堂で開催された北野殿公害対策委員会平成4年総会で、参加委員から、「この度の安中市長選の機会に、市長候補予定者に、安中公害や、土壌汚染された畑地対策について、抱負を聞くことは有効だ」とする動議が出され、満場一致で承認されました。そのため、4月6日に市長候補予定者2名に公開質問状を送っていたところ、4月10日午後3時の期限までに両方の立候補予定者から回答が寄せられました。さっそくご紹介します。

■公開質問状の内容は、委員長一任とされたので、委員長の判断で5項目の質問からなる公開質問状を作成し、4月6日の朝、両候補の後援会事務所として登録されているFAX(いずれも自宅住所)に送信しようとしました。しかし、岩井候補はつながったものの、茂木候補は繋がらず当日夕方自宅の郵便受けに公開質問状を投函しました。

■両候補予定者に出した公開質問状の文面は以下のとおりです。

*****4/6公開質問状*****
                           令和4年4月6日
安中市長選立候補予定者
ご芳名       様
                    〒379-0114安中市野殿980
                    北野殿公害対策委員会
                    委員長 小川 賢
                    携 帯:090-5302-8312
                    FAX:027-381-0364
                    E-mail:ogawakenpg@gmail.com

         公 開 質 問 状

拝啓 当委員会は、安中市内で操業を続けている東邦亜鉛安中製錬所の影響に晒される地元住民の安全・安心な生活・営農・自然環境の保全と、同製錬所の監視及び対話を目的として活動している組織です。現在、地元では同製錬所周辺の土壌汚染畑地を対象として行政主導により公害防除特別土地改良事業(公特事業)が進められております。
 さてこの度、令和4年4月22日任期満了に伴う安中市長選挙が、4月10日告示、4月17日投開票の日程で執行される予定となりました。現在立候補に向けての諸準備でご多用のところ誠に恐縮ですが、以下の質問事項に関してご記入いただき4月9日(土)15時までに、FAXAX(027-381-0364)にてご回答くださいますようお願い申し上げます。

【Q1】同製錬所からは依然として通常の地域の数十倍もの量のカドミウム、鉛、亜鉛など重金属を含む降下ばいじんが周辺域に降り注いでいます。この事実をご存じでしょうか。
   □知っている   □知らない

【Q2】この状況を打開するためには、既に土壌汚染が進んでいる同製錬所周辺の畑地の土壌を健全化しなければなりません。しかし、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、昭和47年8月17日に定められた農用地土壌汚染対策計画は、昭和51年3月及び昭和53年6月に変更決定されたにもかかわらず、対策事業の実施にあたって、指定地周辺の要観察地域の畑等も含めて一体的な対策を図るべく、対策計画の変更及び土地改良事業計画に基づく公特事業について、いまだに検討・調整中の段階にあります。遅れを取り戻すための必須要件と思われるものを次の中からお選びください(複数選択可)
   □国の熱意  □県の熱意  □市の熱意  □東邦亜鉛の熱意
   □地元関係者の熱意  □事業内容の周知徹底 □わからない
   □それ以外(具体的に:                          )

【Q3】当委員会は、4年後の令和8年4月に、公特事業の着工に漕ぎ着けることが地元の抱える公害問題対策の大きな節目にひとつと考えております。そのため市長に当選された場合、当委員会のかかげる着工実現という目標に向けてどのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、4年後の着工をかならず実現させる。
   □地元行政の長として、4年後の着工に向けて最大限の努力を惜しまない。
   □地元行政の長として、4年後着工の期待に沿えるよう配慮する。
   □地元行政の長として、4年後着工に向けてできる範囲で対応する。
   □地元行政の長として、4年後の着工の実現にはこだわらない。
   □地元行政の長として、4年後の着工の実現はあきらめる。
   □地元行政の長として、なんともいえない。

