■当会の小川事務局長が代表を務める市民オンブズマン群馬では、数年来、政務調査費について継続的に調査をしております。今年から、県議会の政務調査費には1万円以上の領収書の添付が義務付けられております。
本年6月、平成19年度の政務調査費の使途を示す領収書の綴りが開示されたので、現在会員で手分けして内容を精査しています。
政務調査費が第二の歳費といわれており、税金の無駄をなくすためにも、見直しを急務としていますが、残念ながら群馬県議会では保守勢力が強く、全国的に見ても、後進県であることは否めません。
政務調査費が問題視されるようになった端緒は、市民オンブズマンに寄せられた告発情報によるものです。
**********
・・・国も地方議会でも、『政務調査費』というのが支給されているが、その実態については様々な論議がされている。何とも不透明な『政務調査費』の支給について、疑念があるため、今回情報提供する。
自民党の県議は、後援会の役員会を何カ所かで開催するに際し、多少の金もかかることから後援会の世話役に、「じゃあ、これを使ってくれる」と言って茶封筒に入った金を渡すのが慣わしだ。封筒の中には81万円入っており、明細表もある。明細表には、【政務調査費300,000.- 3か月分 合計900,000.- それから自民党費として30,000.-の3か月分を控除し、差引支給額\810,000.】とある。まさに「第二の報酬」という事が理解できる。
年4回の議会最終日ごとに、81万円ずつ封筒に入れて、自民党から渡される。県議は『政務調査費請求書』という書類を作成するが、それには月日、内容・目的地等、調査研究費、研修費、会議費、資料作成費、資料購入費、広報費、事務費、人件費、合計と区分があり、北海道へOOで視察・3泊4日とか、九州へOOで研修視察と書く。日付も入れるが、実際にその日は告別式に列席したり、行事に出席していても、適当に作文しておく。資料として、自民党県議団作製の『政務調査費地域別交通費等一覧』というのがあり、例えば北海道の札幌だと、交通費・宿泊費(一泊)・食事費等と区分し、金額が書き込まれる。つまり、研修費等の合計が月に30万円を超えるように、作文するのだ。
県議らは、政務調査費というのを、もともとこのように実態の伴わない第二の歳費という認識で捉えられている。しかも無税の所得であることから、一人年額360万円、合計2億円余の巨費が、議員の調査活動を伴わないで、無税の所得となっている実態を正して戴きたい。税金のムダ使いが指摘され、年寄りからも税金を取る論議がされている時に、なんという事だろうか。 一県民
■平成19年度政務調査費にかかる1万円以上の支出に関する領収書の綴りのうち、当会が担当したのは、自由民主党群馬県支部連合会に所属する32名の議員の使った研修費に関する調査と分析です。自民党所属議員が提出した1万円以上の領収書は全部で101件。合計1148万7454円でした。研修費のトータルが約3600万円なので、開示された1万円以上の領収書は金額ベースで3分の1以下に過ぎません。なお、県議の氏名の[ ]内は、選挙区・期数、生年月日、趣味の順に記載しています。
<研修費用>
トップは萩原渉[吾妻1:S28.10.20:ゴルフ・スキー・旅行・映画鑑賞]で95万6813円、続いて小林義康[高崎5:S24.5.29:旅行・歴史探訪・つり・料理]92万6550円、舘野英一[太田1:S23.9.17:ゴルフ・社交ダンス・登山]88万5788万円、井田泉[佐波1:S38.3.15:カラオケ・音楽鑑賞・旅行]88万4413円、金子浩隆[沼田3:S35.5.14:-(未記入)]78万5240円、岩井均[安中3:S39.1.25:野球・ゴルフ・囲碁]72万2400円と続きます。
