市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題での4回目の開示請求結果…1年かけ到達した『記録無し』の最深部!

2021-01-16 23:21:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■長野高専きっての有害天下り校長として同校に3年間の暗黒時代をもたらし、今なお続く同校の腐敗と倫理崩壊のスパイラルを作った石原祐志。圧力と口利きで無理やり石原を高専校長に押し込み、その後ろ盾となっていた文科省トップ幹部・佐野太の失脚に伴い、石原も理研の名ばかり部長に流れていきました。

独立行政法人国立高等専門学校機構 長野工業高等専門学校 前校長 石原祐志。

 ところが、跡を継いだ土居信数校長は、教職員らにほぼ何も伝えないまま、抗議も意に介さず、石原祐志への長野高専名誉教授称号授与を強行してしまいました。石原氏はちゃっかりと産総研のインチキ事業体にも天下りで潜り込んでおり、そこで授与もされないうちから称号をひけらかす有様でした。

 当会では、この石原への名誉教授授与の経緯について、2019年秋より全容の洗い出しを試みました。すると、石原本人が在任中から「自分で自分に名誉教授を授与する」出来レースを仕込んでいた実態がありありと見えてきたのです。この調査では、長野高専に開示請求をかけて関連内部文書を出させるたびに未知の情報があることが判明し、それにまた開示請求をかけ……ということが1年間にわたり繰り返されていました。当会では、いい加減にイタチごっこを終わらせるべく、都合4回目となる法人文書開示請求書を2020年11月3日付けで同校に提出していました。

○2019年12月29日:【長野高専】天下り石原名誉教授問題…同校と産総研の開示文書で「授与」と「活用」の経緯を暴く!(2)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3099.html
○2020年8月7日:【出張!オンブズマン】長野高専J科セクハラ退職問題&石原名誉教授授与強行問題で同校から届いた開示文書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3187.html
○2020年11月3日:【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題への再追加開示請求に同校がしぶしぶ明かした出来レースメール記録
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3233.html

■同年11月10日に長野高専の白木職員に電話をかけると、「11月3日の開示請求についてだが、前回開示(長野高専庶第33号)における石原名誉教授関連の開示情報に関して、その中に漏れがあるという理解でよろしいですか」と確認してきました。当会担当者から「そのとおりです」と返すと、白木職員は「では、私の見解と合致していることが確認できました」と述べました。

 当初、白木職員がこのような確認をしてきた真意が呑み込めず、少し考えを巡らせました。するとどうにも、開示請求の(2)で「2019年3月1日から同年4月30日にかけて教職員と石原祐志でやり取りした電子メールの一切」としたため、文字どおり解釈して全メールを際限なく開示することを避けようと、「長野高専庶第33号の漏れとしての電子メール」に対象を限定しようという意図らしいと気が付きました。

 その後、12月1日に白木職員から、「対象文書1件として手数料300円を振り込んで欲しい」とメールが届いたので、翌々日に振り込みました。

■すると、12月7日付けの開示決定通知および不開示決定通知が、その翌日に郵送されてきました。

●12/7付開示決定通知(庶51)及び不開示決定通知(庶52)ZIP ⇒ 20201207ljesm1.zip

*****開示決定通知(長野高専庶第51号)*****
                           長野高専庶第51号
                           令和2年12月7日

                法人文書開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構

  令和2年11月3日付けで請求のありました法人文書の開示について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり開示することとしましたので通知します。

                      記

1 開示する法人文書の名称
  令和2年9月17日付長野高専庶第33号にて開示した法人文書に関して、次の(2)の情報
  (2)2019年3月1日から同年4月30日にかけて、本校教職員から石原校長(当時)に宛てて送信したか、同氏から本校教職員に送信された電子メールの一切。ただし、以下①~④は除く。
   ①令和元年11月12日付長野高専庶第51号における開示文書に含まれるもの
   ②令和2年7月17日付長野高専庶第21号における開示文書に含まれるもの
   ③令和2年9月17日付長野高専庶第33号における開示文書に含まれるもの
   ④令和2年11月3日付け請求(1)の対象となる開示文書に含まれるもの

 【1】功績調書について(メール)(2019.3.29 12:21)
 【2】セクシュアル・ハラスメント防止のための研修受講確認について(メール)(2019.4.19 15:19)


2 不開示とした部分とその理由
 【1】功績調書について(メール)
 【2】セクシュアル・ハラスメント防止のための研修受講確認について(メール)
 不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
 理   由:法第5条第一号及び法第5条第四号柱書きに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
**********

*****不開示決定通知(長野高専庶第52号)*****
                           長野高専庶第52号
                           令和2年12月7日

            法人文書不開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構

  令和2年11月3日付け法人文書の開示請求について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第2項の規定に基づき,下記のとおり開示しないことと決定しましたので通知します。

