■群馬県の渋川地区広域市町村圏振興整備組合は、群馬県渋川市、北群馬郡吉岡町及び榛東村の1市1町1村が設立している一部事務組合で、主な業務は常備消防事務、ごみ処理施設、し尿処理施設、火葬場・斎場、夜間急患診療所、職業訓練センター、臨海学校、運動場などの設置及び管理事務に携わっています。このうち、常備消防事務は渋川広域消防本部が担当しています。
↑地元バス会社の新聞折込チラシ↑
最近、地元のバス会社のHPや新聞折込チラシを見た複数の市民の皆さんから、渋川消防本部が有料の観光ツアーコースに組み入れられていることに違和感を感じるとして、「行政機関として、特定の一部企業との癒着があるとすれば好ましくないのではないか」との指摘が寄せられました。なぜなら、行政機関としては住民からの信頼が何よりも重要だからです。
そこで当会は、7月5日付で、地元バス会社と渋川広域消防本部あてに公開質問状を提出しました。その結果、7月12日付で消防本部から回答がありました。
↑渋川広域消防本部(渋川市渋川1815-51)。管内面積288.86km2、職員定数163名、消防署1カ所、分署4カ所。主力機械(2019年4月1日現在)は、救助工作車(救助II型)×1、水槽付消防ポンプ自動車(水I-B型)×3、小型水槽付消防ポンプ自動車(CD-I型)×1(※水850L積載)、梯子付消防ポンプ自動車(24m級)×2、化学消防ポンプ自動車(化学II型)×3(うちA-1級ポンプ搭載×1)、指揮車(支援IV型)×1(※ドローン積載)、災害対応多目的支援車(支援II型)×1、資機材搬送車×1、人員搬送車×1、高規格救急自動車×7、連絡車×9(うち火災調査車1、雪害対策用車1)↑
※渋川広域消防本部組織図 ZIP ⇒ alhgd.zip
渋川地区広域市町村圏振興整備組合は、定数17人(内訳:渋川市11人、吉岡町3人、榛東村3人の)の組合議会と、執行機関では管理者が渋川市長、副管理者が吉岡町長、榛東村長及び渋川市副市長のうち管理者が指名した者、会計管理者が渋川市の会計管理者、そして監査委員2人で構成されています。
ちなみに、渋川地区広域市町村圏域は、群馬県のほぼ中央に位置し、北緯36度30分、東経139度付近を軸として、半径12kmの円内にほぼ包含され、中心部を北から南に利根川が貫流し、さらに西側から吾妻川が流れ込み、中心の渋川市でV字状に合流し、圏域内を三分割しています。また、JR東日本の上越線、吾妻線が両河川沿いに走っていて、関越自動車道が南北に縦貫し、3ケ所のインターチェンジが設置されているほか、東西に国道353号線、南北に国道17号線が縦貫し、交通の要所ともいえる場所を構成しています。
■当会が渋川広域消防本部と地元バス会社に送った公開質問書はそれぞれ次のとおりです
*****7/5渋川広域消防本部あて公開質問書*****ZIP ⇒ 20210705alhj.zip
令和3年7月5日
〒377-0008 群馬県渋川市渋川1815-51
渋川地区広域市町村圏振興整備組合
渋川広域消防本部消防長 殿
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
TEL: 027-224-8567(事務局・鈴木)/
090-5302-8312(代表・小川)
FAX: 027-224-6624
公開質問書
一部観光企業らとコラボしたバスツアー企画について
拝啓 御庁益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。活動の対象は行政の他、事案によって、公益的な事業を営む第3セクターや企業・団体に及ぶことがあります。
さて、この度、地元バス会社HPを拝見したところ、「しぶかわ魅力再発見!バスツアー」と銘打って、「再発見1 渋川広域消防本部に潜入!~おもちゃと人形自動車博物館と氷の彫刻アイスワールド~」と題する企画を拝見しました。7月31日(土)・8月8日(日)・8月20日(金)に先着20名を対象に大人3,900円、小学生2,000円の旅行代金(交通費・食事代・入場料・旅行保険料)との内容が記されています。
このことについて、公務多忙のところ誠に恐縮ですが、以下の質問があります。
【質問1】
地元バス会社HPの広告(別紙参照)として、貴渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。貴渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、貴渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【質問3】
ツアー客が貴消防本部を訪れた際、案内をする職員はどの部署から何名が選任されるのでしょうか?それとも、ツアーの催行会社の添乗員によって案内させるのでしょうか?あるいは自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【質問4】
この企画は、貴消防本部からツアー催行会社や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それともツアー催行会社や他の一部観光企業側から貴消防本部に持ち掛けられたのでしょうか?
【質問5】
貴消防本部として、これまでに、消防本部見学をツアーコースに含める形で実施したことはありますか?今回が初めてですか?
【質問6】
このツアー参加者を貴消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【質問7】
貴消防本部として、ツアー催行会社の提案ないし申入れを承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴消防本部側はどなたが、どのような理由や根拠に基づいて承諾の決裁をなさいましたか?
なお、貴ご回答については、大変勝手ながら、書面で2021年7月16日(金)までに郵送あるいはFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。
以上
=====別紙=====
https://kan-etsu.net/publics/index/162/detail=1/b_id=1985/r_id=71/
**********
*****7/5地元バス会社あて公開質問書*****ZIP ⇒
令和3年7月5日
〒377-0007 群馬県渋川市石原303-1
関越交通株式会社
観光部(渋川営業所内) 御中
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
TEL: 027-224-8567(事務局・鈴木)/
090-5302-8312(代表・小川)
FAX: 027-224-6624
公開質問書
渋川広域消防本部とコラボしたバスツアー企画について
拝啓 貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。活動の対象は行政の他、事案によって、公益的な事業を営む第3セクターや企業・団体に及ぶことがあります。
さて、この度、貴社HPを拝見したところ、「しぶかわ魅力再発見!バスツアー」と銘打って、「再発見1 渋川広域消防本部に潜入!~おもちゃと人形自動車博物館と氷の彫刻アイスワールド~」と題する企画を拝見しました。7月31日(土)・8月8日(日)・8月20日(金)に先着20名を対象に大人3,900円、小学生2,000円の旅行代金(交通費・食事代・入場料・旅行保険料)との内容が記されています。
このことについて、業務多忙のところ誠に恐縮ですが、以下の質問があります。
【質問1】
貴社HPの広告(別紙参照)として、渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【質問3】
ツアー客が消防本部を訪れた際、貴社の職員が案内するのでしょうか?それとも、消防本部の職員が案内するのでしょうか?あるいは共同で案内するのでしょうか?または、自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【質問4】
この企画は、貴社から消防本部や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それとも消防本部側から貴社に持ち掛けられたのでしょうか?
