市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

あかがね街道市の大薬師如来立像、コロナ禍のドサクサの中、盗難される!

2021-02-11 23:30:00 | 国内外からのトピックス
■群馬県みどり市大間々町のあかがね街道市協同組合所有の「あかがね薬師如来」は高さ8.8mで、一木(いちぼく)から作り出された純粋な木彫り像としては、日本で一番背が高い仏像として知られていました。この像は、円空彫りを今に伝える岐阜県丹生川村の円刀会の皆さんにより、1年余りの期間を掛けて彫り上げ、平成9年11月30日に、大間々町にあるあかがね街道・円空市のシンボルとして、「いこいの広場」の中央に設置され、平成9年11月30日に除幕式が行われ、以来、23年にわたり、優しく地域のかたがたに慈悲のまなざしを向けてきました。ところが令和2年11月26日に、突如として、仏像入居建物とともに、跡形もなく消え去ってしまったのです。一体なにが起きたと言うのでしょうか。この仏像を所有していた方からの驚くべきレポートを報告いたします。

在りし日の大薬師如来立像。

 衝撃の事件が発生したのは、2020年(令和2年)11月26日(木)午後1時頃でした。場所は、群馬県みどり市大間町大間々401にある大間々ショピングプラザ内の㈱セキチュー・㈱とりせん駐車場の一角です。

 仏像のオーナーのあかがね街道市協同組合によれば、被害金額は仏像だけでも8000万円以上で、この他、重さ60トンの土台に250万円、仏像を納めていた建物に300万円の費用を投じたとのことです。

 同組合では、事件発生12日後の令和2年12月8日に桐生警察署に被害届を提出しました。その後、同組合でも独自に調査した結果、同じ敷地内にある㈱セキチューの職員で、開発課に所属し、高崎市倉賀野町に在住するアオキと称する人物がこの事件に何らかのかたちで関与していたことが判明しました。

■地域の観光物産の活性化に連動し寄与するための一助として、また、大間々町の名物として、沢山の人から寄付を賜り平成9年11月30日に建立されたこの大薬師如来立像は、訪れる人への癒しのシンボル像として大切な存在でした。その仏像が、奇しくも建立から23年目の誕生日を迎える4日前に、盗難に遭ってしまいました。

 この仏像の彫刻者の一人は、円久師匠と呼ばれている久保田幸次氏です。同組合によれば、同氏について、平成20年に当時の群馬県の小寺弘之知事の紹介で、東京芸術大学学部長の池田政治教授(当時)に面談して聞いたところ、「平成の新円空仏師に称する」と評価されるほどの腕前です。詳細は記事末尾を参照ください。

 当時、久保田氏は、画家で元大蔵省官僚でもあった桜庭厚生氏に「素晴らしい彫刻だ」と称賛され、さらに2006から2008年に拉致問題を担当した中山恭子・参議院議員(当時)より「横田めぐみ様が、1日も早く帰国出来ますように」との思いを託され、心血を注いで彫った慈母観音像が、同組合理事長の森嶋善次郎氏からめぐみ様のご両親様へに贈呈されました。その他、久保田氏の作品は、数々の神社仏閣に奉納されております。

 盗難に遭った薬師如来像は、その様な立派な彫刻師の思いが込められて彫りあがった作品であり、沢山の方々の願いや想いが詰まった、大切な大切な大薬師如来立像でした。同組合では、「一日も早く見つかりますように」として、盗難に関する情報を求めています。

 被害届を受け取った桐生警察署においても、現在容疑者と目されているセキチュー職員やその関係先の捜査を開始していただいているものと思われます。

■同組合によれば、この大薬師如来立像の建立の経緯は次のとおりです。

①平成7年当時、群馬県商工会連合会指導部長の佐藤稔氏の指導のもとに岐阜県丹川村千光寺(円空仏)を訪れることになる。
②その際、大間々町観光物産協会会長の木村功氏のご好意で大型バスを手配し、総勢52名で現地に研修に赴く。
③現地で、円空彫り継承者で構成される「円刀会」のメンバー6名を紹介され、これを機会に円刀会との交流が始まる。
④全国商工会連合会会長の近藤英一郎氏にも相談した結果、正式に彫刻依頼を行うことを決め、佐藤稔氏を通じて円刀会に伝える。
⑤当時の山同賢治・大間々町長(故人)が、数ある円空仏から薬師如来立像を選出する。
⑥平成8年より、彫刻作業を開始し、平成9年11月に建立する。
⑦その後、この大薬師如来立像を訪れ称賛されたかたがたには、次の諸氏がいる。
・中央大学名誉教授 亀山三郎氏
・東京芸術大学教授 辻茂氏
・千葉大学大学院非常勤講師 堀内道夫氏
・駐日モンゴル人民共和国大使 ウランバヤリーン・ウルジーニャム氏
・駐日マリ共和国大使 ジャワラ・モハメット氏ほか
・その他多数


モンゴル大使(最後列中央)を迎え大間々八木節会メンバーらと。近藤町長、黒保根村長、東村村長らも同席。


平成7年2月、東京芸術大学正門前にて。


円久師匠の数々の作品。


マリ共和国大蔵大臣来訪。


円久師匠(前列右端)。


2010年渋川市伊香保町の水澤寺に薬師如来像を奉納する円久師匠。



↑モンゴル議員団を迎える小寺知事と大間々町会議員達。↑


2000年3月25日開催の沖縄サミット記念イベント。


イベントを見守る大薬師如来立像。


あかがね街道市のフリマの賑わいを見守る大薬師如来立像。

■以上のように、国内外の大勢の皆様方の思いが詰まった大切な大切な、大薬師如来立像です。同組合では、一日も早い事件の解決を切望しており、桐生警察署に対しても、早期の捜査進捗と犯人逮捕を連日要請しています。

 一本彫り木像として日本一の高さを誇り、23年間に亘り地域に愛され親しまれてきた大薬師如来立像。そもそも薬師如来とは、東方浄瑠璃光浄土の教主で、菩薩の時に12の大願を発し、この世における衆生の疾病を治癒して寿命を延べ、災禍を消去し、衣食などを満足せしめ、かつ仏行を行じては無上菩提の妙果を証らしめんと誓い仏と成ったと説かれており、瑠璃光を以て衆生の病苦を救うとされています。無明の病を直す法薬を与える医薬の仏として、如来のなかでも現世のひとびとの信仰を集める対象として知られています。

 コロナ禍で人心や世相が荒む中で、薬師如来への帰依はますます重要性を増しています。その最中に発生した今回の言語道断の「罰当たり」な事件は、警察の捜査により全容の解明が注目されています。

【市民オンブズマン群馬みどり支部からの報告】

※参考情報1「あかがね円空像関連ブログ」
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■2016年5月7日:群馬B級スポット「円空茶屋の巨大円空彫薬師如来像」
http://www.b-gunma.com/enkuutyaya.php
■2014年3月28日:百科図鑑大仏訪問記【大仏巡礼】「あかがね薬師如来訪問」
http://kurosuke969696.web.fc2.com/2000-428ennkuubutu.htm
■2015年3月30日:クロスケ on Twitter“あかがね薬師如来”
https://twitter.com/96_suke/status/582351271975215104

※参考情報2「円空彫仏師・円久 久保田幸次氏 年譜」
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昭和06年(1931)1歳:群馬県前橋市富士見村に生まれる。円空仏の彫像をはじめる。
昭和45年(1970)39歳:前橋市で円空彫りの教室を開く。
昭和55年(1980)49歳:前橋市スズラン百貨店で円空彫像の個展を開く。
平成 元年(1989)58歳:北橘(ほっきつ)村八崎・観音堂に薬師三尊像を奉納。
平成03年(1991)60歳:前橋市青柳・天台宗龍蔵寺に薬師三尊像を奉納。
平成10年(1998)67歳:養
平成12年(2000)69歳:蚕農家の古銘木・大黒柱で阿弥陀仏を彫り奉納。
平成15年(2003)72歳:太田御嶽教営山嶽・心講元一心霊神像を彫る。
平成16年(2004)73歳:赤城清山カルチャーセンター玉体仏を彫る。
平成17年(2005)74歳:渋川市立図書館で木彫二人展を開く。
平成18年(2006)75歳:勢多郡富士見村・天台宗安楽寺に不動明王像を奉納。
平成19年(2007)76歳:渋川市榛東小学校に保存の桜古木で地蔵菩薩を彫り奉納。大薬師如来立像・修正完成する。みどり市あかがね街道・聖観音菩薩を彫る。
平成20年(2008年)77歳:渋川市威徳山・天台宗真光寺の涅槃用柚榛に秘仏を彫る。他に不動明王、思惟菩薩、慈恵大師など20体を奉納。
平成21年(2009)78歳:東京藝術大学にて美術学部長・池田政治教授と面談、自作の円空彫仏像の鑑定を受け「新円空彫」を称するに値する、との評価を得る(10月27日)。
平成22年(2010)79歳:渋川市伊香保町の水澤寺、薬師如来像奉納。
平成23年(2011)80歳:ご逝去。
平成24年(2012)81歳:横田めぐみ様らの一日も早いご帰国を願い遺族が慈母観音像を贈呈。
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※関連情報3「円空彫 薬師如来像由来」
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「あかがね薬師如来」は日本一背が高い木彫仏
 「あかがね街道・円空市]のシンボルとして「いこいの広場」の中央に優しく立つ円空彫・薬師如来像は、高さ八.八mで、一木(いちぼく)から造り出された純粋な木彫像としては日本で一番背の高い仏像です。
 円空彫とは円空が生み出した独創的な「舵(なた)ばつり」という大胆な鑿(のみ)跡・刃跡を残す彫技で、素朴ながら逞しい生命力を表現しています。
 この像は円空彫を現代に伝える岐阜県・丹生川村の円刀会の皆さんが一年余の歳月をかけて彫り上げました。雄渾(ゆうこん)でのびやかな彫痕が笑みを含んだ柔和な面差しを一層引き立てており、はやくも逸品との讃が高まっています。
 平成九年十一月三〇日に開眼式が行われました。
あかがね街道大間々宿は昔は銅と絹で賑わった
 銅山(あかがね)街道は、足尾銅山で産出された銅を江戸へ運ぶために江戸時代初期の慶安二年(1649)に開かれた道です。道筋は、渡良瀬川の右岸に沿って直線的に南へ下り、沢入(そうり)から花輪、大間々(桐原)、大原本町(薮塚本町)を経て平塚河岸(のちに尾島町亀岡河岸に変わる)に至り、河岸から船に積まれて利根川を下り江戸・浅草の銅蔵へと運ばれました。
 このような足尾産銅の積出路を銅山(あかがね)街道といい、道筋五カ所の宿場にはそれぞれ御用銅問屋・銅蔵が設けられました。
 大間々宿にはさらに絹市も立ち、三井、白木屋、松坂屋など江戸一流の呉服商が繁く往来し、この取引で宿場は一層賑わいました。
大間々宿で円空が薬師如来像(町重文)を刻み遺した
 円空は、江戸時代初期の寛永九年(1639)に美濃国(岐阜県)に生まれ、吉野の大峰山で天台真言密教を修行した修験僧です。生涯に十二万体の仏像を彫り上げることを誓い、北海道から近畿にいたる諸国を巡礼し、おぴただしい彫像を刻み遺しました。
 延宝八年(1680)頃、円空は関東にいたり、上毛の三霊山、妙義・榛名・赤城で修行を積んだのち、銅山街道を北上して日光に登りました。そのとき、妙義山で不動明王像(妙義神社)を、榛名山で阿弥陀如来像(水沢観音寺)を、赤城山で月光菩薩像(大間々町重文・成満院)など優れた仏像を刻み遺しました。
 大間々町 の藤生家から浅原禅桂寺に納められた薬師如来像(町重文)もその一つです。
現世の乾きすべてを満足させる薬師如来ご利益
 薬師如来は、お釈迦さまの化身で、十二大願という十二の現世御利益を授けます。
 薬師とは、いまでいう医師のことです。ですから「除病安楽」(どんな病気もすぐ治る)が第一番のご利益になりますが、ほかに、「諸根具足」(障害を持つ人の体が正常になる)、「苦悩解脱」(苦しみ悩みから解放される)という心身に関することから、「飽食安楽」(おいしいものが飽きるほど食べられる)、「美衣満足」(美しい衣服が着られる)などにいたるまで、それは現実的で具体的な御利益です。
 「あかがね薬師如来」は、大間々町及び周辺地域の人々にお釈迦さまの十二大願があまねくもたらされることを願い、フリーマーケット「円空市」の発足に当たって、繁栄と幸福のシンボルとして建てられました。

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※関連情報4「資料等」
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飛騨国袈裟山千光寺パンフレット ZIP ⇒ urpt.zip
円空仏彫刻のすすめ(円久会) ZIP ⇒ v.zip
1997年11月30日あかがね会合市円空市チラシと除幕式祝金リスト ZIP ⇒ 19971130xsgsv.zip
2000年3月25日あかがね街道市沖縄市チラシ ZIP ⇒ 20000325xsgsv.zip
2005年12月11日あかがね街道市フリマ広告チラシ ZIP ⇒ 20051211xsgtlv.zip
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コメント (2)
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女性市議の解職を問う草津町の住民投票・・・投票率53%、賛成92%が示す時代錯誤の民主度ガラパゴス化

2020-12-07 12:55:00 | 国内外からのトピックス
■西の由布院、北の登別を凌ぐ全国的な知名度を誇る温泉地の草津温泉には昨年度宿泊客と日帰り客合計で約327万人が訪れました。強酸性で高温の草津温泉は皮膚病に効能があるということで、昔から湯治場として栄えてきました。この草津温泉で成り立つ人口約6200人の草津町ですが、12月6日に投開票された、12人で構成される同町議会で唯一の女性町議に対する解職請求への賛否を問う住民投票の結果、圧倒的多数の賛成で女性町議は失職となりました。