【Q4】もう一つ重要なことは、現在も続く重金属を含む降下ばいじんの問題です。この状況を打開するためには、東邦亜鉛に対して、さらなる公害防止対策を課すなどして、降下ばいじん量の減少はもとより、降下ばいじん中の重金属濃度をゼロにすることが再汚染対策の観点からの不可欠です。さもないと、仮に公特事業が実施されてもいずれ土壌の再汚染を招くからです。そのためには、東邦亜鉛に対して、安中製錬所が実施している降下ばいじんのデータの開示と、原因究明・対策方針に関する説明を求める必要があると考えます。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、かならず開示と説明を求める。
   □地元行政の長として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元行政の長として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元行政の長として、なんともいえない。

【Q5】最後に東邦亜鉛安中製錬所(会社)が副産物として毎年大量に生み出している非鉄スラグの問題があります。これまで何十年にわたり莫大な量のスラグを日々排出してきていますが、その使用箇所について、会社は「行政に報告しているので、報告内容は行政に問い合わせてほしい」と言い続けています。当委員会では、会社が行政に報告している非鉄スラグの使用状況に関する情報を自ら開示するよう、会社に求めていますが、誠意がみられません。そこで群馬県に開示請求をしたところ、真っ黒に塗られた文書が開示されました。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、県と会社の双方に対して必ず開示を求める。
   □地元行政の長として、県に対して開示を求める。
   □地元行政の長として、会社に対して開示を求める。
   □地元行政の長として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元行政の長として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元行政の長として、なんともいえない。

 ご協力ありがとうございました。なお、ご回答内容の結果は、ご回答の有無と併せて、SNSなどを通じて広く公表する予定です。予めご了承ください。
                           敬具
**********

■その結果、4月9日の13:41に筆者の携帯メールに茂木英子後援会の松ヶ瀬氏から「さきほど回答をFAXしました」との連絡がはいり、畑から自宅に戻ると13:28にFAXを受信していたことを確認したので、14:48に受信確認した旨連絡しました。

※茂木英子候補の回答FAX
 ZIP ⇒ 20220409pqj.zip

 一方、岩井候補からは回答期限として指定した15時が迫っても回答がなかったため、筆者が選対事務所に電話を掛けたところ、女性の当番のかたが「うちのFAXが古くて調子がわるいのでご迷惑をおかけしているかもしれない」というので、再度FAXをしたところ受信できたことを確認しましたが、あらためて「候補者本人の後援会事務所で登録した自宅あてに4月6日に既にFAXを送っているので、候補者本人に確認してほしい」と連絡を依頼したところ、5分もしないうちに、候補者から回答FAXがありました。受信状況が悪く、1ページの上下が切れた形で3枚に分割されて送られてきたので、1ページが1枚になるようにしてあります。

※岩井均候補の回答FAX
 ZIP ⇒ 20220409j.zip

■比較のため、以下の設問ごとに茂木候補の回答を赤色岩井均候補の回答を青色で示してあります。

**********
【Q1】同製錬所からは依然として通常の地域の数十倍もの量のカドミウム、鉛、亜鉛など重金属を含む降下ばいじんが周辺域に降り注いでいます。この事実をご存じでしょうか。
   知っている   知らない(そのような情報は得られていません)

【Q2】この状況を打開するためには、既に土壌汚染が進んでいる同製錬所周辺の畑地の土壌を健全化しなければなりません。しかし、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、昭和47年8月17日に定められた農用地土壌汚染対策計画は、昭和51年3月及び昭和53年6月に変更決定されたにもかかわらず、対策事業の実施にあたって、指定地周辺の要観察地域の畑等も含めて一体的な対策を図るべく、対策計画の変更及び土地改良事業計画に基づく公特事業について、いまだに検討・調整中の段階にあります。遅れを取り戻すための必須要件と思われるものを次の中からお選びください(複数選択可)
   □国の熱意  □県の熱意  市の熱意  東邦亜鉛の熱意
   地元関係者の熱意  事業内容の周知徹底 □わからない
   □それ以外(具体的に:                          )