【質問5】
これまでに、こうした形で消防本部見学をツアーコースに含めた事例はございますか?
【質問6】
このツアー参加者を消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【質問7】
貴社として、自ら提案ないし申入れをし、一部観光企業や消防本部が承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴社はどなたが、どのような理由や背景に基づいて(たとえばコロナ禍による旅行・観光への影響を打破するためとか、参加者の防災意識の向上の一助とするため、など)、この企画実行の決定をされましたか?
なお、貴ご回答については、大変勝手ながら、書面で2021年7月16日(金)までに郵送あるいはFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。
以上
=====別紙=====
https://kan-etsu.net/publics/index/162/detail=1/b_id=1985/r_id=71/
**********
■回答期限を7月16日(金)としておりましたところ、7月12日に渋川広域消防本部から普通郵便で回答書が当会事務局あてに郵送されてきました。
*****7/12渋川広域消防本部からの回答*****ZIP ⇒ 20210713ah.zip
渋広消総第40号
令和3年7月12日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
渋 川 広 域 消 防 本 部
消防長 石 坂 勝 義
(公印省略)
公開質問書の回答について(回答)
拝復、貴団体におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
また、平素から消防行政につきまして、ご理解ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度、公開質問書によりいただいたご質問について、下記のとおり回答させていただきます。
つきましては、本バスツアーは、新型コロナウイルスの影響が不安視させるなか、長期化するウィズコロナ期において、観光産業が生き残っていくための1つの方法として渋川市と渋川伊香保温泉観光協会が連携して行っている「マイクロツーリズム推進モニターバスツアー」事業であることをご理解いただければ幸いです。
記
1 【質問1】の回答について
(1)スライドにて、消防本部・消防署の組織の紹介及び仕事内容の説明。
(2)消防車両の見学にて、資機材の説明では、どんな時に使うか説明し、火災予防及び事故防止の消防広報を実施する。
(3)防火水槽・消火栓は見学、説明を行い緊急時使用するものであり、防火水槽消火栓のそばに車を止めないお願いなどの消防広報を実施する。
2 【質問2】の回答について
現時点では、1のとおり実施予定ですが、時間に余裕があれば、日頃行っている訓練を展示する場合もあります。
3 【質問3】の回答について
消防署所属の職員1~2名にて、案内及び説明を実施する予定です。
4 【質問4】の回答について
観光業者から依頼されたものですが、依頼時に渋川市と渋川伊香保温泉観光協会の事業であることの説明を受けております。
5 【質問5】の回答について
消防本部として実施したことはありません。
6 【質問6】の回答について
金品等の授受はありません。
7 【質問7】の回答について
本バスツアーの趣旨を理解したうえで、広く住民へ火災予防広報の啓発活動等を行うことができる場として承諾しました。
〒3777-0088 渋川市渋川1815-15
渋川広域消防本部 総務課
担当:企画消防係長 石田正外
TEL 0279-25-4191 Fax 0279-20-1203
**********
■これでは質疑応答のポイントがよくわかりませんので、質問と回答を対比させて並べてみました。
**********
【質問1】
地元バス会社HPの広告(別紙参照)として、貴渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。貴渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、貴渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【回答1】
(1)スライドにて、消防本部・消防署の組織の紹介及び仕事内容の説明。
(2)消防車両の見学にて、資機材の説明では、どんな時に使うか説明し、火災予防及び事故防止の消防広報を実施する。
(3)防火水槽・消火栓は見学、説明を行い緊急時使用するものであり、防火水槽消火栓のそばに車を止めないお願いなどの消防広報を実施する。
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【回答2】
現時点では、1のとおり実施予定ですが、時間に余裕があれば、日頃行っている訓練を展示する場合もあります。
【質問3】
ツアー客が貴消防本部を訪れた際、案内をする職員はどの部署から何名が選任されるのでしょうか?それとも、ツアーの催行会社の添乗員によって案内させるのでしょうか?あるいは自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【回答3】
消防署所属の職員1~2名にて、案内及び説明を実施する予定です。
【質問4】
この企画は、貴消防本部からツアー催行会社や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それともツアー催行会社や他の一部観光企業側から貴消防本部に持ち掛けられたのでしょうか?
【回答4】
観光業者から依頼されたものですが、依頼時に渋川市と渋川伊香保温泉観光協会の事業であることの説明を受けております。
【質問5】
貴消防本部として、これまでに、消防本部見学をツアーコースに含める形で実施したことはありますか?今回が初めてですか?
【回答5】
消防本部として実施したことはありません。
【質問6】
このツアー参加者を貴消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【回答6】
金品等の授受はありません。
【質問7】
貴消防本部として、ツアー催行会社の提案ないし申入れを承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴消防本部側はどなたが、どのような理由や根拠に基づいて承諾の決裁をなさいましたか?
【回答7】
本バスツアーの趣旨を理解したうえで、広く住民へ火災予防広報の啓発活動等を行うことができる場として承諾しました。
**********
■ところで地元バス会社あてに出した公開質問書の回答期限の7月16日(金)も間もなく迫っています。それまで待機したいと思います。
【7月17日追記】
地元バス会社から7月16日午後にFAXで回答が当会事務局に送信されました。原本は郵送で送れらることになります。内容について、渋川広域消防本部からの回答と整合性がとれておりますが、コロナ禍でのソーシャル・ワークの重要性の観点から、マイクロツーリズムの対象として消防本部のほかにも、今後、警察、浄水場や、一般ごみ処理施設などもツアーコースに組み込むことが検討されてしかるべきかと、感じた次第です。
なお、当会の質問書に対して、無視を決め込む企業・法人があるなかで、きちんと当会に対して誠実に回答していただいた地元バス会社の対応を率直に評価し感謝いたします。
*****FAX送付状*****ZIP ⇒ 20210716zfax.zip
21-07-15;15:38 ;関越交通(株)渋川営業所 :0279-24-5116 #1/4
FAX送信のご案内
宛先:会社名:市民オンブズマン群馬
部署名:
担当者:小川
郵 便:
住 所:
電 話:027-224-8567 FAX:027-224-6624 携帯:
発信:会社名:関越交通株式会社
部署名:観光部
発信者:若木 亮
URL:http://www.kan-etsu.net
Mail : wakakir@kan-etsu.net
郵 便:〒377-0007
住 所:群馬県渋川市石原字田中303-l
電 話:0279-20-l900 FAX:0279-24-5116 携帯:
枚数:この用紙の他に3枚あります。
発信日時:令和3年7月15日
□至急 ■要連絡 ■要確認 □要回答 □報告 □お知らせ □重要
件名 公開質問害に対する回答について
平素は大変お世話になります。
7月5日付け貴団体からの公開質問書について添付のとおりご回答申し上げます。本通は、本日郵送いたしますが、明日の配送に間に合うかわかりませんので取り急ぎFAXにて送信いたします。
ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
*****回答*****ZIP ⇒ 20210716zfax.zip
2021年7月15日
市民オンプズマン群馬
代表 小川 賢 殿
関越交通株式会社 観光部
渋川市石原字田中303-1
TEL 0279-20-1900
担当 副部長 若木 亮
公開質問書に対する回答について
標記について、2021年7月5日付け貴団体からの公開質問書について下記の通りご回答申し上げます。
記
質問1
貴社HPの広告(別紙参照)として、渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラポするかたちで掲載されています。渋川広域消防本部では 災害出動がないかぎり、見学が予定されているようですが、渋川消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
同答
渋川広域消防本部・消防署の組織紹介、仕事内容の説明、消防車両・資機材の説明です。
質問2
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イペント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
回答
時間が取れれば、日頃行っている訓練を見学できる予定です。
質問3
ツアー客が消防本部を訪れた際、貴社の職員が案内するのでしょうか?それとも消防本部の職貝が案内するのでしょうか?あるいは共同で案内するのでしょうか?または自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
回答
庁舎内の案内は、渋川広域消防本部の職員が行います。弊社職員はお客様の安全確保のため随行致します。
質問4
この企画は、賀社から消防本部や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それとも消防本部側から貴社に持ち掛けられたのでしょうか?
