市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

小渕優子・政治資金問題の幕引き後、東京地検特捜部が着目した日歯連・迂回献金問題の傾向と対策

2015-05-09 23:57:00 | 政治とカネ
■小渕優子・前通産相の政治資金問題で、市民オンブズマン群馬が平成26年10月20日に提出し、同10月31日に東京地検特捜部に受理されていた告発に対する不起訴処分通知が、4月28日付で当会事務局に送られてきましたが、その通知が届いた4月30日に、東京地検は、今度は日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回献金疑惑の捜査に着手したとの報道がなされました。

写真週刊誌フライデー2015年5月4日発売号のP86とP87の記事。

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日歯連強制捜査:絶えぬ「抜け道献金」内部からも批判の声
毎日新聞 2015年04月30日 13時25分(最終更新 04月30日 14時45分)

日歯連からの寄付の流れ
 またもや政治とカネを巡る問題に捜査のメスが入った。小渕優子前経済産業相の関連政治団体を巡る事件で元秘書2人が在宅起訴された2日後の30日、東京地検特捜部が日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回(うかい)献金疑惑で強制捜査に乗り出した。日歯連は2004年にも自民党旧橋本派への裏献金事件などで特捜部の捜査を受け、これを機に政治資金規正法が改正された。政治家を巡るカネの闇は深い。
 政治団体間の寄付については、日歯連の自民党旧橋本派への1億円裏献金事件(04年)を機に、政治資金規正法が改正され、年間5000万円が上限と定められた。しかし、その後も別の団体を経由させることで、上限を上回る額を寄付させる「迂回献金」が疑われるケースがさまざまな団体で発覚。堂々と脱法的な行為が行われ、今回の問題では、日歯連の組織内からも疑問の声が上がっていた。
 資金が流れた「石井みどり中央後援会」と「西村まさみ中央後援会」は日歯連の事務所と同じビルに入居しており、ビルの外には二つの後援会の案内看板が立っていた。代表者も事務担当者も電話も同一。それでも日歯連関係者によると、会計担当者は「極めてテクニカルな要素(で問題はない)」と説明していたという。
 この問題は今年1月の日歯連評議員会で取り上げられ、表面化した。会員が、収支報告書の掲載されている総務省のホームページを見て、疑問の声を上げたのがきっかけだという。参院選を前に、ルールの上限を超える計9500万円の資金が日歯連から出ていた。評議員の一人は2月、毎日新聞の取材に「10年前の事件で苦労した。またしくじるのは良くない。疑念を持たれないようにすべきだ」と話した。
 西村正美参院議員の所属する民主党の同僚議員の一人は、2月に問題が発覚した直後、本人に事実関係を尋ねたという。この時、西村氏は「まったく知らない。日歯連には長年自由に金を扱える人間がいる。そのような仕組みになっていることが問題なので、むしろ全容が明らかになってほしい」と語ったという。これを踏まえ同僚議員は今月30日、取材に「西村議員の話は本当だと思う。私も捜査を通じて解明されることを願う。企業・団体献金はいろいろと抜け道があるので、一切禁止すべきだ」と語った。【青島顕、関谷俊介】
 ◇昨秋以降だけで閣僚3人が辞任
「政治とカネ」の問題を巡り、昨年から今年にかけて安倍内閣の閣僚などで政治資金収支報告書の虚偽記載などの疑惑が相次いで発覚し、昨年10月以降、閣僚3人が辞任した。
 経済産業相を昨年辞任した小渕氏については東京地検特捜部が今月28日、元秘書2人を同法違反(虚偽記載)で在宅起訴。支援者向けの「観劇会」の収入計約1億4400万円を、約2100万円と政治資金収支報告に過少に記載するなどした疑いがもたれている。
 小渕氏と一緒に法相を辞任した松島みどり氏は、選挙区内で有権者に「うちわ」を配ったとして公職選挙法違反(寄付行為)容疑で告発された(今年1月に不起訴処分)。
 一方、今年2月に農相を辞任した西川公也氏の場合、代表を務める政党支部が、国から7億円の補助金交付が決まった栃木県鹿沼市の木材加工会社から300万円の献金を受領し、補助金交付決定から1年間の献金を禁じた政治資金規正法違反の疑いが持たれた。
【一條優太】
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■確かに、日歯連は11年前の2004年にも政治とカネに絡む事件を起こしました。当時は日歯連による診療報酬を巡る汚職事件や日歯会長選に絡む横領と政界に絡む選挙買収や闇献金が発覚し、日歯連幹部6人、中医協委員2人、自民党国会議員2人、自民党派閥会計責任者、地方議員5人ら計16人が起訴され、全員の有罪が確定したのでした。