草津町役場3階の町長室の入口。この事件でよほど懲りたのか、ドアは開けっ放し。「町長在室」の札が掛かっており、中を覗くと黒岩町長がひとり在席していて何やら執務中だったため、声をかけそびれた。2020年6月25日10:50撮影。

 今回の住民投票は、新井祥子町議の告発が発端です。同町議は昨年、「2015年1月に町長室で黒岩信忠町長から性被害に遭った」と告白し、2019年11月にその経緯が電子書籍に掲載されました。町長は事実無根だと否定し、新井町議と電子書籍執筆者を名誉毀損の疑いで告訴し、現在、民事でも前橋地裁で係争中です。

 新井町議の告発は、町議会で取り上げられ、2020年12月、新井町議に対して「言論の品位に欠ける」と同町議を除く11議員のうち10議員の賛成で除名処分が為されました。

 新井町議は直ちに処分取消しを求めて群馬県に審決を申請しました。県は自治紛争処理委員の審理を踏まえて2020年8月、町議会の処分を取り消しました。審決書では「議員の議場外の行為で、懲罰の事由にならない」などと町議会の処分理由を認めず、「違法として取り消しを免れない」としました。

 しかし県の審決に不満を持った町長派で占める町議会議員らは、県の判断が出るとさらに不満がヒートアップさせました。本来であれば、事の顛末を決める民事裁判の結果を見据えるべきところ、町議会議長を先頭に、直ちに住民投票によるリコール手続きを取り、リコール請求に必要な3分の1の署名を集め、今回の住民投票に至ったのでした。

■それでは、町議失職を報じるマスコミ報道を見てみましょう。

**********朝日新聞デジタル2020年12月6日21:08
性被害訴えた草津町議が失職 住民投票、賛成が上回る

群馬県草津町役場の町長室。町議会の傍聴に来た人を町長室に案内し、告発内容を否定する黒岩信忠町長(左)=2020年12月1日午後3時33分、群馬県草津町役場、柳沼広幸撮影

住民投票の開票作業にあたる草津町職員ら=2020年12月6日午後8時2分、群馬県草津町草津の草津町役場、森岡航平撮影
 群馬県草津町で、町長からの性被害を告発した新井祥子町議(51)=無所属=に対する解職の賛否を問うリコールの住民投票が6日あった。即日開票の結果、賛成が2542票で有効投票の9割以上を占め、新井氏は失職した。当日有権者数は5283人で、投票率は53・66%だった。
 リコールは、新井氏が昨年11月に「2015年1月に町長室で黒岩信忠町長から性被害に遭った」と電子書籍で告白したことが発端だった。
 73歳の黒岩町長は「事実無根のでっち上げだ」と反発、町議会などで「町長室のドアは開けており、副町長も同席していた」と強く否定。新井氏らを名誉毀損(きそん)の疑いで告訴するとともに、民事でも争っている。
 告白は町議会でも取り上げられ、昨年12月には「議会の品位を傷つける発言をした」として賛成多数で新井氏は除名処分に。新井氏から処分の取り消しを求められた県は今年8月、審決で「除名処分は違法」と判断し、議員資格は回復した。
 これに対し、納得しなかった町議らがリコール運動を主導。有権者の約6割にあたる3180人分の署名が有効と認められ、住民投票が実施された。
 失職した新井氏は「解職される理由はない。町長や町議など町の権力者が主導するリコールは制度の理念に反する。不当で理不尽だ」と話し、引き続き町で政治活動を続けていく考えを示した。
 黒岩町長は「決定的な大差であり、町民の意思がはっきりと示された。草津町の尊厳が守られた」と述べた。リコール運動を主導した黒岩卓議長(71)は「圧倒的多数による大勝利だ。新井氏の発言はうそという審判を町民が下した」と語った。
 草津町は人口約6200人で、草津温泉で全国に知られる。町内の不動産業の男性(52)は「小さな町だからうわさや臆測が飛び交いやすい。新井町議と町長の間に何があったかは裁判で白黒をつければいい」と話す。「県の判断に従えばいいのに、町民を巻き込んでのリコールはやり過ぎだ。観光地なのに、町民として恥ずかしい」(柳沼広幸)

**********産経新聞2020年12月6日22:08
群馬・草津町議のリコール成立、新井氏失職へ

新井祥子町議
 群馬県草津町は6日、新井祥子町議に対する解職請求(リコール)の賛否を問う住民投票を行い、即日開票の結果、有効投票の過半数が賛成し、新井氏は失職することになった。確定投票数は「失職に賛成」が2542票で、「反対」208票。当日有権者数は5283人(男2645人、女2638人)で、投票率は53・66%だった。
 新井氏は昨年11月、「町長室で黒岩信忠町長と性行為をした」などとする電子書籍を配信し、同12月、議会で書籍内容に言及したとして除名処分を受けたが、県に不服申し立てを行い今年8月、県は処分を取り消した。これを不服とする町議らが解職を求めて署名活動を展開。有効数3180人で有権者数の3分の1を上回ったとして町選管は住民投票の実施を発表、11月16日に告示されていた。
 投票結果に新井氏は「今回のリコールは町長や議長はじめ議員が主導したもので、『制度は住民のためのもの』という理念に反する理不尽な運動。私が始めたインターネット署名では1万2300人以上がリコール反対に賛同した」などとするコメントを発表。今後も黒岩町政に反対するとの意向を示した上で、「(賛成を求める)圧倒的な空気の中、208人が反対してくれたのは本当にありがたく思います」と語った。
 一方、解職を求めていた黒岩卓町会議長は「町民の皆さまの一票に心から感謝申し上げたい。今回の投票は新井氏による嘘の告白によって傷つけられた町民と町の名誉と尊厳を取り戻す戦いで、投票結果は町民の心の叫びであると思います。町民は自己の告白や発言に事実証明を果たさない新井氏にはっきりと審判を下した」とのコメントを発表。今後は傷ついた信頼と名誉の回復に町民と一丸となって取り組むとした。
 黒岩町長は配信内容が虚偽だとし、新井氏らに損害賠償を求め提訴している。

**********毎日新聞2020年12月6日22:10(最終更新12月6日23:59)
群馬・草津町議のリコール成立、即日失職 言動巡り「議会の品位」問われ

草津温泉の湯畑=群馬県草津町で2018年2月10日、中村俊甫撮影
 群馬県草津町議会の新井祥子町議(51)の言動を巡る解職請求(リコール)の賛否を問う住民投票は6日、投開票され、有効投票の過半数が解職に賛成しリコールが成立した。新井氏は即日失職した。投票53・66%、当日有権者数は5283人だった。
 新井氏を巡っては、昨年11月に発行された電子書籍の中で「町長室で町長と性的関係を持った」などと「告白」。新井氏は翌12月の町議会で「議会の品位を傷つけた」などとして除名処分を受けたが、山本一太知事に不服を申し立て、今年8月に審決で除名処分が取り消されていた。
 複数の町議らが加わった代表者が9月に住民投票に必要な選挙人名簿登録者数の3分の1超の3180人分の署名を町選挙管理委員会に提出。代表者は「町民皆で築き上げた草津温泉のブランド価値を傷つけた。議員報酬が支払われ続けることは無駄遣い」などとリコールの理由を述べていた。
 これに対し、新井氏は「町の評価やブランドを下げているのは、町長や解職請求をした議員の方。リコール活動は町民の自発的な運動であり、町長や議員など権力者主導のリコール運動はその理念から外れている」などと反論していた。【庄司哲也】

**********NHK News Web 2020年12月6日23:38
草津町議の解職問う住民投票「賛成」過半数占め議員失職
 議会の品位を傷つけたとして、リコール=解職請求を受けた群馬県草津町の町議会議員の解職の賛否を問う住民投票が、6日行われ、「賛成」が有効投票の過半数を占め、議員は失職しました。
 草津町の新井祥子議員は、5年前に黒岩信忠町長からセクハラ行為を受けたと訴え、電子書籍や町議会で「町長室で町長と関係を持った」などと発言していました。
 これについて、町長は否定し、ほかの町議会議員などで作る団体が「議会の品位を著しく傷つけた」として、新井議員のリコールに向けた署名活動を行った結果、町の有権者の3分の1を超える3180人の署名が集まり、6日、解職の賛否を問う住民投票が行われました。
 開票の結果、解職に「賛成」が2542票、「反対」が208票と賛成が有効投票の過半数を占め、新井議員は失職しました。投票率は53.66%でした。
 失職が決まったあと、新井議員は「議員たちが主導する圧力的とも思える署名と住民投票で、結果が民意を反映しているのか疑問に感じる。今後、異議の申し立てなども検討していきたい」としています。
 一方、リコールを行った団体の代表で、町議会の黒岩卓議長は「住民投票は法律にのっとって行われたものだ。傷つけられた町の名誉の回復に取り組んでいきたい」としています。

**********上毛新聞2020年12月7日06:00
新井祥子町議が失職 草津で住民投票 賛成過半数 リコール成立

 議会での言動を理由に群馬県の草津町議会で除名処分を受け、群馬県の審決で処分が取り消された新井祥子町議(51)に対する解職請求(リコール)で、新井氏の解職の是非を問う住民投票が6日、投開票され、賛成が過半数の2542票で反対の208票を大きく上回り、新井氏は即日失職した。当日有権者数は5283人(男2645人、女2638人)。投票率は53.66%(男51.76%、女55.57%)だった。
◎「声 しっかりと反映」/「理不尽と闘っていく」
 投票結果を受け、請求代表者の一人である黒岩卓議長は「町民の声がしっかりと反映された結果だ。傷つけられた町や町民の名誉と信頼、イメージを回復するには時間がかかるが、町民と一丸となって努力していきたい」と話した。
 一方、解職となった新井氏は「町長や議長が主導し、圧力的な活動が行われた結果だ。これが本当に民意を反映した住民投票なのかは疑問が残る」と述べた。今後は中沢康治町議が立ち上げる会派に協力し、政治活動を続けると説明。「不透明な議会運営を改革するためにも理不尽と闘っていく」とした。リコールへの異議申し立てなども検討するという。
 リコールを巡っては、新井氏が昨年11月、「町長室で黒岩信忠町長と肉体関係を持った」などとする告白文を電子書籍に掲載。同年12月の町議会で「議会運営を混乱させた」などとして除名処分を受けたが、県に不服申し立てし、今年8月に処分が取り消された。
 その後、県の審決を不服とし、除名処分に賛成した町議らが「新井祥子の解職を求める会」を立ち上げ、リコール運動を開始。住民投票の実施に必要な有権者の3分の1を越える3180人分の有効署名を集め、住民投票が実施された。
《解説》早期収束 望んだ町民
 新井祥子町議の解職の賛否を問う住民投票は賛成が過半数となり、失職が決まった。発端となった新井氏の告白の真偽が不明な中、町全体を巻き込んだ騒動に対し、多くの町民が早期収束を望んだ結果と言える。
 解職請求(リコール)を主導したのは黒岩卓議長をはじめ多くの町議らだ。住民投票実施を求めた署名活動には200人以上の町民が加わり、2週間余りで有権者数の6割超の署名を集めた。黒岩信忠町長も運動に参加し、町の主流派が結束した“組織選挙”の様相を呈した。
 議会での新井氏の発言には疑義もあり、不信感を募らせた町民は多い。一連の騒動が議会の停滞につながったのも事実だ。ただ、今回の議会の姿勢には、高崎経済大の増田正教授(政治学)が指摘するように「権力側による排除」との見方もある。リコールが本来、市井の有権者が権力者の暴走を止める最終手段との観点に立てば、今回の手法に行き過ぎとの声が上がってもやむを得ないだろう。
 黒岩議長らは「町の傷ついたイメージを回復し、町の発展のため」と繰り返した。観光業に頼る町経済は、新型コロナウイルスの影響で打ちひしがれている。住民投票で民意を勝ち取ったとするならば、町と町議会は、今度は町民を向き、運動を通じて訴えた“公約”を実践すべきだ。(桜井俊大)

**********読売新聞2020年12月07日06:39
「町長室で性交渉した」と発言の女性町議、リコール成立し失職
 電子書籍の取材に「町長室で性交渉した」と語ったなどとして適格性が問われた、群馬県草津町議会の新井祥子議員(51)に対する解職請求(リコール)について、賛否を問う住民投票が6日行われた。即日開票の結果、「賛成」が有効投票の過半数を上回った。リコールが成立し、新井氏は失職した。
 開票の結果、賛成2542票、反対208票。当日有権者数は5283人で、投票率は53・66%。「解職を求める会」代表の黒岩卓・町議会議長(71)は「客観的物証もなく、草津のブランド価値を傷つけた。町民の心の叫びで、当然の結果だ」と語った。
 取材への発言を巡り、黒岩信忠町長(73)は名誉毀損きそんで新井氏を提訴している。新井氏は「裁判で真実を明らかにする。そもそも町長や議員主導の請求はリコール制度本来の趣旨から外れている」と反論した。
**********

■黒岩町長が新井町議ら3人を相手取り、名誉毀損などを求めた訴訟事件は、2020年2月19日に前橋地裁(渡辺和義裁判長)で第1回口頭弁論が開かれたあと、4月27日(月)15時に第2回弁論が準備形式(非公開)で開催される予定でしたが、コロナ禍のために延期されました。黒岩町長は群馬県内の弁護士が、新井町議には東京の弁護士が、それぞれ訴訟代理人として弁護しているようです。その後、6月から再開されましたが、おそらく2ヶ月に1回のペースで現在も係争中とみられます。