回答
当該ツアーは渋川市マイクロツーリズム推巡モニクーパスツアー催行業務として一般社団法人渋川伊香保観光協会から業務委託を受け、弊社が旅行企画、旅行業務(募集、受付、手配等)を実施し、市内バス事業者3社にて運行するものです。
よって募集型企画旅行商品として、弊社から持ち掛けた企画となります。
質問5
これまでに、こうした形で消防本部見学をツアーコースに含めた事例はございますか?
回答
今回が初めてです。
質問6
このツアー参加者を消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
回答
見学に対する費用補填および謝礼の授受はございません。
質問7
貴社として、自ら提案ないし申入れをし、一部観光企業や消防本部が承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴社はどなたが、どのような理由や背景に基づいて(たとえばコロナ禍による旅行・観光への影響を打破するためとか、参加者の防災意識向上の一助とするため、など)この企画実行の決定をされましたか?
回答
新型コロナウィルスの影響が不安視されるなか、観光産業が生き残る方法の一つとして提唱されている「マイクロツーリズム」の構築に向け、市内および広域町村の観光資源の再発見と磨き上げを行い「渋川市版マイクロツーリズム」の構策と観光産業の活性化を図ることが目的となっております。
渋川広域梢防本部は、地域の消防、救急の要として日々地域住民の安心安全の為従事されております。一方で昨今の異常気象等により地域住民の防災意識は高まっていると考え、親子で消防を身近に感じてもらうこと、また、防災意識向上のきっかけとなれば との思いで弊社観光部職員が企画提案いたしました。
当該企画について、渋川市広域消防本部へご相談したところ、災害等で緊急時には見学は中止となることを条件にお引き受け頂いたことから、見学施設として決定致しました。
**********
【7月17日追記】
関越交通から当会事務局あてに郵送で送られてきた回答書↓
ZIP ⇒ 20210715z.zip
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連情報「渋川広域消防本部に係る会計処理等不祥事の事実関係解明の経緯」
■渋川広域消防本部を巡っては、以前から問題が指摘されており、3年前の2018年12月20日にも事実関係を確かめようと渋川市長に情報開示請求をしたことがあります。このときは、内部通報が発端でした。
それによれば、同本部の中間管理職以上の本部職員の不正及び隠蔽疑念、職員間での摩擦やパワハラ、徹底的な虐めや不当な異動、それらが起因する精神疾患や依願退職などの実態でした。
そこで当会は、渋川広域消防本部にかかる次の情報を開示請求しました。
1 過去3年間(平成28年1月から現在まで)渋消式火災防ぎょ戦術勉強会において公務にも関らず会費等の収支書、領収書や金銭の流れのわかる通帳等が一切無い事が事実かどうかが分かる情報
2 この事についての監査担当者の氏名とその所属部署。
3 過去3年間の渋消式火災防御戦術に関する講演活動及び東日本大震災援助隊以降の講演活動の、旅費及び宿泊費等の領収書や資料等の情報とそれらの監査情報。
4 過去3年間の渋川広域消防の編著、監修した書籍販売に関する収支等の情報。
5 過去3年間のパワハラ、セクハラ、モラハラに関する職員からの報告事例と、消防本部の対応がわかる情報
6 平成30年12月4日に報道された渋川広域消防署西分署所属の職員の飲酒運転による書類送検の発表について、なぜ発表までに2ヶ月遅延したのか、また、飲酒運転にも拘らず停職3か月の懲戒処分について、その処分の重みの妥当性の理由がわかる情報。
7 組合職員による飲食店での代金踏み倒し事件の事実関係が分かる情報。
このほか、「渋川広域消防の報道機関・ブロガーとの内容説明裁判の内容と結果」、「中間管理職のパワハラ、暴言、会議中の怒声の実態」、「前消防長時代からの内部告発に対する数回にわたる隠蔽と放置」なども問題視されましたが、これらは情報開示請求になじまないため、請求から除外しました。
その結果、2019年1月22日部分開示されましたが、開示されたのは一部の文書のみで、内容を解析し真相を解明するまでには至らず、当会としてその後の追及を断念した経緯があります。
当時、開示された資料は下記のとおりです。
○講師派遣申請記録 ZIP ⇒ l.zip
l.zip
l.zip
l.zip
○渋消式火災防ぎょ戦術出版契約書と出版本の表紙・目次 ZIP ⇒ ahpo_.zip
○酒気帯び運転処分通知書 ZIP ⇒ cm.zip
渋川広域消防本部が編み出した「渋消式火災防ぎょ戦術」が全国の消防関係者の間で話題となり、各地の勉強会や講演会に引っ張りだこだった様子がうかがえます。内部通報はこうした派遣に伴う依頼元からの出張経費や謝礼の負担がきちんと経理上に反映されていないとの指摘でしたが、残念ながら当時、深く真相を究明するに至りませんでした。
(市民オンブズマン群馬)
**********消防訓練・勉強会2015年12月14日
渋消式火災防ぎょ戦術勉強会[群馬県]
去る平成27年12月12日(土)~13日(日)の2日間にわたり、群馬県消防学校において渋消式火災防ぎょ戦術勉強会が実施された。
この勉強会は群馬県・渋川広域消防本部が主催するもので、同本部が研究の末に生み出した渋消式火災防ぎょ戦術を学ぶという、全国でも珍しい消火技術に焦点をあてた数少ない勉強会である。
消防専門誌での紹介やガイドブックが発刊されたことで、いわゆる「渋消式」は全国から注目される存在となっている。そうした中、同本部では全国の消防本部からの問い合わせに対し、個別受託研修を行って対応している。そして、同時に消防職員個人からの問い合わせや、自己研鑽の場を求める声も多い。これに応える形で、同じ志の者が集結して共に学ぶ場として「渋消式火災防ぎょ戦術勉強会」を年1回開催している。
3回目となる今回は、北は青森南は沖縄まで全国70消防本部から132名の消防職員が参加。従来は同本部施設で実施されていたが、参加者が増加したことから今回は群馬県消防学校を舞台に実施されることとなった。
★唯一無二の渋消式★
この勉強会は、単純に火災防ぎょ戦術という手技を学ぶのではなく、消防力の整備指針や、それに基づく一般住宅火災の対応全般について、同本部が研究した内容などを集まった消防職員と一緒に学ぼうというのが基本スタンス。つまり、消防の基幹活動といえる火災防ぎょに関して多角的に学べるのが特徴であり、国内でもあまり行われていない取り組みといえる。
もちろん、手技としての渋消式火災防ぎょ戦術についても注目度が高い。
渋川広域消防式火災防ぎょ戦術(略称・渋消式)と名付けられたこの新戦術は、わずか13~14名という限られたマンパワーで、いかにして素早く筒先配備を行うかという点を大きなテーマとしている。