【Q3】当委員会は、4年後の令和8年4月に、公特事業の着工に漕ぎ着けることが地元の抱える公害問題対策の大きな節目にひとつと考えております。そのため市長に当選された場合、当委員会のかかげる着工実現という目標に向けてどのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、4年後の着工をかならず実現させる。
   地元行政の長として、4年後の着工に向けて最大限の努力を惜しまない。
   地元行政の長として、4年後着工の期待に沿えるよう配慮する。
   □地元行政の長として、4年後着工に向けてできる範囲で対応する。
   □地元行政の長として、4年後の着工の実現にはこだわらない。
   □地元行政の長として、4年後の着工の実現はあきらめる。
   □地元行政の長として、なんともいえない。

【Q4】もう一つ重要なことは、現在も続く重金属を含む降下ばいじんの問題です。この状況を打開するためには、東邦亜鉛に対して、さらなる公害防止対策を課すなどして、降下ばいじん量の減少はもとより、降下ばいじん中の重金属濃度をゼロにすることが再汚染対策の観点からの不可欠です。さもないと、仮に公特事業が実施されてもいずれ土壌の再汚染を招くからです。そのためには、東邦亜鉛に対して、安中製錬所が実施している降下ばいじんのデータの開示と、原因究明・対策方針に関する説明を求める必要があると考えます。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、かならず開示と説明を求める。
   地元行政の長として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元行政の長として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元行政の長として、なんともいえない。

【Q5】最後に東邦亜鉛安中製錬所(会社)が副産物として毎年大量に生み出している非鉄スラグの問題があります。これまで何十年にわたり莫大な量のスラグを日々排出してきていますが、その使用箇所について、会社は「行政に報告しているので、報告内容は行政に問い合わせてほしい」と言い続けています。当委員会では、会社が行政に報告している非鉄スラグの使用状況に関する情報を自ら開示するよう、会社に求めていますが、誠意がみられません。そこで群馬県に開示請求をしたところ、真っ黒に塗られた文書が開示されました。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元行政の長として、県と会社の双方に対して必ず開示を求める。
   □地元行政の長として、県に対して開示を求める。
   □地元行政の長として、会社に対して開示を求める。
   地元行政の長として、必要性を検討したうえで判断する。
   地元行政の長として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元行政の長として、なんともいえない。
***********

■両候補からの回答をもとに、筆者の感想を以下に記します。

●問1(Q1)
 地元の北野殿に在住しているはずの茂木候補から、東邦亜鉛安中製錬所からの降下ばいじんの実態について「そのような情報は得られていません」ので「知らない」との回答があったので、ビックリ仰天しました。これでは話になりませんので、さっそく、県による降下ばいじんの毎月のデータを連絡する予定です。

【4月11日追記】この日、茂木候補に降下ばいじんの実態を示すデータを送り状を添えて提供しました。
ZIP ⇒ 20220411pqo.zip

 一方、岩井候補は長年にわたる県議としての活動で、東邦亜鉛公害問題の本質についてよく洞察している様子がうかがえます。

●問2(Q2)
 公特事業の推進に向けた必須項目については、岩井候補が、市と東邦亜鉛と地元の熱意という具体的な項目を選択したのに対して、茂木候補は事業内容の周知徹底という無難な選択でした。

●問3(Q3)
 安中市の首長として4年後の着工に向けた決意については、本当は両候補とも一番上の「必ず実現させる」を選択してほしかったのですが、茂木候補が2番目の「最大限の努力を惜しまない」、岩井候補が「期待に沿えるよう配慮する」を回答してきました。やはり、地元出身と地元外出身の差かもしれません。

●問4(Q4)
 降下ばいじんの低減について、東邦亜鉛に対する排出量や排出原因についてのデータ開示や説明責任に関する問いに対しては、両候補とも、「必要性を検討したうえで判断する」を選択してきました。

