■岩野谷地区では、廃棄物処分場の計画が目白押しで、これまでに7か所を超すサンパイ場の計画が持ち上がり、その殆どは取り下げられることもなく、依然として、くすぶっており、いつ焼けボックイに火がつくのか、周辺住民は戦々恐々としています。
この背景として、地元岩野谷地区に蔓延る拝金主義があります。地元の環境保全より、目先のカネを重視する考え方の発端として、地元では中曽根派として安中市議会議長までのぼりつめ、不動産業を地元で営んでいた人物(今は故人)が、カネと脅しで地元住民を翻弄し、首都圏のサンパイ業者らの注目を集めてきた経緯があります。
いったん、こうした拝金主義的な風土がサンパイ業者の間に知られると、またたく間に全国的な注目を集めてしまうのです。
↑岡田市長の牧草小屋兼選挙事務所前に駐車するサンパイ運搬トラック。所有者は埼玉県秩父市の有限会社打木運輸。↑
■岩野谷地区は、吉井町(現高崎市)と富岡市と接しており、市の境界の向こうに位置する吉井町の上奥平地区は、既に数多くのゴミ処分場が設置され稼働しており、計画中のものも含めると2ケタになります。富岡市側にもすぐそばに市営の最終処分場があり、周辺には不法投棄のごみが散乱しています。また、この地区に廃棄物の中間処理業者の施設も多数あり、さながら「サンパイ銀座」の観を呈しています。
↑1月中ごろ、地元に配布されたチラシに添付されていた安中市岩野谷地区とその周辺の廃棄物処分施設の分布図。↑
全国のサンパイ業者垂涎の環境にある安中市岩野谷地区ですが、これまで、地元住民の反対運動がなかったわけではありません。しかし、前述のように、拝金主義にかられた地元の政治関係者や、その分け前にあずかろうとする一部の地元有力者らにより、反対運動は妨害され、鎮圧されてきました。
■そうした中で、「一か所でも廃棄物処分場をつくられたら地元は終わりだ」という危機感を抱き続けた僅かな住民だけが、先行していた㈱サイボウ(本社・埼玉県さいたま市)による管理型ゴミ処分場設置計画(当初は安定型サンパイ処分場計画)を必死に阻止すべく、許認可権を持つ群馬県や、意見書を県に上げる立場の安中市を相手取り、1つでも法廷闘争を十数件繰り広げましたが、すべて裁判所で敗訴させられました。
その結果、とうとう、平成19年4月、平成2年のサンパイ処分場計画でのスタートから実に17年間の歳月を経て、サイボウ環境㈱の名義で、しかしその実態は、イー・ステージ㈱(本社・長野県小諸市)とその親会社で業界大手の㈱市川環境エンジニアリング(本社・千葉県市川市)による管理型廃棄物処分場が設置され、稼働を始めてしまいました。
書類偽造などの刑事犯罪を告発したり、水源地域の水質や土壌、大気汚染問題を行政に問い続けて、最終的には裁判所での司法判断に活路を見出そうとして、あらゆる努力をはらった地元住民には無力感や喪失感が漂い始めましたが、それを見透かして、さらに畳みかけるように、サンパイ処分場設置の計画申請が群馬県と安中市に殺到しているのが、現在の地元の状況です。
■ところが、どういう風の吹きまわしか、先週、1月中旬に、地元の岩野谷地区全戸に対して、広報あんなかのおしらせ版など、安中市役所の印刷物と一緒に次の内容のチラシが配布されました。
**********
平成22年1月吉日
岩野谷の皆様へ
岩野谷地区に計画されているゴミ処分場について
岩野谷地区住民 入沢幸治 高橋一夫 依田豊一 宮澤忠信
白石 浩 岡村吉司 塚越又右ェ
皆様、明けましておめでとうございます。ご家族おそろいで新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
さて、私たちの住む岩野谷地区には現在一般廃棄物の最終処分場と産業廃棄物の中間処理施設がすでに2ヵ所稼働しています。そしてそのすぐ近くにあと3ヵ所の廃棄物最終処分場の計画が着々と進んでおり、設置された場合、合計5ヵ所の廃棄物処理施設は半径2km以内にすべて存在し密集することになります。
その上、隣接する高崎市、富岡市側にもすでに廃棄物最終処分場や中間処理施設が複数存在し、また、新たな計画も持ち上がっており「産廃銀座」が懸念されています。(別紙地図をご覧ください)
