市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東日本大震災で受けた台湾の人々からの温情に答えた日本政府…ワクチンが育む更なる日台友好の絆

2021-06-04 23:55:00 | 国内外からのトピックス
■台湾に対するアストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの提供が迅速に行われたことに拍手を送りたいと思います。台湾からの情報によれば、ワクチンを輸送した日航機を護衛するために米軍が協力をしたということです。なぜならば、中国は、東シナ海に浮かぶわが国固有の領土である尖閣諸島への恒常的な接続水域進入(さらに領海侵犯も)と同じく、台湾に対しても連日のように軍用機を台湾の防空識別圏に進入させており、不測の事態を避けるために在日米軍がワクチンを輸送する日航機を援護したというものです。

日台友情




台湾では、今回日本から提供された124万回分のワクチンを運んだ日航機809便が、6月4日の午後2時40分に台湾の桃園国際空港に着いたとして、天安門事件として知られる「1989年6月4日午前2時40分」に民主化を求める学生・市民らに中共政府が人民解放軍を使って武力弾圧に踏み切った時間と、フライトCodeの「809」と「6月4日」と午前と午後の違いはあるにしても「2時40分」が、いずれも数字的に一致するのは、何らかの因縁があるとして、話題になっています。実際には、ワクチンを載せた日本航空809便は6月4日午前11時に成田空港を出発し、午後1時58分(いずれも台湾時間)に桃園空港に到着したわけですが、2時40分は「?」にしても、天安門事件と奇しくも同じ6月4日に、中共のまき散らした武漢肺炎=COVID-19に対する救いの手が、日本から差し伸べられたことに、余計感慨深い思いを抱いたからこそのトピックスと言えるのではないでしょうか。

 今回の迅速な台湾へのワクチン提供の実現は、6月3日の産経新聞の報道によれば、中国からの横槍を警戒しつつ、水面下で慎重に準備が進められてきた経緯があります。ワクチンを共同購入して途上国に分配する国際的枠組み(COVAX:コバックス)では時間がかかりすぎるため、安倍晋三前首相ら自民党議員も動き、迅速な提供が実現されたということです。以下、同報道記事を引用します。

■経緯としては、5月24日夜、東京都港区の台北駐日経済文化代表処で、台湾の謝長廷代表と米国のヤング駐日臨時代理大使の意見交換会に、薗浦健太郎元首相補佐官が招かれていました。謝長廷代表からアストラゼネカ製ワクチンの使い道を聞かれた薗浦補佐官は「日本はアストラゼネカ製のワクチンを公的接種では当面使わない。それを台湾に譲る動きもある」と答えると、ヤング大使も「グッドアイデアだ」と賛意を示しました。

 台湾は、中国の武漢で未知のウイルスによる感染情報をいち早くキャッチし、中国政府の発する報道を一切信用せず、独自に厳格で迅速な水際対策を実施したことで、新型コロナウイルスの押さえ込みを実現していました。ところが、4月末にクラスターがあちこちで発生し始め、5月中旬から感染が急拡大したため、台湾政府は日本政府に5月の大型連休明け以降に、複数のルートで「100万回分ほどワクチンが融通できないか」と打診が届き、水面下での検討が進められてきました。

 薗浦氏は翌5月25日、安倍氏に謝氏らとのやり取りを報告して協力を要請しました。2人は前政権で首相と、首相を支える首相補佐官や党総裁外交特別補佐として外交政策を担ってきた間柄でもあったため、安倍氏も「すぐにやろう」と応じました。

 国有財産であるワクチンの譲渡は財務省の了解が必要となるため、麻生太郎副総理兼財務相に報告した上で、菅義偉首相のゴーサインを得ました。関係省庁間の調整役には加藤勝信官房長官が当たりました。

 外務省は当初、コバックスを通じた提供を検討しましたが、安倍氏らから「それでは時間がかかりすぎる」との声が上がりました。台湾側からは「数量はともかく、スピード重視で対応してもらいたい」との意向が伝えられていたからでした。そのため、コバックスではなく日台間の相互援助の一環として提供する方針に転換しました。

 日本が震災や新型コロナのマスク不足で困難に直面した際、台湾からは多額の義援金やマスクが届いた経緯があります。ワクチンはそのほんの一部のお返しという意味がこめられました。

 懸念は中国側の動きでした。台湾はドイツのバイオ企業ビオンテックからの購入に動きましたが、契約寸前で頓挫し、蔡英文総統は「中国の介入で契約できていない」とアピールしました。中国側は妨害工作を否定していますが、もはや中国共産党一党独裁国家のいうことなど信じる者はいません。日本政府としては、中国の動向を注視しながら、情報管理には細心の注意を払い、今回のスピード重視のワクチン提供が実現したのです。

■ワクチン到着までの記事を、時間を遡りながら見てみましょう。

**********共同通信2021年6月4日20:49
日本からのワクチン、台湾到着
蔡政権が歓迎、謝意相次ぐ


台湾北部・桃園国際空港で、航空機から降ろされたワクチンが入ったコンテナ=4日(中央通信社=共同)
 【台北共同】日本政府が台湾に無償提供した新型コロナウイルスワクチンが4日午後、台湾北部の桃園国際空港に到着した。日本が契約した英アストラゼネカ製で、124万回分が供与された。一部の台湾メディアは到着を実況中継。台湾人の関心は高く、党派を超えて日本への謝意表明が相次いだ。日本政府はコロナ対策支援を通じて日台関係を強化する狙い。
 台湾では5月中旬から感染が拡大。防疫の鍵となるワクチンの調達が中国の妨害で遅れていただけに、蔡英文政権は日本からの提供を歓迎。ワクチン不足に不安を強めた市民の怒りに歯止めがかかり、国民党などによる政権批判も勢いをそがれるとみられる。

**********NHK News Web 2021年6月4日18:58
日本政府が無償提供のワクチン 台湾に到着
 新型コロナウイルスの感染が急拡大している台湾に対し日本政府が無償で提供したワクチンが4日午後、台湾の空港に到着しました。
 ワクチンは4日午前、成田空港から航空機で運ばれ、午後、台湾の桃園国際空港に到着しました。
 台湾では先月中旬から新型コロナウイルスの感染が急拡大していますが、これまでに台湾に届いたワクチンはおよそ88万回分にとどまり、蔡英文総統は中国の妨害によって海外の製薬会社からのワクチンの調達が難航していると非難していました。
 今回、日本政府が無償で提供したのは、アストラゼネカのワクチン124万回分です。

 蔡総統は、ワクチンの到着後にオンラインで談話を発表し「奔走してくれた台湾と日本の当局と民間の人たちに感謝します。価値観を共有し互いに支え合う台日友好の真の意味が改めて示されました」と述べました。

 また陳時中 衛生福利部長は、4日の記者会見で「THANK YOU」「台日友好」などと書いたパネルを掲げました。
 そして、WHO=世界保健機関などが主導する国際的な分配の枠組み「COVAXファシリティ」を通じての供給は時間がかかると指摘し、日本がCOVAXではなく直接台湾に提供したことに「とても感謝する」と述べました。
★加藤官房長官「大切な友人 互いに助け合い」

 加藤官房長官は、午後の記者会見で「新型コロナ感染症の収束のためには、あらゆる国、地域において、安全で効果的かつ品質が保証されたワクチンへの公平なアクセスの確保が重要だと考えている」と述べました。
 そのうえで「台湾は、緊密な人的往来と経済関係を有する極めて重要なパートナーで、大切な友人でもある。東日本大震災の際に大変心温まる支援をいただくなど、大規模災害などの際にお互いに助け合ってきた。今回の供与は、こうした考え方に基づいて決定したもので、台湾における感染拡大の防止に寄与することを期待している」と述べました。
 一方、記者団が中国側から外交ルートで抗議などはあったのかと質問したのに対し、加藤官房長官は「少なくとも私のところには、そうした外交ルートを通じた対応があったとは承知していない。報道では『日本はワクチンを政治的に利用している』といったコメントがあったということだが、人道的立場から行っているものであり、政治的利用といった批判は全く当たらない」と述べました。
★中国 台湾 蔡英文政権を強く非難
 日本政府が台湾に対し、ワクチンを無償で提供したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は、4日の記者会見で「台湾の民進党当局は、中国からのワクチンの提供をあらゆる手段で妨害し、さらに中国側がワクチンの調達を阻止していると偽っている。みずからの利益のために政治的な操作を続けている。これは台湾の同胞の命と健康を軽視し、人道主義の精神に反するものだ」と述べ、台湾の蔡英文政権を強く非難しました。

**********時事通信2021年06月04日18:07
天安門「忘れない」 台湾総統、犠牲者追悼

台湾の蔡英文総統=5月4日、台北(EPA時事)
 【台北時事】台湾の蔡英文総統は、中国の民主化運動が武力弾圧された天安門事件から32年を迎えた4日、「天安門広場で犠牲になった若者や、ろうそくをともして毎年追悼していた香港の人たちのことを忘れない」とツイッターに投稿した。
 蔡氏は「自由と民主主義を誇る全ての台湾人が、この日のことを永遠に忘れず、固く信念を守り続けると信じる」ともつづった。
 一方、日本からの新型コロナウイルスワクチン支援に触れ、「自由と民主主義の価値を守るパートナーからの援助に感謝すると同時に、台湾が民主主義に対してさらに自信を持つきっかけになった」と日本の対応を称賛した。

**********東洋経済オンライン2021年06年04日12:15
日本が台湾へワクチン提供「恩返し」の重要な意味
正式な外交関係なくても世論次第でかかわれる


予想外の感染拡大を受けて台湾でもワクチン接種の機運が高まっている(写真:I-Hwa Cheng/Bloomberg)
 6月3日、台湾時間の午後6時過ぎ、台湾の主要メディアは一斉に速報を出した。
 「4日にも日本が台湾にワクチン提供」
 日本政府は4日に、5月から新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する台湾に新型コロナワクチンを提供すると正式に発表した。イギリス製薬大手、アストラゼネカ社製で、すでに124万回分のワクチンを載せた日本航空の飛行機は出発しており、台湾時間午後3時前に到着する予定だ。
 5月末に日本から台湾へのワクチン提供案が明らかになってから、わずか1週間でのスピード決定だった。感染拡大が収まらず、ワクチンの調達にも難航していた台湾はこの朗報に沸いた。
★「3.11」から10年目の日本の動き
 2011年の東日本大震災からちょうど10年目。当時、台湾が200億円以上の義援金を贈り、日台の「友情」が注目された。日台関係の節目となる今年、ワクチンを提供することで日本は「恩返し」する形だ。6月3日、茂木敏充外務大臣は「台湾は東日本大震災の際、いちはやく義援金を送ってくれた。困ったときは助け合うことが必要だ」と強調していた。
 日本が台湾へワクチン提供する案が検討されていることが明らかになったのは5月27日から28日にかけてだ。台湾の陳時中・衛生福利部長(厚生労働大臣に相当)も「早ければ早いほうがいい。遅れると意味がない」と日本への期待を示していた。
 そして6月4日、提供案が明らかになってから1週間でのスピード提供は正式な外交関係がない日台関係にとって異例ともいえる出来事となった。同日にはアメリカも台湾を含む世界各国にワクチンを提供すると明らかにしたが、時期は6月末になるとされ、台湾では日本のワクチン提供の早さにも注目が集まった。
 台湾にとっても今回のワクチン提供はベストタイミングだった。もともと台湾は新型コロナ対策の優等生とされてきた。徹底的な水際対策や疫学調査によって4月末まで累計感染者数を1200例以下に抑えていたからだ。
 ところが、5月に入り、大手航空会社のパイロットの感染やそのパイロットが自主隔離していたホテル、台北市内の風俗喫茶が立ち並ぶ繁華街でのクラスター発生がきっかけとなり、台湾全土に感染が拡大。6月3日時点で累計感染者数が9974人となっていた。
 台湾国内での新型コロナ感染は起こりにくいだろうと考えていたため、多くの台湾人はワクチン接種を希望していなかった。台湾政府も今夏に台湾企業による国産ワクチンが供給される見通しだったため、海外製ワクチンの輸入をあまり優先していなかったようで、感染拡大時のワクチン摂取率は1%にも満たなかった。
 だが、急速に悪化していく事態を目の当たりにして「疫苗荒(ワクチン不足によるパニック)」が問題になるほど、ワクチンへの関心が高まっていた。台湾にとっても今回のワクチン提供はベストタイミングだった。もともと台湾は新型コロナ対策の優等生とされてきた。徹底的な水際対策や疫学調査によって4月末まで累計感染者数を1200例以下に抑えていたからだ。
 ところが、5月に入り、大手航空会社のパイロットの感染やそのパイロットが自主隔離していたホテル、台北市内の風俗喫茶が立ち並ぶ繁華街でのクラスター発生がきっかけとなり、台湾全土に感染が拡大。6月3日時点で累計感染者数が9974人となっていた。
 台湾国内での新型コロナ感染は起こりにくいだろうと考えていたため、多くの台湾人はワクチン接種を希望していなかった。台湾政府も今夏に台湾企業による国産ワクチンが供給される見通しだったため、海外製ワクチンの輸入をあまり優先していなかったようで、感染拡大時のワクチン摂取率は1%にも満たなかった。だが、急速に悪化していく事態を目の当たりにして「疫苗荒(ワクチン不足によるパニック)」が問題になるほど、ワクチンへの関心が高まっていた。
★中国による妨害や牽制も
 感染拡大が顕著になるつれ、台湾政府も海外製ワクチンの確保に向けて積極化。ワクチンメーカーや日米など各国政府にワクチンの供給や融通を水面下で打診した。しかし、ワクチンの確保は難航。台湾政府はその背景に台湾を自国の一部とみなす中国の影響があると主張する。
 5月下旬、台湾の蔡英文・総統はファイザーとワクチンを共同開発しているドイツのビオンテックとワクチンの買い付けをめぐり「契約寸前までいったが、中国の介入で遅れた」と非難。中国の上海復星医薬が中華圏におけるビオンテックのワクチンの独占代理店となったことで、台湾がワクチンを入手できないというのだ。
 中国側はこれを否定したが、中国外交部の趙立堅・副報道局長は「台湾は中国本土からワクチンを簡単に入手できる」と述べたほか、蔡総統の発言に対しては「われわれはこの『総統』なるものを認めていない。彼女は中国の一地区のリーダーにすぎない」と話した。台湾の陳時中・衛生福利部長はビオンテックとワクチン供給について共同発表を行う予定だったが、ビオンテック側が発表文から「国」という表記を削除するよう求めてきたことを明かしている。
 さらに中国は日本によるワクチン供給案が明らかになると、日本側にも牽制をかけた。5月31日、中国外交部の汪文斌・副報道局長は「日本は現時点で自国のワクチンも十分な確保ができていない」とし、「ワクチン援助は生命を救うためだという理念に戻り、政治的な私利のための道具にしてはいけない」と語った。
 実際、日本から台湾へワクチンを提供する案が浮上した際に「世論の反対が起きないかはひとつの焦点だった」と自民党外交部会の議論に参加する国会議員の1人は明かす。台湾にアストラゼネカ製のワクチンを供給しても数量は足りるものの、日本国内でワクチン接種が進んでいないなかで、他国にワクチンを供給することに批判が起きかねないとみられたからだ。5月27日から28日にかけて台湾へのワクチン提供案が浮上しているとの報道も世論の反応をみる観測気球だった。
★「台湾への恩返しをしようという後押しを感じた」
 懸念は杞憂だった。台湾への提供予定が日本では接種を見合わせていたアストラゼネカのワクチンであったこともあるが、「メディアの報道姿勢やそれらへの反応から台湾への恩返しをしようという後押しを感じた」(前出議員)。台湾ではアストラゼネカのワクチンが他社製に先駆けて承認されている。
 正式な外交関係がないことや中国からの圧力を回避するために、当初は国際的なワクチン共同調達の「COVAX(コバックス)」を通じて供給する方法も検討された。ただ、時間がかかることが課題となり、日本政府は緊急措置として日台間の援助の一環としてワクチンを提供する決定を下した。今後も複数回にわたり、台湾にワクチンを提供するとみられる。
 今年4月に行われた日米首脳会談後の共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性」という形で1969年以来、52年ぶりに「台湾」という単語が盛り込まれ、日本として正式な外交関係がない台湾とどう向き合うかが問われている。今回の迅速なワクチン提供は日本の世論が支持すれば、日本は主体的に台湾に関わることができるという実績になった。