                 記

1 不開示決定した法人文書の名称
  令和2年9月17日付長野高専庶第33号にて開示した法人文書に関して、次の(1)の情報
 (1)本校総務課人事係職員から石原校長(当時)に送信された「名誉教授について」という件名の2019年3月28日19時55分付電子メールの本文中、「先日お問い合わせのありました校長先生自身の名誉教授について」との記載に関連して、石原氏からの「先日の問い合わせ」の経緯と内容、問い合わせ先がわかる一切の文書。

2 不開示とした理由
 (1)対応等を文書としては記録しておらず、不存在であるため。
**********


■このように、わずかばかりの補完的なメールこそ出てきましたが、石原による3月27日以前の働きかけを示すメールは開示対象とされていません。何より、石原校長(当時)が在任中に人事に行ったとされる「お問い合わせ」については、文書不作成とされてしまいました。

 最後の補完的なメール情報2件分の開示を受けるため、郵便切手を添えて開示実施方法等申出書を返送すると、12月17日付けの送り状とともに以下の開示資料が郵送されてきました。

●石原名誉教授関連の第四次開示資料 ZIP ⇒ 20201217jisu_j.zip

 内容を見ると、メールの一通目は人事係長から功績調書の提出を要請された石原が3月29日に「了解しました」と返信したものでした。二通目は、4月19日、文科省から「うちの石原が長野高専在籍時にセクハラ研修を受けたか」と確認された長野高専が、理研の石原へ問い合わせを行ったものでした。情報としてはそれほど重要なものでないと判断したため、今回は文字起こしして取り上げません。そのため、内容をご確認されたい方は、上記掲載のファイルをダウンロードのうえ各自でお願いいたします。

■このように、石原への名誉教授授与経緯をめぐる調査では、第四次開示請求に至ってとうとう意味のある情報は出てこなくなりました。つまり、秘匿している情報の存在が新たに示唆されない限りは、開示請求という手段でこれ以上経緯を掘り下げることは困難であると考えられます。

 こうして、2019年10月8日の第一次開示請求に始まったイタチごっこが一応の終わりを迎えるまでに1年2か月がかかりました。この最初の開示請求では、「石原祐志への名誉教授称号授与にかかる検討及びその決定を行った過程に関する文書の一切」「実際の授与に関する文書の一切」と記載していました。「文書の一切」と書いたのですから、第二次・第三次・第四次請求で長野高専がようやくしぶしぶ出してきた資料は、本来この時に余すことなく開示されるべき文書だったはずです。また、そうしてくれていれば、時間と労力も無駄に使わずに済んだわけです。

○2019年10月10日:【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題…キリのない杜撰体質の産総研・二枚舌の長野高専に開示請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3047.html

 それとも、これらの「後出し文書」については、「検討及びその決定を行った過程や授与行為に関するもの」ではない、とでも言い訳するつもりなのでしょうか。しかし後出し文書は、その内容からして、授与式の都合伺い(第二次請求で開示)や、「審議」に必要な功績調書の提出願い(第三次請求で開示)など、明らかに授与や検討の過程に関わるものです。そう考えると長野高専は、これらの文書を意図的に開示文書に含めないようにして、全容解明を遅らせるよう時間稼ぎをしていた可能性が高いものと推察されます。

■文科省高級幹部のお友達・佐野太の威を借りて分不相応な高専校長の椅子を得たあげく、長野高専を絶望と混乱のどん底に陥れ、極めつけには前代未聞の「名誉教授セルフ授与」を仕込んで同校を去っていった石原祐志。石原氏は、すでに満60歳に達しており、今年3月末に定年退職しての「逃げ切り」が確実視されています。その意味では、長野高専の「時間稼ぎ」も一定の功を奏したといえるでしょう。

 定年退職の際は、昭和60年の旧科技庁入庁から通算して、数千万におよぶ退職金が付いてくるものとみられます。そののちに、自分で自分に授与した「長野高専名誉教授」の称号をぶら下げて、どこに天下り再就職を果たしていくのか、注視していく必要があります。

 ところで、かつて寄生した雲の上の佐野太はというと、いまや公判で有罪が確定すれば退職金喪失の背戸際なのですから、皮肉なものです。長野高専校長の椅子と名誉教授のお土産をくれた大事なお友達なのですから、石原祐志もお礼と友情の証に退職金を山分けしてやり、見捨てずに助けてやるべきではないでしょうか。

■石原への名誉教授授与問題について、法人文書開示請求による経緯解明の試みは、今回おおかたやり尽くされたという見方でおります。したがって本件追及は新たな局面を迎えたといえます。当会では引き続き、別角度から調査と追及を行っていく構えです。

 もちろん、この前代未聞の悪事の片棒を積極的に担いだ土居信数校長と鈴木宏副校長の責任追及も急務です。あわせて、石原祐志が長野高専に残した負の遺産の数々についても、ひとつひとつ丹念に掃除の手助けを図ってまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局より】

コメント (12)
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