 この事件をきかっけに失脚した大物議員が出て、政界にもたいへん大きな影響がありました。診療報酬にも大きく影響し、次の回の改定で歯科の点数が大幅に下がり、経営が苦しくなった歯科医院が急増したりしました。

 今回の日歯連の事件は、実は平成27年2月4日に既にマスコミで報道されていました、

**********朝日新聞デジタル2015年2月4日05時00分
日歯連、5000万円迂回寄付か 13年、石井みどり議員後援会へ

日歯連からの寄付の流れ
 政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が2013年に支出した政治資金のうち、同年の参院選で擁立した石井みどり参院議員(自民)の後援会に計9500万円がわたっていたことが、内部の会議録でわかった。政治団体間の寄付の法定上限は年間5千万円。だが日歯連は、いったん別の政治団体に9500万円のうち5千万円を寄付し、そこから即日、石井氏の後援会に同額が寄付されていた。日歯連内部からも「迂回(うかい)献金」なのではとの批判が出ている。
 政治資金収支報告書によると、日歯連は13年1月23日、10年の参院選で日歯連が擁立した西村正美参院議員(民主)を支援する「西村まさみ中央後援会」に5千万円を寄付。同後援会は同日、石井氏を支援する「石井みどり中央後援会」に同額を寄付した。日歯連は2カ月後、4500万円を石井みどり中央後援会へ寄付した。政治資金規正法は、政治団体間の寄付を年間5千万円までに規制している。
 この上限は、04年に発覚した日歯連の自民党・旧橋本派への1億円ヤミ献金事件を機に設けられた。西村まさみ中央後援会の13年の収入は、この5千万円以外は、前年から繰り越した約11万円だけだった。
 今年1月23日の日歯連臨時評議員会で、複数の評議員が「迂回献金だ」などと問題視。西村氏はその後、事実関係を知ったという。取材に対し、「後援会は日歯連内部の団体で、私自身は運営に関与できない」とし、一連の資金の流れは知らなかったと説明した。
 日歯連は「(二つの後援会を含む)3団体は独立しており、活動目的も異なる。資金処理は合法的に後援会活動を行うためだ」などと文書で回答。石井氏の事務所は「資金の流れなどについて把握していない」とコメントした。3団体の代表はすべて高木幹正・日歯連会長で、事務所も東京都の「歯科医師会館」にある。電話番号や事務担当者も同一だ。
 政治資金に詳しい日本大学法学部の岩井奉信(ともあき)教授は「上限規制を免れるための脱法的行為で、規制の趣旨に反する」と話している。(関根慎一、中村信義)
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■すでに3か月前に報じられた事件ですが、その後誰かが、当会が小渕優子らを告発したのと同様に、日歯連のこの事件を東京地検に告発でもしたのでしょうか?

 日歯連の迂回献金疑惑は、全国の歯科医で組織される政治団体の日本歯科医師連盟が、自民党の石井みどり参議院議員の後援会に対し、民主党の西村正美参議院議員の後援会より、法定上限を超える迂回寄付をしていた可能性があるというものです。

 日本歯科医師連盟(日歯連)は、かつては歯科医師会に入会すると自動的に日歯連にも一緒に加入手続きが取られていましたが、11年前の事件発覚以降、表向きは任意加入の建前をとっていますが、殆どの歯科医師が加入しているようです。当然、歯科医師業界の政治団体であり、自民党支持(民主党政権の時は民主党支持だった?)の利益団体=圧力団体で、資金は加入している歯科医師から会費のように集金していると見られます。