**********共同通信2021年6月4日09:39
ワクチン提供、日本の友情証明 台湾各紙が報道

日本政府の新型コロナワクチン提供を1面で報じた4日付の台湾各紙=台北(共同)
 【台北共同】4日付の台湾各紙は、日本政府が台湾に新型コロナウイルスの英アストラゼネカ製のワクチンを提供することを「日本の124万回分が今日台湾到着」との見出しで1面トップに掲載し、日台の友情を改めて証明したと報じた。米国が国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、台湾を含むアジアに700万回分を提供することも伝えた。
 自由時報は「日本は中国の脅しに直面しながら気概を示した」とたたえた。日本政府がアストラゼネカ製を特例承認したものの、国内では当面使わない方針を決めたことを受け、蔡英文総統ら政権幹部が台湾への提供に向けて日本側と交渉を続けたとした。
**********

■ところが日台友好交流を象徴するこの快挙に対して水を差す報道もありました。早大在学中に中国政府給費留学生として2年間中国留学し卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者、同ディレクター、同台北開設支局長などを務めたという自称「売文家」の御仁が日刊ゲンダイに寄せた記事です。

**********日刊ゲンダイ2021年6月4日09:06
友情か政治利用か 台湾にアストラ製ワクチン支援、日本政府への晴れない疑念

台湾の葵英文総統は感謝でも…(C)中央通信社=共同
 コロナ対策“優等生”から一転して防戦一方となった台湾に、日本からアストラゼネカ製のワクチンの供与が検討されることになった。台湾総統・蔡英文は「深い友情に心から感謝」とツイッターに投稿、政権周辺からは感謝が連発された。
 感謝を連発するのも無理はない。コロナ感染爆発を受け蔡英文政権は再選以来、最大の危機に直面しているのだ。感染爆発は“優等生”の仮面を見事に引きはがした。台湾は昨年以来、水際対策に全力を挙げる一方でワクチン争奪戦には全くの無為無策だった。
 アストラゼネカ製約20万人分を備蓄するだけで、血栓の副反応の恐れがあるため誰もが接種しようとしなかった。それが感染爆発で医療関係者らへの優先接種により底をつき、支持率は急下降していたのだ。
 「最大野党の国民党からは、東日本大震災の際、台湾は200億円を上回る義援金を日本に送った、日本は台湾のこの緊急事態に拱手傍観するのか、対日関係は史上空前の良好と胸を張る蔡英文政権は何している!との声が上がり、政治問題化させていましたから」(全国紙元台北支局長)
★毒を送るのと同じこと
 しかし、台湾民間の受け止めは大きく異なる。アストラゼネカ製に大きな懸念が出ているのだ。台湾中立系新聞前社長は疑念を隠し得ない。
 「日本はアストラゼネカ製を使っていない。それを台湾に供与するというのはゴミどころか毒を送るのと同じことだ!」
 日本政府は副反応発生時の補償は供与時期、経路などと併せて早急に検討するという。一方で、台湾への自国産ワクチン無償供与を2度にわたって申し入れ、蔡英文政権に拒否された中国が、台湾はワクチンを独立のために政治利用していると強い不快感を表明した。 「大陸に隣接する台湾の金門島、馬祖島の住民は密かに大陸に渡ってワクチンを接種している。大陸製ワクチンの効力はアストラゼネカには劣るが副反応も小さいといわれているからだ」(前出の台湾中立系新聞前社長)
 友情なのか、政治利用なのか――そんな議論はコロナウイルスの前では台湾海峡両岸の風前の塵。漢人が現実的であることは世界に冠たるものがある。その現実的判断は逆に政治、外交に大きな影響を及ぼすことになろう。 (売文家・甘粕代三)
**********

■賢明なる読者諸氏のバランス感覚からすれば、違和感を禁じ得なかったこととお察しします。

 テレ朝台北支局開設に携わったのであれば、台湾の人々の親日ぶりは熟知しているはずですが、未だに中共側を賛美する論調が抜けないのは、2年間の中国政府官費留学中にハニートラップにかかったか、あるいは、中共に洗脳された可能性が高いのでは、と思わざるを得ません。

 このように、中国共産党の毒牙にかかったジャーナリストは少なくないと思われます。また、外務省内にもチャイナスクールと呼ばれる人たちがおり、中国語を研修言語とした外交官たちが現地に語学留学した際に、中共にいろいろな手口で洗脳され篭絡され、中共賛美の考えに侵されて、平常の判断が出来なくなった輩がいるのは事実です。政治家で言えば、自民党の二階幹事長、立民党の小沢一郎が親中派の代表的な代議士です。

 戦後、冷戦時代は、反共の立場から台湾(中華民国)の国民党と日本の自民党、とりわけ清和会の間に太いパイプが築かれており、清和会の起源である日本自由党の岸信介、鳩山一郎らが台湾と親交を築いていました。その後、その路線は福田赳夫や森喜朗ら、そして岸信介の孫の安倍晋三に引き継がれました。
 ちなみに、群馬県出身の代議士では、福田赳夫の孫の福田達夫、尾身幸次の娘の尾身朝子、上野公成の娘婿の上野宏史が清和会に所属しています。

■一方、台湾側では、その間に国民党に替わり、本省人と呼ばれる台湾語を話す人たちで構成される民進党が政権をとるようになりましたが、それでもなお、絆は維持されてきました。

 昨年7月30日に97歳で死去した李登輝氏の「偲ぶ会」(事実上の国葬)が行われた同年9月19日に森喜朗・元首相が、コロナ禍の中で、8月9日の弔問と併せて2回訪台したことからも、そのパイプの太さがうかがえます。

 他方、台湾の現在の国民党は、かつて国共合作をした中国共産党との内戦に敗れ、台湾に逃げ込み、以来「大陸光復」(中国本土の統一)をスローガンに掲げて中共に対峙していたはずだったのに、いつの間にか中国共産党に同調してしまいました。そして、ついに国民党の馬英九総統が「中台サービス貿易協定」という売国的な協定を締結しようとしたその時、2014年3月18日に、台湾の多数の学生が立法院を実力で3週間占拠し、不平等な貿易協定の撤回を求めたのでした。

 この「ひまわり学生運動」と呼ばれる立法院占拠事件で、台湾の政治は民主化後最大の試練を迎えましたが,王金平立法院長が事態収拾に動き,学生らは3週間に及んだ占拠を終了し立法院を退去しました。この「ひまわり学生運動」によって,「中国に呑み込まれたくない」という台湾人の感情がはっきりと示されたと言えます。

■もしこれが、中共政府だったどうでしょうか。その結果は、1989年6月4日(日)に北京で起きた天安門事件を見れば自ずと明らかです。

 また、2014年当時「一国二制度」による高度な自治を標榜していた香港で、台湾のひまわり学生運動に触発されたこともあり、2017年香港特別行政区行政長官選挙から1人1票の「普通選挙」が導入される予定でした。ところが、中国の全人代大会常務委員会は2014年8月31日、「行政長官候補は指名委員会の過半数の支持が必要であり、候補は2-3人に限定する」と決定しました。その後、香港の民主化諸団体は、「指名委員会の多数は親中派で占められるため、中央政府の意に沿わない人物の立候補を事実上排除する方針だ」として、学生を動員して授業のボイコットを開始しました。

 2014年9月26日から始まった香港特別行政区政府への抗議デモは、「雨傘運動」と呼ばれました。明らかに台湾の「ひまわり学生運動」に触発された行動だとみられます。結局、同年12月15日に警察が最後のデモ拠点を強制排除し、11週間余りにわたり道路が占拠された民主化要求デモは、中共によりねじ伏せられてしまいました。その結果は、現在の香港の実態でお分かりのとおりです。

■この香港における中国共産党の本質の一部始終を見ていた台湾の人々は、民主化を果たした台湾を再認識し、民主化の維持の重要性を痛感したのでした。我々も、現在当たり前に思っているこの民主化の恩恵の重要性について、台湾の人々のように、強く再認識しなければなりません。

【6月5日追記】
 6月4日の夜、台北市にある台北101ビルには、日本への感謝、台日の絆を祝福するメッセージが映し出されています。その内容は以下のとおりです。

↑「台日の絆と感謝」↑

↑「合作對抗疫情」(協力して新型コロナウイルスに立ち向かおう)↑

↑「台日友誼長存」(台日は末永く友情を分かち合おう)↑

↑「台灣💛日本」(台湾♡日本)↑

↑「攜手🤝前行」(手をたずさえて前進しよう)↑
 この地上101階、地下5階、高さ508mの台北101ビルは、台湾で実績豊富な熊谷組を中心としてJVにより7年間の工期を経て2004年12月31日にオープンし、2010年まで世界で最も高い建築物でした。最上階のレポートは次の記事を参照ください。
○2012年8月27日:海外食べある記・・・台湾/台北/欣葉101「食芸軒」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/838.html
 この他にも、かつて世界10大ホテルとして知られていた台北市の円山大飯店の正面の壁面に
「カンシャ」(感謝)の文字がライトアップされました。この円山大飯店は、羽田から台北の松山空港行きフライトで、左側の窓側席に座ると、松山空港への着陸直前によく見えます。


【群馬県台湾総会書記からの報告】

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台湾のワクチン調達を妨害する中共政府に抗して、日本が台湾にワクチンの迅速提供を実行できるか注目