呼称40㎜のホースをベースとして耐火造建物に対して積極的な内部進入を行い迅速に火点を叩く「ヨンマル戦術」など、近年注目される火災防ぎょ戦術は「筒先側の動き」を中心に考えられているものが一般的なのに対し、いわゆる渋消式はその前段階、「指令から筒先配備までの間についての動きを最適化する」という発想で考えられている。さらに、既存の方法論や技術文献などを鵜呑みにすることなく、置かれた環境、車両、装備、人員、体制といったものを踏まえ、トライアル・アンド・エラーを繰り返し、その結果として生まれた戦術であるため、手技の一つひとつに至るまで「なぜそれが最適と判断したのか」という点が容易に理解できるのもポイントだ。
↑実技訓練は3グループに別れ、それぞれのブースで技術を体験する。訓練に先立って行われる説明を、記録をとりながら聞き入る参加者たち。↑
↑後部に吸管を収納した、いわゆるリア吸管仕様の車両。ロックを解除し吸管を担ぎ上げる。↑
↑吸管収納を容易にするひと工夫。吸管にビニールテープでマーキングを施し、ロック部分に収まる位置を明示している。↑
↑オールシャッター式の車両で、車体中央のポンプ室部分に吸管が収納されているセンター吸管仕様における伸長要領体験。↑
★目からウロコの連続!★
勉強会は1日目の座学において消防力の整備指針、消防水利の基準などのおさらいが行われる。消防人にとって「いまさら聞けない」といえる基礎知識の部分だが、だからこそ奥も深く、改めて読み解いていくと多くの発見がある。
消防力の整備指針における署所の設置基準数は「隣棟間隔が1~5mの火災では出動~放水開始が6.5分を超えると隣棟への延焼率が急に高くなる」というデータに基づく。そこから逆算していくと、出動から現地到着までを4.5分以内、放水準備から放水開始までを2分に抑えるというのが理想値になる。また、最先着隊による2口以上の放水が高い消火効果を得ているというデータもある。
ならば、どうすればこの理想値に近づくことが出来るのかという発想で、渋消式の研究は始まっている。
こうした経緯や考え方を知るということも、参加者にとっては大きな収穫なのだ。
「渋川と自分の所属が守るエリアでは、地域環境も消防体制も異なる。この戦術をそのまま自分の本部に取り入れることは難しい。だが、全ての要素について、考え方について参考に出来る部分がある」
失敗談といった経験も包み隠さず語られるのがこの勉強会。だからこそ、知識や手技そのものだけでなく、着目点や改善のためのアプローチ方法など、広い範囲にわたって発見が出来るのである。
↑勉強会では初披露となった前だしの実演展示。ヨリを解除しながら迅速に、そして華麗に吸管を延ばす。↑
↑吸管伸長要領の体験。単純な動作に思えても、簡単にはいかない。↑
★ひたすら延ばす★
救助系や救急系の勉強会であれば、想定訓練を軸とした実技訓練がつきものだ。一方の渋消式火災防ぎょ戦術勉強会では、火点に向かっての放水といった想定訓練は行われず、ホースバッグによるホース延長や、吸管伸長といった部分を中心に行われる。
渋消式のテーマは「6.5分以内の2口設定」の実現だ。そのためのキモになるのが、迅速な吸管伸長やホース延長なのである。したがって、勉強会2日目の実技訓練においても、これら技術を集中して学ぶのである。
参加者は3グループに別れ、それぞれのブースで時間の限りこれら技術を体験する。
★「ナイス延長!」★
訓練に集中すると、どうしても声が出なくなる。確認呼称をしやすい雰囲気作りとして、運営側の渋川広域消防本部スタッフは大きな声かけで場の雰囲気を盛り上げる。いつしか参加者同士が互いに声援を掛け合い、実施時にはしっかりと確認呼称の声が出せる。ちなみに、渋川広域消防本部では指導者にあえて若手を充てている。教えることで自ら学ぶ機会を与えているのだ。
渋消式は常に進化を続けている。したがって、勉強会の度に新要素に触れることができる。第3回の勉強会では、吸管伸長に「センター吸管車両における前出し」という要素が加わった。渋消式ではこれまで、車両中央のポンプ室に吸管を収納した車両において、吸管を車両後方へ伸長する方法が研究されていた。そして、次のステップとして、車両前方へ、1名で迅速に伸長する方法が編み出され、今回の勉強会で紹介された。
止まるところを知らぬ渋消式。ゆえに、何度参加しても新しい発見があるということなのだ。
ほかにも、渋川広域消防本部では日常の業務や現場活動を改善する大小さまざまなスゴ技を多く生み出している。こうした細部について説明を受けるだけでも、非常に勉強になるのだ。
勉強会の最後には、参加者たちの中から選抜された隊員により、ホースバッグによる2線4口延長と一斉放水が行われ、充実した2日間を締めくくった。
渋川広域消防本部では全国の消防職員と共に学ぶ中で、さらに学びを深め、今後も「渋消式」を育てていくことにしている。
↑勉強会の最後は、参加者たちの中から選抜された隊員によりホースバッグによる2線4口延長が行われた。↑
↑一斉放水。実火災ではこの筒先で火点を包囲する。↑
**********
↑地元バス会社の新聞折込チラシ↑
最近、地元のバス会社のHPや新聞折込チラシを見た複数の市民の皆さんから、渋川消防本部が有料の観光ツアーコースに組み入れられていることに違和感を感じるとして、「行政機関として、特定の一部企業との癒着があるとすれば好ましくないのではないか」との指摘が寄せられました。なぜなら、行政機関としては住民からの信頼が何よりも重要だからです。
そこで当会は、7月5日付で、地元バス会社と渋川広域消防本部あてに公開質問状を提出しました。その結果、7月12日付で消防本部から回答がありました。
↑渋川広域消防本部(渋川市渋川1815-51)。管内面積288.86km2、職員定数163名、消防署1カ所、分署4カ所。主力機械(2019年4月1日現在)は、救助工作車(救助II型)×1、水槽付消防ポンプ自動車(水I-B型)×3、小型水槽付消防ポンプ自動車(CD-I型)×1(※水850L積載)、梯子付消防ポンプ自動車(24m級)×2、化学消防ポンプ自動車(化学II型)×3(うちA-1級ポンプ搭載×1)、指揮車(支援IV型)×1(※ドローン積載)、災害対応多目的支援車(支援II型)×1、資機材搬送車×1、人員搬送車×1、高規格救急自動車×7、連絡車×9(うち火災調査車1、雪害対策用車1)↑
※渋川広域消防本部組織図 ZIP ⇒ alhgd.zip
渋川地区広域市町村圏振興整備組合は、定数17人(内訳:渋川市11人、吉岡町3人、榛東村3人の)の組合議会と、執行機関では管理者が渋川市長、副管理者が吉岡町長、榛東村長及び渋川市副市長のうち管理者が指名した者、会計管理者が渋川市の会計管理者、そして監査委員2人で構成されています。
ちなみに、渋川地区広域市町村圏域は、群馬県のほぼ中央に位置し、北緯36度30分、東経139度付近を軸として、半径12kmの円内にほぼ包含され、中心部を北から南に利根川が貫流し、さらに西側から吾妻川が流れ込み、中心の渋川市でV字状に合流し、圏域内を三分割しています。また、JR東日本の上越線、吾妻線が両河川沿いに走っていて、関越自動車道が南北に縦貫し、3ケ所のインターチェンジが設置されているほか、東西に国道353号線、南北に国道17号線が縦貫し、交通の要所ともいえる場所を構成しています。