●問5(Q5)
 有毒な鉛など重金属入りの非鉄スラグの市内外の使用場所の開示については、岩井候補が「必要性を検討したうえで判断する」、茂木候補が「そうした権限の有無をしらべたうえで判断する」と、両候補とも、本件情報開示に消極的な県や会社に対する積極的な支援の姿勢は残念ながら示していただけませんでした。

■以上のとおり、両候補から興味深い回答が寄せられたので、今後、北野殿公害対策委員会として、東邦亜鉛安中製錬所に対して、降下ばいじんなどの大気汚染や騒音、悪臭などの対策、および鉛、ヒ素を含む非鉄スラグの適正処理をはじめ、製錬プロセスでスラグに鉛やヒ素が残らないように全量回収する技術を導入して、公害防止をさらに徹底するように申し入れる所存です。

 これに関連して、今年1月5日に安中製錬所の所長、新しく赴任した副所長、そして環境管理室の次長の3名が新年挨拶のため来訪した際に、筆者が「今年4月に安中市長選がありますが、御社はどちらの候補を支援するのでしょうか?」と尋ねました。すると製錬所幹部らはすかさず「両方です」と答えました。

 今から8年前に、当時の市長の岡田義弘氏と、新人の茂木英子候補が市長選で一騎打ちの結果、茂木英子氏が3700票余りの差をつけて当選しました。その直後、東邦亜鉛安中製錬所の幹部が茂木英子後援会事務所を訪れて、支援団体の代表者に「今までの非礼を勘弁してほしい」と詫びを入れました。まさか、新人候補が当選すると思ってもみなかったからです。

 そのため、選挙戦になった場合は、双方の候補者に必ずエビラを贈ることにしています。東邦亜鉛に限らず、地元企業や各種団体も同様の配慮をしているようです。

 茂木市政スタート当初は緊張感を持っていた東邦亜鉛ですが、その後はすっかり安心している様子がうかがえます。有毒な非鉄スラグを東邦亜鉛は安中市内でも不法使用しているはずですが、安中市は全く調査をする気配がないからです。そのため、筆者の質問に対して「どっちも応援する」と答えたのだと思われます。

【北野殿公害対策委員会からの報告】

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安中市長選告示日まであと2日・・・争点の目玉の市庁舎移転問題に対する立候補予定者の主張の違いについて

2022-04-08 12:50:00 | 安中市長選挙
■いよいよ4年に一度の安中市長選の火ぶたがまもなく切って落とされようとしています。安中市と松井田町が合併後5回目となる今回の安中市長選では、既に立候補予定を表明している現職市長と、3月24日に市長選出馬のため辞職したばかりの県議との一騎打ちになると予想されています。
 既に両候補の陣営とも、選挙前の事前運動と言っても過言でないほど熱を帯びており、貼紙、上り旗、街宣車、SNS、新聞折込みやポスティングなど様々な媒体で実績誇示や政策提起、イメージ浸透を図るべく、両陣営の思惑が市内外で錯綜しています。
 現市長は市民団体が擁立しましたが、依然として「夢を語る」イメージ戦略を打ち出しているものの、市長2期を経た現在、すでに実質的には保守そのものであり、自民党所属で県議6期の経験者である候補との政策の違いはもはやほとんど見いだせない状況になっています。そのような最中、本日の朝刊に次の新聞折込みがありました。
 これまで当会も取り上げてきた安中市庁舎建て替えに伴う現在地から安高跡地への移転問題について、あらためて市民有権者にアピールするためのものです。当会と一緒にこの問題に取り組んでいる市内の市民団体のかたがたにより、今回全市に配布されました。
 さっそく内容を見てみましょう。