2021-05-29 09:17:00 | 国内外からのトピックス
■5月27日(木)午後4時に予約してあった新型コロナウイルスワクチンの接種をしました。事前に説明書を渡され、重要な事項について医師から直接説明を聞いたうえで、利き腕でない側の上腕三角筋への筋肉注射で、刺した時の感触はしましたが痛みは全く感じませんでした。接種後、15分間別室で休息し、体に変調が出ないことを確認後、1回目の接種証明が貼られた接種票を返してもらいました。接種後の注意として、接種部位をもんだり、つまみ上げたりしないことをアドバイスされました。また、当日は入浴しても構わないが、激しい運動は避けるように、ということです。翌日、注射した部位とその周辺が若干腫れぼったい感じで、触ると軽い痛みのようなものを感じましたが、現在はほとんど気にならなくなりました。2回目の接種は6月17日(木)午後4時の予定です。
※接種前に渡される説明書 ZIP ⇒ 672212_631341da1025_20_001rmpm.zip

1回目の接種の模様。


接種券に貼られた1回目のワクチン予防接種済証(臨時)。臨時とはいえ、いちおう英語でも表記されているので、これを黄熱病のようにパスポートと一緒に出入国時の検疫手続にも活用できるのでは。

■地元安中市内の65歳以上の友人、知人からも、「先週接種した」とか「きのう接種を終えた」などと、ちらほら1回目の接種完了情報が入るようになりました。しかし、最近の変異株は若い世代のかたで基礎疾患がなくても重症化するケースが増えているなどと報じられており、将来の短い高齢者よりも本来は若い世代の皆さんの接種を優先すべきではないか、と筆者は思うところです。

 一方、これまでコロナ感染をほぼ完ぺきに抑えてきた台湾で、5月に入り新型コロナの変異株による感謝者数が急拡大していることについて、筆者は心を痛めていますが、昨日、明るいニュースが報じられました。なんと、日本政府が台湾に対してワクチン供給支援を検討しているというのです。

 日本の役所や政治家には、「検討する」という言葉を、とりあえずその場を凌ぐために多用する性癖があります。なので、今回のワクチン供給支援が、在来の延長線にある「検討」事項にはならないように、強く期待したいと思います。

■さっそく報道記事を見てみましょう。


**********産経新聞2021年5月28日05:00
<独自>政府、台湾へのワクチン供給支援を検討

英アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチン(同社提供)
 政府が新型コロナウイルスの感染拡大でワクチンの確保が課題になっている台湾に対し、国内供給用に調達する英製薬大手アストラゼネカのワクチンの一部を提供する方向で検討していることが分かった。複数の政府・自民党関係者が27日、明らかにした。日本国民への接種は他社製でまかなえる量を確保しており、影響はない見通し。日本と台湾は大規模災害などの際に相互に助け合っていることも踏まえ、今回は緊急措置として支援が必要と判断した。
 政府内では、ワクチンを共同購入して途上国にも分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」を通じて台湾に供給する案が浮上している。今後、台湾当局から必要な供給量や提供時期などを聞き取った上で詳細をつめる。早ければ来月にも提供の実現を目指す。
 台湾の蔡英文総統は26日、一部の海外製薬会社からのワクチン購入に関し、中国の介入で今も契約できていないことを明らかにした。感染が急拡大する中、中国の妨害の影響もあり、人口約2300万人に十分なワクチンを早期に調達することが困難になっている。
 政府は米製薬大手ファイザーのワクチンを年内に1億9400万回分(9700万人分)、米製薬会社モデルナ製を9月までに5千万回分(2500万人分)契約した。両社のワクチンだけで約2・4億回分(約1・2億人分)となり、16歳以上の接種対象者のほぼ全員分を確保している。
 一方、アストラゼネカ製については、年内に1億2千万回分(6千万人分)の供給契約を結んだが、海外で接種後にまれに血栓が生じる事例が報告され、当面公的接種の対象外となった。今後も使い道が決まらなければ、保存期間を迎える可能性も出ている。
 日台の相互支援の歴史は長い。平成23年の東日本大震災では、台湾から日本への義援金が200億円超にのぼった。昨年4月、新型コロナの感染拡大に伴うマスク不足の際には台湾から医療用マスク200万枚が送られた。
 2016年の台湾南部地震では、日本政府が100万ドル規模の支援を表明した。18年の台湾東部地震では、行方不明者の救出を支援する専門家チームを派遣した。

==========産経2021年5月27日08:12
台湾総統、ワクチン購入妨害で中国を批判



26日、台北市の民主進歩党本部で話す蔡英文総統(同党提供・共同)
【台北=矢板明夫】27日付の台湾紙によると、蔡英文総統は26日に開かれた与党、民主進歩党の会合で、新型コロナウイルスのワクチン購入について「私たちはドイツのメーカーとの交渉がほぼ完了していたが、中国の介入により契約できなかった」と話し、中国の妨害活動を批判した。
 報道によると、台湾側は、ドイツのバイオ企業ビオンテックと交渉していたが、同社とすでに契約済みの中国の「上海復星医薬」が、中国本土や香港、マカオだけでなく台湾での販売代理権も自分たちが有している-などと介入。ビオンテック側が台湾との契約を見送った状態だという。
 台湾では5月中旬以降、新型コロナの感染が急拡大したため、ワクチン不足が大きな問題になっている。人口約2300万人のうち、これまでに購入したワクチンは約70万回分だけ。中国が台湾に自国製ワクチンを提供する意向を示しており、親中派の野党、中国国民党も「中国から購入すべきだ」と主張している。
 これに対し、陳時中・衛生福利部長(衛生相)は26日、中国製ワクチンについて「怖くて使えない」と安全性に懸念を示し、拒否する考えを明らかにした。

**********毎日新聞2021年5月28日0:59
アストラゼネカ製ワクチン 政府、台湾へ一部提供を検討

英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン=AP
 英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、日本政府が調達分の一部を台湾に提供する検討をしていることが分かった。台湾はワクチン調達が進まず中国と摩擦を起こしており、日本からのワクチン提供により、中国に対抗する狙いもありそうだ。
 ロイター通信などによると、台湾はアストラゼネカ社、米モデルナ社と供給契約を締結したものの、供給不足で接種が進まず、感染が急速に拡大。台湾は米ファイザー社と共同開発した独ビオンテック社とも交渉を進めていたが、蔡英文総統は26日、「中国の介入のために今も契約ができていない」と中国当局の妨害があったとしている。
 日本政府はアストラゼネカ社と1億2000万回分の供給契約を締結。21日に薬事承認し、同社は9000万回分を国内生産する方向だ。欧州でごくまれな副反応として血栓症が報告されたことから、国内での使用方法は定まっていない。
 政府は国内外での活用を探っており、台湾への提供について具体的な手法の検討に着手。アストラゼネカ社との供給契約には、接種後に健康被害が起きた場合の賠償を日本政府が肩代わりする内容が含まれているため、台湾に提供した場合の責任の所在が課題となる。
 政府はさらに、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(37カ国・地域を担当)を通じて太平洋の島しょ国にアストラゼネカ製ワクチンを提供することも検討。世界中の途上国などに提供する国際枠組み「COVAX(コバックス)」と合わせ、3ルートでの調整を急ぐ。【阿部亮介、堀和彦、横田愛】

**********ロイター2021年5月28日11:13
台湾にアストラゼネカ製ワクチン供与を、自民党が政府に提言へ

5月28日 自民党は午前、外交部会で台湾情勢などを議論し、英アストラゼネカ製など日本が確保した新型コロナワクチンの一部を台湾に提供する案を了承した。写真は5月20日、台北の医療機関で撮影(2021年 ロイター/Ann Wang)
[東京 28日 ロイター] - 自民党は28日午前、外交部会で台湾情勢などを議論し、英アストラゼネカ製など日本が確保した新型コロナワクチンの一部を台湾に提供する案を了承した。党内の手続きを経て、政府に提言する。
 新型コロナの封じ込めに成功していた台湾は、このところ感染者が急拡大。人口約2300万人のうち、ワクチン接種率は1%程度にとどまっている。
 部会長の佐藤正久参議院議員は会合後に記者団に対し、「アストラゼネカ社(のワクチン)を早急に台湾に供与すべき」と語った。「日本はマスクが足りない時に、台湾から大きな飛行機2機が満杯になるくらいのマスクをもらっている。困ったときの相互支援という観点からもワクチン供与はできるだけ早く実現したい」と述べた。
 産経新聞と毎日新聞は28日、政府がアストラゼネカ製ワクチンの一部を台湾に提供することを検討していると報じた。
 佐藤部会長は「提言の方向と合っている。事実であれば非常にいい」と語った。

**********BBCニュース2021年5月28日
台湾が板ばさみ 中国からワクチンを受け取るか、政治的立場を守るか

台湾で新型ウイルスワクチンを接種した人はごく一部だ。写真は新北市の病院で英アストラゼネカ製ワクチンの接種を受ける医療従事者(5月20日)
 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めてきた台湾がいま、初めて深刻なアウトブレイクに見舞われている。
 台湾は市民を守ろうと、必死に新型ウイルスワクチンを探している。巨大な影響力を持つ中国も支援を申し出ている。
 この状況が、台湾の指導者を板ばさみにしている。台湾は、その自治権を失うことを望む国から援助を受けるべきなのか。
 言い換えれば、新型ウイルス対策は政治よりも重要なのか。
 今のところ、台湾は中国政府にノーを突きつけている。

正式な独立を声高に主張する台湾人もいるが、ほとんどの人は中道的な立場だ。写真は独立賛成派のデモ(2018年10月20日、台北)
 今月中旬までは、台湾はこうしたジレンマは抱えていなかった。累計感染者数はわずか1500人、死者数は12人にとどまっていたからだ。
 ところがその後、感染者が急激に増え始め、27日だけで13人が死亡した。
 台湾ではワクチン接種を完了して新型ウイルスから守られている人はほとんどいない。
 今週までに確保したワクチンは約70万回分だけ。接種を受けた人は、人口約2300万人のたった1%だ。

新型ウイルスの感染者の急増を受け、路上で消毒剤を散布する防護服姿の兵士(5月27日、新北)
★中国がワクチン提供の意向
 台湾当局は、感染者の急増に対処するにはより多くのワクチンを、早急に確保する必要があることに気付いた。
 陳時中・衛生福利部長(保健相に相当)は25日、6月中に200万回分が、8月末までに1000万回分のワクチンが到着すると発表した。
 「台湾はワクチン接種の拡大に努めており、輸入ワクチンが続々と到着している」と、蔡英文総統はツイートした。
 ただ、台湾は遠くに助けを求める必要はない。
 中国側の報道官らは、同国が台湾に必要なワクチンを供給する意思があると明らかにしているからだ。
 だが、台湾にとってこの提案に「イエス」と答えるという決断は、政治的に簡単に下せるものではない。台湾と中国が政敵であることがその理由だ。
 台湾の指導者たちは台湾の独立性を高めることを望んでいるが、中国はこれに強く抵抗している。
 中国は台湾を自国の領土の一部と考えており、台湾と中国大陸を統一したいと考えている。そして、こうした立場を受け入れるよう、台湾や世界に圧力をかけている。
 イギリスの東洋アフリカ研究学院(SOAS)のスティーヴ・ツァン教授は、台湾が抱えるジレンマについて説明した。
 ツァン教授によると、ワクチン提供をめぐっては、中国側に失うものはなく、台湾に勝ち目はない状況だという。
 もし台湾が中国製ワクチンを受け入れれば、中国政府が台湾指導者よりも台湾人に気を配っているように見られかねない。
 しかし、台湾が中国製ワクチンを拒否すれば、台湾政府は市民の健康を軽視しているように思われるかもしれない。
 後者の場合、「台湾の印象は非常に悪くなるおそれがある」と教授は述べた。
★中国の提案受け入れるよう圧力も
 蔡総統には中国の提案を受け入れるよう圧力がかかっている。

台北市内の疾病対策センター(CDC)前で、台湾政府に中国製ワクチンを受け入れるよう求める人々(5月24日)
 野党・中国国民党の洪秀柱氏は最近、真の敵は新型ウイルスであり中国政府ではないとし、中国製ワクチンをできるだけ早急に受け入れるよう蔡総統に求めた。
 同様のメッセージは、ほかの人たちも発信している。
 一方、中国国営メディアは蔡氏の苦しい立場を強調することで、台湾への圧力を強めている。
 国営紙・環球時報は蔡氏が中国の親切心と、ワクチン接種を求める台湾人の声を無視していると非難する記事を掲載した。
 蔡氏は自身の立場を強めようと、こうした主張に反論している。
 26日には、米ファイザー/独ビオンテック製ワクチンの供給確保のための交渉を中国が妨害したと述べた。
 「我々は、台湾にワクチンを届けるための我々の活動に対する、外部からの干渉は受け入れない。そして、ワクチン供給を政治的目的に利用しようとする試みも受け入れない」
 蔡氏は中国について、助けてくれるのではなく邪魔をしてくる存在だと主張している。
 ツァン教授は、ワクチンをめぐるジレンマをどう解決しようとも、蔡氏はこの難局を乗り切るだろうと考えている。
 多くの台湾人が中国製ワクチンの安全性や有効性を懸念し、接種を望んでいないことが、そう考える理由の1つだ。
 教授はまた、現在は対処可能な状況にあるとした。
 「台湾が現時点で我々の心を捉えているのは、非常にうまく(新型ウイルスに)対処した前例があるからだ」
 この成功例が感染状況を比較的小さく抑え、ワクチン問題が長期に及ぶ政治的ダメージを蔡氏に与えるのを防ぐはずだと、ツァン教授は述べた。
(英語記事 Taiwan must choose between virus and politics
URL ⇒ https://www.bbc.com/news/world-asia-57246914