 今回の住民投票の結果がどのようにこの民事裁判の進行に影響するのかは予断を許しませんが、行政に弱い司法の現実からすると、新井祥子町議側に対して不利な判断が下される可能性は払拭しきれません。こちらの裁判は、現在も弁論準備形式で進行中でしょうから、前橋地裁の開廷表をチェックしても、傍聴できないため、公開に戻すか、あるいは判決が下されるまで、どのような審議が行われているのか確認不能です。

 当会は、現在、前橋市役所の元幹部職員による強制わいせつ等事件の関係で、不倫を巡る時間外手当不正支給返還を求める住民訴訟を1件、情報不開示処分取消を求める審査請求を1件、前橋市に対して行っておりますが、草津町のこの事件の推移についても引き続き注視してまいります。


草津町役場庁舎。下手にある観光案内所から見たところ。


玄関のある庁舎2階のロビー。

庁舎案内板。

町長室のある3階のエレベーターホール。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1:新井祥子町議のブログ「理不尽と闘う!」より
**********2020年12月04日(金)
資格審査特別委員会
 12月3日に第4回の資格審査特別委員会がもたれました。
 この委員会では、私の草津町での居住実態が問われています。
 もちろん、私は10年以上前から草津町に住んでいます。
 この、資格審査特別委員会で、私の居住実態について委員会が認めなければ、私の議員資格ははく奪され、失職します。
 12月6日にリコール運動の住民投票の結果、もし、反対多数で私が失職しなかったとしても、12月7日の定例議会で、仮に、資格審査特別委員会が、私の議員資格について認めないと、はく奪の結論を出し、議会がそれを議決したとしたら、失職となります。
 要するに、リコールが成立しようが、しまいが、町長たちは私を失職に追い込むことができるのです。
 それを聞いた他町村の議員さんは「なんだそりゃ?!じゃ、なんのためにお金をかけて住民投票までやったんだ!」「どうしても新井祥子を失職させたいなら、金をかけずにやればいい!!」「資格審査特別委員会だけで十分じゃないか」とものすごく憤慨していました。
草津町は「そこまで町長が、町政や税金を私物化できるのか?!」と。
 資格審査特別委員会のメンバーに、私と康治議員は入っていません。
 一度、弁明の機会がもたれましたが、とても公平な審議が行われるとは思えない状況でした。(議場と一緒)
 12月6日の結果、12月7日の議会がどうなるのか。皆様には、注目をして頂けたらと思います。


**********2020年12月04日(金)
「リコールは住民のためのもの」
 先月の11月17日発行の朝日新聞群馬版に「金井利行東大教授に聞く」との記事がありました。
 記事には「リコールは住民のためのもの」「数の力で議員を排除するべきではない」との文字が大きくありました。
 このような事は「制度乱用」につながると記事は警鐘を鳴らしています。
 金井教授の記事にはは「現段階では疑惑は灰色であり、町や町民の名誉が傷つけられたとはいえない」とも、ありました。
 リコールを先導している町長や議員たちは「草津町の誇りを取り戻そうと」声高に叫び、町中にリコールポスターを貼り、街宣車を走らせています。
 その様子を観光のお客様が見て、どう思われるでしょうか。
 一方的に騒ぎ立て、草津町の誇りを貶めているのは、町長や議員の皆様ではないでしょうか。
 コロナ禍の第3の波が押し寄せ、町民の皆様は、先行きの見えない不安な毎日を送っている中「住民投票なんて場合じゃないよ!!」と思っている方も少なくないと思います。
 私は嘘をついていないということを必ず証明します。
 草津町から、民主主義に反する悪しき前例をつくらないためにも、皆さんには、住民投票に行っていただき、反対に投票して頂けたらと思います。

**********2020年12月04日(金)
住民投票に870万の予算!?
 皆様のあたたかい、ご支援のおかげで、Change.orgの署名が、9400人を超えました!!
 本当に有難うございます。
 今回の住民投票の予算が、12月定例議会に補正予算として上程されました。その額、なんと?!
 870万1千円!!
 投票立会人(期日前)、投票立会人(当日)、開票管理者、職務代理者、開票立会人、投票管理者、事務主任者などへの報酬などの人件費、消耗品費、通信運搬費、入場券作成委託料などなど・・・・。
 これは税金で全額賄われます。
 先日、先輩議員が急逝されました。
 これで、もし、私のリコールが成立し、解職になると、草津町議会は2人欠員となり、補欠選挙が行われることになると思います。
 草津町は、黒岩町長は、一体いくら選挙にお金を書けたら気が済むのでしょうか。
 そして、この選挙で、一番得をするのは誰なのでしょうか。
 一体、誰のための選挙なのでしょうか。


**********2020年11月28日(土)
とても悲しい出来事。
 一昨日、草津町議会の先輩議員さんが急死し、今日、お通夜がありました。
 康治議員と二人で、お通夜に参列させて頂くため会場に行くと、町議会議員3人が、私と康治議員の前に立ちはだかり「喪主の意向で、新井議員と中澤康治議員はお帰り下さい」と言われました。
 康治議員は「香典だけでも」と言いましたが「喪主の意向で受け取れません」と言われました。
 「喪主」さんの意向、ということで、私と康治議員は会場を、そのまま後にしました。
 参列に来られた方々は、何事かと、私たちの様子をみていました。
 2人対3人。
 私1人だったら、1人対3人で断られていたのかもしれません。
 康治議員は、私と一緒に行ったから断られてしまったのでしょうか。
 とても悲しく、残念に思いました。
 故人のご冥福を、心からお祈りいたします。
**********

※参考情報2「草津町議一覧」
*****草津町議会議員名簿(令和2年12月1日現在)*****
URL ⇒ https://www.town.kusatsu.gunma.jp/www/contents/1490759687728/index.html
議席番号/氏名/所属委員会等/期別
1/有坂太宏(ありさか たかひろ)/民教土木常任委員会・資格審査特別委員会・議会改革特別委員会/1
2/市川祥史(いちかわ しょうじ)/総務観光常任委員会副委員長・温泉温水対策特別委員会・災害経済対策特別委員会・資格審査特別委員会副委員長・議会改革特別委員会/1
3/安井尚弘(やすい なおひろ)/総務観光常任委員会・議会運営委員会副委員長・議会改革特別委員会/1
4/新井祥子(あらい しょうこ)/総務観光常任委員会・議会改革特別委員会/2
5/金丸勝利(かなまる かつとし)/民教土木常任委員会委員長・議会運営委員会・温泉温水対策特別委員会・災害経済対策特別委員会副委員長・資格審査特別委員会・議会改革特別委員会副委員長/2
6/中澤康治(なかざわ やすじ)/民教土木常任委員会・議会改革特別委員会/2
7/湯本晃久(ゆもと てるひさ)/総務観光常任委員会委員長・議会運営委員会・温泉温水対策特別委員会・災害経済対策特別委員会・資格審査特別委員会・議会改革特別委員会委員長/3
8/中澤広夫(なかざわ ひろお)/副議長・民教土木常任委員会副委員長・温泉温水対策特別委員会・災害経済対策特別委員会・資格審査特別委員会・議会改革特別委員会/3
9/
10/黒岩卓(くろいわ たかし)/議長・総務観光常任委員会/5
11/宮崎公雄(みやざき きみお)/民教土木常任委員会・議会運営委員会・温泉温水対策特別委員会副委員長・災害経済対策特別委員会委員長・資格審査特別委員会・議会改革特別委員会/8
12/宮崎謹一(みやざき きんいち)/総務観光常任委員会・議会運営委員会・温泉温水対策特別委員会委員長・災害経済対策特別委員会・資格審査特別委員会委員長・議会改革特別委員会/12
**********

※参考情報3「草津町議会議員選挙(2019年04月21日投票)」
*****草津町選挙一覧*****
投票日 2019年04月21日
投票率 -%
定数/候補者数 12 / 13
告示日 2019年04月16日
前回投票率 74.98%
事由・ポイント 任期満了
<当選>
○金丸かつとし(カナマル カツトシ)/公明党/57歳 (男) 現職/(株)金丸自動車整備工場代表取締役/472票
○宮崎きみお(ミヤザキ キミオ)/無所属/60歳 (男) 現職/株式会社ホテルみゆき代表取締役社長/455.071票
○湯本てるひさ(ユモト テルヒサ)/無所属/47歳 (男) 現職/旅館業/412票
○後藤文雄(ゴトウ フミオ)/無所属/60歳 (男) 元職/有限会社トータルプランニング役員/368 票
○黒岩卓(クロイワ タカシ)/無所属/69歳 (男) 現職/株式会社岩藤取締役/340票
○市川しょうじ(イチカワ ショウジ)/無所属/50歳 (男) 新人/株式会社ホテル一井常務取締役/339票
○中澤ひろお(ナカザワ ヒロオ)/無所属/57歳 (男) 現職/会社役員/326.416票
○有坂たかひろ(アリサカ タカヒロ)/日本共産党/47歳 (男) 新人/日本共産党職員/231票
○宮崎謹一(ミヤザキ キンイチ)/無所属/79歳 (男) 現職/会社役員/203.928票
○安井なおひろ(ヤスイ ナオヒロ)/無所属/73歳 (男) 新人/会社員/163票
当選
○中沢やすじ(ナカザワ ヤスジ)/無所属/84歳 (男) 元職/無職/134.583票
○新井祥子(アライ ショウコ)/無所属/50歳 (女) 現職/会社員/110票
<落選>
○園田恵一(ソノダ ケイイチ)/無所属/64歳 (男) 現職/会社役員/90票
【対象行政区:草津町】
<草津町のデータ>
人口 6,518人
出生数 39人
男性人口 3,261人
女性人口 3,257人
15歳未満人口 621人
65歳以上人口 2,406人
歳入決算総額 5,586,754千円
歳出決算総額 5,354,315千円
地方債現在高 3,739,081千円
寄附金 899,972千円
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)
**********

※参考情報3「草津町住民投票」
**********草津町選挙管理委員会HP
https://www.town.kusatsu.gunma.jp/www/contents/1605853753508/index.html
今回の投票に関する請求代表者の「請求の要旨」、草津町議会議員新井祥子氏の「弁明の要旨」について
                  最終更新日:2020年11月20日 登録
 地方自治法の規定に基づき、草津町において選挙権を有する者の3分の1以上の署名をもって、草津町議会議員新井祥子氏の解職請求が令和2年10月19日に受理され、令和2年12月6日に草津町議会議員新井祥子解職投票を執行することになりました。
 つきましては、請求代表者の請求書の「請求の要旨」、草津町議会議員新井祥子氏の弁明書の「弁明の要旨」を下記のとおり公表します。
【草津町議会議員 新井祥子 解職投票の告示に伴う請求代表者の「解職請求書」及び草津町議会議員 新井祥子 氏の「弁明書」の公表について】
                      草津町選挙管理委員会
                      委 員 長 沖 津 照 夫
地方自治法施行令第104条第2項により、請求代表者の「解職請求書」、草津町議会議員 新井祥子 氏の「弁明書」を下記のとおり公表いたします。
               ー記ー


【地方自治法施行令】
第百四条 普通地方公共団体の選挙管理委員会は、第百条において準用する第九十六条の規定による議会の解散請求書を受理したときは、二十日以内に議会から弁明の要旨(千字以内)その他必要な事項を記載した弁明書を徴さなければならない。
② 前項の解散請求書に記載した請求の要旨及び同項の弁明書に記載した弁明の要旨は、第百条の二第二項又は地方自治法第八十五条第一項において準用する公職選挙法第百十九条第三項の告示の際併せてこれを告示するとともに、投票所の入口その他公衆の見やすい場所を選び、原文のままこれを掲示しなければならない。ただし、前項の弁明書の提出がないときは、弁明の要旨については、この限りでない。
【お問い合わせ先】草津町役場 草津町選挙管理委員会事務局 電話:0279-88-0001
**********
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女性市議の解職を問う草津町の住民投票・・・明日12月6日の投票結果で決まる草津温泉の民意の効能度

2020-12-05 23:55:00 | 国内外からのトピックス
■議会での言動などを理由に解職要求を受けた草津町のたった一人の町議会議員の解職の賛否を問う住民投票が明日12月6日に草津町で行われ、即日開票されます。群馬県はかかあ天下で女性の地位は昔から高かった、などと言われていますが、裏返せば、女性差別の実態を覆い隠すためのカモフラージュの宣伝文句なのかもしれません。現在、草津温泉のおひざ元の草津町で繰り広げられているのは、さながら草津町の民主化度を図る踏み絵のようなものです。

町長室のある庁舎3階のガラス窓。

 明日の住民投票は「町長室で黒岩町長と関係を持った」などと議会で発言した草津町で唯一の新井祥子議員の解職の賛否を問うものです。草津町における9月1日時点での有権者数は5383人ですが、過半数が賛成すれば新井議員は失職します。

 新井議員は2019年12月に町議会から除名処分を受けていましたが、2020年8月に県へ不服申し立てを行い、処分が取り消されていました。そのため、新井議員の発言を否定する黒岩町長に加担すべく町議機議員らで構成する団体が、町の有権者の3分の1を超える3180人の有効署名を集め、今回の住民投票が行われることになりました。

 群馬県の政治的後進性は今に始まったことではありませんが、今回、全国的に著名な草津温泉を擁する草津町で、このような前近代的な差別意識が蔓延っていることが知れ渡っているとは、群馬県民でも知らなかった人は多いと思います。

