■大同特殊鋼渋川工場から長年にわたり大量に排出されてきた有毒な鉄鋼スラグの不法投棄問題に取り組んでいる市民オンブズマン群馬では、この問題の全貌を把握するには、どこにどんなスラグがどれくらい投棄されてきたのかを排出者に確認する必要があると痛感しています。そこで、同社渋川工場長宛に公開質問状を出しましたが、顧客情報を理由に開示を拒否されました。
そのため、今度は同社の本社リスクマネジメント・コンプライアンス委員会宛に、あらためて、「顧客情報については黒塗りで構わないので、スラグの種類、量、出荷日、出荷先の場所だけでも出荷記録の開示について、ぜひ再検討ください」とする公開質問状を3月19日付で提出していたところ、同26日付で、同社総務部長名で次の内容の回答FAXが送られてきました。
**********
15-03-26;17:15 ;大同特殊鋼(株) ;052 963 4386 #1/2
FAX送信
市民オンブズマン群馬 平成27年3月26日
事務局 鈴木 庸 様
大同特殊鋼株式会社
〒461-8581
愛知県名古屋市東区東桜1丁目1番10号
(アーバンネット名古屋ビル)
TEL:052-963-7501 FAX:052-963-4386
いつもお世話になっております。
以下の通りFAXを送付致しますので、ご査収のほどお願い申し上げます。
FAX:027-224-6624 送付枚数 1枚
3月19日付で送付頂きました公開質問状に対し、添付のとおりご回答させて頂きますので、ご査収よろしくお願い申し上げます。
以上
**********
15-03-26;17:15 ;大同特殊鋼(株) ;052 963 4386 #2/2
2015年3月26日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
大同特殊鋼株式会社
総務部長 東 真一郎
拝啓 この度の鉄鋼スラグに関わる事案につきまして、市民の皆様に多大なるご心配をおかけしていますことを、重ね重ねお詫び申し上げます。
さて、3月19日付公開質問状を拝受し内容を確認させて頂きました。
内容につきましては、前回の弊社渋川工場長宛に送付頂きました公開質問状と同様のご要望と理解いたしましたが、前回の弊社からのご回答は本社を含めた全社としての結果です。
従いまして、今回の公開質問状に対しては、前回同様、貴団体のご要望にはお応えしかねますので、何卒ご理解頂きますことをお願い申し上げます。
敬具
**********
■今回の公開質問状は、大同特殊鋼のリスクマネジメント・コンプライアンス委員会宛に提出したのですが、なぜか本社からの回答は総務部長からとなっていました。
大同特殊鋼のホームページには、コーポレート・ガバナンス(企業統制)に関して充実した記載が掲載されています↓
http://www.daido.co.jp/csr/system/riskmanagement.html
http://www.daido.co.jp/ir/policy/governance.html
http://www.daido.co.jp/ir/pdf/governance.pdf
市民オンブズマンとしては、これらの記事に基づいて、コンプライアンスの相談・通報者として同社の窓口に公開質問状を提出しました。
同社のコーポレート・ガバナンスの規程によれば、当会の公開質問状は、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員のもとに届けられて、臨時の取締役会を経たうえで本社管理部門・事業部に届けられ、しかるべき調査と判断が行われてから、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員を通じて、公開質問状への回答が行われることになっていると考えられます。
ところが、今回の回答は本社総務部長からでした。
■もういちど大同特殊鋼のHPにある、2014年6月27日現在とされる「コーポレート・ガバナンスの状況(最終更新日 2014年11月20日 PDF:426KB)」を見直してみました。
そこには、次のように書かれています。
・・・リスクマネジメントおよびコンプライアンス重視の経営を実践しております。具体的には、リスクマネジメントに関する基本的な事項を「リスクマネジメント規程」にて定めているほか、当社グループにおいて近い将来に発生が予想されるリスクおよび潜在的リスクのマネジメントについて審議し、当社常勤役員会および当社取締役会の諮問に答申する機関として、当社代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクマネジメントおよびコンプライアンスの全社統括責任者としてリスクマネジメント・コンプライアンス担当役員を選定しております。
また、コンプライアンスの相談・通報窓口として、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員、担当部門および社外の弁護士へのホットラインを設置しております。さらに、「大同特殊鋼企業倫理憲章」および「大同特殊鋼の行動基準」を制定し、全従業員およびグループ各社に周知徹底しております。併せて、重大事故が発生した場合に備え、関係者のいち早い情報の共有化、スピーディーでかつスムーズな対応処置、および企業活動への影響の最小化を目的として「重大事故発生時の緊急対応体制規程」を定め、全従業員およびグループ各社に周知しております。・・・
■なかでも注目されるのが次の「3.ステークホルダーの立場の尊重に係る取組状況」についてです。
・・・ステークホルダーに対する情報提供に 係る方針等の策定 『大同特殊鋼企業倫理憲章』のなかで、「株主をはじめ、社会と広くコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示する」ことをうたっており、これに基づいて定めた『大同特殊 鋼の行動基準』の冊子を経営者をはじめ全社員に配布し、その徹底を図っております。・・・
■どうやら当会のような市民団体は、大同特殊鋼にとっては「ステークホルダー」とは認識されないようです。そのため、コミュニケーションを図って企業情報を積極的にかつ公正に開示することが、できないもかもしれません。
ということは、同社のコーポレート・ガバナンスやCSR(企業の社会的責任)に対する姿勢に疑問符が付く、ということになります。