*****4/8新聞折込チラシ表面*****
<市役所移転に関する意見広告>
安中市役所の移転は無駄使いです!
【市役所移転は市民へ大きな損失をもたらします】
※耐震性に問題のある老朽庁舎2棟だけの建て替えなら安く済みます!
※安高跡地へ移転して大規構庁舎を造れば30億以上の無駄違いです!
※建設費で合併持例債は使い切り、他の事業が出来なくなります!
※安高跡地で、まちなか広場を核としたまちづくりが出来なくなります!
【防災センターの併設はリスクを伴う愚策です】
※現・避難所の安高跡地の体育館・格技場の解体は防災に逆行します!
※市役所・防災センターの平成は災害圧制時に行政の混乱を招きます!
※安高跡地の面積は現在地とあまり変わらず、進入路も縮小です!
※安高跡地は体育館・格技場を残し防災センター単独利用がベストです!
【公表されたデータや資料は公正とは言えません】
※現執行部は多くの市民の意向を軽視して移転決定を強行しました!
※都合の悪い資料は出さず、テータを曲解した作為的資料を公表しました!
※現在地の利点を見せず、安高跡地を最適とする作為的資料を公表しました!
※建設費・解体費等の金額を公表せずに移転·新築を決定しました!

安中市まちづくり研究会 宇佐見義尚
usamiyoshinao@aol.com
庁舎建設の方向性を考える会 嶋村楓太郎
annaka.info@gmail.com
**********


*****4/8新聞折込チラシ裏面*****
市役所建設場所は、現在地と安高跡地で金額がこんなに違います!

新庁舎建設問題は見直さなければ大きな損失!
※現在地と安高跡地(体育館・格技場を除く)の面積は、ほぼ同じです!
※現在地で耐震性の無い老朽化庁舎の建て替え費用は20数億円!
※安高跡地へ移転して一極集中型庁舎の新設費用は50億円!
※つまり市役所新庁舎移転で約30億円もの無駄な出費が発生します!
※安高跡地の体育館・格技場は安中市民にとって大切な施設です!
※防災センター整備よりも各地区防災拠点の整備の方が急務です!

市役所移転の決定について、誰もが納得出来るような『市民への丁寧な説明』がありません。
『メリット・デメリットの精査』を行い、明解で論理的な説明をお願いしたいと思います。

**********

■この件に関するこれまでの経緯は次のブログ記事を参照ください。

○2021年3月28日:【安中市庁舎建替え問題】広報あんなか4月号「市庁舎の整備について検討しています」記事に異議あり!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3293.html
○2021年4月11日:【安中市庁舎建替え問題】旧安中高校跡地に建替え場所を誘導したい思惑ミエミエの官製アンケートに要注意!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3300.html
○2021年4月27日:【安中市庁舎建替え問題】4/26松井田地区と安中地区の一部へアンケート兼用チラシ6000部を新聞折込配布
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3308.html
○2021年5月20日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケートの結果ほぼ固まる・・・安中市が中間報告
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3316.html
○2021年6月6日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケート中間報告のトリックに係る公開質問に対し市から不明確な回答届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3322.html
○2021年6月27日:【安中市庁舎建替え問題】4市民団体が現位置・適正予算での建替えに係る要望書・報告書を市長に提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3336.html
○2021年7月15日:【安中市庁舎建替え問題】安中市が7/13発表の市民アンケート結果最終報告…安高跡地に未練タップリ
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3344.html
○2021年9月3日:【安中市庁舎建替え問題】市議会庁舎建設等特別委が「安高跡地を適地」と結論づけた報告書の市民そっちのけ
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3354.html
○2021年9月12日:【安中市庁舎建替え問題】市議会特別委の「安高跡地を適地」報告書にNO!の意見広告を市内全戸折込み配布!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3365.html
○2021年10月18日:【速報!安中市庁舎建替え問題】本日の市議会全協で茂木市長が市民アンケート結果無視して安高跡地決定宣言
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3375.html
○2021年12月15日:【安中市庁舎建替え問題】安中高校跡地への市役所移転は第2の巨額詐欺横領事件!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3391.html
○2022年1月11日:【安中市庁舎建替え問題】安高跡地への市役所移転阻止のため市内全域に白紙撤回要請の新聞折り込みを敢行!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3393.html