■この住民投票について、関連する報道記事を振り返ってみてみましょう。

**********AERA 2020年12月3日16:00配信
殺気だつ草津町傍聴席「犬だってしねぇよ」 セクハラを背中で浴び続けた気分になった

新井議員のリコールを求めるポスターがあちこちに貼られている。有効投票の過半数で新井議員は失職する。

「せっかくだから町長室を見ていけばいいじゃないか」と傍聴席の町長支援者に声をかけられ、散会後入れてもらった。
 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、群馬県草津町で賛否が問われている女性議員に対する解職請求(リコール)について。議会を傍聴してきた感想をまとめた。
*  *  *
 町長からの性被害を訴えた草津町議員に対するリコールの賛否を問う住民投票が12月6日に迫っている。
 衆院議員の杉田水脈氏の辞職を求める声に14万筆近く集まっても、国会議員を辞職させることはできない。一方、地方議員となると、辞職勧告や懲罰のハードルが下がるのだろうか。
 乳児を議場に入れた熊本市の緒方夕佳議員が、のどあめをなめたと出席停止処分を受けたのは2018年。宮古島への自衛隊誘致に反対し「(自衛隊がくると)婦女暴行事件が起こる」とSNSに記した石嶺香織市議(当時)が辞職勧告を受けたのは2017年(SNSについては後に謝罪のうえ撤回)。徳島県藍住町では、水道光熱費が少なすぎて居住実態がないと断定され西岡恵子さんが2度(2010年、2014年)同じ理由で議員を失職させられている(議決取り消しを求めて提訴し勝訴確定)。最近ではSNSに議会での同僚議員の様子を(質問をしなかったなど)を記した埼玉県日高市の田中まどか議員も辞職勧告を受けた。
 女性ばかり記したが、もちろん男性議員も辞職勧告などを受けている。とはいえそもそも絶対数が少ない女性議員への懲罰が目立つのと、港区議員の公然わいせつや、女性職員の机を物色して刑事事件になった富山市議などの例が直近ではあるが、のどあめをなめたとか、光熱費が少なすぎるというのとは次元が違いすぎるじゃないか。
■ 町議会の傍聴をしてきた
 そういうなか、草津町で今起きていることは、もしかしたら地方議会の「今」の問題なのかもしれない。リコールの賛否を問う住民投票まで時間がないなか、12月1日、草津町議会を傍聴するため草津に向かった。
 この日、議会で多くの時間を費やしたのは、町長からの性被害を告発した新井祥子議員の処分についてだった。町長は新井議員を名誉毀損で刑事・民事ともに訴え、5000万円を要求している。議会で新井議員はうそつきと断定され、議員等が率先してリコール運動を導いた。
 12人の傍聴席は全て埋まっていた。私を含めて5人の女性が傍聴していたが(偶然だが、この問題に関心を持つ女性が東京から私を含めて4人いた)、傍聴席の約半数が女性であることは珍しいという。そのためか町長は傍聴席を意識するように「今日は新井議員の応援団が来ているから」と2度ほど言い、自らの潔白を強く語りかけるように長い発言を繰り返した。
 休憩を挟んで議場に戻ろうとしていた男性議員たちが「傍聴席のヤツラ! 今日はやりにくい」と大声で言っているのが聞こえた。「ヤツラ」と言うんだな……と驚いたが、普段から傍聴している人によると、「今日は議場がいつもより穏やか」とのことだった。いつもは新井議員への嘲笑や暴言、叱責が激しいといい、この日は傍聴席の女性が圧になっていたのは確かのようだ。
 一方、傍聴席は殺気だっていた。70代くらいの男性たちが前列に座る私たちの背後から、「こっちにだって選ぶ権利あるんだよ」「誰があんな女と」「犬だってしねぇよ」と声を浴びせたり、「(性被害が)本当なら(時間的に)町長はニワトリだ」と盛り上がったりもしていた。ニワトリの意味は、すぐ射精するとのことらしい。コケッコッコーと言っては笑っていた。セクハラを背中からずっと浴び続けた思いになる。
■ 女性が被害者、男性が加害者という“風潮”
 町長とは散会後、話す機会を頂いた。率直にリコールはやりすぎではないかと問うと、町長は「それは主観の問題」と答え、逃げられたように感じたが、いわゆる「ガハハ」な下品系ではなく、初対面の私に敬語を崩さないビジネスマン的雰囲気の人である。
 町長室に入って座って話しましょうと言われたが、町長室前の立ち話でお願いし、20分ほど話した。その後、礼を言い立ち去る時、「町長室に入ったら犯されちゃうって警戒されちゃったね」と、支援者たちがふざけているのが聞こえた。思わずカッとくるのを抑えながら、階段を駆け下りた。
 町長は「最近は女は被害者、男は加害者という風潮がある」と議会で話していた。私との会話の中でもそう語っていた。その風潮を新井議員が利用しているという主張だ。「私に犯されたなら証拠だしなさい」といら立つように新井議員に迫ってもいた。そういう町長に同調するように傍聴席でも「女が被害を受けたといえばそれでいいのか」と吐き捨てる男性の姿もあった。
 セクハラがセクハラと理解されない日常で、声をあげた女性を全力でたたきつぶそうとするその拳の強さを思い知る。
「女は被害者、男は加害者という風潮」は、実は男性社会が作ってきたレイプ神話だ。逆説的だが、そういう“風潮”があるからこそ、女はいくらでもうそをつき男をおとしめられるのだという“神話”が再生産されてきた。
「女性はいくらでもうそをつける」という杉田議員発言の背後には、こういう被害者意識を深める男性たちのいら立ちがあるのだろう。
 加えて今の「風潮」を言うなら、被害者の訴える声をまずは疑わずに静かに聴く、ことである。それが今の国際基準の、“被害者中心主義”というものだ。もちろん、男女問わずに。犯された証拠を出せ、出せないなら犯されていないのだという論理で追い詰めることは、そもそも性暴力に無知であることを露呈するだけでしかない。
■ 女性議員1人以下の地方議会は45%
 女性議員がゼロ、またはたった1人の議会は日本全体で45%にもなる。宮古島市の石嶺さんは26人中一人の女性議員(当時)で、藍住町の西岡さんも16人中1人(当時)、日高市の田中議員は16人中2人のうち1人。新井議員もたった1人の女性議員だ。女性がいないことが、「あたりまえ」の極端な男性社会が日本の地方に根深くあり、深く根を張り続けてきた。その弊害が、今、少しずつ可視化されてきているのかもしれない。
 1日の草津町議会が散会したのは午後3時を過ぎていた。温泉は大好きなのに、入る気分になれずそのまま東京に戻った。
 帰路ずっと「傍聴席のヤツラ」という男性の声が追いかけてきた。あからさまな物言いに驚きながらも、でも、「ヤツラ」がいることが、この国の民主主義には大切なのかもしれないとも思う。中からも、外からも、こもった空気を入れかえ優しい風を感じるために、この国の窓をあけたい。
(北原みのり)

**********AERA 2020年11月25日16:00配信
まるで現代の魔女狩り? 性被害を訴えた草津町議会女性議員へのリコール

草津町のいたるところに新井議員のリコールを求めるポスターが貼られている

草津町議会(c)朝日新聞社
 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、群馬県草津町で賛否が問われている女性議員に対する解職請求(リコール)について取り上げる。
*  *  *
 12月6日、群馬県草津町で、一人の女性議員に対するリコールの賛否が、住民投票で決定される。
 発端は、この女性議員が町長から性被害を受けたと昨年の11月にメディアに告発したことだ。町長は性被害の事実はないとし、女性を刑事と民事で訴え、その後、草津町議会は彼女を「議会の品位を傷つける発言をした」と除名処分にした。その後、群馬県がこの処分を取り消し、女性議員は議会に戻れたのだが、改めて議会で議員辞職勧告を受け、さらに町議等が先導して今回のリコールにつながった。
 現在の草津町議会は12人。女性は町長を訴えた新井祥子さんただ一人で、彼女は草津町議史上初めての女性議員でもある。小さな地方議会で、「性被害の事実はない」という町長の声が一方的に通ってしまう現実、さらに現職の町議等が町民にリコール投票を求める力には、やはり違和感しかない。日本有数の温泉地でありながら、女性がたった一人の議会。そこはどのような空気で、何が語られているのだろう。気になり、草津町議会の動画を何げなく見た。これがかなりの衝撃的な内容だった。
 まず、男性が圧倒的多数の歪(いびつ)さは映像で見るとやはりインパクトがある。議員12人のうち11人が男性で、ペーパーを配る係に女性が一人いるが、15人ほどいる役所の担当者等も男性ばかり。議場が新しく見えるせいか、まるで女性が生まれない未来社会に来たかのような強烈な世界観だ。視聴したのは新井議員に辞職勧告が出された今年3月2日の議会だが、そこで映されていたのは、男性たちが徒党を組むように、新井議員をおとしめる様子だった。
「(セクハラ告発は)草津町議会にとっても、町民にとっても、経済にとっても、対外的にも非常に迷惑!」と大声をあげる議員がいれば、「レイプされたというのなら、なぜ即刑事事件にしなかったのか?」と、新井議員の告発の真偽を疑う発言も繰り返された。こういう発言に新井議員は「裁判中だから発言を控える」と言い、時には「性被害者はすぐには訴えられないものだ」などと感情を交えず静かに反論していた。
 また過去に新井議員が草津町の権力者をパロディー化(欲深い豚の顔に似せたりなど)したマンガを自身の活動誌に掲載していたことに触れ、「あなたは人を豚にしたりロバにしたりしているんですよ? これほどのパワハラはないんですよ!」と声を震わせる議員もいた。それはパワハラとは言わない……と思ったが、理屈よりも感情がものをいう世界のようで、「草津町議会にはセクハラもパワハラもない」と、何の根拠もなくこの議員はただ大声で言い切った。  
 衝撃だったのは町長だ。彼は性被害があったと新井議員が訴えた町長室の写真を大きなパネルにして、「どこで私にいかがわしい行為をさせられたのか答えてください」と目の前で迫った。「裁判で明らかにしていきます」と新井議員が答えても「答えなさいよ!」と大声を何度も出した。さらに新井議員の告発によって、「本当に被害にあった女性が声をあげられなくなる、大変な罪作りだ」と責め、こう言った。
「私に犯された女性ならば、とても(加害者と同じ空間の)ここにはいられない」「それがあなたは平然として、平気で私の目を見る」「神経が分からない」。このセリフは何度も繰り返された。
 町長にたとえ加害の事実がなかったとしても、この議会そのものが十分に性暴力でミソジニーだった。「この議会の様子はYouTubeで世界に配信される!」と町長自身が動画内で言っていたので、自身の正しさを証明する機会として、新井議員をおとしめる発言を繰り返したのだろうが、「世界的」には完全にアウトなのは草津町議会そのものではないか。男性ばかりの歪な議会で、性被害を訴えた女性を「嘘つき」とののしる姿を世界にさらしてしまった。
 日本には女性議員がゼロの市区町村が、311あるという(2020年内閣府調査)。全1741市区町村中なので、この国の約18%の“あなたが暮らす街”は、男性だけで大切なことが決められているということになる。日本全国でならすと、市区の女性議員率はたったの16.6%で、町村にいたっては11.1%。草津町のように女性がたった一人しかいない議会は地方にいけばいくほど珍しくない。
 国政に出るより町議や区議のほうがハードルが低そうだし、女性も多そう……ということは全くなく、地域に根づけば根づくほど、そして田舎であればあるほど「女性は家に」の圧力が高く、政治参加が難しい現実があるのだ。
 日本有数の温泉街で繰り広げられるミソジニー議会。温泉街は女性の働き手抜きには語れない。一昔前は、住み込みでの旅館の仕事は、身寄りのない女性の自立の道でもあった。夜のサービス業も過去は非常に盛んで、今もコンパニオンの需要は少なくない。女性議員があげた性被害の声と、それを数の力で潰す光景に、女性たちは何を思うのだろう。
 性被害告発に対する町議等の過剰な反応は、町民たちにどのように届くのだろうか。12月6日の結果を見守りたい。
■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

**********朝日新聞デジタル2020年11月17日 11時30分
草津町議リコール、住民投票告示 セクハラ告発の真偽は

町議リコールの住民投票の実施を伝える立て看板=2020年11月16日午後1時3分、群馬県草津町草津、柳沼広幸撮影

町議リコールの住民投票を告示する職員=2020年11月16日午後2時12分、群馬県草津町草津の草津町役場、柳沼広幸撮影
 群馬県草津町の新井祥子町議(51)=無所属=に対する解職請求(リコール)の賛否を問う住民投票が16日、告示された。新井氏が黒岩信忠町長(73)からセクハラ被害を受けたという告発は、告発した議員が適格性を問われることになった。告発からほぼ1年を経て、12月6日に住民投票が投開票される。
●町議へのリコールは「制度の乱用」 まずは真相究明を
 「町長室で黒岩町長から性被害にあった」。新井氏の告白が昨年11月に電子書籍で公表された。町議会でも取り上げられ、昨年12月2日の本会議は荒れた。町長は電子書籍の内容を否定し、「(事実なら)強制わいせつ罪で訴えなさい」と反論。新井氏が被害に遭ったという2015年1月8日の面会は「15、16分ほど」と認めたが、持ち込んだ写真パネルを手に説明を迫るなど、新井氏に激しい言葉を浴びせた。
 新井氏と別の議員の2人が電子書籍の内容を引用しながら「町長として欠格がある」として、黒岩町長の不信任決議案を提出したが、賛成は2で否決。逆に新井氏の発言などが「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」と懲罰動議が出され、賛成10で可決し、新井氏は除名処分となった。
 当時、新井氏は取材に「他にも肉体関係を持たされた人がいると知った。誰かが言わないと、自分と同じ思いをする人がいる。町長を辞めてほしいと思い、議場に議論を持ち込んだ」と語っていた。
 新井氏は県に処分の取り消しを求めた。県は8月、町議会の除名処分を取り消した。県の判断に納得しない黒岩卓議長(71)ら町議が中心になってリコール運動を開始。ついには住民の判断を仰ぐことになった。
 発端となった告発について黒岩町長は名誉毀損(きそん)で新井氏らを告訴し、民事でも係争中だ。住民投票告示の16日に取材に応じた町長は「全くのうそ、でっち上げだ。新井氏の言動で草津の評価は地に落ちた。憤りを感じている」。「新井氏は町民が選んだ。町議としてふさわしいのかどうか、住民に問うのが民主主義だ」と、町民に投票を呼びかけている。
 一方、新井氏は弁明書で解職の理由はないと主張。「一人一人の町の方の意見をうかがい、活動してきた。町の評価やブランドを下げているのは町長や解職請求をした議員。権力者主導のリコール運動は、理念から外れている」とした。
 今回の住民投票には約800万円の費用がかかる。「町長と新井氏の問題は当事者が解決すべきこと。多額の税金を使って住民投票をやる価値があるのか。議会や町民を巻き込まないでほしい」。町内の会社経営の男性(60)は、うんざりしている。
 住民投票は、新井氏の解職に「賛成」か「反対」かどちらかの欄に「○」をして投票する。有効投票の過半数が「賛成」すると、新井氏は失職する。17日から12月5日まで町役場で期日前投票も行われる。12月6日は町内7カ所で投票があり、午後8時から即日開票される。9月1日現在の有権者数は5383人。(柳沼広幸、寺沢尚晃)
高崎経済大・増田正教授(地方政治論)の話 
 小規模な基礎自治体では、解職請求が成立することは珍しくない。町や関係者が県の除名処分取り消しを受け、リコールに打って出たのだとすると、形を変えた除名処分にも見える。町としては早くけりをつけたい問題なのかもしれないが、町議を失職させることが町政の最優先の課題なのかという疑問を感じる人もいるかもしれない。