■当会が渋川広域消防本部と地元バス会社に送った公開質問書はそれぞれ次のとおりです
*****7/5渋川広域消防本部あて公開質問書*****ZIP ⇒ 20210705alhj.zip
令和3年7月5日
〒377-0008 群馬県渋川市渋川1815-51
渋川地区広域市町村圏振興整備組合
渋川広域消防本部消防長 殿
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
TEL: 027-224-8567(事務局・鈴木)/
090-5302-8312(代表・小川)
FAX: 027-224-6624
公開質問書
一部観光企業らとコラボしたバスツアー企画について
拝啓 御庁益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。活動の対象は行政の他、事案によって、公益的な事業を営む第3セクターや企業・団体に及ぶことがあります。
さて、この度、地元バス会社HPを拝見したところ、「しぶかわ魅力再発見!バスツアー」と銘打って、「再発見1 渋川広域消防本部に潜入!~おもちゃと人形自動車博物館と氷の彫刻アイスワールド~」と題する企画を拝見しました。7月31日(土)・8月8日(日)・8月20日(金)に先着20名を対象に大人3,900円、小学生2,000円の旅行代金(交通費・食事代・入場料・旅行保険料)との内容が記されています。
このことについて、公務多忙のところ誠に恐縮ですが、以下の質問があります。
【質問1】
地元バス会社HPの広告(別紙参照)として、貴渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。貴渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、貴渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【質問3】
ツアー客が貴消防本部を訪れた際、案内をする職員はどの部署から何名が選任されるのでしょうか?それとも、ツアーの催行会社の添乗員によって案内させるのでしょうか?あるいは自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【質問4】
この企画は、貴消防本部からツアー催行会社や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それともツアー催行会社や他の一部観光企業側から貴消防本部に持ち掛けられたのでしょうか?
【質問5】
貴消防本部として、これまでに、消防本部見学をツアーコースに含める形で実施したことはありますか?今回が初めてですか?
【質問6】
このツアー参加者を貴消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【質問7】
貴消防本部として、ツアー催行会社の提案ないし申入れを承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴消防本部側はどなたが、どのような理由や根拠に基づいて承諾の決裁をなさいましたか?
なお、貴ご回答については、大変勝手ながら、書面で2021年7月16日(金)までに郵送あるいはFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。
以上
=====別紙=====
https://kan-etsu.net/publics/index/162/detail=1/b_id=1985/r_id=71/
**********
*****7/5地元バス会社あて公開質問書*****ZIP ⇒
令和3年7月5日
〒377-0007 群馬県渋川市石原303-1
関越交通株式会社
観光部(渋川営業所内) 御中
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢
TEL: 027-224-8567(事務局・鈴木)/
090-5302-8312(代表・小川)
FAX: 027-224-6624
公開質問書
渋川広域消防本部とコラボしたバスツアー企画について
拝啓 貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
弊団体は、行政およびその関連機関を外部から監視し、当該機関による権限の不当な行使ないしは不行使による一般国民への権利利益侵害、並びに税金を原資とした公的資金の濫費について、調査および救済の勧告を図る活動をしている民間団体です。活動の対象は行政の他、事案によって、公益的な事業を営む第3セクターや企業・団体に及ぶことがあります。
さて、この度、貴社HPを拝見したところ、「しぶかわ魅力再発見!バスツアー」と銘打って、「再発見1 渋川広域消防本部に潜入!~おもちゃと人形自動車博物館と氷の彫刻アイスワールド~」と題する企画を拝見しました。7月31日(土)・8月8日(日)・8月20日(金)に先着20名を対象に大人3,900円、小学生2,000円の旅行代金(交通費・食事代・入場料・旅行保険料)との内容が記されています。
このことについて、業務多忙のところ誠に恐縮ですが、以下の質問があります。
【質問1】
貴社HPの広告(別紙参照)として、渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【質問3】
ツアー客が消防本部を訪れた際、貴社の職員が案内するのでしょうか?それとも、消防本部の職員が案内するのでしょうか?あるいは共同で案内するのでしょうか?または、自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【質問4】
この企画は、貴社から消防本部や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それとも消防本部側から貴社に持ち掛けられたのでしょうか?
【質問5】
これまでに、こうした形で消防本部見学をツアーコースに含めた事例はございますか?
【質問6】
このツアー参加者を消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【質問7】
貴社として、自ら提案ないし申入れをし、一部観光企業や消防本部が承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴社はどなたが、どのような理由や背景に基づいて(たとえばコロナ禍による旅行・観光への影響を打破するためとか、参加者の防災意識の向上の一助とするため、など)、この企画実行の決定をされましたか?