 また、市庁舎建替え問題に取り組む市民のかたがたのブログやサイトの記事もご覧ください。
■安中市庁舎建設に関する特別サイト
https://usuipc.wixsite.com/annaka
■庁舎建設の方向性を考える会
https://www.facebook.com/groups/289833998763551/about
■安中市まちづくりワンワンチーム
https://www.facebook.com/annakawanwan/
■安中市庁舎建設を考える市民の会
https://www.facebook.com/groups/2308088432540835/
■かわ遊び・やま遊び雑記/「安中市庁舎問題」のブログ記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/koizumi-masato/c/18bdb559bbad9cec5dc59fdf5b15a1de

■このように市庁舎の建て替えと移転に関する問題は、少子高齢化がますます進みつつある現状と今後の見通しを踏まえて、費用対効果の点から、間違いなく今回の市長選の争点の目玉と位置付けることができます。

 このことについて、現執行部を指揮監督する立場である現市長陣営が最近頻繁に発行するチラシによれば、次の対応を予定していることがうかがえます。

*****2022年4月後援会ニュース第21号「茂木ひでこ市政だより」*****
http://www5.wind.ne.jp/moteki-hideko/houkoku-202204
<茂木英子がこれから取り組みたいこと>
【防災強化】
●新市庁舎・防災拠点センターの計画・整備
【経済・街の活性化】
●西毛広域道に接する旧庁舎利活用検討委員会立ち上げ
<新年度はこんなにことから取り組みを始めます>
●新市長・防災拠点センター建設事業
*****2022年3月後援会ニュース第20号「茂木ひでこ市政だより」*****
http://www5.wind.ne.jp/moteki-hideko/houkoku-202203
【経済・街の活性化】
●西毛広域道に接する旧庁舎利活用検討委員会立ち上げ
【防災強化】
●危機管理対応型庁舎建設基本計画策定
*****2022年1月後援会ニュース第19号「茂木ひでこ市政だより」*****
http://www5.wind.ne.jp/moteki-hideko/houkoku-202201
【防災強化】
●危機管理対応型庁舎建設基本計画策定
【経済・街の活性化】
●西毛広域道に接する旧庁舎利活用検討委員会立ち上げ
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 このように、早くも現在の市庁舎を安中高校跡地に移転した後、不要となるとして旧庁舎を利活用するというのです。旧庁舎の一部は耐震構造不足だという理由から建て替えるはずが、その旧庁舎を利活用するというのですから、まったく訳が分かりません。

 おそらく耐震不足の旧庁舎は解体して更地にして、例えば「野尻の里」や「ファームDo」のような道の駅をイメージした販売施設に「利活用」することを既に目論んでいるのでしょうが、それではなぜ大金をはたいて群馬県から安中高校跡地を買ったのでしょうか?防災拠点として利活用するのにうってつけの安高跡地に市役所機能を移転してしまえば、せっかくの防災用スペースを狭めてしまい、行政の事務事業にとっても、防災拠点としても中途半端になってしまうでしょう。

 「二兎を追う者一兎も得ず」のたとえを無視し、これほどまでに移転による市庁舎建替えに拘る背景には、巨額の予算投入を正当化しようとする執行部の姑息な意図が透けて見えます。納税者市民にとって、まさに「危機招聘型庁舎」になりかねません。

■さて、市庁舎建設に関して、2021年9月発行の茂木ひでこ後援会ニュース「茂木ひでこ市政だより」では、「市民活動推進事業」として「庁舎建設にかかわる市民懇談会開催」と「庁舎建設にかかわる市民アンケート実施」しか記していませんでした。
http://www5.wind.ne.jp/moteki-hideko/houkoku-202109