**********朝日新聞デジタル2020年11月16日10:07
「町長から性被害」告白町議の解職住民投票、きょう告示

町長室の写真パネルを議場に持ち込み、新井祥子議員(中央)に説明を求める黒岩信忠町長(右隣)=2019年12月2日午後6時54分、群馬県草津町議会、泉野尚彦撮影

 温泉の町として全国的に知られる群馬県草津町で16日、新井祥子町議(51)=無所属=に対する解職請求(リコール)への賛否を問う住民投票が告示される。12月6日に投開票され、有効投票の過半数が賛成すれば新井氏は失職する。
 新井氏は町で唯一の女性町議。昨年、「町長から2015年に町長室で性被害に遭った」と告白し、「事実無根だ」と否定する黒岩信忠町長(73)が新井氏らを名誉毀損(きそん)の疑いで告訴。民事でも訴え、双方で争っている。
 町議会は昨年12月、「言論の品位に欠ける」と新井氏を除く11議員のうち10議員の賛成で除名処分にしたが、県は自治紛争処理委員の審理を踏まえて今年8月、町議会の処分を取り消した。
 その後、町議らは黒岩卓議長(71)を発起人代表にして新井氏のリコールに向けた署名集めを開始。有権者の6割の3180人分が有効と認められ、住民投票の実施が決まった。(柳沼広幸)
**********

■県内で解職請求に伴う住民投票が行われるのは旧榛名町議会の解散を求めた2006年以来になるそうですが、同じ住民投票でも今回は、あまりにもレベルが低すぎます。明日の住民投票でみっともない結果が出ないよう、祈るばかりです。












宿泊ホテルの客室から見た湯畑。


この宿泊ホテルの幹部も草津町議会議員。セクハラ、パワハラ議会を容認していて、果たして国際観光ホテルを標榜できるのだろうか。

草津町観光案内所。

観光案内所の裏手に草津町役場がある。

草津温泉などの歴史がよく判る貴重な資料を収蔵した「冬住みの里資料館」は草津温泉の山本館にゆかりのある市川さんご夫妻のご自宅を開放したもの。中之条町六合支所前にある。草津温泉の行き帰りにぜひ立ち寄られたい。


土蔵を改造した資料館には、各年代ごとのさまざまなジャンルの情報がきちんと区分けされて展示されている。



草津の人々は酷寒を避けるため冬の間を麓の六合(くに)村で暮らしたことから、明治時代以前より「冬住みの里」と呼ばれていた。

明治期の山本館の看板。英語表記になっている。この頃から外国人の湯治客にも注目されていたことがわかる。ぜひ、当時を思い起こし、名実ともに開かれた草津温泉を取り戻してもらいたいものだ。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料「女性町議から草津町民への発信サイト」
**********
町長の圧力による女性議員の排除(リコール)を防ぎ、日本の湯・草津町に本当の民主主義を!!

発信者:新井 祥子 宛先:草津町の皆さま
We call for democratic revival in Japan’s most famous hot springs town of Kusatsu to stop the mayor’s plebiscite to remove a female councilor!
 私、新井祥子(草津町で唯一の女性議員です)は昨年、温泉で有名な群馬県草津町の黒岩信忠町長からの性被害やハラスメントを告発したところ、町議会において、「町長に不快の念を抱かせ」「議会の品位を落とした」として、「除名」という懲罰処分を下されました。私はすぐに群馬県に不服申し立てをし、その結果、今年の7月、山本一太県知事は「この除名処分は『違法』である」とし、除名処分を取り消すとの判断を下しました。
 しかし、町長や町議会議長をはじめ、私に懲罰を科した議員たちは、審査が「十分ではない」として、県知事の出した結果を不服とし、私のリコール運動(解職運動)を始めました。なにがなんでも私を辞めさせなくては、という意図だと考えられます。
 リコール制度(直接請求運動)は、戦後、「地方自治の運営が、常に民意に基づき行われ、住民の自治的な監視が行われることにより、自治の発達に大いに寄与するものとして導入された」ものです。主人公である住民が主体となって意思を決定できる意義のある運動の一つです。
 しかし、草津町のこのたびのリコール運動を主動しているのが町長や議員であるということは、この住民運動の理念から逸脱する大きな問題だと私は考えています。第一に、町長・議員が主導というだけで、一般町民には圧力と感じられるからです。第二に、町長や議員の多くは社長や旅館の主人など雇用主や上司であり、彼等は直接間接的に町民の生殺与奪権を握っているからです。署名を依頼されて断れる人が何人いるでしょうか。
 私は日々、圧力を受けております。除名(クビ)、裁判、資格審委員会設置、盗撮、議員報酬仮差し押さえ(兵糧攻め)、誹謗中傷チラシの全戸配布、などなど。私がされていることを見聞きすれば、「町長に逆らうとこうなる」と怖くて署名を断ることはできないと思います。
 そのような状況の中、10月16日に過半数以上の署名が集まったとして、12月6日に住民投票(11月16日告示)が行われることになりました。
 私は、この住民投票を、不当なリコール運動に「NO」、黒岩独裁政治に「NO」を突きつける投票にしたいと覚悟を決めました。
 住民投票は普通の選挙と同じく、投票所に行き、賛成か反対かを投票し、その票の多さで結果が決まります。町民の皆さんには、できるだけ投票に行っていただき、反対票を投じて欲しいと思っています。
 そのためには、日本中、いや世界各地の人々が「このリコールはおかしい!」「草津町の町政はおかしい!」と考えていることを、草津町の人たちに、知っていただく必要があります。
 どうか、このリコールに疑問を感じる人、理不尽で不当と思う方は、署名をしていただけたらと思います。町の中にいたら、恐怖で縛られ、何が真実かわからなくなってしまうのです。
 どうか、草津町で民主主義が行われるよう、「このリコールにNo!!」と思う方は、署名にご協力下さい。なにとぞよろしくお願いします。
新井祥子(草津町議会議員)

**********女性町議のブログ2020年10月17日
今朝の「情報くさつ」について
テーマ:町の方の声
朝「また、こんなチラシが入ったよ⁉️」と、康治議員から連絡があり、コピーを頂きました。
見たら、まるで私が裁判で敗訴したみたいに書いてあるΣ(・□・;)
それは、康治議員もびっくりしますよね。
私と町長の裁判は、まだ、審議中で結果は出ていません。
園田元議員も、この紙面の裏に書いてますが「これはやばいな、負けるかもな。」と、考えると、財産を処分したり隠したりズルい人もいます。」と。
「負けるかも」です。
結果はまだ、出ていません。
訴えた人が、仮に勝った場合、損害賠償金額をもらえなくなってしまうから、逃げ得を許さないために行われるモノだと、私は理解しており、裁判の勝ち負けは関係ないと思うのですが。
ちなみに、この仮差し押さえの文書は、まだ、私のところに届いていません。
なんで、園田元議員が知っているのか。
先日、康治議員が、役場で署名を閲覧していたら、町長の同級生のMさんが「こんなの出た」と、裁判所から出た、私の仮差し押さえの文書を持ってきて、渡したそうです。
だから、その文書のことを言っているのだと思います。
町長は、私に届く前に、その文書を色々な人に見せているっていうことなのでしょうか??
なぜ、まだ、届かないのか、裁判所に聞いてみましょう。
弁護士さんにも、相談したけど「これで敗訴が決定しました」とは言われませんでした。
どうなんでしょうね???
私には、リコールの住民投票を有利に進めるための情報操作にしか思えないんですけど、皆さんは、どう思われますか?
**********

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【続報】セクハラ告発町議の除名停止で復帰した途端再び辞職勧告・出席停止懲罰を科した草津町パワハラ議会

2020-04-30 23:11:00 | 国内外からのトピックス
■高温で高酸性の硫黄泉で内外に知られる草津町が、実は女性蔑視とヨソ者排除の習慣を引きずる前時代的なコミュニティであることを、町長のセクハラ行為の告白を町議会で公表した女性町議が問答無用で12月2日に除名されたことで、はからずも明るみに晒されました。草津町の女性町議が黒岩町長から町長室で性的関係を求められるなどしたうえに、町長から政治的な妨害を受けたとして電子書籍で公表したところ、2019年12月3日に町議会で除名処分を受けた事件は、その後、黒岩町長が町議ら3人に対し慰謝料など約5000万円を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が2020年2月19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)で開廷されました。第2回弁論は4月27日(月)15時から弁論準備のかたちで開催予定でしたが、新型コロナ禍による裁判所の業務縮小方針により、延期された可能性があります。

草津町役場庁舎。地上4階RC造、延べ床面積4,500㎡、竣工1991年。出典:㈱桂設計HP

 一方、女性町議は2019年12月10日に行政不服審査法による除名処分の執行停止申し立てを行っていましたが、群馬県は2020年2月7日付で、町議会議長と女性町議宛に処分の執行を一時停止する通知を出しました。除名処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決が今月5月に出る見通しのようですが、新型コロナの影響でさらに遅れるかもしれません。
 女性町議はさっそく草津町議会3月定例会に出席しようと思いましたが、黒岩町長の御用議会は、3月18日に女性町議に対して今度は「辞職勧告決議」そして「10日間の出席停止」の懲罰を可決しました。依然として、議会の閉鎖性とパワハラ体質は全く変わっていないことが判ります。

 この事件については次のブログもご覧ください。
○2019年12月3日:日本の名湯で知られる草津町でセクハラ告白した女性町議への異常バッシングが示す群馬県の政治風土
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3084.html
○2019年12月9日:【続報】セクハラ告白の女性町議を除名し今度は町長不信任案提出の男性町議を懲罰にかけた御用議会
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3088.html

■では、今年に入ってからのこの事件の動きを当事者によるSNS発信情報や、報道記事などから見てみましょう。

**********新井祥子ブログ2020年01月01日(水)
「こんなパワハラ議会にセクハラの相談ができますか?」


 12月25日、クリスマスの日に草津町議会が新聞折込に入れたチラシです。私の懲罰について書いてあります。
 草津町には「ハーモニー」という議会の広報誌があり、回覧板と一緒に各家庭に配布されます。
 私の懲罰については、この広報誌にも掲載されます。
 それなのに、わざわざご丁寧に、別途新聞折込で全戸配布の折り込みチラシまで入れて、私を懲罰し、除名にしたことを宣伝して回っています。この予算は、どこから出たのでしょうか。
 このチラシを発行した議員で折半したんでしょうか。
 黒岩町長も新聞折込に、私を誹謗中傷する折込を2回入れています。
 前の議会中継、先輩議員が私の告発を非難して「何故、電子書籍に告発したのか」「そうする前に他の方法はなかったのか」「第2委員会室では人権委員の人が相談する日を設けていて」「月末になると、町の顧問弁護士も来るし」「議長だって、相談に乗ってくれるかもしれない」と言われました。
 その先輩に、私は「私が議会に上がった時、先輩からのセクハラやパワハラがあった」「だから言えなかった」そう言ったら、その先輩は黙ってしまいました。
 理由は、先輩議員だったら誰でもが、議会で私に対してや女性職員に対してのセクハラやパワハラがあったことを知っているからでしょう。
 それに、こんなチラシを捲く議会でセクハラの相談ができるなんて思うでしょうか。
 私に暴露されることが困るので、早く懲罰にかけ、警察に捕まってほしいと思っているの
でしょう。
 それを証拠に、私が除名になり、失職したとたん、町長の刑事告訴が受理されたという報道がありました。
 酷いなと思うのは、私以外の被害者の証拠を出せ、出せ、ということです。
 新潮の記事(草津に静養に来られる美智子様のこと)でも感じましたが、こちらが、相手の事を慮って表に出したくないと思った事をついてくる。
 けれど、先輩議員のセクハラ・パワハラについては、もう、遠慮なく告発できると感じているので、証拠をもって、明らかにしていきたいと思います。
 それは、議員に戻れようが、戻れなかろうが行っていきます。