私たちはこのような現状を確認するため群馬県庁へ出向き担当者より説明を受け、この問題を地元の皆様に早急にお知らせする必要があると考えました。私たちには、私たち大人をはじめ、子どもや孫たちが安心して暮らせる地域を守る責任があります。
「私たちの地域にこれ以上のゴミ処理施設は設置しでほしくない」という意思表明をするため、後日、署名のご協力をお願いしたいと存じます。その際は皆様のご協力をぜひ、よろしくお願い申し上げます。
**********
■ここで「岩野谷地区住民」として連名されている方々は、岩野谷地区の1区から7区までの区長全員です。これまでは、一部の住民が、廃棄物処分場問題に対するこのような問題提起のチラシを地元に配布することがあっても、地元区長会の区長全員の名前で、こうしたチラシが、配布されることは画期的であり、前代未聞のことです。
この背景には、サンパイ処分場の推進派として、昨年3月まで岩野谷区長会長をしていた地元5区の赤見秀夫氏が、区長職を去ったことが一つの原因として考えられます。
なぜなら、赤見秀夫氏は、サイボウ環境による廃棄物処分場計画において、計画地に隣接して酪農業を営む農業委員の牧場主と組んで、業者側に有利なように、処分場設置にかかる行政手続きにおいて、地元代表としてさまざまな便宜を図っていたからです。また、赤見秀夫氏も牧場主も、岡田義弘安中市長の支援者で共通しています。ちなみに、赤見氏の家族は安中市役所の職員であり、牧場主は市長と同級生です。
■今回、岩野谷地区の区長会がチラシを配布して、「私たちの地域にこれ以上のゴミ処理施設は設置してほしくない」という意思表示のための署名活動を近々開始するという動きを見せていることは、これまで到底考えられなかったことです。
ここで、岩野谷地区の住民として、気を付けなければならないのは、なぜこの時期に、こうした署名活動が区長会主導で始まったのか、という点です。というのは、昨年3月にゴミ処分場施設の推進派だった赤見秀夫代表区長が去った時点で、なぜ処分場反対の動きがすぐに起きなかったのか、という疑問があるからです。
■安中市の岡田義弘市長は、区長会に対して非常に気を使っています。なぜなら、地元の意見として、区長が市役所に出す同意書や陳情書は、市役所が何か事務事業を行う場合、非常に都合がよいからです。それが利権にからむ案件の許認可にかかわる事業であればなおさらです。
最近の例を見れば、東京ガスの高圧ガス導管敷設事業をめぐり、岡田市長と東京ガスの間で最初に密約が交わされ、住民不在でその約束を実現するために、赤見秀夫代表区長に同意書を出させたケースが挙げられます。
■その反省に立ち、今度は区長会を使って、ゴミ処分場計画には積極的でないとする市長のイメージを間接的に住民に伝えるために、あえてこうしたチラシを区長会に配布させたのではないか。これまでもサンパイ行政に対する岡田市長の積極姿勢を見てきた住民にとっては、そうした疑念が払しょくしきれません。
市長選をあと2カ月半後に控えたこの時期に、反対署名をちらつかせ、ゴミ処分場の反対ムードを盛り上げて、あたかも岡田市政がゴミ処分場問題に関心があるかのようなイメージづくりとしているのではないのか…。地元住民が懸念する理由には、サイボウ環境の廃棄物処分場設置反対の署名を持ち込み、岡田市長(当時は市議)に請願のための紹介議員をお願いしたら、けんもほろろに拒否されたことから、岡田市長が廃棄物処分場に消極的であるはずはないと考えているからです。
■この点で、安中市民として気になることがあります。岡田市長が後援会発行として今年の元日に市内全戸に配布した昨年後半の「市長の一日」によると、10月8日(木)の11:00に「共和化工 吉村社長様来庁」とあることです。
この共和化工株式会社(Kyowa Kako Co., Ltd.)は、本社が東京都品川区西五反田にあり、昭和34年1月26日に設立、資本金4億円、従業員214名(平成19年6月)、売上高98億円(平成19年6月)の中堅企業で、事業内容は水処理事業とリサイクル事業、代表取締役社長は吉村俊治氏です。