 今回、迂回した政治団体が民主党の西村正美参議院議員の後援会で、自民党の石井みどり参議院議員の後援会に渡ったということから、両方の後援会共に、日歯連がコントロールしている政治団体であることが分かります。

しかし、今回の日歯連の事件は、身内同然の「族議員」に選挙資金を回しただけで、きちんと政治資金収支報告書には、献金=寄附の記載がしてありました。いわゆる「汚職」とは異なります。あくまでも個人の選挙違反の範疇ということになります。

 11年前の事件は、献金=寄附を隠してしまい、政治資金収支報告書に掲載しなかったことがそもそも違法だったのです。だから「ヤミ献金」と呼ばれました。

 今回は、政治資金収支報告書に記載していますから、二人の議員以外の議員らに飛び火する可能性はなさそうです。

■他方、小渕優子・前経産省の場合は、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした上に、証拠が記録されていたと思われる事務所のパソコンのハードディスクをドリルで破壊し、証拠隠滅をしたにもかかわらず、姫本人はお咎めなしで、国家老だけが在宅起訴という仰天処分でした。

 日歯連の場合は、マスコミも2月4日の時点では、あまり事件的にインパクトがなかったと見えて、地味な扱いだったのに、東京地検は、小渕優子らの政治資金問題に大甘の処分をした後、告発さえされていないかもしれない日歯連の迂回献金に矛先を向けたのでした。

これでは、日歯連としても、マスコミから「今回の東京地検の動きについてどう思いますか」と取材を受ければ、「(小渕優子の場合に比べれば)法的問題はない」と回答したくなるでしょう。

■連休中の5月4日には写真週刊誌のフライデーが、小渕優子の関連政治団体の政治資金収支報告書のデタラメ度と、東京地検の不起訴処分について、コメント記事を掲載しました。

*********フライデー2015年5月15日号(5月4日発売)
20150504_friday_p8687_obuchiyuko_giwakunodepart.pdf
20150504_friday_p86_obuchiyuko_giwakunodepart.pdf
20150504_friday_p87_obuchiyuko_giwakunodepart.pdf
不起訴処分に怒りの声噴出
疑惑のデパート小渕優子 「消えた5600万を説明せよ!」
 本当に、これで幕引きとなるのか。
 関連する政治団体のデタラメな政治資金収支報告が問題となり、昨年10月、就任からわずか47日で×大臣を辞任した小渕優子氏(41)。その元秘書で小渕家の「金庫番」だった折田謙一郎・前群馬県中之条町長(66)の操作が終了し、折田氏ともう一人の会計責任者が、約3億2000万円の収支を記載しなかったとして「政治資金規正法違反」で在宅起訴、小渕氏本人は「嫌疑不十分」で不起訴となった。この甘すぎる処分に怒りの声が上がる。神戸学院大学代が金の上脇博之教授はこう指摘する。
「報告書に記載されなかった大金が、横領や、選挙・政治活動の裏ガネとして使われなかったのか、疑問が残ります」
 小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」は、政治資金収支報告書に、’09年から’13年の5年間で別の関連政治団体の「小渕優子後援会」「自民党群馬県第五選挙区支部」に5600万円を寄付したと記載していた。
 ところが、この寄付が実際には行われていなかったことが発覚した。小渕家は、父・恵三氏の代から地元の関係各所に「陣中見舞い」などの名目でカネを配っていたようだが、これらは政治資金収支報告書に記載できるカネではないので、二つの団体に寄付したことにしてごまかしていたのだ。一方その二団体は、支援者を集めて実施した歌舞伎の観劇会などの参加費の総額を過少に申告し、帳尻を合わせていた。
 政治資金で下仁田ネギを買ったり、自分の顔をラベルにしたワインを配ったりといくつもの問題が指摘されてきたが、小渕氏の政治資金収支はデタラメというほかなく、まさに「疑惑のデパート」だ。
「今後注目すべきは、5600万円ものカネの使途が明らかにされるか、です。陣中見舞いとして各所にカネを配ったとの話がありますが、それが小渕氏の選挙や政治活動に関係するものなら大問題。政治資金規正法違反に止(とど)まらず、公職選挙法違反になります。公職選挙法違反なら連座制が適用されますから、小渕氏も議員辞職を余儀なくされます」(前出・上脇氏)
 消えたカネの使途について、今後裁判で明らかにされるか、あるいはさらなる捜査が行われるのかは不明だが、ある関係者は、
「昨年の選挙の得票数をその前(’12年)の選挙と比べると、この2年で2万票ほど落ちている。昨年の選挙直前に折田が事情聴取され、選挙活動に関われなかったことがその原因だ。それを考えると、小渕家の金庫番だった折田が、多くの票を“買っていた”疑いもある」
 と指摘する。また前出の上脇氏は、
「たとえ裏ガネなどの決定的な証拠が出てこなくとも、小渕氏の道義的、政治的な責任は重い。数千万円というカネの流れについて、「秘書に任せていたから知らなかった」では済まされないのではないか。議員辞職もあってしかるべき」
 と言う。
 実は、小渕氏本人は精神的に相当参っているとの話がある。
「小渕さんは、昨年10月に問題が発覚した時に『辞めたい』と漏らしていたようです」
 こう明かすのは政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。
「小渕元首相時代の秘書の方から聞いた話ですが、彼女はとにかく引退したがっていた。それでも周囲から『小渕ブランドで喰っている人が(群馬の地元には)どれだけいると思っているんだ。お嬢は出ないとダメだ』と説得されていやいやながら出馬した。組織力で当選は果たしたものの、『自分はこのままでいいのか』という思いはずっと燻っているはず」
 一片の良心があるなら、自ら使途不明金について明らかにし、一度政治の世界から身を引くべきではないか。そんな決断さえできない当事者能力のない議員だとしたら、何をかいわんやだ。