なお、貴ご回答については、大変勝手ながら、書面で2021年7月16日(金)までに郵送あるいはFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
なお、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。
以上
=====別紙=====
https://kan-etsu.net/publics/index/162/detail=1/b_id=1985/r_id=71/
**********
■回答期限を7月16日(金)としておりましたところ、7月12日に渋川広域消防本部から普通郵便で回答書が当会事務局あてに郵送されてきました。
*****7/12渋川広域消防本部からの回答*****ZIP ⇒ 20210713ah.zip
渋広消総第40号
令和3年7月12日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
渋 川 広 域 消 防 本 部
消防長 石 坂 勝 義
(公印省略)
公開質問書の回答について(回答)
拝復、貴団体におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
また、平素から消防行政につきまして、ご理解ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度、公開質問書によりいただいたご質問について、下記のとおり回答させていただきます。
つきましては、本バスツアーは、新型コロナウイルスの影響が不安視させるなか、長期化するウィズコロナ期において、観光産業が生き残っていくための1つの方法として渋川市と渋川伊香保温泉観光協会が連携して行っている「マイクロツーリズム推進モニターバスツアー」事業であることをご理解いただければ幸いです。
記
1 【質問1】の回答について
(1)スライドにて、消防本部・消防署の組織の紹介及び仕事内容の説明。
(2)消防車両の見学にて、資機材の説明では、どんな時に使うか説明し、火災予防及び事故防止の消防広報を実施する。
(3)防火水槽・消火栓は見学、説明を行い緊急時使用するものであり、防火水槽消火栓のそばに車を止めないお願いなどの消防広報を実施する。
2 【質問2】の回答について
現時点では、1のとおり実施予定ですが、時間に余裕があれば、日頃行っている訓練を展示する場合もあります。
3 【質問3】の回答について
消防署所属の職員1~2名にて、案内及び説明を実施する予定です。
4 【質問4】の回答について
観光業者から依頼されたものですが、依頼時に渋川市と渋川伊香保温泉観光協会の事業であることの説明を受けております。
5 【質問5】の回答について
消防本部として実施したことはありません。
6 【質問6】の回答について
金品等の授受はありません。
7 【質問7】の回答について
本バスツアーの趣旨を理解したうえで、広く住民へ火災予防広報の啓発活動等を行うことができる場として承諾しました。
〒3777-0088 渋川市渋川1815-15
渋川広域消防本部 総務課
担当:企画消防係長 石田正外
TEL 0279-25-4191 Fax 0279-20-1203
**********
■これでは質疑応答のポイントがよくわかりませんので、質問と回答を対比させて並べてみました。
**********
【質問1】
地元バス会社HPの広告(別紙参照)として、貴渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラボするかたちで掲載されています。貴渋川広域消防本部では災害出動などがないかぎり、見学が予定されているようですが、貴渋川広域消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
【回答1】
(1)スライドにて、消防本部・消防署の組織の紹介及び仕事内容の説明。
(2)消防車両の見学にて、資機材の説明では、どんな時に使うか説明し、火災予防及び事故防止の消防広報を実施する。
(3)防火水槽・消火栓は見学、説明を行い緊急時使用するものであり、防火水槽消火栓のそばに車を止めないお願いなどの消防広報を実施する。
【質問2】
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イベント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
【回答2】
現時点では、1のとおり実施予定ですが、時間に余裕があれば、日頃行っている訓練を展示する場合もあります。
【質問3】
ツアー客が貴消防本部を訪れた際、案内をする職員はどの部署から何名が選任されるのでしょうか?それとも、ツアーの催行会社の添乗員によって案内させるのでしょうか?あるいは自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
【回答3】
消防署所属の職員1~2名にて、案内及び説明を実施する予定です。
【質問4】
この企画は、貴消防本部からツアー催行会社や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それともツアー催行会社や他の一部観光企業側から貴消防本部に持ち掛けられたのでしょうか?
【回答4】
観光業者から依頼されたものですが、依頼時に渋川市と渋川伊香保温泉観光協会の事業であることの説明を受けております。
【質問5】
貴消防本部として、これまでに、消防本部見学をツアーコースに含める形で実施したことはありますか?今回が初めてですか?
【回答5】
消防本部として実施したことはありません。
【質問6】
このツアー参加者を貴消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など、対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
【回答6】
金品等の授受はありません。
【質問7】
貴消防本部として、ツアー催行会社の提案ないし申入れを承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴消防本部側はどなたが、どのような理由や根拠に基づいて承諾の決裁をなさいましたか?
【回答7】
本バスツアーの趣旨を理解したうえで、広く住民へ火災予防広報の啓発活動等を行うことができる場として承諾しました。
**********
■ところで地元バス会社あてに出した公開質問書の回答期限の7月16日(金)も間もなく迫っています。それまで待機したいと思います。
【7月17日追記】
地元バス会社から7月16日午後にFAXで回答が当会事務局に送信されました。原本は郵送で送れらることになります。内容について、渋川広域消防本部からの回答と整合性がとれておりますが、コロナ禍でのソーシャル・ワークの重要性の観点から、マイクロツーリズムの対象として消防本部のほかにも、今後、警察、浄水場や、一般ごみ処理施設などもツアーコースに組み込むことが検討されてしかるべきかと、感じた次第です。
なお、当会の質問書に対して、無視を決め込む企業・法人があるなかで、きちんと当会に対して誠実に回答していただいた地元バス会社の対応を率直に評価し感謝いたします。
*****FAX送付状*****ZIP ⇒ 20210716zfax.zip
21-07-15;15:38 ;関越交通(株)渋川営業所 :0279-24-5116 #1/4
FAX送信のご案内
宛先:会社名:市民オンブズマン群馬
部署名:
担当者:小川
郵 便:
住 所:
電 話:027-224-8567 FAX:027-224-6624 携帯:
発信:会社名:関越交通株式会社
部署名:観光部
発信者:若木 亮
URL:http://www.kan-etsu.net
Mail : wakakir@kan-etsu.net
郵 便:〒377-0007
住 所:群馬県渋川市石原字田中303-l
電 話:0279-20-l900 FAX:0279-24-5116 携帯:
枚数:この用紙の他に3枚あります。
発信日時:令和3年7月15日
□至急 ■要連絡 ■要確認 □要回答 □報告 □お知らせ □重要
件名 公開質問害に対する回答について
平素は大変お世話になります。
7月5日付け貴団体からの公開質問書について添付のとおりご回答申し上げます。本通は、本日郵送いたしますが、明日の配送に間に合うかわかりませんので取り急ぎFAXにて送信いたします。
ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
*****回答*****ZIP ⇒ 20210716zfax.zip
2021年7月15日
市民オンプズマン群馬
代表 小川 賢 殿
関越交通株式会社 観光部
渋川市石原字田中303-1
TEL 0279-20-1900
担当 副部長 若木 亮
公開質問書に対する回答について
標記について、2021年7月5日付け貴団体からの公開質問書について下記の通りご回答申し上げます。
記
質問1
貴社HPの広告(別紙参照)として、渋川広域消防本部がツアーコースに組み込まれており、一部観光企業とコラポするかたちで掲載されています。渋川広域消防本部では 災害出動がないかぎり、見学が予定されているようですが、渋川消防本部の施設内での見学とは具体的にどのような内容を想定していますか?