どうやらこれ以上、大同特殊鋼の良識に期待しても、時間の無駄のようです。大同有毒スラグの不法投棄の全貌が分かる情報の入手は、別の方法を考える必要がありそうです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
そのため、今度は同社の本社リスクマネジメント・コンプライアンス委員会宛に、あらためて、「顧客情報については黒塗りで構わないので、スラグの種類、量、出荷日、出荷先の場所だけでも出荷記録の開示について、ぜひ再検討ください」とする公開質問状を3月19日付で提出していたところ、同26日付で、同社総務部長名で次の内容の回答FAXが送られてきました。
**********
15-03-26;17:15 ;大同特殊鋼(株) ;052 963 4386 #1/2
FAX送信
市民オンブズマン群馬 平成27年3月26日
事務局 鈴木 庸 様
大同特殊鋼株式会社
〒461-8581
愛知県名古屋市東区東桜1丁目1番10号
(アーバンネット名古屋ビル)
TEL:052-963-7501 FAX:052-963-4386
いつもお世話になっております。
以下の通りFAXを送付致しますので、ご査収のほどお願い申し上げます。
FAX:027-224-6624 送付枚数 1枚
3月19日付で送付頂きました公開質問状に対し、添付のとおりご回答させて頂きますので、ご査収よろしくお願い申し上げます。
以上
**********
15-03-26;17:15 ;大同特殊鋼(株) ;052 963 4386 #2/2
2015年3月26日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
大同特殊鋼株式会社
総務部長 東 真一郎
拝啓 この度の鉄鋼スラグに関わる事案につきまして、市民の皆様に多大なるご心配をおかけしていますことを、重ね重ねお詫び申し上げます。
さて、3月19日付公開質問状を拝受し内容を確認させて頂きました。
内容につきましては、前回の弊社渋川工場長宛に送付頂きました公開質問状と同様のご要望と理解いたしましたが、前回の弊社からのご回答は本社を含めた全社としての結果です。
従いまして、今回の公開質問状に対しては、前回同様、貴団体のご要望にはお応えしかねますので、何卒ご理解頂きますことをお願い申し上げます。
敬具
**********
■今回の公開質問状は、大同特殊鋼のリスクマネジメント・コンプライアンス委員会宛に提出したのですが、なぜか本社からの回答は総務部長からとなっていました。
大同特殊鋼のホームページには、コーポレート・ガバナンス(企業統制)に関して充実した記載が掲載されています↓
http://www.daido.co.jp/csr/system/riskmanagement.html
http://www.daido.co.jp/ir/policy/governance.html
http://www.daido.co.jp/ir/pdf/governance.pdf
市民オンブズマンとしては、これらの記事に基づいて、コンプライアンスの相談・通報者として同社の窓口に公開質問状を提出しました。
同社のコーポレート・ガバナンスの規程によれば、当会の公開質問状は、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員のもとに届けられて、臨時の取締役会を経たうえで本社管理部門・事業部に届けられ、しかるべき調査と判断が行われてから、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員を通じて、公開質問状への回答が行われることになっていると考えられます。
ところが、今回の回答は本社総務部長からでした。
■もういちど大同特殊鋼のHPにある、2014年6月27日現在とされる「コーポレート・ガバナンスの状況(最終更新日 2014年11月20日 PDF:426KB)」を見直してみました。
そこには、次のように書かれています。
・・・リスクマネジメントおよびコンプライアンス重視の経営を実践しております。具体的には、リスクマネジメントに関する基本的な事項を「リスクマネジメント規程」にて定めているほか、当社グループにおいて近い将来に発生が予想されるリスクおよび潜在的リスクのマネジメントについて審議し、当社常勤役員会および当社取締役会の諮問に答申する機関として、当社代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクマネジメントおよびコンプライアンスの全社統括責任者としてリスクマネジメント・コンプライアンス担当役員を選定しております。
また、コンプライアンスの相談・通報窓口として、リスクマネジメント・コンプライアンス担当役員、担当部門および社外の弁護士へのホットラインを設置しております。さらに、「大同特殊鋼企業倫理憲章」および「大同特殊鋼の行動基準」を制定し、全従業員およびグループ各社に周知徹底しております。併せて、重大事故が発生した場合に備え、関係者のいち早い情報の共有化、スピーディーでかつスムーズな対応処置、および企業活動への影響の最小化を目的として「重大事故発生時の緊急対応体制規程」を定め、全従業員およびグループ各社に周知しております。・・・
■なかでも注目されるのが次の「3.ステークホルダーの立場の尊重に係る取組状況」についてです。
・・・ステークホルダーに対する情報提供に 係る方針等の策定 『大同特殊鋼企業倫理憲章』のなかで、「株主をはじめ、社会と広くコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示する」ことをうたっており、これに基づいて定めた『大同特殊 鋼の行動基準』の冊子を経営者をはじめ全社員に配布し、その徹底を図っております。・・・
■どうやら当会のような市民団体は、大同特殊鋼にとっては「ステークホルダー」とは認識されないようです。そのため、コミュニケーションを図って企業情報を積極的にかつ公正に開示することが、できないもかもしれません。
ということは、同社のコーポレート・ガバナンスやCSR(企業の社会的責任)に対する姿勢に疑問符が付く、ということになります。
どうやらこれ以上、大同特殊鋼の良識に期待しても、時間の無駄のようです。大同有毒スラグの不法投棄の全貌が分かる情報の入手は、別の方法を考える必要がありそうです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】