**********飯塚玲児ブログ2020年01年03日17:11
新井祥子元議員のブログ
 立場こそ違えど、一緒に告訴された(らしい)新井祥子元議員が、自身のブログで心境をつぶさに綴っている。
 そこには、長く告白したくてもできなかった事情や、草津町議会の歪み、黒岩町長の法律を持ち出しての脅しなどがこれでもか、と書かれている。
 ぜひとも一度読んでみてほしい。
https://ameblo.jp/chocora2535/entry-12563718478.html?frm_src=thumb_module

**********飯塚玲児ブログ2020年01月04日18:54
中沢康治議員のFacebook
 表題の件であるけれども、読んでいて気分が悪くなった。以下のようなものである。
(以下引用)
 昨年暮れ「訴訟を起こされた人と食事をしたくないと言う人がいるのであなたは別のところで昼食を食べてくれ」と申し渡しがあった。勿論、異議は申し立てた。違う考えの人と同席も出来ない日本人、呉越同舟は困ると言う、未だこんな世界がある!!この発言も無礼で品を下げ懲罰に値する。と言うだろう。
(引用ここまで)
 聞くところによると、議会議員と昼食弁当を食べる機会があった際、ある議員から上記のような発言があったという。ここまでくると人権侵害も甚だしいと思う。あんまり頭にきたのでこのブログに書いた次第。
 さらに康治議員は同じくフェイスブックで以下のような書き込みをしている。
(以下引用)
 ある人から電話があった。あなたのサイトに「いいね」をすると監視をしている人がいてマークされると言う。まるで戦時中の特高警察だ。反対意見は正解を探すために必要なのがわからない人が最近出てきたのか?嫌な世の中に逆戻りしないで欲しい。
(引用ここまで)
 ありえないほど酷い話である。無論僕は「いいね」し続ける。もう監視されているわけだし、このブログの記事も町長派の「ネット部隊」にチェックされ、町長に報告されているはずだ。
 僕は草津に約4年も住んで、地元の方々のほとんどは優しく素敵な方だと知っている。
 ところが、町の政治を司る議員たちがこのような始末では、いずれなんらかの破綻が生じるような気もしている。
 新井元議員が除名となり、現在の草津町議会は康治議員を除く全員が町長寄りである。
 それは無論いいことだとは思えない。少なくとも少数派の意見も聞いた上で議論するのが議会ではないだろうか?
 独裁政治は必ず滅びる。歴史がそれを証明している。そう思う。
※中沢康治町議のFacebook https://www.facebook.com/yasuji.nakazawa

**********上毛新聞2020年02月13日05:53
除名処分を一時停止 新井草津町議が復帰 県が7日付で決定

草津町役場
 議会での言動を理由に草津町議会で除名処分を受けて昨年12月に町議を失職した新井祥子氏(50)の不服申し立てを受け、群馬県は12日、除名処分を一時停止する決定をしたと明らかにした。決定は7日付。新井氏は町議に復帰した。申し立てにより議員の除名処分が一時停止となるのは県内初。
◎新井氏「公正に判断」/議長「粛々と議会運営」
 新井氏を巡っては、昨年12月の町議会定例会で「2015年1月に町長室で黒岩信忠町長と肉体関係を持った」などの発言を町議会側が問題視。「他人の私生活に関する言論を禁じた地方自治法に反した」として、除名を求める懲罰動議が提出され可決、失職した。
 県の決定に対し、新井氏は「公正に判断していただきありがたい。町民のため、女性の権利のために活動していきたい」と話した。3月定例会を控え、黒岩卓議長は「粛々と正常な議会運営を行うだけ」とした。
 新井氏は除名取り消しを求める「審決」も申請しており、弁護士など有識者3人の県自治紛争処理委員が審理を続けている。処分の一時停止は審決が出るまでの期間が対象となる。

**********朝日新聞デジタル2020年2月13日 7時25分
「セクハラ」訴えの前草津町議、県が除名処分を一時停止

議場内に町長室の写真パネルを持ち込んで新井祥子氏に説明を求める黒岩信忠町長(右)=2019年12月2日、群馬県草津町
 群馬県草津町の黒岩信忠町長からセクハラ被害を受けたと訴えていた新井祥子氏(50)が、議会の品位を傷つける発言をしたとして懲罰動議を受けて失職した問題で、群馬県は除名処分の執行を一時停止する通知を出した。通知は7日付で町議会議長と新井氏宛て。新井氏が行政不服審査法に基づいて12月10日、除名処分の執行停止を申し立てたのを受けた措置で、新井氏は当面、町議会の議席を回復することになった。
 新井氏が12月9日に申し立てた処分取り消しについては、処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決が5月にも出る見通し。執行を一時停止しないままでは、新井氏に投票した有権者の町政参加の権利が侵害されると県市町村課が判断した。
 新井氏は「除名処分の停止の申し立てが認められ、ほっとした。町民や女性の権利を守るための活動を続けていく」と話した。一方、除名処分を決めた町議会の黒岩卓議長は「法律に沿った手続きなので、粛々と受け止めたい。1議員として通常通りに対応していく」と語った。
 新井氏は昨年11月に電子書籍などで町長からセクハラ被害をうけたと告発。町議会12月定例会での町長の不信任決議案を巡る質疑などでの新井氏の発言が「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」として懲罰動議が提出され、賛成多数で可決。新井氏は最も重い除名処分を受け、失職していた。(泉野尚彦)

**********読売新聞オンライン2020年02月13日10:40
「町長室で性交渉」告白の女性、町議除名処分停止に
 群馬県の山本知事は、草津町議会で除名の懲罰処分を受けた新井祥子氏(50)の申し立てについて、今月7日付で処分の執行停止を通知した。これにより、新井氏の町議失職は保留された。
 新井氏は「町長室で2015年に町長と性交渉をした」との告白を巡って昨年12月に処分を受けたが、その後、処分の執行停止と取り消しを求める審査を申し立てていた。知事は審決に向けた手続きを進めている。

**********飯塚玲児ブログ2020年02月13日16:48
新井さんの除名処分が執行停止!
 僕とともに裁判を戦っている新井祥子元議員が除名処分を受けたことについて、群馬県知事は除名処分を執行停止としたとのニュースがYOMIURI ONLINEに掲載された。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200213-OYT1T50074/
 まあ、町長の疑義がまったく晴れてもいないのにいきなり除名処分というのは、通常の常識でも考えられない。
 最終的な審決が出るのはまだ先のことらしいが、ひとまず新井さんは「新井祥子議員」として議会に戻ってくるわけだ。
 何はともあれ、新井祥子先生、良かったですね。
 除名処分は中沢康治議員以外の全員が賛成した決議なわけで、それを群馬県知事は支持しなかったということになる。
 草津町の議員の方々は、いったいどのような態度で新井議員を迎え入れるのだろうか。
 そのような間違った決議を全員で決めた議員たちを、草津町の町民のみなさんはどのように捉えているのだろうか。
 入込客数過去最多にあぐらをかくことなく、色々と考えるべき時期が来ているように思う。

**********上毛新聞2020年02月20日11:00
草津町議ら争う姿勢 町長名誉毀損訴訟 前橋地裁で口頭弁論
 事実と異なる内容を電子書籍に記載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長(72)が新井祥子町議(51)ら3人に対し、慰謝料など約5000万円を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。被告側は請求棄却などを求める答弁書をそれぞれ提出、いずれも争う姿勢を示した。
 被告は新井町議のほか、電子書籍を出版した飯塚玲児ライター(53)、町議会で虚偽事実とされる記載がある不信任決議案の理由書を読み上げた中沢康治町議(85)。

**********毎日新聞2020年2月20日
名誉毀損訴訟 新井草津町議ら町長と争う姿勢 /群馬
 虚偽の内容が書かれた電子書籍を出版されて名誉を傷つけられたとして、草津町の黒岩信忠町長が同町の新井祥子町議や男性ライターら3人に4400万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。新井町議らは「名誉毀損(きそん)に当たらない」と述べ、争う姿勢を示した。
 訴状などによると、新井町議は、黒岩町長と町役場の町長室で性的関係を持ったなどとの内容を証言。男性ライターは、これら証言を電子書籍として出版した。黒岩町長は、証言は全くの虚偽で、回復困難な人格権侵害の被害を受けたと主張している。【妹尾直道】

**********新井祥子ブログ2020年03月18日(水)
今度は出席停止の懲罰です
 せっかく、除名処分の停止の申し立てが通ったのに、それが「不服」ということで、今度は「辞職勧告決議」そして「10日間の出席停止」の懲罰が可決されました。
 そのため、大切な予算議会を欠席することになりました。
 今回も「12月2日の発言がけしからん」っていう理由です。理不尽で不当な二重懲罰です。
 新型コロナウィルスが日本中で猛威をふるう中で行われた議会初日、議会が開始した午前10時〜午後3時過ぎまで、議会は私の懲罰につぐ懲罰の議論で終始しました。
 とても残念です。
 ただ、議員の権利が剥奪された訳ではないので、議員活動は変わらずに行っていきます。


**********

■新型コロナによる緊急事態宣言で、全国の裁判所で業務縮小が続いていますが、5月6日の時点でなんらかの方針が出れば、裁判業務の再開の可能性も見えてきます。民事裁判の進捗と、群馬県による除名処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決の行方を引き続き注視したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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強制力のない緊急事態宣言で封じ込めできるか・・・日本を尻目に野球に次いでサッカーも開催する台湾

2020-04-15 20:31:00 | 国内外からのトピックス
■4月13日の1日当たりに確認された感染者は31都道府県で290人でした。4月7日から5日連続で増えて11日には690人に達しましたが、12日に499人、そして13日には7日ぶりに300人を下回りました。7日に緊急事態宣言の対象となった東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県は新規感染者が多く、このうち最も多いのは東京で13日の91人以外は1週間連続で100人超のペースが続いています。下図は4月3日までの台湾と我が国の1日当たり新規感染者数の推移を示しています。ご覧のとおり人口比約1:5を考慮しても、圧倒的な傾向の違いが見て取れます。


**********PRESIDENT Online 2020年4月4日
台湾のコロナ対策が爆速である根本理由「閣僚に素人がいない」
★ポストを実力本位で振り分けている★
 新型コロナウイルスへの対応の速さで、台湾政府は世界的に評価を高めている。なぜそこまでスピーディなのか。台湾の政府系シンクタンクで長年顧問を勤めていた藤重太氏は、「日本は論功行賞などで素人でも大臣になってしまうが、台湾はその分野のプロでなければ大臣にはならない。この政治システムが最大の理由だ」と指摘する——。

「パソコンに触ったことのないIT担当大臣」など、台湾ではありえない――。台湾政治の中心、台北の台湾総統府。
★「国民を守れる国」は何が違うのか★
 事態の悪化に先んじる迅速な決定、次々と打ち出される合理的できめ細やかな措置。厳格な防疫態勢、マスクの配給システムや国民への積極的な情報公開、さらに中小企業やアーティストへの支援策まで、台湾の新型コロナウイルス禍への対応は今や世界的に評価されている。
 それは単に台湾の人口が少なかったり、国土が小さかったり、たまたますごい人物が政権の中枢にいたからではない。「強い政府、機能する行政、国民を守れる国」の秘密は、台湾という国家の仕組みそれ自体にあった。日本とはどこが違うのか。今回の記事では、その本質に迫りたい。
★「たまたま優れた人材がいたから」ではない★
 今回の対コロナ対応で、台湾が迅速に決定を下し、行政が有効に行動できたのは、もちろん蔡英文総統、陳建仁副総統、蘇貞昌行政院長(首相)、陳時中衛生福利部長(厚労大臣)、唐鳳凰IT担当大臣など、素晴らしい人材の存在があったことは間違いない。また、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)危機を経験した結果、必要な法整備がすでに整えられていたことも、あっぱれと言うほかない。
 しかし、こうしたリーダーや法律があったから、台湾は今回の新型コロナウイルス禍に効果的に対応できたのだろうか。あるいは、中国と敵対していたから厳重な姿勢で取り組めたのだろうか。否、日本では誰も着目しない台湾の政治システムにこそ、強さの秘密があるのではないかと筆者は考える。
 台湾では国民の直接選挙で選ばれる総統が行政院長(首相に相当)を決め、その行政院長が中心となって閣僚を任命する。最大の特徴は、「大臣」に相当する人々が誰ひとり「国会議員」ではないという事実だ。行政院長や部長・政務委員(大臣)は、立法委員(国会議員)ではないのだ。
★「立法府の人間が行政府を兼任? それで監督できるのか」★
 日本では、組閣の際にはどの国会議員が入閣するのかが話題になる。大臣の過半数を国会議員から選ぶことが、憲法で定められているからだ。民間人から登用されることは、特殊なケースと言っていい。任命の決め手は政権与党の派閥力学や論功行賞。そんな慣習を、日本人の誰もが当たり前と思い、慣れっこになっている。
 しかし、この事実を台湾の政治に詳しい友人に聞いてみたところ、「立法府の人間が行政府を兼任して、どうして正しい監督監査ができるのか」と逆に質問されてしまった。日本の議院内閣制と、台湾の半大統領制(総統内閣制)をそのまま比較することには無理がある。しかし、日本で当たり前だと思っていたことが、根底から覆されるひと言だった。「井の中の蛙、大海を知らず」「夏の虫、氷を笑う」とはまさにこのことだ。