**********時事2021年05月28日17:11
政府、台湾へのワクチン提供検討 アストラ製、コロナ感染拡大で

マスクを着用して歩く男性=21日、台北(EPA時事)
 政府が、供給契約を結んでいる英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンについて、台湾への一部提供を検討していることが28日、分かった。台湾は感染が急拡大する中、ワクチン調達は難航しており、速やかな支援が必要と判断した。
 政府は、同社から6000万人分のワクチン供給を受ける契約を締結。ただ、接種後ごくまれに血栓が生じる事例が海外で報告されており、日本国内では当面接種の見合わせを決めている。
 このため、国内外での活用方法を検討しており、政府関係者は「ワクチンの有効期限もあるので、(供給先が)台湾ということもある」と指摘。今後、国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じた提供も含め、具体的な調整を急ぐ。
 これに関し、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「国内の接種対象者の数量を上回るワクチンの他国・地域への供給の在り方を早急に検討したい」と表明。茂木敏充外相も「東日本大震災の時、台湾はいち早く支援してくれた」と述べ、前向きに対応する考えを示した。
 台湾側は調達難航の理由について、中国が障害になっているとの見方を示している。日本側のワクチン提供は、中国に対抗する狙いもありそうだ。

**********フォーカス台湾2021年05月28日17:24
日本が台湾にワクチン提供検討 陳指揮官「もちろん歓迎」早期の実現望む

中央感染症指揮センターの陳時中指揮官=同センター提供
(台北中央社)日本政府が英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを台湾に提供する方向で検討していると一部日本メディアで報じられたのを受け、中央感染症指揮センターの陳時中(ちんじちゅう)指揮官は28日午後の記者会見で、ワクチンが台湾に入ってくることは「もちろん歓迎する」と述べ、「時期は早いほうがいい」と早期の実現を願う考えを示した。
 産経新聞は28日付で、複数の日本政府・自民党関係者の話として、日本政府が国内供給用に調達するアストラゼネカのワクチンの一部を台湾に提供する方向で検討していることが分かったと報じた。早ければ来月にも提供の実現を目指すと伝えた。
 茂木敏充外相は28日午後の記者会見で、台湾へのワクチン提供について、東日本大震災発生時に台湾からいち早く義援金が寄せられたことに言及した上で、台湾のワクチンの生産体制が「7月くらいにはかなり整ってくると思うが、それ以前の段階ではワクチンが不足している状況にあると思う」とし、生産地の状況や日本との関係などを考えながら「しっかり検討していきたい」と述べた。
(張茗喧、江慧珺/編集:名切千絵)

**********NHK News Web 2021年5月28日23:07
“台湾へのワクチン提供を検討” 茂木外相

 新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、茂木外務大臣は、国内の接種対象を上回る分はほかの国、地域へ提供していくとして、台湾への提供も検討する考えを示しました。
台湾では、5月中旬から新型コロナウイルスの感染が急拡大し、ワクチン接種の加速が課題となっていますが、蔡英文総統は、先に、海外の製薬会社からのワクチンの調達が中国の妨害でさらに難しくなっていると主張しました。
 これに関連して茂木外務大臣は記者会見で「あらゆる国、地域で、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスが確保されることが重要だ」と述べ、国内の接種対象を上回る分のワクチンについては、ほかの国・地域に提供していきたいという考えを示しました。
 そのうえで「台湾は東日本大震災の際、いち早く義援金を募り、さまざまな支援をしていただいた。台湾のワクチンの生産体制は7月にはかなり整ってくると思うが、それ以前の段階では不足している状況にあると思う。しっかり検討していきたい」と述べました。
★加藤官房長官 「ワクチンへの公平なアクセス重要」
 加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「日本としては、あらゆる国と地域において、安全で効果的なワクチンへの公平なアクセスが確保されることが重要だと考えている」と述べました。
 そのうえで、国内では、当面、ファイザーとモデルナのワクチンで、必要な数量がまかなえる見通しになっているとして、それを上回る分のワクチンをほかの国や地域に供給することを検討する考えを示しました。
 日本が契約しているワクチンのうち、アストラゼネカのワクチンは、極めてまれに血栓が生じるリスクがあると指摘されていることから、厚生労働省は、当面、公的な接種に使わず、推奨する年齢などを慎重に検討する方針です。
★台湾 外交部がコメント「心から歓迎し感謝する」
 これについて、台湾の外交部が28日夜「心から歓迎し、感謝する」というコメントを発表しました。
 外交部は「日本が自国の感染状況も厳しい中で、進んで台湾への温かい配慮を示したことは『まさかの時の友こそ真の友』という得難い友情を存分に発揮するものであり、台湾の人たちは大いに鼓舞された」としています。

**********日経2021年5月29日5:00
台湾へのワクチン提供へ交渉 政府、アストラ社と

英製薬大手アストラゼネカが開発したワクチン=ロイター
 政府は英製薬大手アストラゼネカが開発したワクチンの調達分の一部を台湾に供給できるよう同社と交渉を始めた。ワクチン調達が進んでいない台湾への緊急支援をめざす。政府はアストラゼネカと海外に譲渡できない契約を結んでおり、同社の了解を得る必要がある。
 日本政府は米ファイザーと米モデルナのワクチンで約2.4億回分(約1.2億人分)を確保している。アストラゼネカとは1.2億回分の供給契約を結んだ。21日にアストラゼネカのワクチンを薬事承認したが、日本国内の公的接種の対象から当面外す方針だ。
 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で「国内の接種対象者の数量を上回る分のワクチンは、他の国・地域への提供について早急に検討する」と述べた。茂木敏充外相は対象国・地域に関し「日本との関係なども考えながら検討していきたい」と説明した。
 日本政府によるとアストラゼネカとの契約はワクチンの他国への譲渡を認めていない。国同士の横流しを防ぐ目的だという。厚生労働省が同社と台湾への供給実現を念頭に契約内容の修正交渉を進める。
 日本政府は米欧などと連携し、ワクチンを途上国に無償で分配する枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を重視してきた。各国が拠出額を出し合い、ワクチンを調達する。
 台湾へのワクチン供与を巡っては、自民党の外交部会などが日本政府に対応を促す。28日の会合で示した台湾政策全般をめぐる提言案にも盛り込んだ。
 提言案は外交部会の台湾政策検討プロジェクトチーム(PT)が作成した。台湾が環太平洋経済連携協定(TPP)に参加するよう日本政府に働きかけを求めた。日台間の海上保安連携の強化も取り上げた。

**********東京新聞2012年5月29日
アストラ製日本契約分 台湾に一部提供へ
 成宇は、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、契約分の一部を台湾に提供する方向で検討に入った。東日本大震災の際に手厚い援助を受けた経緯などを踏まえ、ワクチン調達が難航する台湾を支援する狙い。茂木敏充外相は二十八日の記者会見で「我が国との関係を考え、しっかり検討していきたい」と表明した。
 政府が六千万人分を契約済みのアストラゼネカ製は二十一日に特例承認されたが、まれに血栓の副反応が海外で報告された例もあり、当面は国内で使わない方針。政府は、米ファイザー製と米モデルナ製で十六歳以上の全国民に必要な量を契約できたとしており、国内のワクチンに不足は生じない。
 台湾の蔡英文総統は二十六日、ドイツのバイオ企業ビオンテックが開発したワクチン購入で契約寸前に至ったものの「中国の介入で今も契約できていない」と訴えた。台湾紙は、中国の干渉によって別の交渉も絶たれたと報じている。
 日本が台湾を正式な国家として承認していないことや、中国への刺激を抑える観点から、民間の企業や団体を介した提供を模索している。
 ワクチンを途上国にも行き渡らせることを目指す国際枠組み「COVAX(コバックス)」は今回、通さない方針だ。
**********

■記事にもあるとおり、日本政府が迅速な対応として、台湾にワクチンの供給支援をすれば、これまでの台湾の皆さんの我が国に対する温かい支援に少しでも報いることができます。菅政権には1日でも早く、1つでも多くのワクチンを台湾に届けるよう、全力を尽くしていただきたいと強く希望しています。

【群馬県台湾総会書記からの報告】

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7月8~14日にWEBで開催!2年ぶりの台湾フェアin群馬2021…乞うご期待!

2021-05-26 23:33:00 | 国内外からのトピックス
■2016年からスタートした台湾フェアin群馬。回を重ねるごとに、群馬県民の皆様に親しまれており、「今年はいつ開催?」と訊かれる機会が増えた矢先、昨年は中共由来の武漢肺炎ウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大のため、中止せざるを得ませんでした。それから1年。新型コロナ禍で、経済社会の在り方が揺れ動く中、群馬県台湾総会では、渡航できなくても何とかして群馬県民の皆様に台湾の最新事情と日台交流の歴史と今後についてお伝えすべく知恵を絞って参りました。その結果、WEB方式を取り入れて7月8日(木)から14日(水)にかけて、「WEB台湾フェアin群馬2021」を開催することに決定しました。現在、コンテンツのさらなる充実に向けて、群馬県台湾総会会員一同、総力を挙げて取り組んでいます。ぜひご期待ください!

2年前の令和元年7月5・6日に開催された台湾フェアin群馬2019のポスター

【6/25お詫び】
 この記事は、5月26日に一旦掲載しましたが、その後、一部のマスコミで、このブログ情報をもとに6月4日付で記事化したところ、群馬県から群馬台湾総会に対し、山本一太知事の意向として、サプライズを演出する必要があるため、事前公表を控えてほしいとの要請が寄せられました。
 そのため、6月5日から一旦掲載停止を余儀なくされましたが、このほど、公表できる状況になったことが確認できたため、掲載を再開することとしました。
 ご心配をおかけした読者の皆様に対し、この場をお借りしてお詫び申し上げます。


 これまでの台湾フェアin群馬についての記事は以下のとおりです。
○2016年7月10日:7月8日(金)~10日(日)に県庁1階県民ホールで「台湾フェアin群馬」が開催されます!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2027.html
○2016年7月12日:台湾フェアにお越しくださった1万人余りの皆様に厚く感謝もうしあげます。
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2087.html
○2017年7月15日:昨年大盛況だった台湾フェア・・・今年もご要望に応えて7月15・16日に群馬会館で開催決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2329.html
○2017年7月16日:楽しさテンコ盛り・・・大盛況の台湾フェアin群馬の初日
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2364.html
○2017年7月17日:大盛況のうちに終了した今年2017年の台湾フェアin群馬
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2366.html
○2018年5月30日:例年大盛況の台湾フェア・・・今年もご愛顧に応えて7月6~8日に県庁1階で盛大に開催決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2655.html
○2018年7月6日:思い立ったら台湾日和・・・台湾フェアin群馬2018がいよいよ今日から群馬県庁1階ホールで開催中
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2687.html
○2018年7月8日:台湾フェアin群馬2018・・・初日に続き二日目も大盛況
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2689.html
○2018年7月9日:大盛況だった台湾フェアin群馬2018を振り返って
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2692.html
○2019年7月7日:関東三大台湾イベントのひとつ台湾フェアin群馬・・・今年も7月5・6日に県庁1階で盛大に開催!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2960.html

■現時点でのWEB台湾フェアin群馬2021の最新プログラム案は次のとおりです。

*****プログラム案*****
テーマ:WEB台湾フェアin群馬2021
(令和3年7月8日(木)~14日(水)フェア開催中公開)

■内容:①展示区画
    ②交流区画(WEB)
    ③映像区画(WEB)
■期日:2021年7月8日(木)~14日(水)
   ・展示:10:30~未定(コロナ感染状況により最終決定)
   ・交流:7月8日(木)18:00~19:30
       7月9日以降(調整中)
   ・映像:随時
■場所:展示:群馬県庁1階県民ホール(群馬県前橋市大手町1-1-1)
    交流:WEB対談(群馬県庁32階Tsulunosスタジオ)
    映像:WEBデザイン中
■主催:群馬県台湾総会、群馬県、(公財)日本台湾交流協会
■協賛:台北駐日経済文化代表処、台湾観光協会東京事務所、台湾僑務委員会、(一財)台湾協会、前橋市、沼田市、桐生市、みなかみ町、東吾妻町
■後援:上毛新聞、NHK前橋放送局、群馬テレビ
【各区画のコンテンツ】
展示区画:1.群馬県台湾総会の20年間の活動記録
     2.群馬県と高雄市、台中市、彰化県との交流記録
     3.群馬県内の各市町村と台湾各地自治体との交流記録
     4.台湾観光協会東京事務所提供による台湾の風景ポスター
     5.台湾の「世界遺産」クラスの景勝地の写真
交流区画:1.オードリー・タン政務委員(デジタル担当)と群馬県知事・学生の皆さんとのWEB対談
映像区画:1.主催者&来賓ご挨拶(WEB動画)
     2.高雄市、台中市、彰化県、台南市の観光名所と空撮映像の観賞(3市1県が提供したオフィシャルWEB動画)
     3.高雄市、屏東県空撮風景(WEB動画)
     4.「南投県翠峰茶畑巡礼」映像観賞(WEB動画)
     5.「楽しい桃園市大渓エリア」映像観賞(WEB動画)
     6.台湾にいる日本人留学生による現地の大学の校風紹介(WEB動画)
     7.群馬県台湾総会の活動をふりかえる映像(WEB動画)
     8.写真で見る台湾総会20年の足跡(WEBスライドショー)
     9.台湾料理学習編:ルーローファン(滷肉飯)とパイナップル饅頭(WEB動画)(講師:会員)
     10.簡単語学学習編:華語・台湾語(WEB動画)  (講師:会員)
     11.台湾と日本の植物比較編(WEB動画)    (講師:会員)
     12.台湾ウーロン茶おもてなし編(WEB動画)   (講師:会員)
     13.台湾懐かしい流行歌編(WEB動画)     (講師:会員)
*********