<小渕氏関連団体の「黒い帳簿」>※’09~’13年
【未来産業研究会】①「陣中見舞い」や飲食費に使用。収支報告書には記載できない「簿外支出」
   ↓約5600万円②簿外支出をごまかすため寄付したことに
   ↓  【小渕氏の関連団体】
   ↓→→→約 500万円
   ↓→→→約5100万円(←観劇会の支出約6900万円のうち未記載分)
   ↓→→→約1800万円(←収支報告書に記載された観劇会の収入(実際は1億円以上あったが過少記載。赤字分を寄付で補てんしたように見せかけた)
‘09年より以前の簿外支出も含めると。総額は1億円近くにも上ったという。その使途は、小渕氏の事務所関係者らが東京で飲食をした際の費用だったというが、地元議員や支援者への選挙関連の資金として使われていた可能性も指摘されている。裁判や捜査で、その使途が明らかにされるのか。
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■かくなる上は、在宅起訴された国家老の捜査結果に基づく刑事裁における事実関係の実態がどのように弁論で明らかになるのかどうかがカギとなります。しかし、政治とカネの問題で、真相が全て明らかになった事案は皆無です。今回も期待できそうもない、というのが大方の庶民の味方でしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
今週の週刊ポストにも、政治家の政治とカネの問題が掲載されています。
**********NEWS ポストセブン 5月8日(金)7時6分配信
川崎二郎元厚労相に脱法パーティー券疑惑 週刊ポストが報道
 自民党参院議員の関連政治団体に「日本歯科医師連盟」が計9500万円を献金したとされる問題や、世耕弘成・官房副長官に原発関連会社の幹部らが計750万円献金したことが、法の抜け道を駆使して、政治資金規正法で定められた「寄付額の上限」を超えた違法な献金だと問題視されている。自民党によるメディア弾圧の司令塔である重鎮議員に、同じ構図の疑惑献金があることを5月8日発売の週刊ポスト(5月22日号)が報じている。
 その議員とは、自民党情報通信戦略調査会長を務める川崎二郎氏。やらせ問題のNHKと『報道ステーション』でコメンテーターが官邸批判したテレビ朝日の経営陣を自民党本部に呼び出して事情聴取した人物だ。
 同誌による疑惑の概略はこうだ。川崎氏は2013年2月、地元選挙区である三重・津市のホテルで政治資金パーティー「川崎二郎と語る会」を開いた。資金管理団体「白鳳会」の政治資金収支報告書によると、256人がパーティー券を購入し、合計約1100万円余りの収入があった。
 報告書には20万円を超えるパーティー券購入者の氏名や住所などを記載しなければならない。収入の内訳を見ると、医療法人「F会」と社会福祉法人「I福祉会」からそれぞれ100万円ずつ、合計200万円の収入があった。しかも、両法人とも同じ日(2012年12月17日)にパーティー券を購入している。
 インターネットでF会やI福祉会を検索すると、ともに「Fグループ」のホームページに飛ぶ。券を購入した2法人は三重で介護施設事業などを展開する「Fグループ」に属する法人なのだ。収支報告書に記載されている2社の代表者(理事長)の名前も同じ。F会は老人保健施設、I福祉会はケアハウスを運営し、住所は別だが、ともに津市に所在している。
 政治資金規正法では「政治資金パーティーの主催者は1つのパーティーで同一の者から150万円を超える支払いを受けてはならない」、または「何人も1つのパーティーで150万円を超える支払いをしてはならない」と規定されている。
 両法人が実質的に一体であるならば、量的制限を超える200万円のパーティー券が購入されたことになる。さらに、国から税制優遇措置を与えられている医療法人や社会福祉法人からの献金の妥当性も問われよう。
 同誌は政治資金問題に詳しい専門家や、川崎二郎事務所にも見解を質している。
**********