 この間、今回の市長選に出馬意向を表明した2021年12月10日までに、茂木英子市長は、アンケートに示された市民の声を目をつむり、執行部が提案する安中高校跡地に移転した上での「危機対応型庁舎」という意味不明の建設基本構想策定を全面的に受け入れることで、執行部の言うなりになって3期目も続投する決意を固めたことがうかがえます。実際に2021年12月1日発行の広報あんなか(第189号)には、表紙と見開きの2~3ページ目に「市民の命を守る」?「危機管理対応型庁舎へ」と銘打った記事が掲載されました。そして茂木英子候補は、今年2月15日に正式に出馬表明をしました。

■一方の岩井均候補ですが、昨年6月ごろに周囲に次期市長選に出馬の意向を伝えていましたが、2021年11月15日に正式に出馬表明をしていました。これにあわせて、定期的に新聞折込をしている「岩井均の県議会リポート」でも出馬を念頭に置いた政策を披露していたところ、2022年2月21日発行の「岩井均の県議会リポート第60号」で、次のコラムを掲載しました。

*****2/21岩井均の県議会リポート*****ZIP ⇒ 2022021cg60.zip
<豊かで魅力ある元気な安中市へ!>
④市役所新庁舎建設問題の精査
旧安中高校跡地への新庁舎移転のメリット・デメリットの精査!
谷津庁舎、松井田庁舎の活用方針の精査!

 4年前の市長選の公約に、現市長は市役所新庁舎建設について全く触れていませんでした。50億円を超えるような多額な予算をかける事業を公約に掲げずに進めてきたことには大きな違和感があります。
 令和2年3月、安中市は県から旧安中高校跡地を購人しました 。旧安高跡地については 、それまで10年間にわたり、安中市からの買取要望を受け、県が安中市に売却する方針を示していました。しかし、県からの再三の要請にも関わらず、なかなか安中市が購入しなかったため、これ以上先送りする場合には県として民間に払い下げるとの最後通牒を突き付けた末の購入でした。
 現市政は昨年10月、市役所の新庁舎を旧安高跡地に建設することを急遠、決定しましたが、これまでの議論を踏まえると、余りにも唐突な印象を受けます。合併特例債の期限の関係で令和8年3月までに新庁舎を完成させる必要があるとの理由はその通りですが、そのことは以前から分かっていたことです。6ヵ月間を見込んでいる文化財発掘調査で不測の時間を要した場合、合併特例債の期限に間に合わないことが想定されます。
 現在、少なくない市民が納得のいく結論に至っていません 。多額の貴重な税金を使用する以上、市民の理解と納得が肝要です。
 市役所新庁舎建設について、旧安高跡地が最善かどうか、安中体育館や格技場を解体しなければいけないのか、谷津庁舎や松井田庁舎の活用方針は妥当かどうか、メリット、デメリットの精査が必要と考えます 。
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 その後、同陣営側が発信するチラシには、岩井均候補の推進政策として「市役所新庁舎建設の精査」が搭載されています。

■このように、4月10日に公示される安中市長選挙では、金額的にも今後の安中市の行政拠点の行方を占うこの市役所新庁舎移転建て替え問題が、最大の焦点と位置付けられるものと思います。

 その他の政策については、いずれも国や県などとタイアップした行政の事務事業により、既定路線の範囲内で大なり小なり策定されている項目のため、既に行政に長年携わっている両候補にとって、目ぼしい差異は見当たりません。

 これまで半世紀以上にわたり親しんだ現在の場所を捨ててまでも、そしてタゴ事件の尻ぬぐいのため今後81年間にわたり16億円もの群銀への和解金返済を抱えているにもかかわらず、他方で、タゴからは遅延損害金も含めて50億円にのぼる債権を回収しようとしないまま、数十億円もの公費を投じてまで豪奢な市庁舎を整備するべきかいなか、次世代の負担にも関わる問題だけに、市民有権者としては、最も関心をもって判断すべきテーマに違いありません。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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