■当会の調査によると、同社は、熊本県菊池郡大津町真木のJA熊本経済連「大津牧場」跡地をめぐり、土地所有者の経済連と一緒に産業廃棄物中間処理施設を計画していましたが、2006年11月17日に、地元住民の反対を受けて計画を断念した経緯があります。この牧場は経済連が所有し、売却を検討していた27ヘクタールの土地でした。
共和化工は、下水汚泥や家畜排せつ物などの有機性廃棄物を堆肥化する中間処理施設建設を計画し、2006年7月に事業概要書を熊本県に提出していました。これに対し、地元住民は「水資源への影響や農作物の風評被害が心配」として計画撤回を重ねて要望し、大津町議会が九月議会で反対要望書を可決したほか、大津町も反対の姿勢を明らかにしていました。このため経済連は「協議の進展が望めず、同社への売却は困難」と判断し、同社が県に事業概要書の取り下げを申し出て、同町は2006年10月下旬、熊本県から通知を受けました。
■また、2008年に宮崎県延岡市で最終処分場計画が浮上しました。その建設予定地は、北方地区総合運動公園隣接地(敷地面積約10ha)で、施設概要は埋立容量30万m3で開放型施設、概算事業費約30億円というものです。
2009年度初旬に基本計画と環境アセスが完了し、同年度内に施設の基本設計が発注予定。実施設計を22年度、本体工事を23、24年度の2年間で行い、最終的に25年度の施設稼働を目指すが、土木工事は、既に延岡市の役人と一緒に清水建設が施工した「佐賀県鎮西最終処分場」を内緒に見学している清水建設が本命と言われ、浸出水施設では共和化工の名前が挙がっています。
■同社はまた、2008年に関東地区で計画された産廃処分場建設用地を確保するため地元金融機関から資金を借り入れましたが、その計画が頓挫してしまい、返済のために、メインバンクの「西日本シティ銀行」から支援を受けたといわれます。
業界情報では、共和化工の企業体質はかなり衰弱しているともいわれ、なぜ、安中市の岡田市長にこの時期、同社の吉村社長自ら挨拶に来たのか、非常に気になるところです。
【ひらく会情報部】
この背景として、地元岩野谷地区に蔓延る拝金主義があります。地元の環境保全より、目先のカネを重視する考え方の発端として、地元では中曽根派として安中市議会議長までのぼりつめ、不動産業を地元で営んでいた人物(今は故人)が、カネと脅しで地元住民を翻弄し、首都圏のサンパイ業者らの注目を集めてきた経緯があります。
いったん、こうした拝金主義的な風土がサンパイ業者の間に知られると、またたく間に全国的な注目を集めてしまうのです。
↑岡田市長の牧草小屋兼選挙事務所前に駐車するサンパイ運搬トラック。所有者は埼玉県秩父市の有限会社打木運輸。↑
■岩野谷地区は、吉井町(現高崎市)と富岡市と接しており、市の境界の向こうに位置する吉井町の上奥平地区は、既に数多くのゴミ処分場が設置され稼働しており、計画中のものも含めると2ケタになります。富岡市側にもすぐそばに市営の最終処分場があり、周辺には不法投棄のごみが散乱しています。また、この地区に廃棄物の中間処理業者の施設も多数あり、さながら「サンパイ銀座」の観を呈しています。
↑1月中ごろ、地元に配布されたチラシに添付されていた安中市岩野谷地区とその周辺の廃棄物処分施設の分布図。↑
全国のサンパイ業者垂涎の環境にある安中市岩野谷地区ですが、これまで、地元住民の反対運動がなかったわけではありません。しかし、前述のように、拝金主義にかられた地元の政治関係者や、その分け前にあずかろうとする一部の地元有力者らにより、反対運動は妨害され、鎮圧されてきました。
■そうした中で、「一か所でも廃棄物処分場をつくられたら地元は終わりだ」という危機感を抱き続けた僅かな住民だけが、先行していた㈱サイボウ(本社・埼玉県さいたま市)による管理型ゴミ処分場設置計画(当初は安定型サンパイ処分場計画)を必死に阻止すべく、許認可権を持つ群馬県や、意見書を県に上げる立場の安中市を相手取り、1つでも法廷闘争を十数件繰り広げましたが、すべて裁判所で敗訴させられました。