【5月11日追記】
**********日刊ゲンダイ2015年5月10日 9時26分
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159648
終わらない「ドリル小渕優子事件」 検察審査会に申し立てへ

笑っている場合か(C)日刊ゲンダイ
 何ら説明責任を果たさず、ノンビリと連休を楽しんだのなら許し難い。億単位の政治資金を恒常的に「裏金化」していたにもかかわらず、おとがめナシの小渕優子前経産相(41)。東京地検特捜部の“ザル捜査”に助けられ、これで「おしまい」と思ったら大間違い。「ドリル優子事件」はこれからが始まりなのだ。
「告発状受理の連絡もないまま、突然、東京地検から『嫌疑不十分で不起訴処分』と書かれた通知が届きました。あらためて処分理由を問いただした上で、検察審査会に申し立てする方針です」←(当会注:東京地検からは、単に「処分通知」として「不起訴処分」としか連絡を受けていません。処分理由として「嫌疑なし」なのか「嫌疑不十分」なのか、それとも「不起訴相当」なのかどうかをこれから確認する必要が有ります)
 小渕氏を政治資金規正法違反の疑いで特捜部に告発した「市民オンブズマン群馬」の小川賢代表はキッパリ言い切った。
 そりゃあそうだろう。判明した裏金は3億円以上にも上るのだ。実際は何に使われたのかを解明すべく、特捜部は小渕氏をギュウギュウ絞り上げるのが筋だ。それなのに小渕氏の元秘書で群馬・中之条町の折田謙一郎前町長(66)ら2人を政治資金規正法違反の罪で在宅起訴してシャンシャン。小渕氏本人は「知らなかった」として、いまだに会見すら開いていない。オンブズマンが特捜部の処分に納得できないのも当然だ。
 その特捜部はなぜか「日本歯科医師連盟」(日歯連)の政治資金規正法違反事件にシャカリキになっているが、小渕氏の事件から国民の目をそらせる狙いがミエミエだ。
 小沢事件で明らかになったように、検察審査会に申し立てされると、今度は一般市民が「ドリル優子事件」を検証することになる。消えたカネは何に使ったのか。証拠隠滅を図ったパソコンのハードディスクには何が記録されていたのか。カネを受け取った政治家は誰なのか……。疑惑は山積みで、特捜部がゴマカシの捜査資料を作り、審査補助員の弁護士が恣意的な議決誘導をしない限り、「起訴相当」の議決が出る可能性は高い。2回続けば小渕氏はいよいよ強制起訴だ。
 親子代々にわたって巨額の政治資金を違法にため込んできた「小渕ファミリー」。今度こそ真相を解明しなければウソである。
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