1万円以上の領収書がゼロの県議は中沢丈一[前橋勢多5:S23.10.20:スポーツ(ゴルフ・野球)・管弦楽(バイオリン)]、村岡隆村[桐生2:S21.11.27:-]、金田克次[太田3:S18.11.7:歴史探訪]、平田英勝[高崎2:S17.4.3:下手なゴルフ]、中島篤[高崎2:S29.10.29:古美術鑑賞・歴史読本]の5名。
<研修日数>
最も研修日数が多いのが、小林義康の26泊38日でダントツ、続いて腰塚誠[桐生5:S23.2.26:囲碁・将棋・旅行・読書]の15泊30日、金子浩隆の11泊17日、舘野英一の12泊16日、井田泉の10泊13日、小野里光隆[利根3:S15.11.25:将棋5段]の8泊13日、岩井均の8泊10日と続きます。
■脅威の旅三昧!小林義康県議
旅行が趣味だけに、もっとも研修に熱心なのが、小林義康で、年間12回、全て宿泊を伴う研修に出かけています。平均して毎月1回のペースです。行き先は、秋田県方面が4回+1?、北海道、九州、関西がそれぞれ1回ずつだが、海外では韓国が3回、香港・マカオが1回となっています。研修先は秋田方面が大好きなようで、とりわけ田沢湖畔の宿泊が好みのようです。新玉川温泉には4回宿泊し、連泊したこともあります。
圧巻なのは、5月の連休明けに秋田に1泊2日で行き、同月下旬に関西で3泊4日宿泊しレンタカーを駆使して食品安全確保調査をしたあと5月31日に戻ったら、中2日で、6月3日にまた3泊4日で地域間格差調査(多分東北)に出かけました。初夏の研修はさぞ有意義だったに違いありません。
次に、夏休み明けの8月下旬に2泊3日で秋田県界隈に発電所事業調査に出かけ、8月25日に戻ったと思ったら、9月4日早朝のフライトで福岡空港に着き、8時47分から翌々日の午後2時まで、レンタカーを544km乗り回して2泊3日で大分県界隈の森林観光資源を研修しています。9月6日に戻ったら、中3日で、9月10日には北海道に3泊4日で交通事故防止対策調査の研修に出かけています。9月13日に戻り、今度はなんと翌9月14日からソウルに環境教育・環境学習調査に2泊3日で出かけています。国内外をまたにかけ、疲れというものを知らない驚異的な体力を見せ付けています。
紅葉の季節には11月中旬に大好きな秋田県の県立がんセンター新検査システム調査のため、1泊2泊で田沢湖畔に宿泊。帰宅して12日後の11月30日には2泊3日でソウルを再訪し、通訳をつけて国際交流推進調査をしています。年の瀬も押し迫ったクリスマスイブには、またまた韓国を訪れ韓国大統領選挙調査を兼ねて総合行政調査に2泊3日滞在しました。
年明けの今年1月下旬には3泊4日で香港・マカオに環境保全推進調査に出かけ、年度末の3月下旬には、大好きな秋田の田沢湖半で2泊3日を過ごし、循環型社会つくりに関する調査を秋田、宮城、岩手などで行なっています。多分レンタカーを駆使しているはずです。
■韓国に1日に二度行った?松本県議
松本耕司の場合には、20万3292万円を出身地の館林市のつつじトラベルセンターに払い込んで、2泊3日でソウル市内のゴミ行政調査に出かけましたが、11月26日に帰国して、同日またソウルに行き、姉妹都市友好交流強化対策調査を3泊4日で行っています。後半の調査費用もつつじトラベルセンターに14万1500円を11月2日に払い込んでいますが、前半の調査費要は帰国後の12月9日に払い込んでいます。
同じ日にソウルと日本をとんぼ返りしたのかどうかは領収書を見る限り定かではありませんが、前半の3泊4日の調査費用が14万1500円なのに、後半の2泊3日が20万3292万円と増えているので合点がいきません。往復の飛行機代は前半の調査費用に入っていると思われるからです。まさか航空券の二重取り?なんてことはないと思うけど。