その結果、とうとう、平成19年4月、平成2年のサンパイ処分場計画でのスタートから実に17年間の歳月を経て、サイボウ環境㈱の名義で、しかしその実態は、イー・ステージ㈱(本社・長野県小諸市)とその親会社で業界大手の㈱市川環境エンジニアリング(本社・千葉県市川市)による管理型廃棄物処分場が設置され、稼働を始めてしまいました。
書類偽造などの刑事犯罪を告発したり、水源地域の水質や土壌、大気汚染問題を行政に問い続けて、最終的には裁判所での司法判断に活路を見出そうとして、あらゆる努力をはらった地元住民には無力感や喪失感が漂い始めましたが、それを見透かして、さらに畳みかけるように、サンパイ処分場設置の計画申請が群馬県と安中市に殺到しているのが、現在の地元の状況です。
■ところが、どういう風の吹きまわしか、先週、1月中旬に、地元の岩野谷地区全戸に対して、広報あんなかのおしらせ版など、安中市役所の印刷物と一緒に次の内容のチラシが配布されました。
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平成22年1月吉日
岩野谷の皆様へ
岩野谷地区に計画されているゴミ処分場について
岩野谷地区住民 入沢幸治 高橋一夫 依田豊一 宮澤忠信
白石 浩 岡村吉司 塚越又右ェ
皆様、明けましておめでとうございます。ご家族おそろいで新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
さて、私たちの住む岩野谷地区には現在一般廃棄物の最終処分場と産業廃棄物の中間処理施設がすでに2ヵ所稼働しています。そしてそのすぐ近くにあと3ヵ所の廃棄物最終処分場の計画が着々と進んでおり、設置された場合、合計5ヵ所の廃棄物処理施設は半径2km以内にすべて存在し密集することになります。
その上、隣接する高崎市、富岡市側にもすでに廃棄物最終処分場や中間処理施設が複数存在し、また、新たな計画も持ち上がっており「産廃銀座」が懸念されています。(別紙地図をご覧ください)
私たちはこのような現状を確認するため群馬県庁へ出向き担当者より説明を受け、この問題を地元の皆様に早急にお知らせする必要があると考えました。私たちには、私たち大人をはじめ、子どもや孫たちが安心して暮らせる地域を守る責任があります。
「私たちの地域にこれ以上のゴミ処理施設は設置しでほしくない」という意思表明をするため、後日、署名のご協力をお願いしたいと存じます。その際は皆様のご協力をぜひ、よろしくお願い申し上げます。
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■ここで「岩野谷地区住民」として連名されている方々は、岩野谷地区の1区から7区までの区長全員です。これまでは、一部の住民が、廃棄物処分場問題に対するこのような問題提起のチラシを地元に配布することがあっても、地元区長会の区長全員の名前で、こうしたチラシが、配布されることは画期的であり、前代未聞のことです。
この背景には、サンパイ処分場の推進派として、昨年3月まで岩野谷区長会長をしていた地元5区の赤見秀夫氏が、区長職を去ったことが一つの原因として考えられます。
なぜなら、赤見秀夫氏は、サイボウ環境による廃棄物処分場計画において、計画地に隣接して酪農業を営む農業委員の牧場主と組んで、業者側に有利なように、処分場設置にかかる行政手続きにおいて、地元代表としてさまざまな便宜を図っていたからです。また、赤見秀夫氏も牧場主も、岡田義弘安中市長の支援者で共通しています。ちなみに、赤見氏の家族は安中市役所の職員であり、牧場主は市長と同級生です。
■今回、岩野谷地区の区長会がチラシを配布して、「私たちの地域にこれ以上のゴミ処理施設は設置してほしくない」という意思表示のための署名活動を近々開始するという動きを見せていることは、これまで到底考えられなかったことです。
ここで、岩野谷地区の住民として、気を付けなければならないのは、なぜこの時期に、こうした署名活動が区長会主導で始まったのか、という点です。というのは、昨年3月にゴミ処分場施設の推進派だった赤見秀夫代表区長が去った時点で、なぜ処分場反対の動きがすぐに起きなかったのか、という疑問があるからです。