■ご覧のとおり、一番の目玉イベントは、台湾のコロナ感染を水際でストップした台湾で、デジタル技術の専門性を買われて弱冠35歳で2016年10月に蔡英文政権下で行政院に入閣し、無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)を務めるオードリー・タン氏とのWEB対談企画です。

 この企画を群馬県台湾総会が、群馬県側に伝えたところ、知事戦略部地域外交課の目に留まったのでしょうか。すぐさま山本一太知事自ら対談参加を買って出ました。案の定、総額2億円以上を掛けた県庁32階の動画放送スタジオ「ツルノス」でオードリー・タン大臣と若手世代の間に割り込んで、知事としてのスタンスをPRすべく、意気込みの程がうかがえます。

 しかし、山本一太知事は、新型コロナウイルスの感染拡大が日本でも不安視され始めた昨年2月6日、当時「武漢肺炎」と称された未知のウイルスによる疫病が拡大中だった武漢市に対し、県内にある日本精密測器(渋川市)と県立産業技術センターが共同開発した非接触型体温計100本と使い捨てのマスク2万400枚を、日本政府の武漢行きチャーター機に積んで送るなど、中共政府にのめり込む性向があるだけに、きちんと公平な目線で台湾の主要閣僚との対談をこなせるのかどうか、不安視する向きもあります。

2020年4月9日、中国から届けられた支援物資のマスクを県庁で紹介する山本一太知事

■現在、台湾では、中華航空の国際線パイロットが持ち込んだ新型コロナウイルスの変異株による感染急拡大に直面しています。この混乱に乗じて、中共が、さまざまなデマや嫌がらせをして、台湾独立を志向する蔡政権への揺さぶりをかけています。

 1年4カ月にわたり、新型コロナウイルス対策に成果を上げてきた台湾ですが、このままコロナ感染急拡大を許せば、台湾侵攻を狙う中共政府や、その意を汲んで、民進党政権の施策をことごとく否定する国民党の残党が息を吹き返すことが懸念されます。

 少しでも気を緩めると、あっという間に感染が拡がるタチの悪い、この中共由来の「武漢」ウイルスの脅威を台湾政府はあらためて痛感していることでしょう。現在、ロックダウン一歩手前の措置を講じていますが、今後の動静には目が離せません。

 そうした国際情勢も頭に入れつつ、来る7月8日から14日にかけて開催予定のWEB台湾フェアin群馬2021にご期待ください。

【群馬県台湾総会書記からの報告】

※関連報道
**********BBC2021年5月20日
台湾とシンガポールで感染急増 何がまずかったのか

マスクをして寺院で手を合わせる台湾の市民
 シンガポールと台湾は新型コロナウイルスの感染者がほとんど確認されず、対策に成功したと称賛されてきた。
 しかし今月に入り、この2地域で感染者が急増している。シンガポールは先週だけで新規感染者が248人を記録。台湾は域内での感染が1200人を超えた。
 どちらも一度に集まる人数を規制し、学校を休校にするなど、極めて厳しい社会制限を実施してきたのにだ。
 世界全体で見れば、いずれの感染者数もたいしたことないようにみえる。だが当事者にとっては、つい1カ月前までは想像できなかった人数だ。何があったのか?
◆台湾:十分だと満足
 中国が新型ウイルスの出現を報告した後、真っ先に海外からの渡航を禁止したのが台湾だった。厳しい水際対策はいまも続いている。
 だが台湾の中では、人々と政府の間に大丈夫だという感覚が広がり出した。
 病院は積極的な新型ウイルス検査をやめた。国立台湾大学の林先和副教授は、感染者に多い発熱の症状がある人に対しても実施されなくなったと話す。
 新型ウイルス関連のデータをオンラインでまとめている「アワ・ワールド・イン・データ」によると、台湾でウイルス検査を受けたのは、2月中旬時点で1000人あたり0.57人だけだった。同じ時期、シンガポールでは6.21人、イギリスでは8.68人だった。
 「症状が出ている人々の間でさえ(新型ウイルス感染症の)COVID-19になる可能性は実質的にゼロだという感覚が広がっていた」と林副教授はBBCに説明した。根底には、台湾の厳しい水際対策が新型ウイルスの侵入を許すことはないという思い込みがあったという。
 「医師たちは真剣に受け止めず、病院も警戒せず、接触者の追跡もあまりしなかった。これで十分だといった感覚が間違いなくあった」
 そのことをよく示していたのが、ワクチン未接種の航空機パイロットの隔離ルールだ。当初は14日間の隔離を義務付けたが、その後5日間に短縮され、さらに3日間に縮められた。
 それからまもなく、中華航空のパイロット数人が絡んだ感染クラスターが発生した。パイロットらは、台湾の桃園空港近くのホテル「ノボテル」に宿泊していた。後日、イギリス型変異株「B117」に感染していることが確認された。
 このウイルスが地域で拡大し、やがて台湾の「茶芸館」(風俗店)にも広まった。

台湾では風俗街で感染が拡大した
◆「日本から学ばなかった」
 「換気されている屋内で、人々が酒を飲んで歌い、接触を繰り返した。1カ所の茶芸館だけでなく、通りに並ぶ多くの店で同じ状況だった。ものすごい規模のスーパースプレッダー・イベント(感染を急拡大させた事案)だった」と、林副教授は話した。
 伝染病学者で元台湾副総統の陳建仁教授は、ウイルス検査で陽性と判定された人の多くが、風俗街に出かけたことを隠しがちなことも、接触者の追跡をいっそう難しくしていると話す。
 「ごく少数の人がルールを破っただけで拡大につながることを、今回のことは見せつけている」と陳教授は話した。
 陳教授はまた、台湾が日本の風俗業界を見習わなかった点も指摘した。日本でも風俗店で感染が急拡大したが、その後に休業が要請された。
 「台湾は日本から学ばず、同じ問題に直面すると考えなかった」
 シンガポール国立大学(NUS)のアレックス・クック准教授は、台湾の状況について、「水際対策を重視し過ぎ、国内での感染拡大防止対策を十分取らない戦略のリスクを示している」と述べた。
◆シンガポール:すき間から拡大
 シンガポールは、台湾と話が異なる。
 感染者が少ない状況が続く中、シンガポールでは常に厳しい対策が取られてきた。会合は8人までとされ、クラブは営業が禁止されている。結婚式のような大規模な集会は、いまも参加人数が制限されている。
 だが、ワクチン戦略にはまだ欠陥があり、今月半ばにはチャンギ国際空港が、今年の国内最大の感染クラスターとなった。同空港には人気ショッピングセンターがある。
 当局の調査で、東南アジア諸国など高リスク国からの渡航者が到着するゾーンで働く空港スタッフに、多数の感染者が出たことが判明した。
 それらのスタッフの一部は、一般の人々も利用する空港内のフードコートで食事をし、感染を拡大させた。
 これを受け、シンガポールは現在、同空港の複数のターミナルを一時的に閉鎖している。

シンガポール・チャンギ国際空港
 その後、感染した人の多くが、インドで最初に見つかった感染力の強い変異株「B1617」に感染していたことが判明した。
 シンガポールは、高リスクの国・地域からの航空機や乗客と、低リスクの場所から来た航空機や乗客を分けて対応すると発表した。スタッフも囲いを設けてゾーンごとに分離するとした。
 インターネット上では、なぜもっと早くそうした措置を取らなかったのかと疑問視する声が出ている。問題点は1カ月前から指摘されていたという。
 しかし、NUS公衆衛生学部トップのテオ・イク・イン教授は、新たな変異株がシンガポール国内に入り込むのは「不可避」だったとの見方を示した。
 「人々がいら立つのは理解できる。シンガポール国民の大半はとてもまじめに制限に従ってきた」
 「だが私たちは、国境を完全に封鎖できる中国とは違う。私たちの国としての評判や経済は、貿易のハブ(中継地)としての地位と関係している」
 「アメリカでは去年、最悪のウイルスは中国からではなく、ヨーロッパを訪れた旅行者からもたらされた。シンガポールは何カ国に対して国境を閉鎖できるというのか。1つの国を受け入れなければいいわけではないことを、理解しなくてはならない」
 NUSのクック准教授は、シンガポールはまだ、感染の拡大を抑えられる可能性は高いと話す。
 「『まずいことになった』と言うのはまだ早い。シンガポールは対策を強化してはいるが、かなりいい状態にある」
 「1日あたりの感染者数は、人口に合わせてイギリスと比較すれば、イギリスの10%ほどだ。言い換えれば、シンガポールは新型ウイルスが手に負えなくならないように、対策を強化しているところだ」

**********日経2021年5月23日21:02
台湾、コロナ感染者数を再修正 実際より3割少なく公表

台湾当局の陳時中・衛生福利部長は23日、再び新型コロナの感染者数を修正した(台北市)
【台北=中村裕】台湾当局は23日、新型コロナウイルスの感染者数の直近1週間の発表に誤りがあったことを明らかにした。22日に実際よりも400人少なかったと修正したばかりだが、23日は、さらに170人を上積みした。計570人の集計漏れがあったという。感染が急増するなか、当局の発表数字の信頼性が問われる。
 訂正したのは、16~22日までの7日間の感染者数で、合計は2535人だった。当初は1965人と発表しており、実際に比べ、約3割も集計を誤っていたことになる。
 当局で新型コロナ対策の指揮を執る陳時中・衛生福利部長は、23日に開いた記者会見で「(感染者が見つかった)地方から(中央の)当局への通報システムが複雑で問題があった。(感染急増で)システム上の渋滞も起こしてしまった。人手も不足していた」と、釈明した。
 感染拡大を受け、台北市の当局は23日、24日から飲食店での店内飲食を全面的に禁止すると発表した。
 新型コロナを抑えていた台湾では、中華航空(チャイナエアライン)の国際線パイロットが4月後半、隔離用のホテルで感染を大きく広げてしまった。隔離が徹底されず、ホテル従業員などに一気に感染が広がった。
 通常、台湾に入境後は2週間の隔離が必要だが、パイロットには3日間のみで隔離が済む特例が与えられていたことも、感染拡大につながったとみられる。
 5月初旬には、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が執務をおこなう官邸の「総統府」にも近い、台北市内・萬華区の風俗店周辺で、クラスター(感染者集団)が発生し、感染者が急増した。
 23日も感染拡大が止まらない。新たに290人の感染者を確認した。8日連続で200人以上の感染者が見つかった。台湾の累計感染者は4322人、死者は累計23人となった。

**********ロイター2021年5月24日2:59 午後UPDATED
新型コロナで中国がフェイクニュース拡散、台湾が批判
[台北22日ロイター] - 台湾内政部次長のChen Tsung-yen氏は22日、中国が新型コロナウイルスの感染状況に関するフェイクニュースを流していると批判した。
 同次長は会見で、中国の台湾に対するプロパガンダ(宣伝工作)や誤報がもたらす危険性を「はっきり認識している」と述べ、フェイクニュースの内容を説明し続けているのは注意喚起のためだと説明した。
 台湾の蔡英文総統が新型コロナに感染しており、それが隠されているなどといったフェイクニュースがネット上には流れていると指摘し、「これは非常に不快なフェイクニュースだ」と批判した。
 蔡氏は、総統公邸でスタッフのコロナ感染が確認されたため、ウイルス検査を受けたが陰性だった。

**********NHK News Web2021年5月25日19:12
感染拡大続く台湾 上から2番目の警戒レベル 来月14日まで延長

 台湾では新型コロナウイルスの感染拡大が続いていて、当局は、屋内で5人以上が集まることなどを禁じる警戒措置を、予定より半月以上延ばして来月14日までとすることを決めました。
 台湾では新型コロナウイルスの感染確認が今月中旬から急増し、海外から到着した人などを除いた域内での感染確認は今月14日までの累計が160人台だったのに対し、15日以降だけで4000人を超えています。
 当局は、感染者が特に多い台北市と新北市で15日から、そのほかの地域も19日から警戒レベルを4段階の上から2番目に引き上げ、屋内で5人以上、屋外で10人以上の集まりを禁じたり、学校での対面の授業を取りやめたりしています。
 この措置は今月28日までの予定でしたが、当局は半月以上延ばして来月14日までとすることを決めました。
 陳時中 衛生福利部長は「感染者に症状が出た日から検査結果が出るまで日数がかかっていて、知らないうちに家庭内や地域などで感染を広げているケースが懸念されるためだ」と説明しています。
 人口2350万の台湾にこれまでに届いたワクチンは70万回分余りにとどまっていますが、陳部長は8月末までには台湾製のものも含めて1000万回分を調達できるという見通しを示しました。