■渡航先ベストスリーは中国、韓国、タイ
県議らは海外旅行がお好きなようで、とくに手近な韓国や中国やタイが好まれる傾向にあります。昨年10月15日から金子一郎[前橋勢多3:S24.8.31:読書・ゴルフ]、萩原渉、関根圀男[高崎5:S21.10.26:柔道5段・ゴルフ・読書]、織田沢俊幸[甘楽2:S27.1.7:スポーツ観戦・美術鑑賞]、大林俊一[北群馬1:S32.2.21:-]、田島雄一[伊勢崎8:S24.1.13:スポーツ(ゴルフ・卓球)]、中村紀雄[前橋勢多6:S15.10.30:読書・山歩き・映画鑑賞]の7人が各自26万円近くかけて中国の大学教育・経済状況・自治体交流調査に出かけました。宿泊数や滞在日数は不明。ところがJTB前橋支店発行の領収書を見ると関根圀男の25万7080円の領収書だけが、他のメンバーが提出した領収書と異なり、社印の押印もなく、至極不自然なものになっています。本当に行ったのかどうか、この領収書を見る限り信用できません。
■国内外の単独研修を好む腰越議長
今年、議長に就任した腰塚誠の場合、盆明けの昨年8月21日に1泊2日で観光物産調査のため東急ハーベストクラブ勝浦に宿泊しました。ところがこの領収書の金額は37,180円となっており、規定額の16,500円以外は自己負担として申告してあります。しかし、1泊2日で4万円近い金額はどうしても不自然です。もし、現地滞在中にゴルフに明け暮れたとすれば、果たして観光物産調査だったのか、と疑われかねません。
腰塚議長は、外国もお好きのようで、国内と同じく、たいてい単独での出張です。勝浦から8月22日に戻った越塚は、中3日で、8月24日から4泊5日で中国の国際交流推進・観光物産調査のため、8万580円を東京の㈱オールウェイズ旅行社に支払って、出かけています。上海では、羽田から直行便が到着する虹橋空港に近いSport Hotelに3万5419円(円換算)の宿泊料をはらって連泊しています。8万580円には宿泊代金はなぜ含まれなかったのでしょうか。いつもHIS前橋支店を利用しているのに・・・。
観光推進は腰塚の趣味らしく、紅葉の季節の10月28日には万座温泉の日進間に1泊2日で5万1000円の観光推進調査に出かけています(なお、請求金額は4分の1の1万2750円)。
極めつけは、今年の1月25日から5泊6日で、タイ、ミャンマーとの国際交流・多文化共生調査のため、HIS前橋支店に、航空券とツアー代金として7万5800円を1月16日振込んで、厳冬の日本をひとりで離れて、出かけていることです。行き先地はタイ北部のチェンマイ。1月25日から29日まで滞在し、Pongping Hotelに4連泊し、レンタカーを4日間借り切り、温暖なタイ北部で調査研修を研鑽してきました。現地のホテル代やレンタカー代や食事代はすべてチェンマイ・ゲンキ・コミュニケーション社という代理店に任せて、ホテル代とレンタカー代合わせて円換算8万9600円を現地で支払っています。全部で16万円近い大調査です。
腰塚は年度末にも、3月26日から4泊5日で、国際交流・多文化共生調査のため、またもやHIS前橋支店に3万3850円を3月18日に支払って、このときだけは、新井雅博と一緒にどこか外国に行っています。
■年度末総出の駆け込み研修
興味深いのは、なぜか年度末になると、調査に行く県議が多いことです。また、外国には単独でもグループでもよく行っています。
グループ(県議団)として、外国に出かけたのは、前述の10月15日から数日間(日数不詳)、金子一郎、萩原渉、関根圀男、織田沢俊幸、大林俊一、田島雄一、中村紀雄の7人による中国大学教育・経済状況・自治体交流調査団。JTB前橋支店のアレンジで一人当たり約26万円弱の費用でした。