同答
渋川広域消防本部・消防署の組織紹介、仕事内容の説明、消防車両・資機材の説明です。
質問2
当日は、一般住民を対象にした消防啓蒙イペント(たとえば出初式の類や、梯子乗りなど古式消防演技、渋消式火災防御戦術デモンストレーションなど)が予定として組み込まれていますか?
回答
時間が取れれば、日頃行っている訓練を見学できる予定です。
質問3
ツアー客が消防本部を訪れた際、貴社の職員が案内するのでしょうか?それとも消防本部の職貝が案内するのでしょうか?あるいは共同で案内するのでしょうか?または自由見学として、誰も案内者は付かないのでしょうか?
回答
庁舎内の案内は、渋川広域消防本部の職員が行います。弊社職員はお客様の安全確保のため随行致します。
質問4
この企画は、賀社から消防本部や他の一部観光企業に持ち掛けたのでしょうか?それとも消防本部側から貴社に持ち掛けられたのでしょうか?
回答
当該ツアーは渋川市マイクロツーリズム推巡モニクーパスツアー催行業務として一般社団法人渋川伊香保観光協会から業務委託を受け、弊社が旅行企画、旅行業務(募集、受付、手配等)を実施し、市内バス事業者3社にて運行するものです。
よって募集型企画旅行商品として、弊社から持ち掛けた企画となります。
質問5
これまでに、こうした形で消防本部見学をツアーコースに含めた事例はございますか?
回答
今回が初めてです。
質問6
このツアー参加者を消防本部が受け入れることについて、費用補填や謝礼など対価として何らかの金品等の授受を伴いますか?
回答
見学に対する費用補填および謝礼の授受はございません。
質問7
貴社として、自ら提案ないし申入れをし、一部観光企業や消防本部が承諾した結果、このような企画が実現したのかどうかは定かではありませんが、貴社はどなたが、どのような理由や背景に基づいて(たとえばコロナ禍による旅行・観光への影響を打破するためとか、参加者の防災意識向上の一助とするため、など)この企画実行の決定をされましたか?
回答
新型コロナウィルスの影響が不安視されるなか、観光産業が生き残る方法の一つとして提唱されている「マイクロツーリズム」の構築に向け、市内および広域町村の観光資源の再発見と磨き上げを行い「渋川市版マイクロツーリズム」の構策と観光産業の活性化を図ることが目的となっております。
渋川広域梢防本部は、地域の消防、救急の要として日々地域住民の安心安全の為従事されております。一方で昨今の異常気象等により地域住民の防災意識は高まっていると考え、親子で消防を身近に感じてもらうこと、また、防災意識向上のきっかけとなれば との思いで弊社観光部職員が企画提案いたしました。
当該企画について、渋川市広域消防本部へご相談したところ、災害等で緊急時には見学は中止となることを条件にお引き受け頂いたことから、見学施設として決定致しました。
**********
【7月17日追記】
関越交通から当会事務局あてに郵送で送られてきた回答書↓
ZIP ⇒ 20210715z.zip
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連情報「渋川広域消防本部に係る会計処理等不祥事の事実関係解明の経緯」
■渋川広域消防本部を巡っては、以前から問題が指摘されており、3年前の2018年12月20日にも事実関係を確かめようと渋川市長に情報開示請求をしたことがあります。このときは、内部通報が発端でした。
それによれば、同本部の中間管理職以上の本部職員の不正及び隠蔽疑念、職員間での摩擦やパワハラ、徹底的な虐めや不当な異動、それらが起因する精神疾患や依願退職などの実態でした。
そこで当会は、渋川広域消防本部にかかる次の情報を開示請求しました。
1 過去3年間(平成28年1月から現在まで)渋消式火災防ぎょ戦術勉強会において公務にも関らず会費等の収支書、領収書や金銭の流れのわかる通帳等が一切無い事が事実かどうかが分かる情報
2 この事についての監査担当者の氏名とその所属部署。
3 過去3年間の渋消式火災防御戦術に関する講演活動及び東日本大震災援助隊以降の講演活動の、旅費及び宿泊費等の領収書や資料等の情報とそれらの監査情報。
4 過去3年間の渋川広域消防の編著、監修した書籍販売に関する収支等の情報。
5 過去3年間のパワハラ、セクハラ、モラハラに関する職員からの報告事例と、消防本部の対応がわかる情報
6 平成30年12月4日に報道された渋川広域消防署西分署所属の職員の飲酒運転による書類送検の発表について、なぜ発表までに2ヶ月遅延したのか、また、飲酒運転にも拘らず停職3か月の懲戒処分について、その処分の重みの妥当性の理由がわかる情報。
7 組合職員による飲食店での代金踏み倒し事件の事実関係が分かる情報。
このほか、「渋川広域消防の報道機関・ブロガーとの内容説明裁判の内容と結果」、「中間管理職のパワハラ、暴言、会議中の怒声の実態」、「前消防長時代からの内部告発に対する数回にわたる隠蔽と放置」なども問題視されましたが、これらは情報開示請求になじまないため、請求から除外しました。
その結果、2019年1月22日部分開示されましたが、開示されたのは一部の文書のみで、内容を解析し真相を解明するまでには至らず、当会としてその後の追及を断念した経緯があります。
当時、開示された資料は下記のとおりです。
○講師派遣申請記録 ZIP ⇒ l.zip
l.zip
l.zip
l.zip
○渋消式火災防ぎょ戦術出版契約書と出版本の表紙・目次 ZIP ⇒ ahpo_.zip
○酒気帯び運転処分通知書 ZIP ⇒ cm.zip
渋川広域消防本部が編み出した「渋消式火災防ぎょ戦術」が全国の消防関係者の間で話題となり、各地の勉強会や講演会に引っ張りだこだった様子がうかがえます。内部通報はこうした派遣に伴う依頼元からの出張経費や謝礼の負担がきちんと経理上に反映されていないとの指摘でしたが、残念ながら当時、深く真相を究明するに至りませんでした。
(市民オンブズマン群馬)
**********消防訓練・勉強会2015年12月14日
渋消式火災防ぎょ戦術勉強会[群馬県]
去る平成27年12月12日(土)~13日(日)の2日間にわたり、群馬県消防学校において渋消式火災防ぎょ戦術勉強会が実施された。
この勉強会は群馬県・渋川広域消防本部が主催するもので、同本部が研究の末に生み出した渋消式火災防ぎょ戦術を学ぶという、全国でも珍しい消火技術に焦点をあてた数少ない勉強会である。