**********Bloomberg2021年5月25日18:08JST
日本と台湾が転落、10位の圏外-新型コロナ時代の安全な国ランキング
★日本は14位に急落-ワクチン出遅れが響き7位後退
★ワクチン接種を進めた米欧の順位上昇-アジアと明暗

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)を巡りブルームバーグがまとめる世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」には今月、大きな変動があった。シンガポールがトップの座を失ったのをはじめ、これまで感染を抑え込んできたアジアの国・地域が後退。一方、ワクチン接種で先行した国々は引き続き順位を上げた。
 5月の番付で最も順位を落とした7カ国・地域は全て、これまで新型コロナ対応が称賛されてきたアジア太平洋地域に位置している。日本と台湾はワクチン接種の出遅れと感染再拡大でトップ10から脱落。東南アジアと南アジアでは世界最悪の感染拡大に見舞われているインドを含む国々が順位を下げた。
 7月に予定する東京五輪を前に感染を抑え込もうと政府が緊急事態宣言を延長している日本は7位後退し14位。台湾は15位と、4月の5位から急落した。数カ月にわたり域内感染がなかった台湾だが、今月に入って感染者が急増し、緩やかなロックダウンに至っている。  
 対照的に、欧州の一部と米国は大流行が徐々に収まり着実に順位を上げている。ワクチンで抗体を得た人が増えるのに伴い各国は旅行を解禁、マスク着用の義務をなくし、COVID19から自由になろうとしているようだ。英国は7位躍進して11位、米国は13位に順位を上げた。
 欧米とアジアのこの逆転劇は、ワクチン、特に画期的なメッセンジャーRNA(mRNA)技術を採用したワクチンの効果を反映している。mRNAワクチンには重症化を防ぐばかりでなく、感染自体を抑える働きがあるようだ。欧州のワクチン接種が加速しロックダウン(都市封鎖)が解除されるのに伴い、フランスとポーランドはそれぞれ18段階、13段階も順位を上げた。



 COVID耐性ランキングは幅広いデータを用い、社会・経済への影響を最小に抑えつつ最も効果的な新型コロナ対応を取っている国・地域を特定する。死亡率や検査率、ワクチンへのアクセス、移動の自由などを勘案する。国(域)内総生産(GDP)2000億ドル(約21兆7000億円)超の国・地域を毎月比較する。
★ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明
 3月まで5カ月連続で首位だったニュージーランドは5月にトップの座に返り咲いた。同国は国内から新型コロナをほぼ駆逐し、国民は海外渡航を除きコロナ前と同じ自由を謳歌(おうか)している。
 しかし、ワクチン接種が始まったばかりで接種を受けた人が国民のわずか5%にすぎないニュージーランドには、かつての抑え込み成功組と同じ道筋をたどるリスクがある。
Staying Home
Singapore moves back toward lockdown as local infections rise
Source: Singapore Ministry of Health, Google Covid-19 Community Mobility Reports
Note: Data takes seven-day average to smooth out fluctuations.
  厳密な国境管理をくぐり抜けて感染が再燃したシンガポールと台湾は、経済再開を既に始めている欧米諸国の一部で今も見られる症例数をはるかに下回る感染例に対しても積極的に対応を講じるため、制限措置を繰り返し導入するサイクルに陥る恐れがある。わずかな感染例も許さない姿勢はランキング3位のオーストラリアと9位の中国、10位の香港にも見られるが、世界の他の国・地域が新型コロナの存在を受け入れ前へ進もうとする中で弱点になるかもしれない。
Slow Vaccinations
At current paces, it will take some Asia economies years to build immunity
Source: Bloomberg's Covid-19 Vaccine Tracker
Note: Based on current vaccination pace. Data as of May 25. Bangladesh and Vietnam need 10+ years.
  新たな変異株の出現が続く中、シンガポールはワクチン接種の方法について検討し、2回の接種の間隔を広げることを計画している。限られたワクチンを成人人口のより多くに行き渡らせるため、昨年12月に英国が採用した戦略だ。容赦ない感染拡大で1家族全員が死亡するという悲劇も起きたインドも同じ作戦を取る。1日の新規感染が約25万件、死者数が4000に上る同国は20位下げて53カ国・地域で下から4番目の順位となった。
  最下位はアルゼンチン。新規感染者が前回の最多を超え、制限措置を強化した。
  今問題なのは、インドや中南米で出現して懸念を深めている新しい変異株が、米国やイスラエル(4位)などでの正常化の取り組みを頓挫させないかということと、アジアがワクチン接種で先行組に追いつけるのかということだ。
Waning Waves
Covid cases have declined in vaccine front-runners
Source: Johns Hopkins University
Note: Figures based on rolling seven-day total
  6月のランキングでは、世界の旅行復活と経済再開への道筋が鍵になるだろう。

**********ロイター2021年5月26日6:31 午後2時間前更新
台湾と独ビオンテックのワクチン契約、中国が妨害=蔡総統

5月26日、台湾の蔡英文総統はドイツのバイオ医薬会社ビオンテックから新型コロナウイルスワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した。台北の検査会場で25日撮影(2021年 ロイター/Ann Wang)
[台北26日ロイター] - 台湾の蔡英文総統は26日、ドイツのバイオ医薬会社ビオンテックから新型コロナウイルスワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した。
 台湾は英アストラゼネカ、米モデルナ両社に数百万回分のワクチンを発注したが、およそ70万回分しか届いておらず、接種率は約1%にとどまっている。
 蔡氏は与党・民進党の会合で、アストラゼネカおよびモデルナとの契約は「円滑に」進んだとする一方で「ビオンテックについては、同社の独工場から調達する契約が完了寸前だったが、中国が介入したため合意できていない」と説明した。
**********

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新型コロナのワクチン接種を巡り県内各地で狂騒曲の競演

2021-04-28 22:31:00 | 国内外からのトピックス

■新型コロナウイルスのワクチン接種について、群馬県内では高齢者向けの接種が4月12日に前橋、高崎両市を皮切りに始まりましたが、それ以外では、富岡市や甘楽町などの4市町村が4月20日から、高齢者分の予約の受け付けを始めました。ところが初日から申し込みが殺到し、一日中電話を掛けても繋がらないという苦情が多数、役場に寄せられたということです。筆者の在住する安中市では、4月26日に高齢者を対象に606人分の集団接種予約の受け付けが始まりましたが、その日のうちに定員に達し、受付が打ち切られました。公立碓氷病院では業を煮やした高齢者市民が多数押し掛け、不満をぶちまけるなど、大変な騒動を呈していたとの目撃談が寄せられています。

3月15日に安中市内に配布されたワクチン接種予約の予告チラシ



 限られた人数枠での予約受付となることから、事前に混乱は十分予想されていたにも拘らず、安中市をはじめ多くの自治体では、何の対策も打たないまま予約開始日を迎えたことは、行政の事務事業の効率の劣化を象徴するものです。

 他方、接種対象者に対して、事前にアンケート調査や聞き取り調査を実施して、それに基づいて接種スケジュールを予め組み立てていた嬬恋村など一部の自治体では、スムースに予約業務が進行しました。安中市も、市庁舎建替えアンケートなどせずに、事前にコロナワクチン接種アンケート調査を行うべきでした。

■安中市では、3月15日にコロナワクチン接種予約の予告チラシが市民に配布され、4月19日から65歳以上の高齢者を対象に接種券の発送が開始され、同26日(月)に接種予約を開始しました。

 運よく予約がとれた606人の集団接種は、安中市総合体育館で5月27日から毎週木曜日ごとに、6月3日、10日、17日、24日まで毎回78人分ずつ、また、松井田保健センターで6月1日から毎週火曜日ごとに、6月15日、22日まで毎回54人分ずつ実施される予定です。

 幸い筆者は、個別接種のかたちで市内のかかり付けの医院で5月27日に受けられることになりましたが、家族は次回5月10日(月)の予約待ちとなりました。

 それにしても、このペースだと、高齢者全員の接種が終わるのは、6月末など絶対に不可能であり、いつになるのか、皆目見当もつきません。群馬県HPによれば、県内のワクチンの接種状況について、4月21日時点で、優先接種対象の医療従事者等でさえも、接種予定者数67,896人に対して、1回目の接種を受けた人が24,531人(36.14%)、2回目の接種を済ませた人が13,463人(19.83%)であり、医療関係者でさえも、まだ5人に1人程度しかワクチン接種を済ませていない状況にあります。ちなみに65歳以上の高齢者の接種状況は、4月21日時点で1090名となっています。

 なお、渋川市のワクチン接種の狂騒状況については次のブログ記事をご覧ください。
○2021年04月27日:75歳以上にLINEだって!お役人様何か変ですよ?
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/34932682.html

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

※関連情報「県内のワクチン接種報道記事」
*********上毛新聞2021年04月13日06:00
コロナワクチン、高齢者向け接種開始 初日は前橋、高崎で73人


施設内でワクチン接種を受ける入所者=12日午後、前橋市の「介護老人保健施設おうみ」
 新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種が12日、群馬県内では前橋、高崎両市を皮切りに始まった。初日は両市で計73人が接種を受けた。医療従事者らを除いた一般住民への接種は初となる。国は住民への接種では、重症化リスクが高いとされる高齢者を優先する方針を示しており、県内全体では約58万人が対象となる。今後、他の市町村でも順次始まるが、本格化するのは全市町村にワクチンが届く26日以降となる見込みだ。
 両市には既にワクチン1箱(975回分)がそれぞれ配布され、介護老人保健施設2カ所の入所者から接種が始まった。両施設によると、接種直後に副反応が疑われる重大な症状の出た入所者はいなかった。
 現在、国内で接種されている米製薬大手ファイザー製のワクチンは2回打つ必要がある。この日が1回目となった入所者は来月上旬に2回目を打つことになる。
 国からのワクチン配布は順次広がる。今週は両市を含む9市町に計10箱(9750回分)、19日からの週にも9市町村に同じ量が届く予定。26日からの週には全35市町村に1箱ずつ到着し、市町村ごとの計画に沿って接種が進められる。
 国は6月末までに全国の高齢者約3600万人が2回接種できる量を配布すると説明。今後、高齢者向けのワクチンの供給が加速するとみられる。
 高齢者接種が完了した後は、高齢者施設の従事者(県内約9万人)と、65歳未満の基礎疾患がある人(推計12万5000人)への接種が並行して進められる。これら以外の県民へと拡大されていくのは夏以降となる見込みだが、具体的な日程は定まっていない。
 一方、県内では2月19日から医療従事者らへの接種が続いており、希望した約6万9000人が2回ずつ接種を受ける予定。県によると、今月4日時点の接種実績は1万8485回で13.4%にとどまる。国は5月中旬ごろまでに2回接種できる量を配布する方針を示している。
(まとめ 山田祐二)

**********上毛新聞2021年04月21日06:00
申し込み殺到で電話つながらず 群馬県内8市町村でワクチン予約 業を煮やして直接100人押し掛けも

ワクチン接種の予約を受け付ける4市町村合同コールセンターの担当者ら=20日午前10時ごろ、甘楽町内
 群馬県内8市町村で20日、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約受け付けが始まり、各地で申し込みが殺到し、多くの住民から不満の声が上がった。電話がつながりにくい状態が続き、担当以外の部署にも問い合わせが相次いで業を煮やしてコールセンターに直接押し掛ける住民の姿も。一方、あらかじめ希望調査し接種予定日を割り当てた嬬恋村では混乱はなかった。
 富岡、下仁田、南牧、甘楽の4市町村は合同のコールセンターを甘楽町内に設置。事前に優先予約券を配送した65歳以上の計2万5000人以上を対象に、8台の電話で午前9時に受け付けを開始した。
 4市町村は国からそれぞれ届くワクチンを合算し、予約数に応じて各医療機関に配分する仕組みで、5月10~29日の計8000人分を受け付けている。この日は計570人の予約を受け付けたが、申し込めなかった住民からは不満が漏れた。下仁田町の70代男性は「家族総出で電話し続けたのに、つながらなかった。もっと工夫ができたはず」と語気を強めた。
 富岡市はこの他、無料通信アプリ「LINE」(ライン)を活用した独自の予約システムで約3000人の予約を受け付けた。甘楽町はラインを使った県の予約システムも併用した。
 榛東村も65歳以上の約4000人を対象に午前9時から開始。5月1日と9日の計500人分を外部委託のコールセンターと県のライン予約システムで受け付けたが、約1時間で定員に達して打ち切った。村の保健相談センターには「つながらない」「何回もかけているうちに締め切られた」といった苦情が相次いだ。
 板倉町は、専用のコールセンター2回線とラインで受け付けた。電話がつながらない状況が続き、役場内の他の回線にも問い合わせが殺到。コールセンターがある町保健センターに100人以上が直接押し掛け、職員がその場でラインでの予約を手伝うなど対応に追われた。
 東吾妻町も65歳以上の5700人の予約をネットと電話で開始。初回分の1300人分がすぐに定員に達するなど、電話がつながりづらい状況が続いた。
 一方、嬬恋村は、2月に実施した希望調査に基づき接種予定日をあらかじめ割り当てていた。この日に予約の電話受け付けを始めたが、予定日の変更の申し出などがあった程度で目立った混乱はなかったという。
(まとめ 細井啓三)