続いて、11月7日から3泊4日で、真下誠治[渋川3:S16.11.29:サイクリング・汗をかくこと・読書・落語鑑賞・仏教美術鑑賞]、長谷川嘉一[太田3:S27.11.6:スポーツ・読書]、南波和憲[吾妻4:S22.9.8:-]、舘野英一、須藤和臣[館林1:S42.12.8:-]、笹川博義[太田1:S41.8.29:映画鑑賞・ガーデニング・読書]、井田泉、原富夫[伊勢崎5:S9.12.20:ゴルフ・囲碁]の8人による中国(青島、天津、北京)産業振興調査団。こちらは近畿日本ツーリスト高崎支店のアレンジで一人当たり約20万円の費用でした。ちなみに、この時期の中国は北京秋天といわれる快適な季節です。
そして、最後に、3月22日から6泊7日の大研修が控えていました。金子浩隆、久保田順一郎[邑楽3:S27.8.22:ピアノ・スキー・ボーリング・ゴルフ等]、舘野英一、萩原渉、岩井均、井田泉の6人によるオーストリア、デンマーク、スウェーデンにおける地球環境対策調査団です。JTB前橋支店のアレンジで、一人当たり約68万円の費用。しかも、JTBには旅行先の通訳費用20万円を自民党名義で支払っています。さぞ、有意義な旅行だったに違いありません。
他にも、年度末には、前述の腰塚誠と新井雅博[藤岡2:S35.11.6:-]が、3月26日から30日にかけて、4泊5日で国際交流・多文化共生調査のため、外国に出かけています。
関根圀男と須藤和臣は、3月25日から3泊4日で、観光振興・国際交流推進調査のため、約30万円を近畿日本ツーリスト高崎支店に振込み、中国に出かけました。
国内旅行組では、小野里光敏が、これまた大好きな新潟県に2泊3日で観光推進調査に出かけ、新潟グランドホテルに2名分22420円を支払っています。小野里は、9月中旬に長岡市・新潟市に1泊2日、11月中旬に柏崎・上越・長岡市に2泊3日、いずれも地震災害調査に出かけています。また2月上旬には1泊2日で、湯沢町や苗場などのスキー場5箇所で客入込調査に出かけており、都合4回新潟を調査しています。残りの1回は、2泊3日かけて宿泊付の有害鳥獣調査のため6万8000円を、自ら関わりの深い水上町の関越交通㈱に支払っています。
五十嵐清隆[伊勢崎4:S27.9.22:読書・釣り・ゴルフ]と南波和憲は、3月26日から2泊3日で、近畿日本ツーリスト高崎支店のアレンジによる米軍基地問題調査のため沖縄に出かけました。
小林義康は12回目の平成19年度の最後の宿泊研修を締めくくるべく、前述のように、馴染みの田沢湖畔の新玉川温泉に2泊連泊し、循環型社会つくりに関する調査を秋田、宮城、岩手などで2泊3日、精力的に行ないました。なぜか、宿泊料金2泊分24,400円のうち、半額しか政調費として請求しません。さすがに12回目ともなると気が引けたのでしょうか。
大林俊一、織田沢俊幸、橋爪洋介[高崎2:S42.4.28:スポーツ全般・読書・犬の散歩・猫いじり]は、3月27日から1泊2日で観光推進調査のため、瀬戸内海の直島に出かけました。アレンジはJTB前橋支店で、一人当たり94,200円の費用。
■政調費を使い切る年度末の旅行シーズン
3月下旬は、32名の自民党県議団のうち、半数以上の17名が研修調査に出かけたことになります。陳情する場合、この時期は不在県議が多いため、時期的には避けたほうが賢明のようです。
それにしても、最後の追い込みで予算消化をしているのが見え見えです。政務調査費が明らかに多すぎて、使い道に困り、このような駆け込みの研修費の支出が発生しているものと思われます。
1万円以上の領収書の開示結果を見ても、この有様なので、領収書の開示義務がなかった平成18年度まではいったい、どんな使い方をしていたのでしょうか。冒頭の告発情報のように、全く野放図だったに違いありません。