日本の内閣府に相当する台湾行政院。現在の大臣相当ポスト21人のうち、立法委員(国会議員)経験者は3人しかいない。
 行政府(内閣)は、言うまでもなく国家の行政運営をつかさどるところ。行政府の中に省庁があり、地方行政との連携も含まれる。今回の新型コロナウイルス禍のような危機の際には、国民の安全と権利を守り、場合によっては国民に果たすべき義務の遂行を求めるといった、あらゆる「行政活動」の主体となる。
 一方の立法府(国会)は、国家管理に必要な法律の制定と、行政院がつくる予算の審議、そして行政活動の監督と会計監査をするところだ。予算が立法院で通過すれば、行政機関は予算を計画通り遂行する。もし結果が悪ければ、立法院(国会)で厳しく質問監査され、行政責任が追及される。教科書にも乗っている、当たり前のことだ。
 建前上は、日本もそうである。しかし、今回のコロナ“有事”に対する日本の対応をみると、その当たり前が出来ていただろうか。最も重要な初動の水際対策などでは、少なくとも台湾と大きな差があったことに異論はなかろう。台湾にある国家システムは、行政府が有事においても、そうした当たり前の事を当たり前に行える仕組みが完成されていたのだ。
★台湾の「防疫ヒーロー」たちはどこから来たのか★
 では、今回活躍した台湾の優秀な閣僚たちは、どこから来たのだろうか。
 対コロナ対応で獅子奮迅の活躍をした台湾の高官の筆頭が、衛生福利部部長(厚労大臣に相当)であり中央伝染病指揮センターの指揮官でもある、陳時中氏(67)だ。彼は立法委員ではなく、本来の職業は歯科医師である。41歳の時に歯科医師会全国連合会の理事長になり、台湾の歯科治療の保険制度推進などに尽力。その後、行政院衛生署副署長、総統府国策顧問などを経て、2017年2月に64歳で衛生福利部(厚生労働省)の部長(大臣)に就任している。民間での活動で能力が認められ、行政府に引き上げられた人材だと言っていい。
★台湾を「マスク生産大国」にした男★
 一方、マスクの輸出禁止や増産体制などを整え、マスク不足問題の解決に活躍したのが、沈栄津経済部部長(経産大臣に相当)だ。彼は台湾国内におけるマスクの増産体制を作り上げるため、全国の工作機械組合、精密機械センター、マスク生産業者、紡績所、その他研究団体など30以上の企業と国家組織をまとめて、構築に3カ月から半年かかるといわれた60本のマスク製造ラインを、わずか1カ月で完成させた。
 現在、台湾は1日1300万枚の生産量を持つ、世界第2位のマスク生産大国になっている。 先日、蔡英文総統はそのマスクを米国に200万枚、イタリア・スペインなどヨーロッパに700万枚、国交のある国々に100万枚送ると発表している。
 この沈経済部部長も、立法委員ではない。電気工学やオートメーション化技術を学び、経済部に入省した官僚出身者だ。経済・産業行政を担当する官僚として地道にキャリアを積み上げ、科長、組長、局長、次長などを経て、大臣にあたる部長にまで登り詰めた。経済官僚として培ってきた人脈と経験が、今回のプロジェクトの成功に大いに役にたったことは間違いない。
★ワールドクラスの逸材がごろごろ★
 全国のマスクの在庫一覧システムを作るための情報を民間IT企業に公開し、政府の情報を国民に効率よく伝えるために活躍したのが、唐鳳政務委員(無任所大臣、IT担当大臣)だ。8歳からコンピュータープログラミングに興味を持ち、ずば抜けて知能が高く、逆に既存の学校教育になじめずに14歳で中学校を中退。高校にも大学にも進学しなかったが、独学でプログラミングを学び、16歳で液晶ディスプレイやプロジェクターの世界的大手、台湾明基公司(BenQ)の顧問になるなど、IT関連企業の要職を経験。33歳のときに一度アーリーリタイアを宣言している。
 その後、行政院国家発展委員会のバーチャルワールド発展法規調整計画の顧問に就任し、デジタル社会での国家の役割や可能性などについてアドバイスをしている。その1年数カ月後の35歳の時に、行政院政務委員(内閣無任所大臣)に任命された。台湾のIT・デジタル社会構築政策を担うにふさわしい、余人をもって代えがたい才能の持ち主だと、国家(任命したのは行政院長)が判断したからだ。
 さらに副総統の陳建仁氏も、公衆衛生学の分野では世界トップの米ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院で博士号を取得した人物であり、2002~2003年のSARS危機の際には、行政院衛生署長として大活躍した。この陳副総統も、前述の唐鳳氏も、立法委員ではない。
★「パソコンに触ったことがないIT大臣」なんてありえない★
 これまで挙げた4氏は、立法委員の経験などないが、担当分野については完全なプロフェッショナルだ。その十分な実務経験と実力者同士のネットワークがあってこそ、今回の新型コロナウイルス禍における迅速かつ有効な決断と行動が可能となり、この素晴らしい対応が生まれたのだろう。有能で実力のある人材であれば、学歴も性別も経歴も政治家としての経験も関係なく登用するのが、蔡英文政権の、そして台湾の柔軟性だ。
 現在の第2次蘇貞昌内閣には、行政院長(首相)を除くと大臣クラスの閣僚が21名(部長12名、政務委員9名)いるが、その中で立法委員経験者は3名だけである。それ以外は、官僚及び地方公務員から9名、学者専門家から6名、弁護士出身1名、医師出身1名、そして中学中退の天才プログラマー1名(唐鳳IT担当大臣)である。閣僚全員が担当分野の専門知識を有しており、十分に能力と実力を吟味された上で「大臣」のポストに就任する。そうした仕組みが、台湾ではできている。
 パソコンを触ったことのないIT担当大臣が、台湾で生まれることは絶対にない。「末は博士か大臣か」の言葉通り、官僚や学者・専門家が大臣になる道が開けているのが台湾だ。優秀で志があり、国家の行政を守るために日夜激務をこなしながら、いつまでも国会議員にアゴで使われて、印象操作で悪者にされ、出世にも限界がある、どこかの国の官僚諸氏が気の毒になる。
★「縦割り行政」の害を減らす2種類の大臣ポスト★
 各省庁の大臣に相当する部長と、いわゆる無任所大臣にあたる政務委員の2種類のポストがある制度にも、台湾政治の強さの秘密が隠れている。日本では、無任所大臣より大臣の方が格上という印象があるが、筆者は台湾行政では逆だと感じている。実際、行政院のウェブサイトでも、政務委員の紹介欄は部長の紹介欄より上に置かれている。日本では台湾の政務委員を「無任所大臣」と訳しているが、実は日本にはないシステムの「特殊大臣」なのだ。唐鳳政務委員がIT担当大臣として活躍できる仕組みが、ここにある。
 台湾には、内政部、外交部、国防部、財政部、教育部、法務部、経済部、交通部、文化部、衛生福利部、労働部、科技部の12部(省に相当)が存在する。部長(大臣)は各部(省)・各行政部門の長として、担当行政の運営を指揮監督する立場にあり、そのことに専念する。それに対し政務委員は、国家の運営をより良く発展・改善させていくために委員会などを主宰し、各省庁を調整したり、横断的につなげていく役割を持つ。部長が行政府の縦糸だとすれば、政務委員は横糸の役割を果たすのである。
★有事にグダグダになるのも当然の日本型「素人内閣」★
 日本では縦割り行政の弊害が常に議論の的だが、台湾では全省庁が行政府の一員として、互いに連携・協力する体制と意識が出来上がっている。これも、今回のコロナ対応が当初から有効に機能した要因のひとつであることは間違いない。

台湾の国会議事堂にあたる台湾立法院
 議院内閣制の日本は、いつの間にか国会(立法府)の「上がり」の席が大臣(行政府)のポストになってはいないだろうか。当選回数や派閥の力関係で決まってしまう閣僚。能力や経験、実力無視の、素人お気楽大臣。大臣と各省庁の官僚の間にも、多くの齟齬や軋轢があるように思えるし、縦割り行政も相変わらずだ。責任のなすりつけあい、責任回避のための「しない」決断や先延ばしもしょっちゅうで、今回の新型コロナウイルス禍のような非常時に機能不全に陥るのは納得できる。
 また、担当省庁における指揮監督が本務であるはずの大臣が、必要以上に国会への出席や答弁に縛られているのもおかしな話だ。しかも、国会議員が大臣に質問する内容は、スキャンダルやゴシップなどの揚げ足取りばかりで、行政運営(国家)をお互いに良くしていこうとする姿勢が見えない。三権分立としての、行政府と立法府の独立は守られているのか。このような茶番が国会で続けば、最後にツケを払い困窮するのは国民だ。
★コロナ禍を機に日本の政治制度を見直せ★
 日本は今回の新型コロナウイルスへの対応を反省し、現行の政治運営のあり方や、「制度疲労」あるいは「制度崩壊」とさえ言いたくなる今の政治制度の限界を、今こそ冷静に見つめ直すべきではないだろうか。台湾が完璧でベストだとは、筆者も主張しない。世界にはまだ他にも学ぶべき制度や仕組みが存在しているはずだ。完璧な制度や法律など存在しないし、日本を取り巻く環境も、政治が取り組むべき課題も、時々刻々と変化している。
 明治維新から150年、敗戦から75年。戦後復興で一途に走り続けた日本の制度は、まだ通用するのか。憲法施行から73年、今回の新型コロナ対応での教訓を活かすためにも、憲法第9条の改正論議よりも先に、日本の政治制度そのものについて根本的に考え直す時期が来ているのではないだろうか。
 コロナ禍という災いを転じて福に変えられるか、これまでのように喉元過ぎれば熱さを忘れ、何となく窮屈で嫌な社会とこの不安を、このまま子孫に残すのか。「世界に誇れる日本」を取り戻せるかどうかは、われわれの決断と行動次第ではないだろうか。
(藤 重太)
**********

■新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中のスポーツイベントが延期や中止を余儀なくされる中、感染者の数を比較的少なくおさえられている台湾では、延期されていたプロ野球が観客を入れない形で12日開幕しました。さらに、同日、台湾ではサッカーの国内リーグも開幕しました。

***********フットボールチャンネル2020年04月12日(Sun)15時23分配信
台湾で2020シーズン国内リーグ開幕へ。東アジアでは唯一のサッカー開催国に

写真:Getty Images
 新型コロナウイルスの影響により世界各国でサッカーの国内リーグや国際大会が軒並み中止された状況の中、チャイニーズ・タイペイ(台湾)では12日に国内リーグの2020シーズンが開幕する。アジアサッカー連盟(AFC)公式ウェブサイトがリーグ開幕に向けた見通しを伝えている。
 現時点で国内リーグが開催されているのは欧州のベラルーシや中央アジアのタジキスタンなど世界で数ヶ国のみだが、チャイニーズ・タイペイ・プレミアリーグもそこに加わることになる。AFCによれば東アジアでは現時点で唯一の国内リーグ開催国になるという。
 台湾は新型コロナウイルスの感染拡大を最小限に抑える対策が成功しているとして世界的に賞賛を受けている。11日時点では通算385人の感染が確認されているが、そのうち331人が域外からの移入者であり、域内で新たに感染した例は54人のみ。それでも国内リーグの試合は当面無観客で開催するとのことだ。
 AFC公式サイトでは開幕を迎える8チームの全メンバーを紹介しているが、このリーグでプレーする日本人選手も多い。特に台中FUTURO FCは川崎フロンターレやチャイニーズ・タイペイ代表などの元監督である今井敏明氏が率い、元JリーガーのDF一柳夢吾やDF山内恵太、DF上田航平など7人の日本人選手を擁する。他にも北市大同FCにはMF原田拡帝、航源FCにはDF下野淳、銘傳大学FCにはFW田所隼乃介、FC台北紅獅にはMF井上湧貴などがそれぞれ在籍している。

■冒頭の紹介記事のとおり、台湾では現在1日当たり1300万枚のマスク生産能力を有しており、国交のある国をはじめ、欧米を中心に第一回の人道支援として1000万枚の寄付を開始しました。