**********上毛新聞2012年04月22日06:00
ワクチンで県内自治体に予約が殺到、苦情相次ぐ アプリ停止、電話増設の対応も 専門医「焦らないで」と呼び掛け
 新型コロナウイルスのワクチン接種の予約を巡り、群馬県内の自治体に住民からの苦情が相次いでいる。電話がつながりにくい状況が続き、担当部署への問い合わせも殺到。申し込みが困難な電話予約とのバランスを考慮して富岡市は21日、無料通信アプリ「LINE」(ライン)を使った予約を停止した。行政側が対応に追われる事態に、感染症の専門医は「希望者は全員接種できる。焦らないで」と呼び掛けている。
 同市は下仁田、南牧、甘楽と合同でコールセンターを運営し、20日に受け付けを開始した。4市町村のうち、同市だけがラインを活用した独自システムを運用していたが、21日午前11時45分にライン予約を停止。当面の間は電話だけで対応することとした。
 ラインによる予約が同日午前までに約4000件に達していたという。停止は、電話予約に頼る高齢者や他地域の住民に配慮したためで、市は「バランスを考え、自主的に停止した。電話回線の増設も進める」としている。
 4市町村は5月中に接種する計8000人分の予約を受け付けている。予約対象者はいずれも65歳以上で、富岡1万6000人、下仁田3600人、南牧1100人、甘楽4400人。このうち富岡478人、下仁田252人、南牧46人、甘楽385人が同日までに電話予約を完了したという。
 中之条町は65歳以上の6500人を対象に同日午前9時から電話予約を受け付けた。5回線用意したが、終了時刻の午後5時まで電話がつながりにくい状況が続いたという。
 初日は827人の予約を受け付けたものの、回線の混雑により通話が途中で途切れるトラブルが複数あり、苦情も多く寄せられた。町は6月中旬までに3000人の予約枠があり、今後も予約枠を増やす計画で、「慌てないでほしい」と呼び掛けている。
 75歳以上の2万3000人の集団接種の予約を19日から受け付けている桐生市。職員4人が電話対応し、21日までに約890件を受け付けたが、電話がつながりにくい状況が続いており、市には多くの苦情が寄せられている。市は「時期は遅くなってしまうかも知れないが、確実に接種できる」と説明しており、電話回線の増設も検討している。
 ワクチン接種の予約を巡り、自治体に苦情が殺到していることについて、感染症の専門医で県医師会の川島崇副会長は「2カ月かけて県内の高齢者に接種する計画で進んでいる。希望者は全員が接種できるので、焦らず予約してほしい」と話した。
(まとめ 細井啓三)

**********上毛新聞2021年04月24日06:00
中之条町 ワクチン予約できょう、あす臨時窓口を設置 電話殺到で不通、苦情受け
 高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチン接種の予約を巡り、電話が殺到して収拾できないとして、群馬県中之条町は23日、閉庁の予定だった24、25の両日に臨時窓口を設けて予約を受け付けると明らかにした。電話がつながらない状況に苦情が連日寄せられ、町民が町保健センターに押しかける事態となっていたため、沈静化を図る。
 臨時窓口は対面で予約を受け付け、来場者の密集を避けるため居住地区ごとに時間を分ける。町保健センターでは、伊参地区(24日午前9~11時)、沢田地区(同日午後1~3時)、名久田地区(25日午前9~11時)、中之条地区(同日午後1~3時)とする。町六合支所では六合地区住民を24日午後1~3時に受け付ける。
(関坂典生)
◎受け付け前の自治体で予約 県のLINEトラブル50件
 群馬県が新型コロナウイルスワクチン接種予約のため導入した無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った予約システムを巡り、自治体が受け付けを開始する前に予約ができてしまうトラブルが計約50件あったことが23日までに分かった。県は運用を改善し、同様のミスを防げるようにしたという。
 県薬務課によると、14日に草津町の予約を開始した際、予約を始めていない渋川市で21件、館林市で約20件、吉岡町で6件を受け付けてしまった。いずれも市町を通じてキャンセルされた。時間前なのに予約可能な設定にしたミスが原因とみられる。

**********上毛新聞2021年04月27日06:00
コロナワクチンの予約混雑 各自治体が対策打ち出す
 新型コロナウイルスワクチン接種の予約について、各地で申し込みが殺到し混雑が続いていることを踏まえ、群馬県の各自治体が混乱を回避するための対策を相次いで打ち出した。
◎90歳以上の予約を先行 年齢を区切り混雑回避 高崎市
 高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種で、高崎市は26日、既に接種を始めている高齢者施設以外については5月6日から、90歳以上の予約を先行して受け付けると発表した。対象となる人数を絞ることで予約時の混雑を回避する。
 接種開始は5月17日からを予定。今月27日に90歳以上に対して予約や接種の開始日を知らせるはがきを発送する。
 5月中旬までに90歳以上の8823人と、高齢者施設の職員と入居者約1万1000人分のワクチンを確保できる見通しという。
(真尾敦)
◎回線4倍増 電話のみに ラインは使用見合わせ 渋川市
 新型コロナウイルスのワクチン接種予約が開始早々定員に達して混乱を招いたことを踏まえ、渋川市は26日、75歳以上の集団接種の予約方法を電話のみにするよう変更すると発表した。高齢者が扱いにくいLINE(ライン)予約システムは不公平感が強く、使用を見合わせる。予約専用ダイヤルを新設して相談や苦情と切り離し、回線数を現在の6から23へと約4倍に増やして対応する。
 併せて接種日ごとに予約受付日を分け、申し込み作業の簡素化も図る。5月12~28日に、5回に分けて集団接種1550人分の予約を受け付ける。
(奥木秀幸)

**********東京新聞2021年4月28日07:57
<新型コロナ>ワクチン 予約、90歳以上から 高崎 来月6日、受け付け開始
 高崎市は新型コロナウイルスのワクチン接種で、施設入所者以外の高齢者を対象に来月十七日から開始する際の供給量が限られるため、九十歳以上から予約の受け付けを始める。対象者に今月二十七日に予約方法などを記したはがきを発送し、五月六日午前九時から予約を受け付ける。
 市によると、五月中旬ごろまでに、高齢者施設の対象者一万一千人分と市内の九十歳以上の八千八百人分を確保できる見通し。
 市内の高齢者は十一万人で、予約が殺到するなどの混乱を避けるために年齢で対象を絞った。八十九歳以下の高齢者の接種開始時期の見通しは立たず、市新型コロナウイルスワクチン接種対策室は「国から示される供給量に応じて、年齢で区切るなどの対応を検討したい」としている。
 予約は電話か専用ホームページで受け付け、詳細は市から届くはがきに記載。電話は土日祝日を除く午前九時〜午後六時。三十人態勢で対応する。予約電話番号とは別の予約などに関する市への問い合わせは=電027(395)7300=へ。 (安永陽祐)
**********

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台湾産パイナップルが自宅に届いた!

2021-03-27 23:56:00 | 国内外からのトピックス
■ご承知の通り、中国の税関当局は突然2月26日、台湾産パイナップルから「害虫が確認された」として3月1日から輸入を禁止すると発表しました。台湾のパイナップル生産量は年間40万トン前後で、9割が台湾内で消費されていて、残る1割程度の約4万2000トンが輸出されており、その97%が中国本土向けでした。そのため、台湾の陳吉仲農務水産相は2月27日の会見で、「海外のバイヤーから3万トンの輸出が確保できれば、今回の禁輸の影響をカバーできる」と述べ、台湾側は日本への販売促進キャンペーンに期待を示しました。
 このニュースを聞いた群馬県台湾総会では、台北駐日経済文化代表処からの全国の在日台湾人組織の会長宛の購買支援の打診を受け、さっそく会長より、3月4日(木)夜、SNSを通じて県内の会員らに次のメッセージが転送されました。中共が世界にばら撒いた新型コロナウイルス蔓延の影響で一昨年12月以降、台湾を訪れることができない筆者もさっそく2箱発注しました。第2の故郷である台湾の味が懐かしかったためです。


 そして本日昼前に、宅配で2箱が自宅に届きました!県内の他の会員に連絡したところ、また到着していないとのことで、どうやら当会では最初に台湾産パイナップルを賞味できる幸運に恵まれたことになります。




 代表処のSNSを見ると、昨日日本に到着したばかりのコンテナの前で、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表ら関係者が笑顔で台湾パイナップルの日本到着を喜んでいる様子が掲載されていました。



 さっそく、自宅に届いたばかりの箱を開けて、一つを取り出し、タグに書いてあった「台湾パインの切り方」を参考にカットして食べてみました。







 期待を上回る美味しさです。こんなに上質なパインアップルを中国政府は禁輸措置にしたとは、常に旨いものを求める中国人民に対しても背任行為です。

 あとは、親族や知り合いに配り、あっという間に2箱12個の台湾パイナップルがなくなってしましました。あと2箱くらい注文しておけばよかったと思いました。

■今回の中国政府の突然で理不尽な禁輸措置について、中国側は「2020年に台湾から輸入したパイナップルに有害生物が混入していた」と説明しましたが、これに対して台湾政府は「パイナップルの検疫合格率は99.79%であり、本格的な収穫時期を迎えるころに突然、禁輸措置を取るのは不合理だ」として中国を批判しています。


台湾から直送されたパイナップル梱包段ボール箱に張り付けてあった生産者表示票。生産地、収穫日、生産者氏名などが明記してある。

 台湾の蔡英文総統も「中国は豪州産ワインの次に、台湾産パイナップルを標的にした」との声明を発表しました。中国は昨年8月、関係が悪化していたオーストラリア産のワインや牛肉、大麦などの輸入をほぼストップしており、蔡総統は「中国は貿易を政治の道具にしている」と指摘しています。

 蔡総統ら台湾政府の閣僚や地方自治体はパイナップル農家の支援のために、台湾産のパイナップルの美味しさなどを日本語や英語で宣伝するなど、輸入促進キャンペーンを開始し、蘇貞昌行政院長(首相)は「日本向けを(昨年の)約2100トンから5000トンに引き上げを目指す」と表明しました。

 台湾南部・屏東県の潘孟安県長も「2月27日、日本の大手スーパー向けの県産パイナップルの第1陣が出発したが、今年の出荷量は昨年の2倍の600トンに増える可能性がある」との見通しを明らかにしました。

 台湾行政院(内閣)農業委員会の統計によれば、昨年日本に輸出された台湾産パイナップルは2171トンで、県市別では屏東県産が1295トンと全体の約6割を占めており、他の地方自治体も日本向けの輸出キャンペーンを強化するなか、日本からは「日本人は台湾を応援するぞ」などとの声が続々と寄せられました。

■この背景には、折から今年の3月11日は我が国が壊滅的な被害を受けた東日本大震災から10年が経ち、あの当時の記憶が我々に蘇っていたタイミングと、台湾のパイナップル農家の苦境が重なり、今度は我々日本国民として「台湾国民が日本の為に尽力してくれた恩返し」だ、と応援の機運が一気に高まったことが挙げられます。

 台湾からの義援金は、2011年の地震発生直後から2014年12月31日までの統計として、外交部や地方自治体などの政府機関からは7億6975万元(約28億円)、慈善団体や機関団体が集めたものからは54億3145万元(約200億円)、長栄集団会長・張氏や日本台湾交流協会など直接日本に届けた個人や団体からは6億5346万元(約24億円)、合計で68億5466万元(約253億円)に上りました。

 この数字は、政府筋としての台湾の義援金は経済大国のアメリカに次いで第2位と言われており、その金額は1位とも大差がありません。官民ともに台湾の支援と心が日本の今日までの復興に大きく関わったことは明らかです。

■群馬県台湾総会は、毎年県庁で開催している台湾フェアが、中国武漢発の新型コロナのため、昨年中止を余儀なくされたため、代わりに、新型コロナ対策として群馬県にいち早く防護服等を台湾から調達して寄贈するなど、群馬県民と台湾国民の交流の橋渡しに尽力してまいりました。

 この度の、中国政府による台湾への嫌がらせに対して、いち早く支援の手を差し伸べていただいた日本の皆様、そして群馬県民のあたたかいお気持ちを糧に、今後も両国民の友好親善に尽力してまいる所存です。

 こちらのブログ記事もぜひご覧ください。↓↓↓
○2021年03月12日:#台湾パイナップルを食べよう(震災恩返し)
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/34592215.html