当会では、政務調査費について、市民オンブズマン群馬と協力して今後も監視を続けてゆく所存です。
【ひらく会事務局】
本年6月、平成19年度の政務調査費の使途を示す領収書の綴りが開示されたので、現在会員で手分けして内容を精査しています。
政務調査費が第二の歳費といわれており、税金の無駄をなくすためにも、見直しを急務としていますが、残念ながら群馬県議会では保守勢力が強く、全国的に見ても、後進県であることは否めません。
政務調査費が問題視されるようになった端緒は、市民オンブズマンに寄せられた告発情報によるものです。
**********
・・・国も地方議会でも、『政務調査費』というのが支給されているが、その実態については様々な論議がされている。何とも不透明な『政務調査費』の支給について、疑念があるため、今回情報提供する。
自民党の県議は、後援会の役員会を何カ所かで開催するに際し、多少の金もかかることから後援会の世話役に、「じゃあ、これを使ってくれる」と言って茶封筒に入った金を渡すのが慣わしだ。封筒の中には81万円入っており、明細表もある。明細表には、【政務調査費300,000.- 3か月分 合計900,000.- それから自民党費として30,000.-の3か月分を控除し、差引支給額\810,000.】とある。まさに「第二の報酬」という事が理解できる。
年4回の議会最終日ごとに、81万円ずつ封筒に入れて、自民党から渡される。県議は『政務調査費請求書』という書類を作成するが、それには月日、内容・目的地等、調査研究費、研修費、会議費、資料作成費、資料購入費、広報費、事務費、人件費、合計と区分があり、北海道へOOで視察・3泊4日とか、九州へOOで研修視察と書く。日付も入れるが、実際にその日は告別式に列席したり、行事に出席していても、適当に作文しておく。資料として、自民党県議団作製の『政務調査費地域別交通費等一覧』というのがあり、例えば北海道の札幌だと、交通費・宿泊費(一泊)・食事費等と区分し、金額が書き込まれる。つまり、研修費等の合計が月に30万円を超えるように、作文するのだ。
県議らは、政務調査費というのを、もともとこのように実態の伴わない第二の歳費という認識で捉えられている。しかも無税の所得であることから、一人年額360万円、合計2億円余の巨費が、議員の調査活動を伴わないで、無税の所得となっている実態を正して戴きたい。税金のムダ使いが指摘され、年寄りからも税金を取る論議がされている時に、なんという事だろうか。 一県民
■平成19年度政務調査費にかかる1万円以上の支出に関する領収書の綴りのうち、当会が担当したのは、自由民主党群馬県支部連合会に所属する32名の議員の使った研修費に関する調査と分析です。自民党所属議員が提出した1万円以上の領収書は全部で101件。合計1148万7454円でした。研修費のトータルが約3600万円なので、開示された1万円以上の領収書は金額ベースで3分の1以下に過ぎません。なお、県議の氏名の[ ]内は、選挙区・期数、生年月日、趣味の順に記載しています。
<研修費用>
トップは萩原渉[吾妻1:S28.10.20:ゴルフ・スキー・旅行・映画鑑賞]で95万6813円、続いて小林義康[高崎5:S24.5.29:旅行・歴史探訪・つり・料理]92万6550円、舘野英一[太田1:S23.9.17:ゴルフ・社交ダンス・登山]88万5788万円、井田泉[佐波1:S38.3.15:カラオケ・音楽鑑賞・旅行]88万4413円、金子浩隆[沼田3:S35.5.14:-(未記入)]78万5240円、岩井均[安中3:S39.1.25:野球・ゴルフ・囲碁]72万2400円と続きます。