**********TAIWAN TODAY 2020年04月10日
台湾の人道支援のマスク、欧州に順次到着

写真は9日早朝、ドイツのフランクフルト空港に台湾のマスクが到着したことを伝える地元テレビ。(ドイツMichael Gahler氏フェイスブックページより)
 中華民国外交部(日本の外務省に相当)は今月1日、米国、欧州連合(EU)及び感染が深刻な欧州諸国、並びに中華民国と正式な外交関係を持つ国々(国交樹立国)に対し、国際的人道支援の第一弾として合計1,000万枚のマスクを寄付することを発表した。そのうち欧州向けの人道支援マスク3便が7日以降、順次到着している。
 中華民国外交部(日本の外務省に相当)は今月1日、米国、欧州連合(EU)及び感染が深刻な欧州諸国、並びに中華民国と正式な外交関係を持つ国々(国交樹立国)に対し、国際的人道支援の第一弾として合計1,000万枚のマスクを寄付することを発表した。内訳は米国200万枚、欧州諸国(EU、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、チェコ、ポーランド、イギリス、スイス)700万枚、中華民国の国交樹立国100万枚。そのうち欧州向けの人道支援のマスクは3便に分けて輸送され、7日以降、順次到着している。
 そのうち、EU本部があるベルギーのブリュッセルに物資が届いたことを受け、欧州委員会のヤネス・レナルチッチ(Janez Lenarcic)危機管理担当委員は9日夜、EU公式サイトでニュースリリースを発表した。ヤネス・レナルチッチ危機管理担当委員は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が加速する中、台湾がEU及びその一部の加盟国に寄付したマスクがきょう、ヨーロッパに到着した。EU緊急対応調整センター(ERCC)はそのうち合計100万枚をスペインとイタリアに輸送する。残りはEUと台湾が話し合い、その他の加盟国に配送する」、「この苦難の中、国際協力は極めて重要なことだ。EUは台湾が、EUへのマスクの寄付という行為によって、団結の姿勢を見せたことを高く評価する」と表明した。
 また、ドイツのフランクフルト空港には9日早朝、台湾からの人道支援のマスクを乗せた別の中華航空(チャイナエアライン)の旅客機が到着した。空港にはドイツの国会議員や州議会議員、欧州議会議員らが多数駆け付け、台湾への謝意を示した。到着したマスクはその後、物流会社であるキューネ・アンド・ナーゲル社の倉庫に運ばれた。
 空港にはフランクフルト出身であり、欧州議会の親台湾派議員グループで代表を務めるMichael Gahler氏、ドイツ議会における親台湾派議員グループの代表を務めるKlaus-Peter Willsch氏、ドイツ連邦議会の健康委員会委員長のErwin Rüddel氏、フランクフルトがあるヘッセン州議会議員のIsmail Tipi氏など、親台湾派の議員が数多く集まった。
 ドイツ議会のKlaus-Peter Willsch氏は祝辞で、台湾が快くマスクを寄付してくれたことに感謝するとした上で、世界保健機関(WHO)はこれ以上、台湾を排除すべきではないと訴えた。
 フランクフルト空港に到着したマスクのうち、100万枚はドイツに寄付され、ドイツの衛生当局によって各地に配布される。残りはポーランドとチェコに送られる。
 なお、オランダには今月7日、すでに60万枚のマスクが届けられている。オランダ政府が台湾に置く出先機関(在外公館)であるオランダ貿易暨投資弁事処(Netherlands Trade & Investment Office)はフェイスブックに、「台湾が欧州諸国への寄付を表明したマスクのうち、第1便は中華航空によってオランダに届けられました。これは60万枚の愛です」と書き込み、台湾への感謝を伝えた。
 オランダに届けられたマスクは、台北駐オランダ代表処(=オランダにおける中華民国大使館に相当)の陳欣新代表(=大使に相当)によって、オランダ政府が指定する物流会社、Best Global Logistics社アムステルダム本部のRonald Middleburg氏に手渡された。
 オランダ貿易暨投資弁事処はフェイスブックに、「この台湾製サージカルマスク60万枚は、第一線に立って新型コロナウイルス感染症と戦う医療関係者にとって最も心温まる防具となるでしょう」、「パンデミックの脅威が広がる中、この真の友情は、物資の共有、経験の交換から技術協力にまで広がっています。今後、台湾とオランダの交流はさらに深まることと信じています」と書き込んだ。投稿にはマスクの入った段ボール箱の写真も添付されていた。段ボール箱には中華民国とオランダの国旗、英語で「Health for all」やオランダ語で「Samen Sterk(手をつなぎ、一緒に強くなろう)」などのメッセージ、握手する手、外交部がデザインしたロゴ(台湾の形と聴診器をモチーフにしたデザインで、台湾のWHO参加を訴えるもの)などがプリントされた紙が貼られていた。
 外交部はすでに、人道支援の第二弾として、医療用マスク600万枚を北欧、中央ヨーロッパ、東欧のEU加盟国、米国の新型コロナウイルスのまん延が深刻な州、ラテンアメリカ、カリブ海諸国、新南向政策の対象国(東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランド)及びその他の友好国に寄付することを明らかにしている。
 この発表を受け、スロバキアの台湾における出先機関、スロバキア経済文化弁事処はフェイスブックに「世界が困難に直面しているとき、台湾が救いの手を差し伸べ、必要なものを提供してくれることにスロバキアは非常に感謝している。ありがとう」とする投稿を発表し、台湾への感謝を伝えている。
**********

■他方、中国も負けじとマスク外交を展開しようとしましたが、品質不良で悪評を買う結果となっています。

**********NEWSポストセブン2020年4月8日7:05配信
中国製マスクと検査キットが不良、規格外で欧州からリコール

不良品が世界に
 中国が新型コロナウイルス感染のパンデミック(大流行)状態に陥っている欧州諸国などに不足しているマスクや医療製品を寄付するなどの「マスク外交」を活発化させている。そんななか、中国の業者からマスクを輸入したオランダ政府当局は、中国で製造された60万枚のマスクが品質基準を満たしていないためすべてリコール(回収)し、中国に送り返した。
 また、スペインやチェコに送られた数十万枚の新型コロナウイルスの感染検査キットも検査結果の信頼度が30%しか達していない不良品だったことも分かっている。
 オランダの公共放送機関「オランダ放送協会(NOS)」は、オランダ保健・福祉・スポーツ省の見解を紹介。同省は3月下旬、欧州で通常使用されるマスクは新型コロナウイルスを運ぶ可能性のある空中粒子の90%以上を遮断する基準になっているが、「中国から輸入したマスクはこの基準を満たしておらず、すべてリコールした」と発表した。
 同省が中国から輸入したマスクは中国製の「KN95」で、輸入品にはKN95品質証明書が付いており、一部は実際に医療従事者に渡されたが、彼らが不具合を発見。
 このため、同省の検査官が調べたところ、マスクが顔にフィットしなかったり、フィルター機能が著しく劣っており、「品質基準を満たしていない」との判定を下した。さらに、2回目の検査でも同様の結果が出たことから、すべての製品は回収され、中国に送り返されたという。
 さらに、3月中旬にスペインとチェコに送られた数十万枚の新型コロナウイルス感染を調べるテストキットも不良品だったことが分かっている。
 オランダなどの医療関係者は「中国の医療製品の製造・販売元がこのような危機的な状況を利用して、利益を上げようとしている」などとして、中国側の態度を強く批判する声明を発表している。
 オランダ放送協会は駐オランダ中国大使館に不良品問題についてのコメントを求めたが、大使館側は「ノーコメント」と答えただけだったという。
**********

■こうして中共は、新型コロナが武漢で発生し広がりを見せてもその実態を矮小化し、大勢の海外旅行者に訪問国で大量のマスクを買い占めさせ、それと同時に、大勢の感染者を武漢から野放図に世界中に放ち、首尾よく新型コロナが世界に拡散するや、今度はマスクを戦略物資として利用するという、実に卑劣な対応をとっています。

 そもそも今回の新型コロナウイルスの発生については、武漢の海鮮市場にちかい生物研究所の存在が取りざたされており、中共政府がそこで生物兵器の開発をしていたのではないか、という巷間情報は当初からつきまとっていました。

 その疑念は、新型コロナウイルスを巡って3月上旬に、米国のトランプ大統領が「中国ウイルス」、ポンペオ国務長官が「武漢ウイルス」の呼称を使い、オブライエン大統領補佐官も中国が初期対応の段階で情報を隠蔽して世界の対応が遅れたと述べるなど、中国批判を強めていたあと、中共側がこれらに反論する形で3月12日、中国語と英語で「ゼロ号患者(初めて感染した患者/病原体を初めて外部から持ち込んだ患者)はいつ米国で発生したのか? 何人が感染? 病院名は? おそらく米軍が疫病を武漢に持ち込んだのだろう」などと書いたうえで、透明性を高めて説明責任を果たすよう米国側に求めた際、「米軍による持ち込み」の根拠をなんら示さなかったことからもうかがい知ることができます。

**********産経2020年4月12日11:00
【JAPAN Forwardから】生物兵器開発に注力する中国

生物兵器開発に注力する中国の危うさについて伝える英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」の画面
 英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」は3月25日、「中国の軍事研究者たちはこの20年、生物兵器開発に注力してきた」と題する記事を掲載した。日本国際問題研究所のモニカ・チャンソリア上級海外フェロー(インド)が寄稿した。
 寄稿記事によると、中国当局の大規模な隠蔽工作が新型コロナウイルスの世界的蔓延(まんえん)をもたらした、としている。記事はさらに、中国の軍事研究者たちが圧倒的軍事力を持つ米国に非対称の戦いを挑むため、この20年にわたり生物兵器に焦点を絞って研究開発を進めてきたという、背筋の寒くなるような実態を暴露し、中国の未来に警鐘を鳴らした。
 記事の日本語訳は以下の通り。
     ◇
 中国の独立系メディア「財新」は、中国の研究所が2019年12月末までに謎のウイルスを非常に高い感染力の新たな病原体として確認していたことを明らかにした。ウイルスは、後にCOVID-19として識別された。しかし、研究所は当時、さらなるテストの中止、サンプルの破棄、そして情報を可能な限り秘匿するよう命じられた。
 今回のパンデミックの発信地である中国・武漢の衛生当局は、2020年1月1日以降、原因不明のウイルス性肺炎を特定するサンプルを破壊するよう研究所に要求したのだ。中国政府は、人から人への感染が起きている事実を3週間以上も認めなかった。
 「財新」は、非常に重要な初期の数週間に、こうした致命的で大規模な隠蔽工作が行われた明確な証拠を提示し、それによって大流行、すなわち、その後、世界に広がり文字通り「世界閉鎖」を引き起こした大流行を制御する機会が失われたと結論付けた。
★『超限戦』-ルールを超えた戦争★
 20年以上前から中国では軍事研究の分野で、西側諸国によって定められたルールを超えた戦争の準備をすべきであるとの主張がなされてきた。今、改めてそれらの文献を検証するのは意義があることだろう。
 1996年、中国人民解放軍空軍の2人の将校、喬亮(少将)と王湘穂(大佐)は、台湾を威圧するために行われた軍事演習に参加した。演習は、台湾総統選挙の準備が行われている最中に実施された。すぐに米国はこの地域に2隻の空母部隊を派遣し、世界は、東アジア地域における大国の勢力争いが復活したのを目の当たりにした。
 それをきっかけに、2人の将校たちは、中国東南部の福建省にある小さな村で研究を始めた。そして、最終的に、『超限戦:対全球化時代戦争与戦法的想定』(ルールを超えた戦争:グローバル時代における戦争と戦法の評価)と題した著書を解放軍文芸出版社から共著で出版した。
 『超限戦』の中心的主題は、中国が「自衛のためにすべての境界と規制を超える戦争」を行う準備をすべきであるということだ。喬亮と王湘穂は著書の中で、既存の戦争についてのルールや国際法、国際協定は、西側諸国がつくり、米国が新時代の軍事技術と兵器の競争をリードしていると主張する。20年以上前に書かれた本の中で、喬亮と王湘穂は、巨額な開発費を要する最先端の兵器が中国経済の崩壊を招きかねないと言及した。
★手段を選ばぬ「戦争の革命」★
 『Unrestricted Warfare(際限なき戦争)』と題した英訳版はさらに、地理的な安全は時代遅れの概念であると述べた。そのうえで、国家の安全保障に対する脅威は、国境を越えた侵略からではなく、非軍事的行動からもたらされる可能性があると強調。安全保障には、地理、政治、経済、資源、宗教、文化、情報、環境、そして地球に近い宇宙空間が含まれなければならないと主張した。
 化学兵器、生物兵器、地雷の禁止など、戦争を規制する法を受け入れるか否かは、自国の国益に合致しているか否かに左右されていると力説。大国は他国をコントロールするために、化学兵器と生物兵器を禁じていると言明した。
 これらの議論から導き出される核心は、中国は西側諸国が数十年かけて作り上げた国際法や規範に縛られることなく、自由に意思決定をし、戦争の手段を選択すべきであるということだ。『超限戦』は、枠にとらわれず思考せよ、と主張している。
 最も重要なのは、『超限戦』が敵の脆弱(ぜいじゃく)な部分を予想外の方法で狙うことを目的とした非対称の戦争(交戦者間の戦力、戦術などが大きく異なる戦争)の概念を強調した点だ。これには、ゲリラ戦争やテロ行為、ネットワークへのサイバー攻撃が含まれる。
 喬亮と王湘穗は、戦闘以外の行動を含んだ戦争、そして非軍事と軍事行動を組み合わせた「戦争の革命」が必要だと訴えた。戦争は、ステルス戦闘機と巡航ミサイルの融合にとどまらず、生物化学や財政、そしてテロ行為を含むかもしれないという憂慮すべき主張を展開した。
(モニカ・チャンソリア氏寄稿)
**********

■中共が新型コロナを生物兵器として武漢のP4研究所で開発していたなら、当然ワクチン製造についても開発を進めていたに違いありません。いつ、その研究成果の兆しを公表するかと思っていたら、さっそく絶妙なタイミングで発表してきました。

*********NHK News Web 2020年4月15日 6時45分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200415/k10012387441000.html
新型コロナワクチン 中国が臨床試験の第2段階に進んだと発表
 中国政府は中国国内で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験について、安全性などを確かめる第1段階を終えて、有効性などを確かめる第2段階に進んだことを明らかにしました。
 中国科学技術省、社会発展科学技術局の呉遠彬局長は14日の記者会見で、国内で進めている新型コロナウイルスのワクチンの開発状況について説明しました。
 このうち、軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員のチームが開発を進めているワクチンは、新型コロナウイルスとは別のウイルスを遺伝子の運び役として使うもので、先月までに主に安全性などを確かめる第1段階の試験を終えて、主に有効性などを確かめる次の段階の試験を始めるためにワクチンを投与するボランティアの募集を今月から始めたということです。
 呉局長は3段階ある臨床試験のうち2段階目に進むのは、新型コロナウイルスのワクチンの開発では世界で初めてだとしています。
 このほか国有企業の子会社の「中国生物武漢生物製品研究所」と民間の製薬企業「北京科興中維生物技術」は感染する能力を失わせたウイルスやその一部を材料にする「不活化ワクチン」の開発を進めていて、いずれも今月、中国政府が臨床試験の実施を承認したということです。
 呉局長によりますと、ほかにも複数のワクチンの開発が進行中で、来月にかけて臨床試験の申請が行われる見通しだということです。
**********

■上記の事実関係の真相は今後歴史の検証を待たねばならないかもしれませんが、このように中共が今後どのような戦略を駆使して、今回のCOVID-19の世界的規模の惨禍を利用して覇権を得ようとするのか、ますます目が離せません。

 それとともに、中共に抗して、毅然とした対応をとっている台湾の評価が今後国際的に向上し確立されていくことを期待したいと思います。

【群馬県台湾総会理事】

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