消防専門誌での紹介やガイドブックが発刊されたことで、いわゆる「渋消式」は全国から注目される存在となっている。そうした中、同本部では全国の消防本部からの問い合わせに対し、個別受託研修を行って対応している。そして、同時に消防職員個人からの問い合わせや、自己研鑽の場を求める声も多い。これに応える形で、同じ志の者が集結して共に学ぶ場として「渋消式火災防ぎょ戦術勉強会」を年1回開催している。
3回目となる今回は、北は青森南は沖縄まで全国70消防本部から132名の消防職員が参加。従来は同本部施設で実施されていたが、参加者が増加したことから今回は群馬県消防学校を舞台に実施されることとなった。
★唯一無二の渋消式★
この勉強会は、単純に火災防ぎょ戦術という手技を学ぶのではなく、消防力の整備指針や、それに基づく一般住宅火災の対応全般について、同本部が研究した内容などを集まった消防職員と一緒に学ぼうというのが基本スタンス。つまり、消防の基幹活動といえる火災防ぎょに関して多角的に学べるのが特徴であり、国内でもあまり行われていない取り組みといえる。
もちろん、手技としての渋消式火災防ぎょ戦術についても注目度が高い。
渋川広域消防式火災防ぎょ戦術(略称・渋消式)と名付けられたこの新戦術は、わずか13~14名という限られたマンパワーで、いかにして素早く筒先配備を行うかという点を大きなテーマとしている。
呼称40㎜のホースをベースとして耐火造建物に対して積極的な内部進入を行い迅速に火点を叩く「ヨンマル戦術」など、近年注目される火災防ぎょ戦術は「筒先側の動き」を中心に考えられているものが一般的なのに対し、いわゆる渋消式はその前段階、「指令から筒先配備までの間についての動きを最適化する」という発想で考えられている。さらに、既存の方法論や技術文献などを鵜呑みにすることなく、置かれた環境、車両、装備、人員、体制といったものを踏まえ、トライアル・アンド・エラーを繰り返し、その結果として生まれた戦術であるため、手技の一つひとつに至るまで「なぜそれが最適と判断したのか」という点が容易に理解できるのもポイントだ。
↑実技訓練は3グループに別れ、それぞれのブースで技術を体験する。訓練に先立って行われる説明を、記録をとりながら聞き入る参加者たち。↑
↑後部に吸管を収納した、いわゆるリア吸管仕様の車両。ロックを解除し吸管を担ぎ上げる。↑
↑吸管収納を容易にするひと工夫。吸管にビニールテープでマーキングを施し、ロック部分に収まる位置を明示している。↑
↑オールシャッター式の車両で、車体中央のポンプ室部分に吸管が収納されているセンター吸管仕様における伸長要領体験。↑
★目からウロコの連続!★
勉強会は1日目の座学において消防力の整備指針、消防水利の基準などのおさらいが行われる。消防人にとって「いまさら聞けない」といえる基礎知識の部分だが、だからこそ奥も深く、改めて読み解いていくと多くの発見がある。
消防力の整備指針における署所の設置基準数は「隣棟間隔が1~5mの火災では出動~放水開始が6.5分を超えると隣棟への延焼率が急に高くなる」というデータに基づく。そこから逆算していくと、出動から現地到着までを4.5分以内、放水準備から放水開始までを2分に抑えるというのが理想値になる。また、最先着隊による2口以上の放水が高い消火効果を得ているというデータもある。
ならば、どうすればこの理想値に近づくことが出来るのかという発想で、渋消式の研究は始まっている。
こうした経緯や考え方を知るということも、参加者にとっては大きな収穫なのだ。
「渋川と自分の所属が守るエリアでは、地域環境も消防体制も異なる。この戦術をそのまま自分の本部に取り入れることは難しい。だが、全ての要素について、考え方について参考に出来る部分がある」
失敗談といった経験も包み隠さず語られるのがこの勉強会。だからこそ、知識や手技そのものだけでなく、着目点や改善のためのアプローチ方法など、広い範囲にわたって発見が出来るのである。
↑勉強会では初披露となった前だしの実演展示。ヨリを解除しながら迅速に、そして華麗に吸管を延ばす。↑
↑吸管伸長要領の体験。単純な動作に思えても、簡単にはいかない。↑
★ひたすら延ばす★
救助系や救急系の勉強会であれば、想定訓練を軸とした実技訓練がつきものだ。一方の渋消式火災防ぎょ戦術勉強会では、火点に向かっての放水といった想定訓練は行われず、ホースバッグによるホース延長や、吸管伸長といった部分を中心に行われる。
渋消式のテーマは「6.5分以内の2口設定」の実現だ。そのためのキモになるのが、迅速な吸管伸長やホース延長なのである。したがって、勉強会2日目の実技訓練においても、これら技術を集中して学ぶのである。
参加者は3グループに別れ、それぞれのブースで時間の限りこれら技術を体験する。
★「ナイス延長!」★
訓練に集中すると、どうしても声が出なくなる。確認呼称をしやすい雰囲気作りとして、運営側の渋川広域消防本部スタッフは大きな声かけで場の雰囲気を盛り上げる。いつしか参加者同士が互いに声援を掛け合い、実施時にはしっかりと確認呼称の声が出せる。ちなみに、渋川広域消防本部では指導者にあえて若手を充てている。教えることで自ら学ぶ機会を与えているのだ。
渋消式は常に進化を続けている。したがって、勉強会の度に新要素に触れることができる。第3回の勉強会では、吸管伸長に「センター吸管車両における前出し」という要素が加わった。渋消式ではこれまで、車両中央のポンプ室に吸管を収納した車両において、吸管を車両後方へ伸長する方法が研究されていた。そして、次のステップとして、車両前方へ、1名で迅速に伸長する方法が編み出され、今回の勉強会で紹介された。
止まるところを知らぬ渋消式。ゆえに、何度参加しても新しい発見があるということなのだ。
ほかにも、渋川広域消防本部では日常の業務や現場活動を改善する大小さまざまなスゴ技を多く生み出している。こうした細部について説明を受けるだけでも、非常に勉強になるのだ。
勉強会の最後には、参加者たちの中から選抜された隊員により、ホースバッグによる2線4口延長と一斉放水が行われ、充実した2日間を締めくくった。
渋川広域消防本部では全国の消防職員と共に学ぶ中で、さらに学びを深め、今後も「渋消式」を育てていくことにしている。
↑勉強会の最後は、参加者たちの中から選抜された隊員によりホースバッグによる2線4口延長が行われた。↑
↑一斉放水。実火災ではこの筒先で火点を包囲する。↑
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