1万円以上の領収書がゼロの県議は中沢丈一[前橋勢多5:S23.10.20:スポーツ(ゴルフ・野球)・管弦楽(バイオリン)]、村岡隆村[桐生2:S21.11.27:-]、金田克次[太田3:S18.11.7:歴史探訪]、平田英勝[高崎2:S17.4.3:下手なゴルフ]、中島篤[高崎2:S29.10.29:古美術鑑賞・歴史読本]の5名。
<研修日数>
最も研修日数が多いのが、小林義康の26泊38日でダントツ、続いて腰塚誠[桐生5:S23.2.26:囲碁・将棋・旅行・読書]の15泊30日、金子浩隆の11泊17日、舘野英一の12泊16日、井田泉の10泊13日、小野里光隆[利根3:S15.11.25:将棋5段]の8泊13日、岩井均の8泊10日と続きます。
■脅威の旅三昧!小林義康県議
旅行が趣味だけに、もっとも研修に熱心なのが、小林義康で、年間12回、全て宿泊を伴う研修に出かけています。平均して毎月1回のペースです。行き先は、秋田県方面が4回+1?、北海道、九州、関西がそれぞれ1回ずつだが、海外では韓国が3回、香港・マカオが1回となっています。研修先は秋田方面が大好きなようで、とりわけ田沢湖畔の宿泊が好みのようです。新玉川温泉には4回宿泊し、連泊したこともあります。
圧巻なのは、5月の連休明けに秋田に1泊2日で行き、同月下旬に関西で3泊4日宿泊しレンタカーを駆使して食品安全確保調査をしたあと5月31日に戻ったら、中2日で、6月3日にまた3泊4日で地域間格差調査(多分東北)に出かけました。初夏の研修はさぞ有意義だったに違いありません。
次に、夏休み明けの8月下旬に2泊3日で秋田県界隈に発電所事業調査に出かけ、8月25日に戻ったと思ったら、9月4日早朝のフライトで福岡空港に着き、8時47分から翌々日の午後2時まで、レンタカーを544km乗り回して2泊3日で大分県界隈の森林観光資源を研修しています。9月6日に戻ったら、中3日で、9月10日には北海道に3泊4日で交通事故防止対策調査の研修に出かけています。9月13日に戻り、今度はなんと翌9月14日からソウルに環境教育・環境学習調査に2泊3日で出かけています。国内外をまたにかけ、疲れというものを知らない驚異的な体力を見せ付けています。
紅葉の季節には11月中旬に大好きな秋田県の県立がんセンター新検査システム調査のため、1泊2泊で田沢湖畔に宿泊。帰宅して12日後の11月30日には2泊3日でソウルを再訪し、通訳をつけて国際交流推進調査をしています。年の瀬も押し迫ったクリスマスイブには、またまた韓国を訪れ韓国大統領選挙調査を兼ねて総合行政調査に2泊3日滞在しました。
年明けの今年1月下旬には3泊4日で香港・マカオに環境保全推進調査に出かけ、年度末の3月下旬には、大好きな秋田の田沢湖半で2泊3日を過ごし、循環型社会つくりに関する調査を秋田、宮城、岩手などで行なっています。多分レンタカーを駆使しているはずです。
■韓国に1日に二度行った?松本県議
松本耕司の場合には、20万3292万円を出身地の館林市のつつじトラベルセンターに払い込んで、2泊3日でソウル市内のゴミ行政調査に出かけましたが、11月26日に帰国して、同日またソウルに行き、姉妹都市友好交流強化対策調査を3泊4日で行っています。後半の調査費用もつつじトラベルセンターに14万1500円を11月2日に払い込んでいますが、前半の調査費要は帰国後の12月9日に払い込んでいます。
同じ日にソウルと日本をとんぼ返りしたのかどうかは領収書を見る限り定かではありませんが、前半の3泊4日の調査費用が14万1500円なのに、後半の2泊3日が20万3292万円と増えているので合点がいきません。往復の飛行機代は前半の調査費用に入っていると思われるからです。まさか航空券の二重取り?なんてことはないと思うけど。
■渡航先ベストスリーは中国、韓国、タイ