【4月18日追記】
**********上毛新聞2021年04月17日06:00
台湾産パイナップル食べて震災支援の恩返し 中国禁輸で全国医療機関連携し購入 伊勢崎の病院が食事に提供

美原記念病院で患者に提供した台湾産パイナップル
 中国政府が3月に輸入を停止し、流通が滞っている台湾産パイナップルを巡り、日本各地の医療機関が積極的な購入を申し合わせて、経済への打撃が懸念される台湾を応援する機運が高まっている。東日本大震災で被災した病院が、台湾の義援金で再建されたことへの感謝の思いを示す。群馬県内では伊勢崎市の美原記念病院が16日、グループの施設と合わせて入院患者らの給食として160人分を提供した。
 中国は検疫で害虫を検出したとして、台湾産パイナップルの輸入を3月1日から停止した。台湾側は政治的な圧力とみて反発している。台湾の昨年のパイナップル生産量は約43万トンで、このうち約4万5000トンが輸出され、95%超が中国向けだった。
 全国の2500を超える病院が加盟している全日本病院協会をはじめ、四つの病院団体でつくる「四病院団体協議会」は3月末、このパイナップルを購入し、病院給食で可能な限り提供しようと申し合わせ、各会員に周知した。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の公立病院は、再建費用の多くに台湾からの義援金が使われた。
 全日本病院協会には美原記念病院を含む県内30施設が加盟。同病院の美原盤院長は協会副会長を務めている。台湾産パイナップルを使うかは各病院の判断だが、同病院の茂木寛事務部長(66)は「大震災の際は応援してもらい、今回は逆の立場。困っているときには協力したい」と説明している。
 台湾産パイナップルは甘くて芯まで食べられるのが特徴。同病院ではデザートとして提供し、食べやすいと好評だったという。
 県内では他に、同協議会の構成団体の一つ、日本精神科病院協会に加盟するサンピエール病院(高崎市)も台湾産パイナップルを使う予定。別の病院でも支援の輪が広がっているとみられる。
 医療機関に限らず日本全国で同様の動きは広がる。現地報道によると、昨年の日本向け輸出量約2100トンの数倍の受注が既に日本からあるという。
**********

【6/4追記】
**********愛媛新聞2012年6月4日10:40
台湾産パイナップルに支援の輪 松山市職員有志が9トン購入

松山市役所前に到着した台湾産パイナップルをトラックの荷台から下ろす市観光・国際交流課職員ら=3日午後5時15分ごろ
 大きな販路を失った台湾産パイナップルを応援しようと、愛媛県松山市職員有志が職員に共同購入を呼び掛けたところ約9トン分の注文があり、3日に現物が到着した。台湾から同市の学校給食へのパイナップル無償提供の話が進んでおり、お礼の意味もあるという。同市は2014年に台北市と友好交流協定を結ぶなど、台湾と関係を深めている。
 19年7月に松山―台北の定期航空便が就航し、同年の松山市観光客推定では国・地域別の外国人宿泊客数は台湾が6万3200人と最も多かった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で航空便は欠航が続いており、台湾の東京パラ柔道代表選手の松山での事前合宿は中止が決まった。
 同課の窪田勝彦国際交流担当課長は「行き来は難しくなっているが、新型コロナ収束後を見据え、さまざまな形で交流を深めたい」と話した。

松山市職員有志が共同購入した台湾産パイナップル=3日夕、市役所

【群馬県台湾総会書記からの報告】

※関連記事
**********Newsweek 2021年3月3日(水)18時39分
台湾産「自由パイナップル」が中国の圧力に勝利、日本も支援
Taiwan and Allies Rally to Defy China's Economic Coercion on Pineapples

中国から突然禁輸を通告されたパイナップルを宣伝する台湾の蔡英文総統(3月3日)  Ben Blanchard-REUTERS
<中長期的には、輸出の中国依存を脱却しなければいつまた突然禁輸措置を突きつけられるかわからない>
 台湾の市民と企業は、収穫の開始直前に中国税関から無期限の禁輸措置を受けた国内のパイナップル生産者を一丸となって支援している。
 地元のバイヤーだけでなく、日本などの近隣諸国が、今年中国市場向けに生産したパイナップル4万トン以上を「ものすごい勢いで」買ってくれた、と台湾の陳吉仲(チェン・ジィゾン)農業委員会(農林水産省)主任委員は、2日に語った。
 3月1日から台湾産パイナップルの輸入を停止するという中国税関総局の通知を台湾政府が受けたのは、禁輸開始3日前の2月26日のことだった。理由は、昨年以来、台湾産農産物からさまざまな有害生物が発見されたからだという。
 台湾行政院農業評議会(COA)は、2020年に中国向けの輸出貨物6200件のうち13件に有害生物がいたという報告を受け、対処していた。そして同評議会は、中国政府が昨年10月に改正輸入規則を導入して以降、有害生物の苦情は受けていない、と述べた。
 台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、行き場を失ったパイナップルに対処する政権の計画を発表するフェイスブックの投稿で、土壇場で禁輸を通知した中国政府のやり方を「不意打ち」と非難した。蔡政権閣僚をふくむ政府当局者は、与党民主進歩党の支持者が多い南部の農民をターゲットにした中国による政治的な動きとみて、批判している。
★いち早く日本が反応★
 COAのデータによると、台湾から輸出されるパイナップルのほぼすべてが中国向けで、台湾の年間産出量41~43万トンの約10%を占めている。昨年は4万1000トン以上が中国に輸出された。
 台湾政府の計画では、余った5万トンものパイナップルの60%を日本、アメリカ、シンガポールなどに輸出し、残りの40%は国内加工食品メーカーに地元産パイナップルの使用を奨励することで消費するつもりだった。
 しかし、蔡政権が主導し、有名人や大企業が支援を呼びかけを始めると、パイナップルの需要は急増した、と陳主任委員は語った。
 中国政府の通知から約96時間後の2日正午までに、海外市場への5000トンを含む4万1687トンのパイナップルが売れた、と陳は記者らに語った。この数字は昨年の中国への販売量を上回っている。
 世界で最も厳しい食品輸入基準のある日本も、最も速く反応した国のひとつだった。台湾政府のパイナップル推進キャンペーンの初日に、日本からの受注は62%増加した、と陳は言い、今年の対日輸出量は前代未聞の5000トンに達すると予測した。
 台湾政府はまた、国外在住の台湾市民からの需要の増加にも対応しようとしている。そのなかには、今のところ台湾からの生の果物の輸入を許可していない国が含まれている。
 陳は記者会見で、パイナップルの輸入を停止するという中国政府の「一方的な」決定は「国際貿易の規則に矛盾している」と述べた。だが農業委員会は、世界貿易機関(WTO)に対する仲裁の申し立てを検討する前に、中国の関税当局とのさらなるコミュニケーションを試みるだろうと、言った。
★他の農産物の中国への輸出は影響を受けていない。★
 今回は「危機をチャンスに変える」ことに成功したが、そもそも台湾政府は、単一の輸出先に依存しすぎる状態を避けるために積極的に他の市場を開発していたと、陳は言う。
 蔡政権は、16カ国の市場に目を向けている。そのひとつであるアメリカでは、2019年から20年の間に台湾産果物の輸入量が210%増加した。
 2月28日に高雄市を訪問した蔡総統は、農業が盛んな台湾南部のパイナップル生産者の懸念を和らげようとした。「パニックに陥らないでください、政府があなた方を守ります」と、彼女は人々に語りかけた。
 蔡政権は、台湾のパイナップル産業の損失を補填するために、3580万ドルの支援を約束。また、市場でパイナップルがだぶついて値段が下がり、農家が大きな損失を被らないように、現在の市場価格を維持することを約束した。
★自由パイナップルに支援を★
 一方、台湾の外交部(外務省)は、今回の中国によるパイナップル禁輸を、かつてオーストラリアからのワイン輸入を制限した中国政府の反ダンピング(不当販売)措置のようなものとみている。あのときはオーストラリア産ワインに200%の追加関税が上乗せされた。
 台湾政府はオーストラリアの「自由ワイン」を支持しようと呼びかける国々に加わった。今回、台湾の呉●(金偏にリ)●(火言火の下に又)(ジョセフ・ウー)外交部長(外相)は台湾の「自由パイナップル」に同様の支援がほしい、とツイッターに書き込んだ。
 「中国による台湾産パイナップルの輸入禁止措置は、ルールに基づく自由で公正な貿易の前に効力を失った。台湾のパイナップルの品質は最高で、最も厳しい国際認証基準を満たしている。われわれは、中国政府に決定の取り消しを求める!」と、外交部はツイートした。
 経済を利用した抑圧だという台湾の非難に対して、中国の国務院台湾事務弁公室は、パイナップルの禁輸は、中国の独自の農産物を保護するために「必要」だったと発表。台湾側は、中国の信用を落とすためにこの問題を「故意に歪曲」している、と中国の当局者は述べた。
 蔡が総統に就任して以来、政府の経済計画は「新南向政策」に基づいている。その目標は、中国市場への依存を解消し、そのかわりに南アジア、東南アジアのパートナー国と貿易および安全保障を構築し、それをオーストラリア、ニュージーランドまで拡大することだ。
 台湾の行政院財政部(財務省)によると、昨年の台湾からの輸出の40%以上が中国と香港向けで、輸出総額3452億ドルのうち1514億ドルを占めた。
(ジョン・フェン)

**********Huffpost 2021年03月02日 15時48分 JST / 更新 2021年03月03日 14時55分 JST
台湾パイナップル、中国が輸入停止 ⇒ 日本の消費者に期待する声「ぜひ台湾産を」
 台湾産パイナップルの輸出先は、97%が中国大陸だった。テレパシーのような呼びかけも...
中国の税関当局は3月1日から、害虫の検出を理由として台湾産パイナップルの輸入を禁止した。
これに対し台湾側は「非合理的」と反発。これまで輸出先の97%を占めていた中国大陸を補完する買い手として、SNSを通じて日本への購入キャンペーンを強めている。

台湾・民進党のFacebookよりパイナップルの購入を呼びかけるポスター(台湾・民進党のFacebookより)
■日本語のSNS投稿相次ぐ
 台湾行政院・農業委員会などの発表によると、中国の税関当局は3月1日から、害虫が検出されたことを理由に台湾産パイナップルの輸入を停止した。
 一方で台湾側は、2020年に大陸に輸出したパイナップルのうち、品質検査に合格したものは99.79%に上ったと指摘。蔡英文・総統も「オーストラリア産ワインに続き、台湾のパイナップルがターゲットになった」と批判した。
 オーストラリアのワインをめぐっては、モリソン首相が新型コロナウイルスに関する中国への独立調査を求めたことをきっかけに両国の関係が悪化したあと、中国側が高額の関税をかけていた。
 現地メディアによると台湾産パインのうち輸出に回されるのは1割あまり。一方で農業委員会の発表によると、台湾が2020年に輸出したパイナップル、4万5621トンのうち97%を中国大陸が占めていて、台湾は主要な輸出先との取引を停止せざるを得なくなる。
 これを補完するために期待されるのが日本だ。日本への2020年の輸出量は2%に過ぎない(残りの1%は香港)が、台湾側はSNSを通じたキャンペーンを強めている。

 蔡英文・総統はパイナップルケーキ(鳳梨酥)の画像をTwitterに投稿し、「#パイナップルケーキを食べたことありますよね?パイナップルケーキといっても、台湾にはいろいろな種類があります。皆さんが好きなパイナップルケーキを教えてください!」と日本語で呼びかけた。
https://twitter.com/iingwen/status/1365514036872237057?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1365514036872237057%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.huffingtonpost.jp%2Fentry%2Fstory_jp_603dba0bc5b601179ec00fea

 また、台湾北西部に位置する桃園市の鄭文燦(てい・ぶんさん)市長も日本語を使い、Twitterで「台湾の農民が苦労して育てた美味しくジューシーなパイナップルは、台湾のみならず、日本の方にも愛されています。 まだ召し上がったことのない方は、ぜひ台湾産のパイナップルをお試しください」とした。
 このツイートは3万回以上リツイートされ、鄭市長は「皆さんがこんなにも台湾のパイナップルを応援してくれていることに感動しています」と再び投稿した。
https://twitter.com/ChengWenTsan/status/1365310014357864450?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1365310014357864450%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.huffingtonpost.jp%2Fentry%2Fstory_jp_603dba0bc5b601179ec00fea

 また、日本における台湾との窓口機関である「台湾駐日経済文化代表処」も「#吃爆台湾鳳梨challenge(台湾パイナップル爆食チャレンジ)」というハッシュタグとともに「(台湾と日本にいる…関係者各位…聞こえますか…日本全国が…台湾パイナップルを待っています…今こそ…台湾流美味しいパイナップルの食べ方を…ツイートするのです…みんな…台湾パイナップルが店頭に並ぶのを…待っているのです…)」とまるでテレパシーのように呼びかけた。
https://twitter.com/Taiwan_in_Japan/status/1366284346626215936?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1366284346626215936%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.huffingtonpost.jp%2Fentry%2Fstory_jp_603dba0bc5b601179ec00fea
【高橋史弥(Fumiya Takahashi)】
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