■安中市の岡田義弘市長は、区長会に対して非常に気を使っています。なぜなら、地元の意見として、区長が市役所に出す同意書や陳情書は、市役所が何か事務事業を行う場合、非常に都合がよいからです。それが利権にからむ案件の許認可にかかわる事業であればなおさらです。
最近の例を見れば、東京ガスの高圧ガス導管敷設事業をめぐり、岡田市長と東京ガスの間で最初に密約が交わされ、住民不在でその約束を実現するために、赤見秀夫代表区長に同意書を出させたケースが挙げられます。
■その反省に立ち、今度は区長会を使って、ゴミ処分場計画には積極的でないとする市長のイメージを間接的に住民に伝えるために、あえてこうしたチラシを区長会に配布させたのではないか。これまでもサンパイ行政に対する岡田市長の積極姿勢を見てきた住民にとっては、そうした疑念が払しょくしきれません。
市長選をあと2カ月半後に控えたこの時期に、反対署名をちらつかせ、ゴミ処分場の反対ムードを盛り上げて、あたかも岡田市政がゴミ処分場問題に関心があるかのようなイメージづくりとしているのではないのか…。地元住民が懸念する理由には、サイボウ環境の廃棄物処分場設置反対の署名を持ち込み、岡田市長(当時は市議)に請願のための紹介議員をお願いしたら、けんもほろろに拒否されたことから、岡田市長が廃棄物処分場に消極的であるはずはないと考えているからです。
■この点で、安中市民として気になることがあります。岡田市長が後援会発行として今年の元日に市内全戸に配布した昨年後半の「市長の一日」によると、10月8日(木)の11:00に「共和化工 吉村社長様来庁」とあることです。
この共和化工株式会社(Kyowa Kako Co., Ltd.)は、本社が東京都品川区西五反田にあり、昭和34年1月26日に設立、資本金4億円、従業員214名(平成19年6月)、売上高98億円(平成19年6月)の中堅企業で、事業内容は水処理事業とリサイクル事業、代表取締役社長は吉村俊治氏です。
■当会の調査によると、同社は、熊本県菊池郡大津町真木のJA熊本経済連「大津牧場」跡地をめぐり、土地所有者の経済連と一緒に産業廃棄物中間処理施設を計画していましたが、2006年11月17日に、地元住民の反対を受けて計画を断念した経緯があります。この牧場は経済連が所有し、売却を検討していた27ヘクタールの土地でした。
共和化工は、下水汚泥や家畜排せつ物などの有機性廃棄物を堆肥化する中間処理施設建設を計画し、2006年7月に事業概要書を熊本県に提出していました。これに対し、地元住民は「水資源への影響や農作物の風評被害が心配」として計画撤回を重ねて要望し、大津町議会が九月議会で反対要望書を可決したほか、大津町も反対の姿勢を明らかにしていました。このため経済連は「協議の進展が望めず、同社への売却は困難」と判断し、同社が県に事業概要書の取り下げを申し出て、同町は2006年10月下旬、熊本県から通知を受けました。
■また、2008年に宮崎県延岡市で最終処分場計画が浮上しました。その建設予定地は、北方地区総合運動公園隣接地(敷地面積約10ha)で、施設概要は埋立容量30万m3で開放型施設、概算事業費約30億円というものです。
2009年度初旬に基本計画と環境アセスが完了し、同年度内に施設の基本設計が発注予定。実施設計を22年度、本体工事を23、24年度の2年間で行い、最終的に25年度の施設稼働を目指すが、土木工事は、既に延岡市の役人と一緒に清水建設が施工した「佐賀県鎮西最終処分場」を内緒に見学している清水建設が本命と言われ、浸出水施設では共和化工の名前が挙がっています。
■同社はまた、2008年に関東地区で計画された産廃処分場建設用地を確保するため地元金融機関から資金を借り入れましたが、その計画が頓挫してしまい、返済のために、メインバンクの「西日本シティ銀行」から支援を受けたといわれます。
業界情報では、共和化工の企業体質はかなり衰弱しているともいわれ、なぜ、安中市の岡田市長にこの時期、同社の吉村社長自ら挨拶に来たのか、非常に気になるところです。
【ひらく会情報部】