県議らは海外旅行がお好きなようで、とくに手近な韓国や中国やタイが好まれる傾向にあります。昨年10月15日から金子一郎[前橋勢多3:S24.8.31:読書・ゴルフ]、萩原渉、関根圀男[高崎5:S21.10.26:柔道5段・ゴルフ・読書]、織田沢俊幸[甘楽2:S27.1.7:スポーツ観戦・美術鑑賞]、大林俊一[北群馬1:S32.2.21:-]、田島雄一[伊勢崎8:S24.1.13:スポーツ(ゴルフ・卓球)]、中村紀雄[前橋勢多6:S15.10.30:読書・山歩き・映画鑑賞]の7人が各自26万円近くかけて中国の大学教育・経済状況・自治体交流調査に出かけました。宿泊数や滞在日数は不明。ところがJTB前橋支店発行の領収書を見ると関根圀男の25万7080円の領収書だけが、他のメンバーが提出した領収書と異なり、社印の押印もなく、至極不自然なものになっています。本当に行ったのかどうか、この領収書を見る限り信用できません。
■国内外の単独研修を好む腰越議長
今年、議長に就任した腰塚誠の場合、盆明けの昨年8月21日に1泊2日で観光物産調査のため東急ハーベストクラブ勝浦に宿泊しました。ところがこの領収書の金額は37,180円となっており、規定額の16,500円以外は自己負担として申告してあります。しかし、1泊2日で4万円近い金額はどうしても不自然です。もし、現地滞在中にゴルフに明け暮れたとすれば、果たして観光物産調査だったのか、と疑われかねません。
腰塚議長は、外国もお好きのようで、国内と同じく、たいてい単独での出張です。勝浦から8月22日に戻った越塚は、中3日で、8月24日から4泊5日で中国の国際交流推進・観光物産調査のため、8万580円を東京の㈱オールウェイズ旅行社に支払って、出かけています。上海では、羽田から直行便が到着する虹橋空港に近いSport Hotelに3万5419円(円換算)の宿泊料をはらって連泊しています。8万580円には宿泊代金はなぜ含まれなかったのでしょうか。いつもHIS前橋支店を利用しているのに・・・。
観光推進は腰塚の趣味らしく、紅葉の季節の10月28日には万座温泉の日進間に1泊2日で5万1000円の観光推進調査に出かけています(なお、請求金額は4分の1の1万2750円)。
極めつけは、今年の1月25日から5泊6日で、タイ、ミャンマーとの国際交流・多文化共生調査のため、HIS前橋支店に、航空券とツアー代金として7万5800円を1月16日振込んで、厳冬の日本をひとりで離れて、出かけていることです。行き先地はタイ北部のチェンマイ。1月25日から29日まで滞在し、Pongping Hotelに4連泊し、レンタカーを4日間借り切り、温暖なタイ北部で調査研修を研鑽してきました。現地のホテル代やレンタカー代や食事代はすべてチェンマイ・ゲンキ・コミュニケーション社という代理店に任せて、ホテル代とレンタカー代合わせて円換算8万9600円を現地で支払っています。全部で16万円近い大調査です。
腰塚は年度末にも、3月26日から4泊5日で、国際交流・多文化共生調査のため、またもやHIS前橋支店に3万3850円を3月18日に支払って、このときだけは、新井雅博と一緒にどこか外国に行っています。
■年度末総出の駆け込み研修
興味深いのは、なぜか年度末になると、調査に行く県議が多いことです。また、外国には単独でもグループでもよく行っています。
グループ(県議団)として、外国に出かけたのは、前述の10月15日から数日間(日数不詳)、金子一郎、萩原渉、関根圀男、織田沢俊幸、大林俊一、田島雄一、中村紀雄の7人による中国大学教育・経済状況・自治体交流調査団。JTB前橋支店のアレンジで一人当たり約26万円弱の費用でした。
続いて、11月7日から3泊4日で、真下誠治[渋川3:S16.11.29:サイクリング・汗をかくこと・読書・落語鑑賞・仏教美術鑑賞]、長谷川嘉一[太田3:S27.11.6:スポーツ・読書]、南波和憲[吾妻4:S22.9.8:-]、舘野英一、須藤和臣[館林1:S42.12.8:-]、笹川博義[太田1:S41.8.29:映画鑑賞・ガーデニング・読書]、井田泉、原富夫[伊勢崎5:S9.12.20:ゴルフ・囲碁]の8人による中国(青島、天津、北京)産業振興調査団。こちらは近畿日本ツーリスト高崎支店のアレンジで一人当たり約20万円の費用でした。ちなみに、この時期の中国は北京秋天といわれる快適な季節です。
そして、最後に、3月22日から6泊7日の大研修が控えていました。金子浩隆、久保田順一郎[邑楽3:S27.8.22:ピアノ・スキー・ボーリング・ゴルフ等]、舘野英一、萩原渉、岩井均、井田泉の6人によるオーストリア、デンマーク、スウェーデンにおける地球環境対策調査団です。JTB前橋支店のアレンジで、一人当たり約68万円の費用。しかも、JTBには旅行先の通訳費用20万円を自民党名義で支払っています。さぞ、有意義な旅行だったに違いありません。
他にも、年度末には、前述の腰塚誠と新井雅博[藤岡2:S35.11.6:-]が、3月26日から30日にかけて、4泊5日で国際交流・多文化共生調査のため、外国に出かけています。
関根圀男と須藤和臣は、3月25日から3泊4日で、観光振興・国際交流推進調査のため、約30万円を近畿日本ツーリスト高崎支店に振込み、中国に出かけました。
国内旅行組では、小野里光敏が、これまた大好きな新潟県に2泊3日で観光推進調査に出かけ、新潟グランドホテルに2名分22420円を支払っています。小野里は、9月中旬に長岡市・新潟市に1泊2日、11月中旬に柏崎・上越・長岡市に2泊3日、いずれも地震災害調査に出かけています。また2月上旬には1泊2日で、湯沢町や苗場などのスキー場5箇所で客入込調査に出かけており、都合4回新潟を調査しています。残りの1回は、2泊3日かけて宿泊付の有害鳥獣調査のため6万8000円を、自ら関わりの深い水上町の関越交通㈱に支払っています。
五十嵐清隆[伊勢崎4:S27.9.22:読書・釣り・ゴルフ]と南波和憲は、3月26日から2泊3日で、近畿日本ツーリスト高崎支店のアレンジによる米軍基地問題調査のため沖縄に出かけました。
小林義康は12回目の平成19年度の最後の宿泊研修を締めくくるべく、前述のように、馴染みの田沢湖畔の新玉川温泉に2泊連泊し、循環型社会つくりに関する調査を秋田、宮城、岩手などで2泊3日、精力的に行ないました。なぜか、宿泊料金2泊分24,400円のうち、半額しか政調費として請求しません。さすがに12回目ともなると気が引けたのでしょうか。
大林俊一、織田沢俊幸、橋爪洋介[高崎2:S42.4.28:スポーツ全般・読書・犬の散歩・猫いじり]は、3月27日から1泊2日で観光推進調査のため、瀬戸内海の直島に出かけました。アレンジはJTB前橋支店で、一人当たり94,200円の費用。
■政調費を使い切る年度末の旅行シーズン
3月下旬は、32名の自民党県議団のうち、半数以上の17名が研修調査に出かけたことになります。陳情する場合、この時期は不在県議が多いため、時期的には避けたほうが賢明のようです。
それにしても、最後の追い込みで予算消化をしているのが見え見えです。政務調査費が明らかに多すぎて、使い道に困り、このような駆け込みの研修費の支出が発生しているものと思われます。
1万円以上の領収書の開示結果を見ても、この有様なので、領収書の開示義務がなかった平成18年度まではいったい、どんな使い方をしていたのでしょうか。冒頭の告発情報のように、全く野放図だったに違いありません。
当会では、政務調査費について、市民オンブズマン群馬と協力して今後も監視を続けてゆく所存です。
【ひらく会事務局】